トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦レポート(キヤノン 14-40 Honda)

ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦
2018年12月9日(日)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
キヤノンイーグルス 14-40 Honda HEAT

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスのクッツェー ヘッドコーチ(右)、嶋田キャプテン

キヤノンイーグルスのクッツェー ヘッドコーチ(右)、嶋田キャプテン

アリスター・クッツェー ヘッドコーチ

「コンニチワ、ミナサン。今日の結果はたいへん残念に思います。明らかにしっかりとしたメンタルの準備ができて試合に臨んだチームとそうでなかったチームの差が出たゲームでした。先週の織機戦に勝ったことで少し気のゆるみが出てしまったのかと思えるほど、選手のアティチュード、インテンシティ、ワークレートが先週と違ってしまいました。Hondaは勝利に値するパフォーマンスでしたが、すべての面でHondaに流れが傾いてしまったと思います。前半、キヤノンにヤル気のないプレーが続きました。後半はかなり良くなりましたが、前半に取られ過ぎて負けとなり、非常に残念な結果となりました。先週のいいパフォーマンスから今週にさらに積み上げていこうとしましたが、それができず、こういった結果になりました。もう一度チームでこの試合のレビューをして、見つめ直して前に進んでいかなければいけません。選手たちにプレー面でひたむきさが見えないのは非常に難しいです。あらためてHondaに『おめでとう』といいます。Hondaは勝利に値するプレーをしていました。われわれはチームの中でもう一度立て直しを図ります」

──今日の試合はキヤノンらしさが出せていませんでしたが、準備期間中から何かおかしいと感じることはありましたか?

「グッド・クエスチョンです。リーグ戦でも最初の試合では東芝にいい試合をして勝てたのですが、その翌週はHondaと当たっていいパフォーマンスができず引き分けでした。デジャブとは言いませんが、順位決定戦に入ってのこの2試合も似たような感じでした。いい試合をした次の試合でもいいパフォーマンスをできるような成長をしなければいけません。なぜそれができないのか、もう一回見直して、成長していかなければいけないと思います」

嶋田直人 キャプテン

「1週間、しっかり準備してきたつもりでしたが、それが足りなかったのだと思います。完全にメンタルで負けていました。Hondaは勢いに乗ると強いチームです。前半20分間、体を当ててフィジカルに勝とうとしましたが、それができず、逆にHondaにそれをやられてズルズルと負けてしまいました。恥ずかしいプレーが続きました。ヘッドコーチが言ったように自分たちを見つめ直して切り替えていくしかありません。ワン・チームになって次の試合へ切り替えていきたいと思います」

──反則も多く取られて、ラインアウトでもプレッシャーを掛けられていましたが対策はしていましたか?

「Hondaがいいプレッシャーを掛けてきました。自分達のいいかたちでのジャンプやリフト、またモールのセットアップがつくれませんでした」

──メンタル的に元気がないと感じましたが、この試合へのモチベーションは難しかったのでしょうか? 何が理由でしょうか。

「はっきりとは分かりません。先週の試合は入替戦に回るかどうかがかかっていましたのでチーム全員がメンタル的に強く臨めました。そのような具体的な目標がない今週の試合では『いいメンタルを作ろう』と声を掛けてきたのですが、甘さが出てしまいました。勝っても負けても入替戦に回るのでもなく、ベスト8以上に上がれるわけでもなく甘さが出てしまいました」

──前半でHondaに多く得点され点差が開いてしまいましたが、試合中あるいはハーフタイムにどのような修正の指示をしましたか?

「試合中には、反則を犯さないこと、ダブルタックルで相手のボールをスローボールにすることを言いました。ハーフタイムにはエナジーが足りないこと、ミスを恐れないこと、また、コミュニケーションが少ないと感じたのでトークを増やして自分たちのラグビーをしようと選手達に言いました」

