どうなる?「ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント」山崎&安村アンバサダーと太田部長の特別座談会④

トップリーグ2018-2019総合順位決定トーナメント開催! 特別座談会
山崎&安村アンバサダーと太田部長が語り合う
<トップリーグの現在。そして、その未来形>➃
「リーグ総合順位決定トーナメント最終節を前に
両アンバサダーによる“私的ベストフィフティーン”決定」

トップリーグ アンバサダーである山崎紘菜さんと安村直樹さん、そして太田治トップリーグ委員長が集結して熱いラグビートークを繰り広げる特別座談会第4回は、12月15日に予定されている「リーグ総合順位決定トーナメント」最終節を前に両アンバサダーに選んでいただいた“トップリーグ 2018-2019私的ベストフィフティーン”について。
ファイナル(14:00 東京・秩父宮)に勝ち残った神戸製鋼とサントリーのキープレーヤーたちは順当に選ばれているのか? 中には超意外な顔ぶれも? 悩みに悩みまくっていた様子も紹介します(以下、一部敬称略)。

出席者

  • 山崎 紘菜(東宝芸能所属 女優=ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019アンバサダー)
  • 安村 直樹(日本テレビアナウンサー=ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019アンバサダー)
  • 太田 治(日本ラグビーフットボール協会トップリーグ部 部長)

取材・構成/出村 謙知

山崎、安村両アンバサダーと太田部長 photo by Kenji Demura

山崎、安村両アンバサダーと太田部長
photo by Kenji Demura

太田「そろそろ、おふたりが独自の視点で選ばれた今季のトップリーグのベスト・フィフティーンを聞かせていただければと」

安村「わたしはミックスゾーンで話を聞くのが好きなので、『ミックスゾーン・フィフティーン』で」

太田「それいいね。面白そう。選手の態度とかで選ぶ?」

安村「そうです!そうです!」

安村「1番(PR)は三上(正貴=東芝)選手。シャイだし、照れ屋だし、放っておくと、逃げていっちゃう感じなんですけど、こっちがどうしても聞きたいことには、正面切って、しっかり答えてくれる。『おれはこれが聞きたい!』ってことに関しては本当に100%の答えが返ってくる。だから、逆に下手なことは聞けなかったりもする。
3番(PR)もやはり東芝の知念雄選手。あの太ももを見にスタジアムに行く価値がある(笑)。そして、ミックスゾーンでは、みんなから何度も経歴を聞かれて、一から答えている、あの正直さ。『出身は大学院でいいんですか?』、『そうです』というような。
HOは日野(剛志=ヤマハ発動機)選手。セットプレーでキーになるポジション。特に、ラインアウトはキック並みに得点へのキーになるプレーなので、スローイングが得意な日野選手を選びました」

山崎「わたしは、HOは日野選手と庭井(祐輔=キヤノン)選手で迷います」

安村「スローイングを重視するなら日野選手。低いプレーを重視するなら庭井選手ですかね」

太田「『スクラムが好き』という山崎さんがPRに誰を選ぶのか興味深い」

山崎「1番が瀧澤(直=NEC)選手か三浦(昌悟=トヨタ自動車)選手で迷っていて、3番は垣永(真之介=サントリー)選手でどうかなと思うんですけど」

太田「なんと、タッキー! 確かに、昌悟もいいけど、ここは是非、瀧澤で(笑)」

安村「LOは、いまのトップリーグには素晴らしい選手が揃っていて、個性がぶつかり合っているポジションだと思うのですが、グラント・ハッティング(神戸製鋼)選手と真壁(伸哉=サントリー)選手にしようかと。ハッティング選手は“ザ・ロック”。LOって、背が高くて、手が長い選手がなるという、究極的にそのイメージ通りの選手。
真壁選手はスクラムを組む時の掛け声に注目です。気持ちが先行して何言っているかわからないこともあるんですが(笑)、そういう気持ち先行型のLOとして。あと、ブルゾンちえみさんとしゃべりの相性がいいのもポイントが高いです(笑)。あの人見知りの究極と言っていいブルゾンさんが心を開いていた」

