トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第7節

熊谷には絶好調パナソニック&神戸製鋼の全勝チームが登場
秩父宮ではサントリー対宗像サニックスにNTTダービーも

text by Kenji Demura

10月1日までに第6節が終了したトップリーグ2017—2018。
レギュラーシーズンという意味では、計13節のちょうど折り返し地点を迎えていると言っていいだろう。

6節まで全勝続けているのはパナソニック ワイルドナイツ(30)、サントリーサンゴリアス(29)、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(27)の3チーム(チーム名の後ろの数字は総勝ち点)。

ここまで全試合でボーナスポイントを含む勝点5挙げる完璧と言っていい戦いぶりを披露し、ホワイトカンファレンスでは2位のヤマハ発動機ジュビロに勝ち点10差をつけて首位独走態勢に入った感もあるパナソニックは準ホームとも言える埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場に豊田自動織機シャトルズを迎える(7日14:00=第2試合)。

バーンズがリザーブに回り、SO山沢が先発するパナソニック。連勝街道はどこまで続く? photo by Kenji Demura

バーンズがリザーブに回り、SO山沢が先発するパナソニック。連勝街道はどこまで続く? photo by Kenji Demura

前節、NTTコミュニケーションシャイニングアークスに対して、前半大きくリードしたものの、後半は敵陣での相手キックからボールをつながれてトライまで持っていかれるなど、自分たちのお株を奪われるようなアタックをされての失点もあったパナソニックとしては、まずはディフェンス面で締まったパフォーマンスを見せたいところだ。

対する豊田自動織機はここまで勝ち星なしだが、前節の東芝ブレイブルーパス戦では、終了間際に逆転トライを奪われて17—19で敗れたものの、「フィジカルコンタクトの強い東芝と対等な試合ができた」(レオン・ホールデンヘッドコーチ)と、後半戦での巻き返しに向けて手応えをつかんだのも確か。

豊田自動織機が東芝戦以上にセットプレーなどコンタクトエリアの攻防で優位に立ち、パナソニックのキッキングゲームにプレッシャーをかけられるかどうかがポイントのひとつになる。

同日同競技場での第1試合では、前節、強力FWのヤマハ発動機を前に出る圧力でねじ伏せた神戸製鋼がキヤノンイーグルスと対戦(11:30)。

敗軍の将となったヤマハ発動機・清宮克幸監督をして「素早い出足、強いタックル、ボールに絡む執念などを見習わなくては」と言わしめた勢いをそのまま生かして、全勝街道を走り続けることができるのか。

「自分たちの成長を感じている」(FL/NO8前川鐘平主将)と、自信を深める神戸製鋼に対して、前節、日本代表SO田村優なしで今季初勝利をつかんだキヤノンがどんな戦いを挑むのか。チャレンジャーとしては、神戸製鋼の大型FWに粘り強く対抗していけるかが好ゲームに持ち込むためのキーとなる。

小柄ながら体を張ることを厭わない。WTB大橋はラグビーを知り尽くしたプレーで神戸製鋼の快進撃を支える photo by Kenji Demura

小柄ながら体を張ることを厭わない。WTB大橋はラグビーを知り尽くしたプレーで神戸製鋼の快進撃を支える photo by Kenji Demura

盛岡では各カンファレス3位同士
好調リコー&トヨタ自動車が対戦

昨季の完全王者サントリーは宗像サニックスブルースと対戦(7日11:30 東京・秩父宮ラグビー場)。

前節のNTTドコモレッドハリケーンズ戦では、いきなり開始3分に先制トライを奪われたものの、その後は一方的に11トライを重ねて69—7で大勝。

通常、厳しいコメントの多い沢木敬介監督もNTTドコモ戦の後は「コントロールできていた時間帯が長かった」と、一定の評価を与えるなど、目指している方向にチームが成長していることに手応えはつかんでいる様子。
その一方で、同監督「ブレイクダウンは自分たちが求めているレベルでできていない」と、課題にも言及。

連覇に向けて、さらに精度が上がったラグビーを約1ヶ月ぶりとなる秩父宮での試合で見せてくれるか、注目される。

一方、今季ここまで地元の九州を中心に西日本でばかりプレーしてきた宗像サニックスにとっては、サントリー戦は第7節にして初の東日本での試合。

今季はここまで1勝5敗と苦しい戦いが続くが、勝利を収めたコカ・コーラレッドスパークス戦で5トライを挙げたのはもちろんのこと、敗れた試合でも神戸製鋼戦以外はいずれも2トライ以上を記録。
どこからでも攻めるユニークな攻撃スタイルが王者にどこまで通用するのか。
エンターテインメント性にも溢れたアタッキングラグビーの応酬を期待したいところだ。

サントリー – 宗像サニックス戦に続いて、7日の秩父宮での第2試合(14:00)に予定されているのは“NTTダービー”。

ライバル意識という意味ではわかりやすさナンバーワンかもしれないNTTコム対NTTドコモの一戦、今季はここまで共に3勝3敗だけに、後半戦に向けてどちらが上位進出のチャンスを得られるかという意味でサバイバルマッチの側面もあり、余計に注目される状況での熱いダービーマッチとなる。

今節は共にダブルヘッダーの熊谷、秩父宮以外はいずれもトップリーグの試合としては1試合ずつの開催となる。

昇格チームながらすでに3勝。NTTドコモはNTTコムとのダービー戦で真価を見せる戦いができるか photo by Kenji Demura

昇格チームながらすでに3勝。NTTドコモはNTTコムとのダービー戦で真価を見せる戦いができるか
photo by Kenji Demura

岩手・いわぎんスタジアムでは、両カンファレンスでそれぞれ3位につけるリコーブラックラムズとトヨタ自動車ヴェルブリッツが対戦(7日14:00)。

現在、両カンファレンスの上位2チームは昨季の4強が占めているが、セミファイナル進出に向けてその4チームの牙城を崩す可能性があるのはどちらなのか。この試合も一種のサバイバルマッチ、それもトップリーグ制覇をも見据えた質の高いガチンコ勝負となる。

また、奈良・親里ラグビー場では今節関西圏唯一となる近鉄ライナーズ – クボタスピアーズ戦、長崎市総合運動公園 かきどまり陸上競技場ではやはり今節九州圏で唯一となるコカ・コーラレッドスパークス – 東芝戦がそれぞれ行われる(共に7日13:00)。

一方、8日の日曜日には秋田・あきぎんスタジアムでNECグリーンロケッツ対ヤマハ発動機の一戦も予定されている(13:00)。

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