トップリーグ2018-2019 第7節レポート(日野 12-50 サントリー)
ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 第7節
2018年10月20日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
日野レッドドルフィンズ 12-50 サントリーサンゴリアス
日野レッドドルフィンズ
細谷直監督
「今日はトップリーグのファーストステージ最終戦ということで、我々は上位のトーナメントでなく、下位のトーナメントに行くことが決まった中での、非常にメンタル的には厳しい状況でしたが、何もネガティブな状況になることなく、この試合にしっかり臨んでいけたことは、非常に選手たちに対して良いステップであったと感じています。内容的には、最後にスコアを離されて負けましたけれども、ディフェンスの局面において、この試合のサントリーさんのフェイズのアタック、ワイドラフターなアタックを準備していたディフェンスで止めることが多かったのと、ディフェンスの人数をしっかり増やしていけたことによって、我々が我慢していれば、アタックのチャンスも増えて行くということが半分はできました。あとの半分は、そこで我慢し切れずにペナルティ、あるいはいろんなフラストレーションが溜まるようなジャッジもあったかもしれませんが、そこに対しての精神的なコントロールが若干乱れた部分があったかもしれません。次の課題にして行きたいと思います。セカンドステージのトーナメントでは、私たちはまだまだチャレンジャーですから、上を目指して一つでも多く勝って、何が何でも来シーズンもトップリーグで戦うという気持ちをもってチーム力を上げていきたいと思います」
──最初のトップリーグへの挑戦を振り返って?
「1勝で終わったところは本当に不徳の致すところで、目標には届かなかったことはしっかりと受け止めて行きたいと思います。その原因としてはフィジカルなところです。今日はフィジカル面ではまず負けるということなく、王者サントリーさんに大きく負けたという感覚は選手たちにはなかったと思います。ただ、他の試合の中では、神戸さん、NECさんにはゲームスタイルの中で、彼らの強みを打ち消せなかったところは、我々がトップリーグとの差を感じたところです。それをどう改善して行くかというと、今日みたいにディフェンスの人数を減らさないということは、一人一人のワークレイトを高めることで、そういったフィジカルで当たり負けるという場面が減って来たこと、これは非常にプラスな面です。トップリーグを戦って一番感じたところに対して、最終戦では少しでもできたところは良かったと思います」
──11月のカップ戦と12月のトーナメント戦の戦い方は?
「この1ヶ月の中で、カップ戦が3試合ありますから、まだまだ我々にはトップリーグで試せなかった選手がいますので、そうした選手にも機会を作っていきたいと思っていることと、プレータイムをフルで戦って来た選手もいますので、そこは少しコントロールしていきたいと思います」
──トーナメントで目指すものは?
「今日はアタックでのペナルティがすごく多かったと思います。相手にやられている時はディフェンスでのペナルティが多いのですが、今日は自滅してアタックの機会を自ら放棄しているプレーですので、そこの精度、すなわち、一人目、二人目のところの細かなスキルを高めていきたいと思います。良いアタックもできていますので、もう少しFWとBKの融合の部分については時間をかけられますから、やって行きたいと思います。ディフェンスの面では、俺たちのディフェンスは通じていると選手たちは感じていると思いますので、そこはさらに詰めていって、さらに高めていきたいと思います」
村田毅キャプテン
「まず、初めに、素晴らしい環境で試合できたことを選手として、関係者の皆様に感謝したいと思います。また、たくさんのサポーターの皆様が応援してくださって、プレーしていてすごく幸せでした。今日の試合はリーグ戦の最終戦ということで、僕らは下のトーナメントに行くことが決まっていたところで、上位リーグに行くことが決まっているサントリーさんと戦うという意味でも、僕らが失うものは何もなく、この試合での態度というものがこれからのチームの未来を決めて行くかなと思って、とにかくファイトし続けるということにフォーカスして臨みました。最初から皆身体を当てて、チームの皆と話しても行けるよねと、それぞれが自信をもった反面、自分たちで我慢し切れずゲームを崩してしまったところは反省点です。やはり、サントリーさん相手でも、自分たちの時間がもてたということ、それをどれだけ増やせるのかということをこれから考えていきたいと思います。結果として、このリーグで下から2番目になりましたが、幸い、次のトーナメントでは最高で9位まで上がれるということですので、上を向いて、自分たちがそこを目指した時に何が足りないのかを一人一人が考えて、良いウィンドウマンスを過ごして行きたいと思います。試合は皆がファイトし続けたので、僕はチームメイトを誇りに思います」
──出てきた課題と、強化するポイントは?