太田「それって、ミックスゾーンではないですよね?」

安村「というよりは飲みの席でなんですが(笑)、さすがだな、と」

山崎「わたしは、LOには大野(均=東芝)選手を入れたいです。もうひとりは、ハッティング選手も凄いのですが、サム・ワイクス(パナソニック)選手もいて……」

安村「HondaのRG・スナイマン選手は日本に来て身長が1cm伸びたそうです。206cmが207cmになったとか」

山崎「でも、やっぱりワイクス選手かな」

安村「FLでどうしても入れたいのが、仲曽根健太(サントリー)選手。大学の同期のキャプテンなんです。昨シーズン、トーナメント始まるまではメンバー外だった小澤(直輝)選手が、いきなりメンバーに入って、日本代表にも選ばれた。それと同じことが起きてもおかしくないほど、ラグビーが大好きでひたむきな男。大学時代も百何十人の部員がいる中で、全員が仲曽根を信頼していた。
学生時代も、会社入ってからも、これ以上の男には出会ったことがない。この男が誰かを裏切った時は世界が終わる時」

太田「すごいプッシュぶりですね」

安村「はい。それくらいの男なので。そして、もうひとりのFLは福井翔太(パナソニック)選手。19歳。日本の将来を背負う選手でしょう。
NO8もパナソニックのホラニ龍コリニアシ選手です。国籍じゃなく、日本のためにどれだけ戦うか。その気持ちがどれだけあるかを体現している」

山崎「FW第3列は本当に迷います。ブリッツ(ヴィリー=NTTコム)選手、ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機)選手、徳永(祥尭=東芝)選手。リーチ (マイケル=東芝)選手も入れたいし。NO8は松橋(周平=リコー)選手」

山崎さんが選ぶベストフィフティーンCTB梶村(サントリー)と安村さんが選ぶベストフィフティーンSOカーター(神戸製鋼)。トップリーグ覇者となるのは? photo by Kenji Demura

山崎さんが選ぶベストフィフティーンCTB梶村(サントリー)と安村さんが選ぶベストフィフティーンSOカーター(神戸製鋼)。トップリーグ覇者となるのは?
photo by Kenji Demura

「カーターの凄さは日和佐が引き出している」(安村)

安村「SHは日和佐(篤=神戸製鋼)でSOはカーター(ダン=神戸製鋼)選手」

太田「『カーターの凄さは日和佐が引き出している』理論ですね」

山崎「BKも相当迷っちゃいます。SHは田中(史朗=パナソニック)選手、流(大=サントリー)選手、茂野(海人=トヨタ自動車)選手。どうしてもスター選手ばかり、日本代表中心って感じになってしまいますね。トップリーグの試合を観ていても、やはり輝いていますし。
SOも凄い選手ばかりですが、わたしは山沢(拓也=パナソニック)選手にします」

安村「CTBは12番が立川(理道=クボタ)選手で13番が増田慶介(東芝)選手。増田選手は大学時代に初めて星を見せてくれた先輩。タックルに行って、飛ばされて、目の前が真っ暗になって『本当に星が飛ぶんだ』って」。

山崎「素敵ですね(笑)。『星を見せてくれた』なんて」

安村「アタック・ディフェンスの時、本当はタックルに行っちゃいけないんですけど、自分はBチームにいて、どうしても試合に出たくて、増田さんを倒せば試合に出られると考えて……」

山崎「CTBも選びたい選手がたくさんいて、でも、立川選手と梶村(祐介=サントリー)選手かなあ。ラファエレ(ティモシー=コカ・コーラ)選手、トゥポウ(ウィリアム=コカ・コーラ)選手も捨てがたいですけど」

太田「そういうふうに、迷ってもらえることがトップリーグ関係者としては嬉しいですし、実際に出てくる名前が的を射た選手ばかり」

安村「WTBには、生方(信孝=Honda)選手を選びたいです。Honda=バイク=モーター=生方(笑)。クイックで、シャカシャカシャカってトルクが効いている感じがいい。そして、もうひとりはヘスケス(カーン=宗像サニックス)。試合中、ちょっとお腹がめくれちゃうことがある。しっかり、ポニョポニョしている(笑)。あのナチュラル系に親近感が湧きます」

