トップリーグカップ2018-2019 プール戦 第1節レポート(キヤノン 20-7 日野)
ジャパンラグビー トップリーグカップ 2018-2019 プール戦 第1節
2018年11月10日(土)14:00キックオフ/東京・町田市立野津田公園陸上競技場
キヤノンイーグルス 20-7 日野レッドドルフィンズ
日野レッドドルフィンズ
細谷直監督
「トップリーグ初のカップ戦ということで、リーグ戦で出場機会の少ない選手を中心にメンバーを組みました。前半は、ディフェンスを中心に体を張って、良いゲーム運びの中でトライを獲ることができました。あるいは、相手のミスを誘う組織のディフェンスがしっかりと機能していたと思います。課題のモールで二つトライを獲られました。これについては、今、注力を注いで取り組んでいることなので、良い課題をもらいました。モールで良かった点もありますが、二つとられたことを課題として修正していくという意味ではよかったと思います。規律については、少しペナルティーが多かったです。特に後半です。前半はしっかりと規律が守られていました。規律は、勝敗に大きく絡んできますので課題としてとらえ、修正していきたいと考えています。まだカップ戦が続きますので、しっかりと準備していきたいと思います」
──カップ戦については、どのように捉えているのでしょうか。
「チームの底上げです。試合に出ていない選手が、公式戦のプレッシャーの中でゲームをすることは、若手の育成も含めて、リーグ戦で勝てていないこともありますが、それと並行しながらチーム力の底上げをするためには良い機会ととらえています」
──12月からのトーナメントも見据えていくのでしょうか。
「どのチームもリーグ戦を終えてから、12月からの順位決定トーナメントに主眼を置いていると思います。コンディションの整え方とか、カップ戦からトーナメントと6戦(6週)続きますので、そのためのコンディションを調整することを含めながら、出場機会の少ない選手の底上げです。今後のカッップ戦については、12月の順位決定トーナメントが一番重要ですので、そこを見据えた布陣を残り2試合では組んでいきたいと思います。
──出場機会の少ない選手の中で、良かった選手は。
「前半に不運にも退場しました篠田が良かったです。彼は、ボールキャリアの能力があります。今日はその場面はありませんでしたが。コネクションをキープしたディフェンスや、キックチェイスからのターンオーバーでは、トライに繋がった起点も彼のキックからのチェイスでした。彼は、次につなげるゲームをしようとする思いが強くあったと思います。フォワードでは西村です。彼のディフェンスは、キヤノンに外国人が5人いることを感じさせないほど接点での強さがありました。前半節は怪我をしていました。ここで戻ってきたことは、我々にとって大きなプラスです。
強いてあげればその二人で、他の選手もよく頑張ったと思います。勝負の駆け引きで、後半に受けたことが負けた要因だと思います。
──今日の試合で、順位決定トーナメントでの東芝戦にイメージして繋がるものはあるのでしょうか。
「あと3週間の中でレベルをあげなければいけないのは、モールのディフェンスです。スクラムで押されたこともありましたが、その時の組み方での影響もあったと思うので、そこよりはモールだと思います。そのためには余計なペナルティーをしないことが重要です。東芝はモールを一番の強みとしているので、この点を3週間で積み上げなければいけないと思います。あのディフェンスをしていれば、東芝にも簡単には破られないと思います」
ニリ・ラトゥ ゲームキャプテン
「前半はディシプリンを守れて良かったですが、後半は、プレッシャーを感じたのかミスが多かったです。監督が言っているように良いところが見えてきたので、前向きに捉えています」
──良いところが見えてきたとは、どの点でしょうか。
「特にディフェンスです。前半はシンプルにゲームを進めようということで、ディフェンスでプレッシャーをかけることができました。後半は逆で、我々がプレッシャーを感じてしまいました」
キヤノンイーグルス
アリスター・クッツェー ヘッドコーチ
「勝利を得ることはチームとして必要としていたので、勝つことができて良かったです。カップ戦が始まり新しいメンバーを使いました。出場機会が少なかった選手にチャンスを与え、彼らがキヤノンのためにどのようなプレイができるかを見たい意図がありました。彼らの頑張り、パフォーマンスには満足しています。その中でもチャンスをものにできないシーンがありましたが、あきらめずに最後までやりきったことは褒めたいと思います。
ゲームを久しぶりにやるキャプテンの(エドワード)カーク、若い選手では占部は良いパフォーマンスを見せてくれました。清水も良いパフォーマンスをしたと思います。アマナキは怪我をして残念でしたが、短い中で良いプレイをしてくれました。野口も良いパフォーマンスをしてくれました。これをスッテプアップのチャンスとして、積み上げていきたいと思います」
──カップ戦のチームとしての位置づけは。
「カップ戦はとても良いと思います。チャンスを選手に与えることができます。経験は自分でミスをして、それを二度と繰り返さないということでしか培っていきません。状況判断は、ゲームの中でいちばん難しいものの一つで、選手たちがプレッシャーの下でないと身につかないと思っています。カップ戦は選手層を厚くする、あるいは、シーズン後半に必要とする選手が出てくるかもしれないところや、トップリーグ前半で怪我をした選手が復帰をするための試合として位置づけています。来週もNECとタフなゲームがありますので、そこに向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。カップ戦はポジティブにとらえています。ネガティブなことは、選手が怪我をしてしまいますが、これはラグビーではあり得ることです。
今日のレフリーは、今までトップリーグで吹いたことがない方だと思います。新しい方が笛を吹く機会が得られるのであれば、レフリーの育成にとっても良いことだと思います」
──カップ戦はチームの底上げという面もありますが、トーナメント戦への準備もあると思います。残り2試合、どのようにバランスを取りながらやっていくのでしょうか。
「ゲーム機会に恵まれていなかった選手に出場機会を与える点もありますが、トップリーグ順位決定戦の1試合目に向けて積み上げていくこともチームとしても取り組んでいます。両方を達成できればと考えています」
エドワード・カーク ゲームキャプテン
「ヘッドコーチの言ったとおり、勝利が必要だったので、勝つことができて喜んでいます。3人の選手がキヤノンでのデビューを果たしました。3人は素晴らしい達成をしたと思います。自分もキヤノンで初出場した時のことを覚えていて、特別な経験だったことを覚えています。前半に4トライはできたと思いますが、ものにできませんでした。しかし後半に立て直し、最後は20フェーズ以上重ねてトライすることができたのは、8週から10週の間、ゲームをしていない選手が出ていたことを考えると、ポジティブなことだと思っています」
──前半にトライすることができなかったのは、経験の差なのでしょうか。
「経験の差ではなく状況判断の差だと思います。経験というのは、そのような状況にならないとすることができません。今回のゲームから学んでいけば良いと思います。自分自身も含めて、パスすべきところでしなかったり、パスをしなくていい時にパスをしてしまった判断ミスがあったと思います。自分達のチームとしてのストラクチャーに立ち返って進むべきところがあったと思います」
──今日の自分のパフォーマンスに満足していますか。
「自分はいつもハッピーな人間だと思っています。この環境にいられることを幸せだと思っています。今日も若い選手が出る機会をもらえて喜ばしいと思っています。自分自身については、厳しく自分を評価します。良い面もありましたが、向上すべきところもありました。チームとして勝利することができ、喜ばしいと思っています。自分は、もっと向上すべきと思います」