Honda HEAT

Honda HEATのリー ヘッドコーチ(右)、小林キャプテン

Honda HEATのリー ヘッドコーチ(右)、小林キャプテン

ダニー・リー ヘッドコーチ

「今日は大きな試合になると思い、1週間しっかり準備を重ねてきました。ビッグゲームでキヤノンに勝つことができ大変うれしく思います。先週のサニックス戦では大きな勝利をつかみましたが、今日の試合にモチベーションを高めて臨むことができました。前半、しっかりしたプレーでいいトライを重ねることができました。ハーフタイムにはこのまま一貫してプレッシャーを掛けていこうと言いました。後半、キヤノンは全てをなげうって勝ちに来ると思っていました。後半もディフェンスをしっかりやることを言いました。後半はキヤノンにトライを取られてしまいましたが、プレッシャーを掛けつづけて勝てたのは嬉しく思います。選手の思わぬケガもあり控えHOの天野豪紀がFLに入らざるを得なくなりましたが、選手が皆、しっかりファイトしてハードワークすることができました。今日勝てたことで9位まで上れる可能性が出てきました。ここから再スタートです。次戦はNECが相手となりますが、ビッグゲームになります。また、しっかりしたチームの組み立てをして臨みたいと思います」

──リーグ戦で下位となり、(優勝は目指せず)9位を目指すことになりましたが、選手のメンタルを高めることが難しい中、選手は今日、いいパフォーマンスを出せたと思いますが、どこに気をつけて選手に接しましたか?

「ゴールを下方修正せざるを得なくなりましたが、我々はトップ8に勝てる実力はあると思っています。リーグ戦が終わった時点ではチームの皆、残念な気持ちでした。もう1回できることは9位を目指すことです。Hondaにとっては9位という順位は未踏のポジションです。モチベーション高く結果を残すという目標を選手と共有できました。Hondaはこれまで充分な評価がされていませんでしたが、ヘッドコーチとしてしっかり水準を高めてリスペクトを勝ち取りたいと思います。トップリーグでも勝ち残っていける、ここ(上位)にいるべくしていることを示すことをモチベーションとできました。目標を下方修正し、かつ、モチベーションを維持することをキーポイントとして臨みました。今日の試合ではそれをしっかり証明できたと思います」

──先週の試合より今日の試合の方が、選手が生き生きと動いていたと感じましたが、モチベーションを上げるという意味で1週間どういう準備をしてきましたか?

「Hondaとして自分たちのゴールをリーグ戦が終わった時点で『9位を獲得すること』に設定しました。先週の試合は『入替戦となる下の4チームに行かない』という意味でとても大きな意味のある試合でした。目標を『9位』に下方修正はしましたが、(先週、サニックスに勝てて、さらに今日、キヤノンに勝って)結果を残していますので選手のモチベーションも上がってきています、来週の試合でも結果を残したいと思います」

──今日はCTBにクリントン・ノックスを起用しましたが、チームへどのような効果を与えていますか? また、SHに山路健太を起用しましたがその理由は?

「ノックスは、秋田ノーザンブレッツでプレーしていましたが、Hondaにはトライアルを受けて練習生として契約しました。今日のためハードワークをし続けて、チャンスをつかみました。ノックスにはこれまでのCTBとは違う側面を引き出せる選手だと思います。体も大きいし、パワフルだし、ポテンシャルは大きいと思います。ノックスはボールを持った時には自分でキャリーしていける能力があります。今日、CTBはショーン・トレビーと2人で組みましたが、経験あるトレビーが隣にいることがいいと思います。2人でうまく力を合わせてチームにいい効果をもたらしていたと思います。SOのベイデン・カーが先週、ケガをしてしまったこともあり、外国人起用のオプションとしてノックスを今日起用したという点もあります。外国人選手のオプションを増やすことができ、また、彼が強いプレーができることを証明できたと思います。
今日、SHにケンタ(山路健太)を起用しました。先週、ケンタをリザーブに入れましたが、他にケガ人もあり今日は先発起用しました。ケンタとしても今日はとてもいいプレーができた試合になったと思います。ケンタは今日、フォワードをコントロールしてしっかり速いテンポのアタックもできていました。アタックのバリエーションが増えたと思います。練習の成果が見えました。しっかりケンタがフォワードをコントロールできたことを嬉しく思います」

小林亮太キャプテン

「ヘッドコーチが今日は上機嫌なのですべてしゃべってくれました。今日はいいゲームができました。準備してきたことをしっかり出せました。チームの全員でいい準備ができ、また、ゲームの中でもヘッドコーチの言った思わぬポジションへの交替もありましたが、自分たちのやるべきことを80分間出し続けることができました。試合に出なかったノンメンバー、スタッフたちと一緒に1週間、いい準備をして、チームとしてやるべきことが明確になっていたので、いい結果を得ることができました。しっかり最後のゲームに準備して、下方修正した『9位』という目標をつかむため次の試合をしっかり戦いたいと思います」

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