山崎「WTBは、福岡(堅樹=パナソニック)選手は外せないですよね。もうひとりは、中靏(隆彰=サントリー)選手で」

安村「FBは山下(一=豊田自動織機)選手。以前、インタビューした時、どれだけ質問しても「自分、まだまだ大丈夫です」って残ってくれたので」

太田「急に、『ミックスゾーン』基準に戻りましたね」

山崎「わたしは、FBはアプロン(ジオ=トヨタ自動車)選手にします」

太田「これで、ひと通り出揃った感じですかね」

山崎「あっ!」

安村「ど、どうしました?」

山崎「尾崎(晟也=サントリー)選手……」

太田「尾崎が漏れていたと」

山崎「どうしよう。迷っちゃうなあ。でも、将来的な期待を込めてWTBは尾崎選手にします」

安村「すみません。わたしも少し変えたくなってきました。増田先輩のところをモセセ・トンガ(日野CTB)選手に。関西弁が面白いです。グリーティングタイムで話しかけてみてください(笑)。
もうひとりのCTBも宮澤(正利=ヤマハ発動機)選手に代えます。同い年なんですが、ずっとハーフだった宮澤選手が大学からCTBになって、そのサイズ(170cm/80kg)では無理だろうと言われ続けていたのに、社会人のトップチームに行ってもずっとCTBで頑張っている。とにかくタックルがすごい。勢いだけじゃなくて外さない。
LOはキヤノンのアニセ サムエラ選手に。ああ見えてめちゃくちゃシャイ。日本人でも驚くほどシャイ。でも、子供の運動会には行くらしいです。その子供が僕のことを認識していたので、ポイント高いです(笑)。“ズムサタ”見ているな、って。
あと、東芝のWTB/FB伊藤真選手も選びたいひとりです。昔から『ラグビー界のディープインパクト』だと思っていて、空を駆けるように走っていく」

太田「それにしても、おふたりの目利きぶりはさすがです。安村さんは、ミックスゾーンでの態度や先輩枠なども基準になっているようですが(笑)、山崎さんが選んだ15人には今シーズンいかにトップリーグをしっかり観ていただいたかが表れている。来年予定しているチャリティーマッチに出場するトップリーグ選抜の参考にしたいくらいです」

安村「めちゃくちゃ安いメダルつくって『山崎フィフティーン』として、別に表彰しちゃうとか」

太田「いいですね。『山崎フィフティーン』!」

山崎「折り紙で作ったメダル渡しますか」

安村「金色でね。丸の中に『山』の字を入れて」

太田「タッキー(瀧澤直)が『山崎フィフティーン』に入ったことは、ラガーマンみんなの希望になる。『山崎さんがタッキーを選んだ!』って(笑)、話題になりますよ」

人気者のNEC PR瀧澤は堂々と”山崎フィフティーン”入りした。 photo by Kenji Demura

人気者のNEC PR瀧澤は堂々と”山崎フィフティーン”入りした。
photo by Kenji Demura

<山崎アンバサダーが選ぶトップリーグ2018−2019ベスト・フィフティーン>
PR瀧澤直(NEC)、垣永真之介(サントリー)/HO庭井祐輔(キヤノン)/LOサム・ワイクス(パナソニック)、グラント・ハッティング(神戸製鋼)/FLヘル ウヴェ(ヤマハ発動機)、ヴィリー・ブリッツ(NTTコム)/NO8松橋周平(リコー)/SH田中史朗(パナソニック)/SO山沢拓也(パナソニック)/CTB立川理道(クボタ)、梶村祐介(サントリー)/WTB福岡堅樹(パナソニック)、尾崎晟也(サントリー)/FBジオ・アプロン(トヨタ自動車)

<安村アンバサダーが選ぶトップリーグ2018−2019ベスト・フィフティーン>
PR三上正貴、知念雄(東芝)/HO日野剛志(ヤマハ発動機)/LOアニセ サムエラ(キヤノン)、真壁伸弥(サントリー)/FL福井翔太(パナソニック)、仲宗根健太(サントリー)/NO8ホラニ龍コリニアシ(パナソニック)/SH日和佐(神戸製鋼)/ダン・カーター(神戸製鋼)/CTB宮澤正利(ヤマハ発動機)、モセセ・トンガ(日野自動車)/WTB生方信孝(Honda)、カーン・ヘスケス(宗像サニックス)/FB山下一(豊田自動織機)

(連載第5回に続く)

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