トップリーグ 2018-2019 weekly preview:第6節
パナソニックに続き1〜8位決定トーナメント進出を決めるチームは?
ヤマハ発動機は秩父宮で対キヤノン、カーター復帰の神戸製鋼は金鳥で豊田自動織機戦
text by Kenji Demura
残り2節となった今季のリーグ戦。
前節、ホワイトカンファレス(以下、ホワイト)で首位に立つパナソニック ワイルドナイツが12月に予定されている1〜8位決定トーナメント進出を決めたが、計8試合がすべて13日(土)に行われる今節でも、同トーナメントへ名乗りを上げるチームが続きそうだ。
ホワイト2位のヤマハ発動機ジュビロは東京・秩父宮ラグビー場の第1試合(11:30)でキヤノンイーグルスと対戦。
第4節でパナソニックに対して完封負け(0-15)を喫したヤマハ発動機だが、1週間の“バイ”ウィークを挟んだ前節では東芝ブレイブルーパスとのフィジカルなガチンコバトルに完勝するかたちで勝ち点5を獲得(27—7)。
「ヤマハに入ってから0点に抑えられて負けた経験はなかった。その反省から今日の試合では22mラインに入ったところでのスクラム、モールをFWで取り切る気持ちを持てた。パナソニック戦から学んだことは大きい」(NO8堀江恭佑主将)
昨シーズン敗れている東芝に対して“ヤマハスタイル”を前面に出して快勝しただけに「何としても2位以上を取って、(ヤマハスタジアムに)12月1週目に戻ってきたい」(清宮克幸監督)と、カンファレスでの上位通過に照準を定めたヤマハは、キヤノンに勝った時点で1〜8位決定トーナメント進出が決まる。
一方のキヤノンは現在ホワイト5位。同3位のリコーブラックラムズとの勝ち点の差は3で、同4位クボタスピアーズとは勝ち点差が2だ。
過去のトップリーグでの対戦ではヤマハ発動機に対して2013−2014シーズンに1度勝ったことがあるだけだが(※2015-2016プレシーズンリーグを除く)、何としても歴史的な2勝目を手にしてシーズン8強入りに近づきたいところだ。
東芝戦で、かなり仕上がってきた強靭さを見せたヤマハ発動機のセットプレーに対して、日本代表でもあるHO庭井祐輔主将率いるキヤノンFW陣がどこまで対抗できるか。キヤノンにとってはトップリーグ初先発となる元NZ代表のFBイズラエル・ダグがどれだけのプラスファクターになれるのかもポイントだろう。
ホワイト4位以内を争う戦いとしては、福島・いわきグリーンフィールドで行われる東芝ブレイブルーパス対クボタスピアーズ戦も見逃せない。
前節、22—16でリコーブラックラムズを退けたクボタは勝ち点14で4位に浮上。一方、6位に甘んじている東芝の勝ち点は11。
「FWが接点で負けた。セットプレーがうまくいかなかった」
ヤマハ発動機戦後、瀬川智広監督がそう認めていたとおり、東芝にとってはFWを立て直せるかどうかが一番の鍵となりそうだ。
また、長崎市総合運動公園 かきどまり陸上競技場ではいずれも今季初勝利を狙うコカ・コーラ レッドスパークスとHonda HEATが対戦する(13:00)。
秩父宮第2試合で8強入りを決めるのはトヨタ自動車かNTTコムか
レッドカンファレンス(以下、レッド)でも1〜8位決定トーナメント進出を決めるチームが出てきそうだ。
現在レッド首位の神戸製鋼コベルコスティーラーズは大阪・キンチョウスタジアムで豊田自動織機シャトルズと対戦(13:00)。
注目のSOダン・カーターも3週間ぶりにメンバー入りした神戸製鋼は、勝つか引き分けで1〜8位決定トーナメント行きが確定する。
対する豊田自動織機は現在同5位だが、同4位のNTTコミュニケーションズとの勝ち点差はわずかに1。
前節のサントリーサンゴリアス戦では24—35で敗れたとはいえ、後半のスコアは21—14で上回るなど、上位陣とも互角に戦える実力も垣間見せただけに、神戸製鋼に対する金星をものにするなどして、できるだけ多くの勝ち点を奪いレッド4位以内へのチャレンジを継続したいところだ。
東京・秩父宮の第2試合ではNTTコムがトヨタ自動車ヴェルブリッツ(レッド2位)を迎える(14:00)。
両チームともに今節でリーグ8強入りを決められる可能性があり、絶対にものにしたい一戦であることは間違いない。
前節のNECグリーンロケッツ戦では前半だけで4トライを奪われて痛い敗北(31—34)を喫したNTTコムとしては、「(NECが)ブレイクダウンにプレッシャーをかけてくるのはわかっていた。それでもやられた。メンタルの問題」という気持ちの部分でもう一度立て直せるかどうか。
シーズンを通して見た場合でも、かなり大きな意味を持つ重要な試合となりそうだ。
ちなみに、昨季はトヨタ自動車が22−15で勝利を収めているが、一昨季はNTTコムが19—13で勝っている。
前述どおり、前節で豊田自動織機に苦戦するなど、まだまだ王者本来の圧倒的な強さは見せられていないサントリー(レッド3位)は宗像サニックスブルースとのアウェー戦(13:00 福岡・グローバルアリーナ)。
「何かが変われば全てが変わる。でも変えられていない。いまやっているのはサントリーのアタックではない」(沢木敬介監督)
王者の苦しみは続くのか、それとも上昇気流に乗るきっかけをつかむのか。
今季初先発となるSO小野晃征がどうアタックを引っ張っていくのか。小野にとっては、慣れ親しんだ古巣・宗像サニックスのホームグラウンドでのプレーでもあり注目だ。
2節連続での千葉・柏の葉公園総合競技場でのホームゲームとなるNECは日野レッドドルフィンズと対戦(13:00)。
両チームともに、レッド4位以内の可能性を残すためには是が非でも勝ち星がほしい、サバイバルゲームとなる。