トップリーグ 2018-2019 weekly preview:第5節

今季パナソニックの10番を着け続けるSO山沢のゲームメイクぶりも後半戦の見どころのひとつ photo by Kenji Demura

今季パナソニックの10番を着け続けるSO山沢のゲームメイクぶりも後半戦の見どころのひとつ
photo by Kenji Demura

パナソニックは藤田、野口のWTB陣でHondaレメキと対峙
ヤマハ発動機はホームグラウンドで東芝とのガチンコ勝負

text by Kenji Demura

8月31日に開幕したジャパンラグビートップリーグ2018—2019は9月中に第4節まで終了。
今季はリーグ戦が計7節という短期決戦だが、先週末は元々トップリーグ開催の予定がない“バイ”ウィークとして設定されていた。

北海道胆振東部地震によって延期されていた第2節分の代替試合が9月29日に行われたが、そのために札幌に赴いた神戸製鋼コベルコスティーラーズと宗像サニックスブルース以外のチームにとっては、第4節までの戦い方を精査して、10月の予定されている残り3節に向けて心身をリセットする1週間となったはずだ。

リーグ戦7節プラス12月に予定されている順位決定戦3節で最終順位が決まる今季は、各カンファレンスで4位以内に入れば順位決定戦で優勝を狙える1〜8位順位決定トーナメントに進み、同5位以下は逆に降格の可能性が出てくる9〜16位トーナメント行きとなるが、前節終了時点ではカンファレンス4位以内を決めたチームも、同5位以下が確定したチームもない。

前半戦、調子の波に乗れなかったチームにもまだ上位進出のチャンスは残されているし、逆に現在上位にいるチームも残り3節の戦い方を間違えれば地獄を見る可能性もあるのだ。

2週間前の第4節では、両カンファレンス共に現在1位と2位のチーム同士が直接対決するかたちとなったが、ホワイトカンファレンスの首位攻防戦でヤマハ発動機ジュビロに完封勝ち(15—0)したパナソニック ワイルドナイツは、今節は京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場でHonda HEATと対戦する(6日13:00)。

ヤマハ発動機戦では、「0点に抑えて達成感の高い試合となった。現在のチーム状態は満足いくもの」と語っていたパナソニックのロビー・ディーンズ監督だが、その後のベテランHO堀江翔太のコンディショニング不良やヤマハ発動機戦で開始早々に途中退場するかたちとなったWTB福岡堅樹もHonda戦はメンバー外である。

それでもリーグ有数の選手層の厚さを誇るだけに、HO坂手淳史、WTB藤田慶和、野口竜司といった若手の日本代表組がカバー。
新人の野口にとってはトップリーグ初先発、藤田も今季初出場となるが、共にしっかりアピールをしてレギュラーポジション獲りを狙いたいところだ。

昇格後、まだ勝ち星のないHondaだが、第2節でキヤノンイーグルスと引き分け、前節でもクボタスピアーズに対して終了間際までリードするなど(29—31で逆転負け)、トップリーグでも十分通用する実力があるのは確か。
4試合で59個と圧倒的に多い反則数(リーグ最多)で墓穴を掘っている面もあり、規律面を正した上でパナソニックに対してどんなチャレンジを見せてくれるのか。
ここまでリーグ1位タイの5トライを挙げているWTBレメキ ロマノ ラヴァ、同3トライのFBエイダン・トウアなど、決定力のあるバックスリーが数多くボールを持つためにも、まずはFW陣の健闘がポイントになる。

ホームに東芝を迎えるヤマハ発動機。まずはガチンコ勝負のFW戦を制することを狙う photo by Kenji Demura

ホームに東芝を迎えるヤマハ発動機。まずはガチンコ勝負のFW戦を制することを狙う
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釜石で今季唯一のTL開催キヤノン−コカ・コーラ戦

パナソニックに完封負けを喫したヤマハ発動機はホームに東芝ブレイブルーパスを迎える(6日13:00 ヤマハスタジアム=静岡・磐田)。

現在、ホワイト2位につけるヤマハだが、同4位の東芝との勝ち点の差はわずかに3。上位進出に向けて、どちらにとっても負けられない試合となる。

パナソニックに敗れたとはいえ、「FWはいけると感じていた。ゴール前のアタックでもシンプルに前に出られたところもあった」(N08堀江恭佑主将)と、ヤマハらしい力強さという面では調子は上向きの印象もあり、フィジカルの強い東芝に対してどんなガチンコ勝負ができるのかはシーズン終盤に向けて“ヤマハスタイル”がどうパワーアップしていくのかを占う一戦ともなる。

開幕戦の対キヤノンイーグルス、第3節の対パナソニックと、序盤戦で2敗を喫して、4位以内のボーダーライン上にいる東芝にとっても、もちろん負けられない試合となる。
チャンスをつくりながらも自分たちのミスで得点に結びつかないシーンも多く見られるだけに、プレーの精度を上げられるかが後半戦への鍵となりそうだ。

その東芝との勝ち点差わずかに1で現在ホワイト5位につけるクボタスピアーズは、奈良・天理親里ラグビー場にリコーブラックラムズを迎える(6日13:00)。

現在3位のリコーと5位のクボタの勝ち点差は4。当然、両チームにとって負けられない試合となるが、10月1日に発表された日本代表メンバーから漏れたクボタCTB立川理道、リコーFL松橋周平が、それぞれ主将としてどうチームを引っ張っていくのかも注目される。

今節、ホワイトカンファレンスでは、1試合のみ日曜開催となるのが岩手・釜石鵜住居復興スタジアムでのキヤノンイーグルス−コカ・コーラレッドスパークス戦(7日11:30)。
ラグビーワールドカップ2019用に新設となった同スタジアムで今季行われる唯一のトップリーグの試合となる。

ホワイトとは逆に、レッドカンファレンスでは宗像サニックスブルース−トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦のみが6日土曜日の開催(13:00 福岡・グローバルアリーナ)。

第4節での神戸製鋼との首位攻防戦をロスタイムの同点トライで引き分けに持ち込んだトヨタ自動車。
「ディフェンスで怠けた時間帯があった。相手のプレッシャーに我慢出来ずにペナルティを与えてしまった」(ジェイク・ホワイト監督)という課題を残り3節で修正していくのか。

レッドカンファレンスは現在首位に立つ神戸製鋼(勝ち点15)に次いで、2位につけるトヨタ自動車だが、3位以下にはトヨタ自動車との勝ち点差がわずか1で3チーム(サントリーサンゴリアス、豊田自動織機シャトルズ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)が並んでいるだけに、残り3試合、一戦も落とせない試合が続くことになる。

前述のとおり、先週の土曜日に札幌での第2節代替試合を戦った宗像サニックスは九州〜北海道往復もあり、スケジュール的にはハンディのある戦いとなるが、今節、次節と続く地元グローバルアリーナでの戦いで勝ち点を挙げて後半戦での巻き返しをはかりたい(第4節終了時点の勝ち点は0)。

7日(日曜日)のレッドカンファレンス3試合は以下の対戦カードで行われる。

NEC−NTTコム(13:00 千葉・柏の葉公園総合競技場)
サントリー−豊田自動織機(13:00 山梨中銀スタジアム)
神戸製鋼−日野(13:00 大阪・キンチョウスタジアム)

共にここまで勝ち点0の九州勢。コカ・コーラは岩手・釜石の新スタジアムで今季初勝利なるか photo by Kenji Demura

共にここまで勝ち点0の九州勢。コカ・コーラは岩手・釜石の新スタジアムで今季初勝利なるか
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