トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第9節

ウィンドウマンス小休止前に優勝占う大一番
熊谷でパナソニック対サントリーの全勝対決

text by Kenji Demura

ファイナルの前哨戦と言ったら気が早いだろうか。
10月21日13:00、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場。
8節まで終了した今季のトップリーグで2チームしかない全勝チーム同士が直接対決する。

パナソニック ワイルドナイツ対サントリーサンゴリアス。

ホワイトカンファレンス(パナソニック)とレッドカンファレンス(サントリー)の首位同士。

そして、昨季の覇者(サントリー)と一昨季の王者(パナソニック)の対戦でもある。

押しも押されもせぬ日本の翼、パナソニックWTB福岡。大一番でもトライを決めて代表戦に弾みをつけられるか photo by Kenji Demura

押しも押されもせぬ日本の翼、パナソニックWTB福岡。大一番でもトライを決めて代表戦に弾みをつけられるか
photo by Kenji Demura

週明けからは代表チームの活動を優先するウィンドウマンスとなるだけに、ファンとしては小休止前のトップリーグで日本ラグビー最高峰の戦いを堪能して(トップリーグの再開は12月2、3日となる)、日本代表のサポートに移行したいところだ。

共に全勝を続ける両チームだが、それぞれ上位陣との対戦だった前節の戦いぶりでは明暗を分けた。

レッドカンファレンス3位のトヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦したサントリーは、前半から相手の大型FWの前に出る圧力に劣勢となるシーンが目立ち、後半20分まで13−31と18点をリードされるなど大苦戦。

残り20分間で3トライ2ゴールを挙げて辛くも1点差(32—31)で逆転勝ちを収めたものの、王者も「まだまだ弱い」(沢木敬介監督)面があることが明らかになるような内容の試合となった。

もちろん、内容が悪くても最後に勝ち切るあたりはチャンピオンチームならでは。しかも、トヨタ自動車に苦戦したことで、むしろチャレンジャーのような心境でパナソニック戦に臨むことにもなるはずだ。

最後まで落ちなかった豊富な運動量をベースに、全員がハードワークを続けるサントリーのアタッキングラグビーが苦境を乗り切ったことでさらなる進化を遂げる可能性も十分ある。

切れ味鋭い走りで日本代表でもカウンター攻撃の主役となるサントリーFB松島はパナソニックDFを翻弄できるか photo by Kenji Demura

切れ味鋭い走りで日本代表でもカウンター攻撃の主役となるサントリーFB松島はパナソニックDFを翻弄できるか
photo by Kenji Demura

「満足している」
今シーズン、試合後の記者会見時にパナソニックのロビー・ディーンズ監督の口から、真っ先に飛び出すことが多いフレーズがこれ。

前節の神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦でもそうだった。

前半7分に自陣深くからの攻撃的キックを皮切りにボールをつないでFB森谷圭介が奪った先制トライを皮切りに、後半27分まで計7トライを一方的に重ねた。

今季それまで1試合平均4.5本のトライを奪ったきた神戸製鋼を試合終了直前までノートライに抑える堅守ぶりも合わせて、その隙のない戦いぶりは名将ディーンズ監督が「満足」を表明するのも頷ける内容と言っていいだろう。
「最高のタイミングで最高の相手を迎えることができる」と、同監督はサントリーとの大一番への自信も隠さない。

ウィンドウマンス入りに先立って行われた、NDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)キャンプや日本代表候補強化合宿には、当然ながら両チームから多くの選手が選ばれた。

トイ面同士のマッチアップだけピックアップしても、石原慎太郎(サントリーPR)対ヴァル アサエリ愛(パナソニックPR)、流大(サントリーSH)対田中史朗、内田啓介(共にパナソニックSH)など、ウィンドウマンスでの日本代表の戦いにつながる直接対決が見られそうだ。

名古屋で“豊田vトヨタ”ダービー
神戸製鋼はホームにリコーを迎える

もちろん、大一番を迎えるパナソニックとサントリーに限らず、ウィンドウマンス前の最後の1戦となる今節は各チームともに、今シーズンここまで積み上げてきたチーム力を集大成して勝利をもぎ取りにいく試合となる。

熊谷以外での今節の開催試合は以下のとおり。

日本代表のテストマッチに加えて、12月のトップリーグ終盤4節での各チームのラストスパートにも思いを馳せながら、本格的な冬入り前に熱いラグビーマッチが堪能できるラストチャンスとなる。

好調トヨタ自動車FWは豊田自動織機とのダービー戦も制して優勝を狙える位置をキープし続けられるか photo by Kenji Demura

好調トヨタ自動車FWは豊田自動織機とのダービー戦も制して優勝を狙える位置をキープし続けられるか
photo by Kenji Demura

10月21日
<東京・秩父宮ラグビー場>
11:30 東芝ブレイブルーパス(レッド4位=19) – 宗像サニックスブルース(ホワイト7位=6)
14:00 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(レッド5位=18) – コカ・コーラレッドスパークス(ホワイト8位=2)

<大阪・万博記念競技場>
14:00 クボタスピアーズ(レッド6位=14) – ヤマハ発動機ジュビロ(ホワイト2位=30)

<愛知・パロマ瑞穂ラグビー場>
11:30 近鉄ライナーズ(レッド7位=12) – NECグリーンロケッツ(ホワイト4位=17)
14:00 豊田自動織機シャトルズ(ホワイト6位=7) – トヨタ自動車ヴェルブリッツ(レッド3位=24)

10月22日
<兵庫・ノエビアスタジアム神戸>
11:30 NTTドコモレッドハリケーンズ(レッド8位=12) – キヤノンイーグルス(ホワイト5位=13)
14:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(レッド2位=28) – リコーブラックラムズ(ホワイト3位=25)

( )内の数字は勝ち点

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