トップリーグ 2016-2017 weekly preview:第4節 事務機ダービー編

共に言葉ではなくプレーで引っ張るタイプのキヤノン庭井、リコー馬渕両主将。ダービーを前に闘志を燃やす photo by Kenji Demura

共に言葉ではなくプレーで引っ張るタイプのキヤノン庭井、リコー馬渕両主将。ダービーを前に闘志を燃やす photo by Kenji Demura

text by Kenji Demura

今年も秩父宮が赤と黒/黒と赤に熱く二分される
キヤノン – リコー戦は16日の金曜ナイター開催

レッド OR ブラック。
今年もトップリーグ一熱いと言っても過言ではない宿命の一戦が迫ってきた。

赤のキヤノンイーグルス対黒のリコーブラックラムズというチームカラーも対照的な“事務機ダービー”だ。
今季はジャパンラグビー トップリーグ 2016-2017第4節の一戦として、9月16日の金曜日に東京・秩父宮ラグビー場で行われる(19:30)。

共に第3節を終わって、1勝2敗。
シーズン中盤戦に向けて一気に勢いに乗るためにも、ライバル企業とのダービーマッチは双方にとって絶対に負けられない試合となる。

奇しくも、共に今季は新主将の下、飛躍のシーズンとすべく奮闘中だが、新たなスキッパーに指名された2人は、特別な試合についてのチーム周辺での盛り上がりに関して以下のように語る。

「会社でも『他のチームに負けてもリコーには負けるな』と言われるくらい特別なもの。事務機はメイン事業のひとつだし、プライドを持っている。どうしても、『リコーだけには』という感じになる」(キヤノンHO庭井祐輔主将)

「『キヤノン戦は絶対に見に行くので、頑張ってくれ』と言われたり、会社の中でも特別なものという意識は高いし、一番盛り上がる。日頃お世話になっている職場のみなさんに、頑張っている姿を見せたい」(リコーLO馬渕武史主将)

ちなみに、トップリーグでの“赤黒・事務機ダービー”はキヤノンがトップリーグへの昇格を果たした12年からスタート。
12年、13年と、リコーがトップリーグの先輩チームとしての貫禄を示すかたちで連勝(12年=35 – 17、12年=25 – 20)した後、14年はキヤノンがリベンジ(33 – 21)。
昨年はプレシーズンリーグでの対戦だったが、リコーが22 – 19で競り勝っている。

試合以外のライバル対抗イベントも充実
赤・黒カレー対決にハイパンキャッチも

「負けると、その後、会社に行きづらくなる」
そう声を揃える両主将。
9月第3週の週明けに胸を張って出社できるようにするためにも、しっかりライバルを倒したいところだが、そのポイントに関しては以下のように見ている。

「(リコーは)すごくポテンシャルの高いチーム。彼らのプレーをさせてしまったら、止められない。相手の強みをしっかりつぶして、好きなようにさせない」(キヤノン庭井主将)

「(キヤノンは)FWが強い。スクラムにしろ、ラインアウトにしろ、FWを前面に出してくる。なので、FW戦では絶対に負けたくない」(リコー馬渕主将)

また、ライバル倒しのキーマンになりそうな選手を訊いたところ、それぞれ以下のような名前が挙がった。

LOアニセ サムエラ(「セットプレーで鍵になる」)、FL嶋田直人(「先陣を切ってタックルに行ってくれる」)、CTB/WTBハヴィリ リチャードアファ(「去年登録が間に合わなかった悔しさがある」、以上キヤノン)。

NO8松橋周平(「新人ながらDFが固く、チームを引っ張ってくれている」)、CTBアマナキ・ロトアヘア(「素質は代表レベル」、以上リコー)。

もちろん、あるいは似たタイプと言っていいかもしれない両主将のキャプテンシーも、チームがライバルを圧倒するための原動力になる。

「自分はうまい選手ではないし、口がうまいわけでもない。その分、しっかり体を当てて、泥臭い部分で引っ張っていく」(キヤノン庭井主将)

「言動で引っ張るより、行動で引っ張りたい。ひと一倍、体を張って、チームを盛り上げていきたい」(リコー馬渕主将)

この事務機ダービー、ラグビーの試合以外にも、“対戦イベント”が組まれている。
当日の会場では、「赤チキンカレー」と「黒ビーフカレー」のオリジナルフードが販売され(価格はいずれも税込500円)、ハーフタイムまでの販売数で勝敗を競う他、ハーフタイムには両社の社員によるハイパントキャッチ対抗戦も行われる予定(「社員対抗 ハイパントキャッチ!」)。

秩父宮が赤と黒に二分されるダービーマッチの醍醐味は現場で味わってこそ魅力倍増となるのは紛れもない事実である。

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