トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第2節

text by Kenji Demura

金曜日の秩父宮ではリコーがサントリーに挑戦し、東芝 – NTTコム戦も
土曜日は関東(熊谷)、中部(名古屋)、関西(大阪、神戸)で各2試合

史上最も早い開幕となったジャパンラグビー トップリーグ2017-2018。

25、26日の2日間に渡って計5会場で行われる第2節も26日にダブルヘッダーが組まれている埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場と愛知・パロマ瑞穂ラグビー場の第1試合が16:30キックオフであるものの、基本的にはどの会場もナイトゲームでの開催となる。

NEC戦に続いてNTTコム戦でも東芝の司令塔を務める新人SO中尾。東芝の強さは本物か? photo by Kenji Demura

NEC戦に続いてNTTコム戦でも東芝の司令塔を務める新人SO中尾。東芝の強さは本物か?
photo by Kenji Demura

「番狂わせなし」。
開幕節で起きたことをひと言でまとめるなら、そうなるだろうか。
あるいは「上位陣が順当勝ち」でもいいかもしれない。
開幕節の8試合中、昨季の成績が対戦相手よりも下位だったチームが上位チームを破ったのはリコーブラックラムズがNTTコミュニケーションシャイニングアークスに17—13で勝った1試合のみ。
それ以外の対戦は見事なまでに昨季の順位通りに勝敗が決するかたちとなった。

唯一、下克上が起きたNTTコム対リコーも実際には昨季5位と6位の対戦で、最も勝敗予想が難しかった試合のひとつだったことは間違いないだろうし、NTTコムサイドとしても下位チームと対戦するという意識はなかったはずだ。

という具合に、昨季の上位陣を中心にしっかりと開幕に照準を合わせて好スタートを切ったチームが多い印象のトップリーグ2017-2018。

第2節では、開幕節で好印象を残したチーム同士の対戦もあり、どのチームが序盤戦を制していくのか興味は尽きない。

前述のリコーとNTTコムは再び金曜日の東京・秩父宮ラグビー場に登場。
リコーは昨季の覇者サントリーサンゴリアス(19:30)、NTTコムは東芝ブレイブルーパス(17:00)とそれぞれ対戦する。

開幕節で「今日の内容ではファイナルでは勝てない」(SH流大主将)と言いながらもキヤノンから5トライを奪う快勝ぶりを見せた王者サントリーのアタッキングラグビーを、「ディフェンスが我々の強み。春からしっかりトレーニングしてきた」(神鳥裕之監督)というリコーがどれくらい止められるかが一番のポイントか。

そして、瀬川智広新監督の下、春夏シーズンから“らしい”戦いぶりで“復活”の気配を感じさせる東芝が、昨季「フィジカルで後手に回った」(SO/CTB森田佳寿副将)結果、敗れたNTTコムに対してどんなリベンジ戦を見せるのか。
開幕節のNECグリーンロケッツ戦では雷雨のため約1時間半中断するという難しい条件にもかかわらず20−0で零封してみせた東芝が、NTTコム相手にもコンタクトエリアを支配できるようなら、復活は本物と言えそうだ。

もちろん、開幕2連敗は絶対避けたいNTTコムとしても、FL金正奎主将、LOヴィリー・ブリッツ、NO8アマナキ・レレィ・マフィなどの豪腕たちを中心にコンタクトエリアで優位に立って、フィジカルバトルを制したいところだろう。

第2節の金曜開催はこの秩父宮の2試合のみ。土曜日の関東開催は前述のとおり、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にて。
NEC – コカ・コーラレッドスパークス(16:30)戦とパナソニック ワイルドナイツ – キヤノンイーグルス(19:00)戦の2試合が予定されている。

開幕節でさっそくトライを奪ったパナソニックWTB福岡。同じくトライを決めた同・山田と共にトライ王候補だ photo by Kenji Demura

開幕節でさっそくトライを奪ったパナソニックWTB福岡。同じくトライを決めた同・山田と共にトライ王候補だ
photo by Kenji Demura

開幕節で早くも6トライを挙げてクボタスピアーズを圧倒するなど、例年にない仕上がりの良さで開幕を迎えた印象のパナソニックは、「素晴らしい勝利。内容が良かったし、ハッピー」と、初戦に続いてロビー・ディーンズ監督を満足させるようなレベルの高いパフォーマンスを続けることができるのか。
貫禄の仕事人ぶりでマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたFL布巻峻介主将などFW陣のフィジカルなプレーも印象的だったが、SOベリック・バーンズを筆頭にWTB山田章仁、同・福岡堅樹、FB森谷圭介のバックスリー、新人のCTB松田力也など誰がボールを持っても期待感が半端ないメンバーが揃うBK陣の充実ぶりはリーグ随一と言っていいだろう。

同じく26日土曜日には大阪、神戸の関西圏および中部圏(名古屋)でも2試合ずつが行われる。

大阪・キンチョウスタジアムでは、前節、SO重光泰昌の劇的な逆転DGで幸先のいい開幕スタートを切った近鉄ライナーズと、豪雨の中、ヤマハ発動機ジュビロと一進一退の攻防を繰り広げたトヨタ自動車ヴェルブリッツが対戦(17:00)。

兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場では、前節、昇格組のNTTドコモレッドハリケーンズに対してSHアンドリュー・エリス、LOアンドリース・ベッカー、FBコディ・レイなど外国人選手の活躍もあって、39−16と快勝した神戸製鋼コベルコスティーラーズが、コカ・コーラとの九州ダービーを制した宗像サニックスブルースと対戦。
共に、派手なアタッキングラグビーを特徴とする両チームだけに、トライの取り合いが見られそうだ。

愛知・パロマ瑞穂ラグビー場の2試合はNTTドコモ−クボタ(16:30)、豊田自動織機シャトルズ−ヤマハ発動機(19:00)という対戦カードとなっている。

開幕戦でトライを決めたWTB小原。ホワイトHCが若手を抜擢するトヨタ自動車は大阪で近鉄と対戦 photo by Kenji Demura

開幕戦でトライを決めたWTB小原。ホワイトHCが若手を抜擢するトヨタ自動車は大阪で近鉄と対戦
photo by Kenji Demura

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