トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第8節
関西圏で上位陣が直接対決! 優勝争いをリードするのはどのチーム?
万博でパナソニック – 神戸製鋼、西京極ではサントリー – トヨタ自動車
text by Kenji Demura
8月18日の開幕から2ヶ月。
順位決定トーナメント2節も含め、計15節予定されている今季のトップリーグも後半戦に突入する。
カンファレンスごとに、7節終了時点で各チームの順位を紹介すると、以下のようになっている。
(レッドカンファレンス)
1.サントリーサンゴリアス(34)
2.神戸製鋼コベルコスティーラーズ(28)
3.トヨタ自動車ヴェルブリッツ(23)
4.NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(18)
5.東芝ブレイブルーパス(14)
6.クボタスピアーズ(13)
7.近鉄ライナーズ(12)
8.NTTドコモレッドハリケーンズ(12)
(ホワイトカンファレンス)
1.パナソニック ワイルドナイツ(35)
2.ヤマハ発動機ジュビロ(25)
3.リコーブラックラムズ(20)
4.NECグリーンロケッツ(13)
5.キヤノンイーグルス(9)
6.宗像サニックスブルース(5)
7.豊田自動織機シャトルズ(2)
8.コカ・コーラレッドスパークス(2)
( )内の数字は勝ち点
ここまで全勝を守っているのは、昨季の覇者サントリーと一昨季の覇者パナソニック。
今節では、そんなふうに前評判通りの強さを発揮している“2強”に、レッドカンファレンス2、3位のチームが挑戦する興味深い対戦が、いずれも関西圏で組まれている。
14日の土曜日に大阪・万博記念競技場で予定されているのは神戸製鋼 – パナソニック戦(14:00)。
前節でキヤノンに26−31で競り負け、全勝組から脱落した神戸製鋼にとって、「(キヤノンに)陣地をうまく取られ、僕たちのしたいところでのラグビーができない状況が80分間続いた」(FL前川鐘平主将)という敗戦からいかに切り替えられるかが一番のポイントだろう。
「コンタクトの部分で勝っている場面、セットプレーで優位に立てる部分もあった」(同主将)と、ベーシックな部分は崩れていないだけに、約1ヶ月半ぶりの関西での試合でもう一度、自分たちの強みを前面に出したラグビーを披露して、前節では豊田自動織機をノートライに抑えるなど安定感抜群のパナソニックDFを脅かしたいところだ。
神戸製鋼のワイルドナイツに対する勝利はトップリーグが始まった2003-2004シーズンまで遡らなければならないが、かつて全国社会人ラグビー時代にパナソニックの前身である三洋電機を決勝戦で退け続けた名門チームの意地にかけてもそろそろ連敗記録に終止符を打ちたいのは間違いないだろう。
一方のサントリーは15日の日曜日に京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場でトヨタ自動車と対戦する(14:00)。
7日の宗像サニックス戦では、すべての面で圧倒して、一方的に7トライを重ねて45—0で完封勝ち。
それでも、沢木敬介監督は「前半はプレーが雑だった」と語り、「セットピース、ブレイクダウンで修正するところがある」と、トヨタ自動車戦に向けた課題を挙げる。
一方のトヨタ自動車は、2週間前にクボタとのノーガードでの打ち合いのような乱戦(50—40)を制した後、前節ではリコーとの我慢比べとも言えたタイトなノートライ戦をものにして(12—6)、いろんなゲームへの対応力を持つチームに成長していることを示したかっこう。
トヨタ自動車のサントリーに対する前回勝利は10年前。
6トライを奪われたものの7トライを記録して勝利した前々節よりは、前節のように粘りのDFでサントリーのアタックを何とか分断し、ある程度ロースコアの試合に持ち込みたい。
15日の西京極の第1試合は近鉄 – リコー戦が予定されている。
この両者の対戦も1974、1975年と2年連続で全国社会人大会の決勝カードとなったことからもわかるとおり、オールドファンには何かを感じさせるものでもある。
NEC – クボタの“千葉ダービー”は柏の葉
ヤマハ発動機はエコパに再登場し、NTTコム戦
今節の関東圏での試合は15日に千葉・柏の葉公園総合競技場でのNEC – クボタ戦のみ(13:00)。
共にここまで3勝4敗で勝ち点13(NECがホワイトカンファレンス4位、クボタはレッドカンファレンス6位)。
“千葉ダービー”を制して、シーズン後半戦に向けて上位進出への流れに乗りたいところだ。
14日、静岡・エコパスタジアム(袋井市)では、ホワイトカンファレンス2位のヤマハ発動機とレッドカンファレンス4位のNTTコムが対戦(14:00)。
6節に同じ場所で神戸製鋼に力負けしたヤマハ発動機としては、前節“NTTダービー”を制して勢いに乗るNTTコムをねじ伏せて、地元ファンの前で悲願のトップリーグ制覇へ向けて再び上昇気流に乗ったことを印象付けるようなパフォーマンスを見せたいところ。
同日、同スタジアムの第1試合(11:30)は豊田自動織機 – コカ・コーラ戦。
両チーム共に、今季ここまで白星なし。後半戦での巻き返しをはかるためにも、お互いに絶対に負けられない一戦となる。
4連敗の後、6、7節と2連勝して、調子を取り戻しつつある東芝は福島・いわきグリーンフィールドにNTTドコモを迎える(15日13:00)。
「すっきり勝てず試行錯誤している状況」と、瀬川智広監督も認めるとおり、ここ2節の連勝も豊田自動織機(19—17)、コカ・コーラ(33−24)と、今季勝ち星に恵まれていない両チームに対しての辛勝。
そろそろ“東芝復活”を印象づけるパフォーマンスを披露して勢いに乗りたいところ。
第5節までに3勝を挙げるなど、前半戦、昇格チームとは思えないスタートを切ったNTTドコモだが、現在は2連敗中。
交流戦でレッドカンファレンスが優勢な点が影響して、3勝を挙げながら同カンファレンス最下位となっているだけに、「敵陣に入ってからのミス」(ダヴィー・セロン ヘッドコーチ)をなくして、着実にポイントを加えたい。
前節で神戸製鋼を破ってシーズン2勝目を挙げ、ホワイトカンファレンス5位に浮上したキヤノンはコカ・コーラウエスト広島スタジアムで宗像サニックスと対戦(15日13:00)。
連勝を伸ばして、上位進出に向けて勢いに乗りたい。