トップリーグ 2016-2017 第3節 記者会見レポート(東芝 21-19 キヤノン)

トップリーグ2016-2017 第3節
2016年9月10日(土)18:00キックオフ/神奈川・日産スタジアム
東芝ブレイブルーパス 21-19 キヤノンイーグルス

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初開催 日産スタジアム
2019RWC決勝も行われるこのピッチで初のトップリーグが開催された。

好天の日産スタジアムには試合開始前2時間以上前から入場門の前には長蛇の列になった。初開催となったこの日は、試合前のイベントとして、ピッチ見学やアイドルグループALLOVER、楕円桜の渡瀬あつ子のミニライブ、元ラグビー日本代表廣瀬氏、リオデジャネイロオリンピック女子セブンズ代表山口選手、鈴木選手、女子レフリーの川崎桜子さんのトークショーが行われることもあり、早めの来場者が増えたこともあるが、何より2019RWC決勝戦を行う会場での試合に注目が高まった事も無視できないであろう。
試合前のイベントも終わり、両チームメンバー紹介から両チームサポーターの応援のヒートアップも加わってか、ピッチの蒸し暑さがやや増してきた日産スタジアムでTL最初のキックオフが戸田レフリーのホイッスルから鳴り響く。試合は、日産スタジアムでの初めての試合にふさわしい、両チーム一歩も引かない素晴らしい戦いとなった。試合開始4分東芝がキヤノン10m付近から連続攻撃して最後は11番松岡久善がトライ。SH小川高廣のゴールも決まり東芝ペースになるかと思われたが、18分ころの東芝5番の小瀧尚弘がイエローカードでWTB豊島翔平のキックパストライがキャンセルとなってから、東芝にアタックミスが目立ち始める。29分にはキヤノンSOジャンクロード・ルースのドロップゴール、40分に同じくSOルースのPGが決まり、東芝もPGを返して前半を10-6で折り返す。後半も流れはスクラムワークで優位に立つキヤノンのペース。50分にキヤノンSOルースがPGを決めて10-9とする。同時に、キヤノンはスクラムの前3人を入れ替えた。

0910_002その後、18分に東芝SH小川のPGで13-9と引き離すが、22分にキヤノン庭井祐輔から代わった16番金子が左隅にトライして13-14と逆転する。ゴールも決まり13-16。さらに30分にはキヤノンSOルースのゴール正面のPGも決まって13-19と差を広げた。このままキヤノンの勝利かと思われたが33分に東芝がキヤノンゴール前でフェースを重ねて、最後は14番豊島が右隅にトライして18-19と1点差に迫る。最後は、キヤノンゴール前22m付近キヤノンボールのスクラムを東芝が奪い取って攻め続け、39分にキヤノンが痛恨のペナルティを取られて、東芝SH小川が確実にPGを決めて21-19逆転した。スクラムは終始キヤノンがリードしたが、最後に東芝がスクラムのボールを奪い取っての逆転勝ちであった。東芝は、新加入のSO田村が、天性のステップワークでたびたびラインブレイクし、最後の逆転劇のきっかけを作った。

キヤノンは、試合終盤までスクラムワーク、SOルースのキック、NO8トムソンの要所での活躍もあったが、勝利の女神は東芝に微笑んだ。マンオブザマッチは、終始安定したパスワークと逆転のPGを決めたSH小川が受賞した。

TL史上、秩父宮ラグビー場以外で、約1万1千人を越える観客動員は初めてのことである。大きなスタンドではたとえ1人でも、応援する声援が大きく響き渡っていた。これが7万人の観衆で埋まるとなると楽しみでならない。
(神奈川県ラグビー協会 勝又)

◎キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスの永友監督(右)、庭井キャプテン

キヤノンイーグルスの永友監督(右)、庭井キャプテン

○永友洋司監督

「まず選手は本当に頑張ってくれたと思います。この2点差は、ある意味、どのチームも東芝さんと対戦したときにチーム力の差として感じるのではないかと思います。これを乗り越えられないのがチャンピオンチームとそれ以外のチームの差だと思います。一人一人のスキル、判断力、取りきる所が我々より東芝さんが上回っていたと思います。選手達の頑張りを、乗り越えさせてやれてない私の不甲斐なさにも腹が立つ所でもあります。この乗り越えられない所を乗り越えるためにも、覚悟を持って明日から取り組んでいかないといけません。また次のゲームも同じような取り組みができるかという所も課題だと思いますので、明日から頑張っていきたいと思います」

○庭井裕輔キャプテン

「まず前半から、相手のプレッシャーに飲まれてしまったという所、フィジカルが強いチームなのでそこで真っ向勝負しようということを話していましたが、そこで負けてしまったのが点差が広がってしまった原因だと思います。後半はリアクションという部分を修正できまして、いい展開にもっていけたのですが、やはり勝負所は、東芝さんの方がよくわかっていたと思います。特に最後のスクラム、押されてしまったという所が東芝さんの勝負を見極める力が上だったということです。下を向いてしまってもしょうがないので、次に向けて頑張っていきたいと思います」

・県協会へ
「今日は会場までお越しいただいて、誠にありがとうございます。ラグビーというスポーツはとても素晴らしいもので、今日は負けてしまいましたけど両チーム共に力を出し切って切磋琢磨できたのではないかと思ってます。ラグビーだけではないのですが、本当に何でもやってみるということは大切なこと。ラグビーをやったことのない子供達には是非体験してもらいたいと思います。そして日本代表を目指していきましょう」

◎東芝ブレイブルーパス

東芝ブレイブルーパスの冨岡監督(右)、リーチ ゲームキャプテン

東芝ブレイブルーパスの冨岡監督(右)、リーチ ゲームキャプテン

◯冨岡鉄平監督

「試合前の自分たちが思い描いていた形とは違う形になりましたが、試合に勝ててよかったです。今日選ばれた23名はしっかりと責任を果たしてくれたと思います。対戦相手のキヤノンさんは、80分間集中力が切れず、リザーブで入ってきた選手達の活躍も見ていると、改めて底上げがうまくいって強豪チームの仲間入りをしてきたなというのを強く感じました」

・県協会へ
「今日の観客数1万1千人、これを集めるには協会や町の方の尽力なしではできないことだと思います。これに対しては心から感謝したいと思います。今日実は私はピッチに入ってびっくりしまして、とてもたくさんのお客さんが入っていたもので。我々選手・チームは日々トレーニングをしていい試合をするしかないんですけど、こんなに多くの観客を集めてくださって始めて素晴らしい試合ができるということもあるので、今後も是非たくさんのお客さんを呼んでいただければと思います。ありがとうございました」

◯リーチマイケル ゲームキャプテン

「週のはじめに、キヤノンをしっかりリスペクトして戦わないといけないということをチームに言ってこの1週間練習してきました。僕の中では絶対タイトな試合になると思っていたし、このタイトな試合を勝てたというのは次につながると思います。3試合目にしてまた課題が出てきて、来週のヤマハ戦に向けていい準備をしていきたいと思います」

・県協会へ
「今日の試合、キヤノン対東芝、お互いすごいファイトをして自分たちのラグビーができたと思います。子供達にはどんどん試合を見に来てもらって、何かを感じてもらえればうれしいです。2019年、このスタジアムが満杯になるように、選手としても頑張っていきたいです」

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