「今日の試合だけに限って反省するのか、リーグ戦を通じて反省するのか、また違うと思いますが、今日の試合に関して言えば、規律の部分で試合を壊してしまった点です。前節のNEC戦でもありましたが、まず規律の部分、前節に続いてスクラムで笛を吹かれてしまった部分、僕らが強みとしたかった部分でもあるので、そういうところを修正して行きたいと思います。あとは、アタックのブレーカーのところです。相手に縦パスされる場面が多かったので。あとは、7節のトータルな反省はゆっくり休みに入って考えていきたいです」
サントリーサンゴリアス
沢木敬介監督
「良いところもあったが、まだまだ、改善しなければならないポイントも出たゲームだったと思います。多分、今、2位で、おそらく次はクボタさんだと思いますので、この1ヶ月しっかりとチャンピオンになる準備をしたいと思います」
──良かったところは?
「ディフェンスでは、改善できている部分もあったのではと思います。個人のインディビジュアルなエラーが多いのは、まだ変わっていないので、そこをしっかり成果を出すためのプレーにしていかなくてはいけません」
──田村選手の本当に良くなっているところは?
「今日みたいにプラグメントする意識が出てくれば、もっともっと良いプレーが出てパフォーマンスも上がって行くと思います。ただ、上手くやろうとし過ぎて、ポジショニングがどんどん深くなっていくと、ヒカルの強いところが出てこなくなっていきますので、ああいうリスクもアタックのマインドで仕掛けていくイメージをもっていると良いパフォーマンスも出てくると思います」
──何かを変えればスイッチが入ると仰ったが?
「これくらいでいいだろうなという思いが少しでもあると、それが自信になってしまいます。そういう隙がある時点で、多分、成長が止まるものだと思うんですね。これから1ヶ月で、どれだけ現状に満足しないで、選手、スタッフ含めて一人一人がメンタル的にタフになれるかが勝負です。最後に、一番危険なのは、今この現状で、これくらいでいいだろうという思いが出てくるのがダメな部分で、しっかり、もう一度引き締めていきたいと思います」
──ブレイクダウンのクオリティが良かったが?
「今シーズン、一番苦労しているのが、レフリーによって基準が違うところです。あまり、言いたくないのですが、これはレフリー批判をしているのでなく、それに合わせなくてはいけないところが問題です。僕らはトレーニングでは、ワールドラグビーが示して来たインターナショナルなルールに基づいてトレーニングメニューを考えているのですが、自分たちの解釈と今のトップリーグの解釈とですごくズレがあります。それは、良いとか悪いでなく、それに関してアジャストするというのが、多分、選手一人一人がすごくストレスがかかっている部分だと思います。具体的に言うと、例えば、ワールドラグビーでは、今シーズン、オフサイドだったりデッドラックだったりとか、新しい項目がいろいろ出て来ているんです。それにどう対応するかというのが、全チーム、トレーニングしなければいけないことだと思います。それを、ロールアウェイを厳しく見ると言えば、タックラーがすぐに退く練習をしなくてはならないですし、立ち位置のオフサイドラインをもっと厳しく見ますとなれば、ラックから下がって、すぐセットするという練習を入れていかなくてはならないし。必ず、ルールとトレーニングを繋げて行かなくてはいけないと思うのです。まあ、サントリーはそれをやっているつもりですが、解釈のズレがすごくあります。なので、試合中にレフリングに合わせるという作業が、選手はすごいストレスを感じる部分だと思います。でも、僕はトップリーグの基準に戻そうとは思わないですし、サントリーはこれからもその基準をブラさずにいこうと思います」
──松島選手の怪我の状態は?
「怪我の状態は詳しくは言えませんが、これからのリハビリ次第だと思います。まあ、順調だと思います。NZ戦は無理だと思いますが」
村田大志ゲームキャプテン
「日本代表がいない中、居るメンバーでどれだけやれるかというゲームでした。良い部分も悪い部分もありましたが、次に繋がる良いゲームだったのではないかと思います」
──良かったところは?
「態度のところは多少改善できたかと思いますが、準備を通してコンスタントな状態を保つことが大事だと思います」
──代表のいないチームをまとめる難しさは?
「まあ、特にないですね。特に変えたところもありませんし、経験ある選手もたくさんいたので、そのメンバーで対応して、このあと、チャンスをモノにした選手がAチームになると思うので、そういう選手を指揮していきたいと思います」