トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第4節
text by Kenji Demura
全勝・神戸製鋼が秩父宮の金曜ナイター=NEC戦で関東初お目見え
サントリー – NTTコムは土曜秩父宮。ヤマハ発動機は地元で対リコー
まだ真夏と言ってよかった8月18日に開幕したジャパンラグビー トップリーグ2017−2018も先週末までに3節が終了。
早くもスタートダッシュに成功したチーム、やや失敗したチームなど、明暗が分かれるかたちとなっている。
まずは、ここまでの両カンファレンスごとの成績をまとめておこう。
<レッドカンファレンス>
1.神戸製鋼コベルコスティーラーズ | 3勝0敗(14) |
2.サントリーサンゴリアス | 3勝0敗(14) |
3.トヨタ自動車ヴェルブリッツ | 2勝1敗(11) |
4.NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 2勝1敗(10) |
5.クボタスピアーズ | 1勝2敗(5) |
6.東芝ブレイブルーパス | 1勝2敗(4) |
7.近鉄ライナーズ | 1勝2敗(4) |
8.NTTドコモレッドハリケーンズ | 1勝2敗(4) |
<ホワイトカンファレンス>
1.パナソニック ワイルドナイツ | 3勝0敗(15) |
2.ヤマハ発動機ジュビロ | 2勝1敗(10) |
3.NECグリーンロケッツ | 2勝1敗(9) |
4.リコーブラックラムズ | 2勝1敗(9) |
5.宗像サニックスブルース | 1勝2敗(4) |
6.豊田自動織機シャトルズ | 0勝3敗(1) |
7.コカ・コーラレッドスパークス | 0勝3敗(1) |
8.キヤノンイーグルス | 0勝3敗(0) |
( )内の数字は勝ち点
レッドカンファレンスでは、昨季の覇者サントリーと神戸製鋼が3戦3勝の好スタートを切っている。
今節はそのレッドカンファレンス全勝チームが、それぞれ2、3節と連勝して勢いに乗りつつある実力派チームと対戦する好カードがいずれも東京・秩父宮ラグビー場で組まれている。
金曜ナイターに登場するのは、今季関東で初お目見えとなる神戸製鋼。
第1節こそ難しいコンディションの中、東芝に零封されたものの、その後、2、3節では計13トライを挙げるアタック力を披露して“新生グリーンロケッツ”を印象づける戦いを続けるNECと対戦する(8日19:30)。
「しっかりディフェンスでがまんできて、そこからトライも取れている。成長を感じている」
FL/NO8前川鐘平主将がそう手応えを語るとおり、神戸製鋼が開幕3節で許したトライはわずかに2。
PR山下裕史、平島久照、HO木津武士、LOアンドリース・ベッカーなどを中心にした強力セットプレーと強固なディフェンスで試合の主導権を握り、SHアンドリュー・エリス、SOイーリ ニコラス、CTB山中亮平などがキックも交えながらゲームコントロールしていくスタイルは安定感抜群。
ここまで4トライを挙げてトライ王争いのトップに立つWTB後藤輝也など、決定力のあるランナーを揃えるNECのBKにボールとスペースを与えずに力でねじ伏せるようなラグビーを見せたなら、神戸製鋼の強さは本物と判断していいかもしれない。
西京極ではNTTドコモ – 宗像サニックスに
トヨタ自動車 – 東芝のフィジカルバトルも
一方、サントリーは土曜日の第2試合でNTTコムと対戦(9日19:00)。
前節のヤマハ発動機との大一番をロスタイムでの逆転トライで勝ち切って全勝を守ったサントリー。
「(ヤマハ発動機戦は)完全な負け試合。自分たちの足らないところを再確認できた」
沢木敬介監督がそう語るとおり、ヤマハ発動機戦での苦しい経験を経て、チームが成長軌道に乗れるかどうかNTTコム戦は重要な一戦となる。
「まったくうまく組めていなかった」(同監督)というスクラム。
そして、SH流大主将、SO小野晃征のハーフ団、マット・ギタウ、村田大志、中村亮土のCTB陣、江見翔太、中鶴隆彰、松島幸太朗、松井千士のバックスリーなど、実力者が揃うBK陣をどう生かしてトライを取り切るのかなど、3節までに明らかになった課題を修正して、再び覇権への道程を進んでいくきっかけになるか注目だ。
対するNTTコムは初戦でリコーに惜敗(13−17)した後は、東芝、近鉄に力負けせずに連勝。
「80分間、全員がハードワーク」できていることが連勝につながっているというのはFL金正奎主将の自己評価。
BKを中心としたスキルフルなプレーが目立つNTTコムだが、その一方で、ここまでスクラムはやや安定感を欠いているだけに、王者相手にセットプレーを安定させられるかも善戦から金星へとつなげる条件となりそうだ。
尚、9日の秩父宮での第1試合(16:30)はクボタ対豊田自動織機戦が予定されている。
前節、サントリーに悔しい逆転負けを喫したヤマハ発動機は第4節にして初のホームゲームとなるリコー戦(9日17:00 静岡・ヤマハスタジアム=磐田)。
王者に対する惜敗が「選手の胸には『負け』はない。自信を持って一歩先に進める敗戦」(清宮克幸監督)だったことを証明するパフォーマンスを、地元ファンとしては期待したいところだろう。
また、京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では、前節、トップリーグ復帰後初の白星を挙げたNTTドコモが宗像サニックスに挑戦し(16:30=第1試合)、さらにトヨタ自動車対東芝という極上のフィジカルバトルも予定されている(19:00=第2試合)。
そして、徳島での近鉄 – キヤノン(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)、佐賀でのコカ・コーラ – パナソニック(佐賀県総合運動場陸上競技場=共に9日17:00)は、それぞれ両県で行われる今季唯一のトップリーグの試合となる。