トップリーグ 2017-2018 weekly preview:入替戦

北九州でコカ・コーラ – 三菱重工相模原、宗像サニックス – 九州電力
大阪・ヤンマースタではNTTドコモが日野自動車を迎え撃つ

text by Kenji Demura

昨年8月18日に開幕したジャパンラグビー トップリーグ2017—2018は、先週末に行われた総合順位決定トーナメント第2節で全日程を終了。

「リーグ戦13節+総合順位決定トーナメント2節」、計15節を終えての最終成績は以下のとおりとなった。

1. サントリーサンゴリアス
2. パナソニック ワイルドナイツ
3. ヤマハ発動機ジュビロ
4. トヨタ自動車ヴェルブリッツ
5. 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
6. 東芝ブレイブルーパス
7. リコーブラックラムズ
8. NECグリーンロケッツ
9. NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
10. キヤノンイーグルス
11. クボタスピアーズ
12. 豊田自動織機シャトルズ
13. 宗像サニックスブルース
14. コカ・コーラレッドスパークス
15. NTTドコモレッドハリケーンズ
16. 近鉄ライナーズ

この結果、16位となった近鉄のトップリーグからの降格が確定する一方、13〜15位の宗像サニックス、コカ・コーラ、NTTドコモは入替戦でトップチャレンジリーグ(TCL)2〜4位の日野自動車レッドドルフィンズ、三菱重工相模原ダイナボアーズ、九州電力キューデンヴォルテクスと戦うことになった。

宗像サニックスは九州電力とのダービー、コカ・コーラは三菱重工相模原を迎えての入替戦となる photo by Kenji Demura

宗像サニックスは九州電力とのダービー、コカ・コーラは三菱重工相模原を迎えての入替戦となる
photo by Kenji Demura

20日に予定されている入替戦の対戦カードは以下のとおり。尚、TCL1位のホンダヒートは近鉄と入れ替わるかたちで、来季のトップリーグへの自動昇格が決まっている。

<福岡・ミクニワールドスタジアム北九州>
コカ・コーラ – 三菱重工相模原(11:30)
宗像サニックス – 九州電力(14:00)

<大阪・ヤンマースタジアム長居>
NTTドコモ – 日野自動車(13:00)

2年前の福岡での入替戦では引き分けおよび
5点差という好勝負が繰り広げられた歴史も

入替戦に回ることになったトップリーグ3チーム中2チーム(宗像サニックス、コカ・コーラ)が九州勢ということもあり、北九州はダブルヘッダー開催となる。トップチャレンジリーグ4位の九州電力も含めて、在九州3つのトップチームが勢ぞろいする。

この3チームが揃った入替戦というと、ドラマチックな試合ばかりとなった2年前のレベルファイブスタジアム(福岡)での2試合を思い起こすファンも少なくないかもしれない。

2015−2016シーズンはワールドカップシーズンのためトップリーグが短期間の開催となったこともあり(プレシーズンリーグを除く)、自動昇格(降格)がなく入替戦4試合の結果で残留/昇格/降格が決められたのだが、福岡ではトップチャレンジ1首位の宗像サニックスがトップリーグ16位のNTTドコモに19—15で競り勝ち、トップリーグ14位のコカ・コーラとトップチャレンジ1 2位の九州電力は引き分けるという、共に手に汗を握る好ゲームが繰り広げられたのだ(宗像サニックスが昇格、コカ・コーラが残留する一方、NTTドコモが降格し、九州電力の昇格はならなかった)。

今回は2年前とは違い、宗像サニックスが九州電力との“九州ダービー”を戦い、コカ・コーラが三菱重工相模原を迎えることになる。

6年連続での入替戦となる三菱重工相模原。11季ぶりのトップリーグ復帰へコカ・コーラと対戦 photo by Kenji Demura

6年連続での入替戦となる三菱重工相模原。11季ぶりのトップリーグ復帰へコカ・コーラと対戦
photo by Kenji Demura

2年前に「この試合のために1年間準備してきた」(藤井雄一郎部長兼監督)成果を出して見事にトップリーグ復帰を果たした宗像サニックスだが、立場を変えて臨む今回の入替戦に関しては「我々はトップリーグでもまれている。そう簡単に負けることはない」(同部長兼監督)と自信を見せる。

一方、今季リーグ戦は勝ち星なしで終わり、総合順位トーナメント第1節でNTTドコモに勝ったことにより、辛うじて自動降格を免れたコカ・コーラは、1週間前に同トーナメント第2節で宗像サニックスに大敗(5−32)を喫した後だけに、危機感を露わにする。

「(宗像サニックス戦では)今シーズンやってきたディフェンスが崩壊していた。(入替戦では)ワン・オン・ワンタックルを修正して、1ポイントでも上回る戦いを求めていきたい」(NO8山下昂大主将)

チャレンジャーである九州電力、三菱重工相模原は、毎年の入替戦での経験(九州電力は4年連続、三菱重工相模原は6年連続での入替戦)に加えて、共に多くのトップリーグ経験者も抱えるだけに、試合巧者の側面を持っているのも確か。

前述の2年前に限らず、2013-2014シーズンには今回と同じコカ・コーラウエスト(当時)と三菱重工相模原の対戦で22-17という接戦が繰り広げられた例などもあるだけに、トップリーグサイドとしても全く気の抜けない試合になることは間違いない。

NTTドコモはSOフィルヨーン ゲーム主将はじめベストメンバーと言っていい布陣で日野自動車戦へ photo by Kenji Demura

NTTドコモはSOフィルヨーン ゲーム主将はじめベストメンバーと言っていい布陣で日野自動車戦へ
photo by Kenji Demura

リーグ戦で6勝しながら、総合順位決定トーナメン第2節で辛くも自動降格を免れたNTTドコモも1週間前の近鉄戦からの先発メンバーの変更は3人のみというベストメンバーで残留を勝ち取りにいく姿勢を前面に出す。

「(近鉄戦は)決勝戦のような試合だったが、次も同じようなビッグチャレンジ」(ダヴィ・セロンヘッドコーチ)

「セットプレーを安定させ、リアクションを速くして、圧倒したい」(HO牛原寛章)

対する日野自動車も、PR久富雄一、同・長野正和、LO村田毅、FL佐々木隆道、CTB林泰基といった元日本代表組を筆頭に、トップリーグ経験者や大学ラグビーの第一線で活躍した選手が並ぶ“スター集団”。

1年前の入替戦、そして今季のTCLの経験も生かして、悲願のトップリーグ昇格を大阪での一発勝負に賭ける。

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