トップリーグ 2016-2017 第2節 記者会見レポート(クボタ 10-27 トヨタ自動車)

トップリーグ2016-2017 第2節
2016年9月4日(日)13:00キックオフ/北海道・月寒屋外競技場 (月寒ラグビー場)
クボタスピアーズ 10-27 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

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曇り空の札幌月寒ラグビー場、涼しさを感じさせる風が吹く中、ジャパンラグビートップリーグ第2節、クボタスピアーズ対トヨタ自動車ヴェルブリッツの試合が行われた。北海道では唯一開催されるトップリーグの公式戦に1850人の観客が集まった。

試合は、風下から攻めるトヨタ自動車のキックオフで始まり、まず前半7分にトヨタ自動車がSO文字隆也のペナルティーゴールで3点を先制した。しかしクボタはすぐに反撃し、直後の9分、SOルイ・フーシェが風上を利してハーフライン付近からドロップゴールを狙う。これは惜しくも外れるも、11分にはゴール前のラックから左に展開しFLグラント・ハッティングが切れ込んでトライし、ゴールも決まって7-3と逆転した。

トヨタ自動車は、26分にPGを決められ3-10と追加点を奪われてから反撃、28分の反則で得たペナルティーではショットを狙わずにタッチに蹴りだし、続くラインアウトからモールを押し込んで29分にNo8タウファ・オリヴェがトライした。クボタは34分に再びドロップゴールを狙うが外し、逆にトヨタ自動車が終了間際の39分に、右に展開してWTB彦坂匡克が右隅に飛び込んでトライ、ゴールは決まらなかったが13-10と再逆転して前半を終えた。

後半はクボタのキックオフで開始。風上に位置するトヨタ自動車がキックをうまく使い敵陣に入る場面が多くなった。得点は13分、ゴール前のライン攻撃からSO文字がインゴールにショートキックを送り、それをCTBタウモエピアウが押さえてトライ、ゴールも決めて20-10と突き放した。

その後はトヨタ自動車がキックでエリアを取り、さらにPRルアーン・スミスを中心としたスクラムやモールでも優位に立って試合をコントロールするも、クボタもタックルからボールに絡んでトヨタ自動車の反則を誘うなどして得点は許さないという攻防が続いた。しかし29分、トヨタ自動車はゴール前のラックから左に展開、WTB彦坂が再び飛び込んでトライ、SO文字がキックも決めて27-10として試合を決めた。

試合はこのままノーサイド。反則数はクボタが7(前半4)でトヨタ自動車が10(前半4)。マン・オブ・ザ・マッチには、勝負どころで2つのトライを決めたトヨタ自動車の彦坂匡克選手が選ばれた。

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クボタスピアーズ

フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「先週のパフォーマンスに比べ、今週はフラストレーションが溜まる試合だった。前半風上で点を取っていきたかったが、それができず後半厳しくなってしまった。ボールを保持できず、ラインアウトやスクラムでもミスが出た。ターンオーバーからいい試合に持っていくこともできなかった。長いシーズンの2試合目ということもあり、来週から立て直していきたい」

立川理道主将

「大事なところでミスがあり、自分たちの形でラグビーができなかった。前半は風を利用してエリアが取れたが、後半は敵陣に行けず、アタックもできず、何もできずに終わってしまった」

──月寒の芝の状態はいかがだったでしょう

立川主将

「個人的には、少し芝が長かったという印象がある。たくさんのお客さんに来ていただいたので、もう少しいい試合ができればよかった。地方で試合をするという貴重な経験ができた」

──次節からは、どんな点を具体的に立て直していきたいか?

ルディケ ヘッドコーチ

「風上ではキックでエリアを取っていくつもりだった。が、シェイプが変わってしまい、思い通りにいかなかった。後半はセットピースが課題だった。先週のようにボールをよく動かして、前に動かして、スペースに向かってボールを運ぶ、そして動かし続ければ、もっとよくなると思う。今日はそれができなかった」

立川主将

「まずはセットピースの精度向上。次は土曜日ということで短い時間しかないので、集中してチームのやりたいことを皆で共有していきたい。フィジカルのアップより、とにかく精度を高めていきたい」

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トヨタ自動車ヴェルブリッツ

菅原大志監督

「トップリーグを北海道でやるのはこの試合が唯一、そこでトヨタらしいラグビーができてよかった。先週のゲームから、ゴール前のディフェンスとか、スクラムとか、前進できている。ただミスも多かったので、来週まで短い期間だがいい準備をしてステップアップできるようにしたい」

安藤泰洋主将

「涼しくてやりやすかった。フォワードは、フィジカルにスクラムもモールも一般のプレーも、キープ力が高く、よかったと思う。バックスも、チャンスをものにしてくれた。一週間練習でやってきたことを、今日はしっかり出せたのでハッピー。課題もあるので、次の試合までの5日間で修正していきたい」

──今日は文字選手がうまく試合をコントロールしていたように見えた。彼にはチームとしてどんなことを求めているか。

菅原監督

「今日はクボタさんのディフェスが整備されていた中で、相手のスペースをよく見て攻めていってくれた。チームの各選手には役割があって、それぞれが実行力をつけていくことが大事。これからはプレッシャーも強くなってくる。彼には、そんな中でスキルの正確性、新しいスキルより今あるスキルをさらに高めてもらえればと思う。

──前後半で風向きが変わったが、その影響は?

安藤主将

「風下の前半は相手にリードされていても焦らずにやろうと話していた。後半は3点差だったので、後半は思い切って攻めていこうと思い、その通りできた」

──課題を具体的に挙げるとした?

安藤主将

「例えば前半、タッチキックのミスやノックオンなど、チャンスでミスがあった。これから強い相手と試合するときには、しっかりとチャンスをものにしていかないといけない」

──トスは勝ったか?

安藤主将

「勝った。勝ってボールを取った。風下を取りたかったが、後半どう変わるか読めなかったので、とりあえずボールを選びキックオフで圧力をかけようと思った。結果として相手が風上を取ってくれたので、いい形になった。

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(写真提供:阿部 典子)

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