トップリーグ カップ 2018-2019 weekly preview:プール戦第3節

サントリーに対してリーグ戦での2点差負けの借りを返し、カップ戦4強の座を確保したいNTTコム photo by Kenji Demura

サントリーに対してリーグ戦での2点差負けの借りを返し、カップ戦4強の座を確保したいNTTコム
photo by Kenji Demura

NO8マフィ復帰のNTTコムは“和製”サントリーとガチンコ勝負へ
前節、神戸製鋼を破って勢いに乗るクボタはヤマハ発動機討ちを狙う

text by Kenji Demura

代表チームの活動を優先するウィンドウマンスに初の試みとして行われているジャパンラグビー トップリーグ カップ 2018-2019は、今週末早くもプール戦最終節を迎える。

各プール戦で首位になったチームが1月に予定されている総合順位決定戦の1〜4位決定トーナメントに進出し、初代カップ戦王者を狙う戦いに挑むことになるだけに、最後まで熱い戦いが期待できそうだ。

4チーム中3チームがリーグ戦の8強という厳しい組み合わせとなったプールAでは、サントリーサンゴリアスとNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが2戦2勝の勝ち点9で並び、両チームの最終決戦(11月24日13:00 大阪・ キンチョウスタジアム)によって同プール1、2位が決まる。

この2チームは今季のリーグ戦でも同じカンファレンスで戦い、9月7日の第2節で対戦した際には、サントリーが20—18で辛勝している。
ただし、SH流大主将をはじめ多くの主力メンバーが日本代表の英国遠征に帯同しているサントリーは、2ヶ月半前のリーグ戦でプレーした選手のうち、今回も23人の登録メンバー入りしたのは8人のみ。
しかも、23人中外国出身選手は2人だけだ。
「ウチは日本人を育てる」と、沢木敬介監督が常々主張しているチームカルチャーを前面に出してカップ戦ベスト4を決める試合に臨む。

対するNTTコムはリーグ戦時と比べて先発メンバーに入れ替えは15人中3人のみ。しかも、新たに加わった先発メンバーのうちのひとりが日本代表キャップ数22を誇るNO8アマナキ・レレイ・マフィというベストメンバーで王者討ちを果たして4強入りを決めるつもりだ。

プールBでも、キヤノンイーグルスとパナソニック ワイルドナイツが2戦2勝(勝ち点8)で並び、やはり最終節の直接対決(11月24日14:00 埼玉・熊谷スポーツ文化公園県営熊谷ラグビー場)によって、1、2位が決まる。
サントリー同様、多くの主力選手が日本代表の欧州遠征に参加して不在のパナソニックは、ここまでの2試合ではいずれもトライ数は相手と同数でボーナスポイントも挙げられない苦戦ぶり。

キヤノンも日本代表で不在なのは3人だけだが、HO庭井祐輔主将、LOアニセ サムエラ、SO田村優というチームのキープレーヤーを欠いた布陣での戦いとなる。

奇しくも両チームは1ヶ月前のリーグ戦(ホワイトカンファレンス)最終節、同ラグビー場のこけら落としで直接対決したばかり。すでに日本代表選手のプロテクト節でもあった1ヶ月前の対戦では25—6でパナソニックが勝利を収めているが、キヤノンもカップ戦での2試合では相手に1トライずつしか許しておらず、「ディフェンスで耐えて」(アリスター・クッツェーヘッドコーチ)再戦をものにしたいところだろう。

名古屋では再び豊田自動織機/トヨタ自動車の愛知ダービーが

リーグ戦の両カンファレンス首位チームが揃うというプールA以上の“死の組”となったプールCでは、前節で神戸製鋼コベルコスティーラーズを破って首位に立ったクボタスピアーズが今節ではヤマハ発動機ジュビロと対戦する(11月25日13:00 静岡県営遠州灘海浜公園球技場)。

ヤマハ発動機対クボタもリーグ戦では2点差(ヤマハ発動機勝利)。カップ戦ではどちらに軍配? photo by Kenji Demura

ヤマハ発動機対クボタもリーグ戦では2点差(ヤマハ発動機勝利)。カップ戦ではどちらに軍配?
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「ここまで数年かけてきた結果が出た」(フラン・ルディケヘッドコーチ)と神戸製鋼に対する勝利を喜んだクボタがそのまま勢いに乗って、ヤマハ発動機をも撃破するのか。

イングランド遠征中の日本代表への強烈なメッセージとも言えるようなプレーぶりでチームを引っ張り続けるCTB立川理道主将のパフォーマンスにも注目だ。

迎え撃つヤマハ発動機としても、来週にはリーグ戦の総合順位決定トーナメントがスタートすることもあり、神戸製鋼に99点を取られて大敗したカップ戦第1節のような不甲斐なさとは対極にあるような強さを見せておきたいところだろう。

プールDで首位に立つトヨタ自動車ヴェルブリッツのプール最終戦は豊田自動織機シャトルズとの“愛知ダービー”(11月24日14:00 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場)。
こちらも、1ヶ月前のリーグ戦(レッドカンファレンス)最終節で直接対決したばかり(31—20でトヨタ自動車が勝利)。
悲願のトップリーグ初制覇を目指すトヨタ自動車の仕上がり具合が、熱いダービーマッチで確認できるだけに、地元ファンとしては見逃せない一戦となる。

再び名古屋でのダービー戦を制して、カップ戦4強の座を確保したいトヨタ自動車 photo by Kenji Demura

再び名古屋でのダービー戦を制して、カップ戦4強の座を確保したいトヨタ自動車
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