トップリーグ 2018-2019 weekly preview:入替戦

豊田自動織機は名古屋で三菱重工相模原と、コカ・コーラは大阪でNTTドコモとのサバイバルマッチに臨む photo by Kenji Demura

豊田自動織機は名古屋で三菱重工相模原と、コカ・コーラは大阪でNTTドコモとのサバイバルマッチに臨む
photo by Kenji Demura

大阪・金鳥では因縁のコカ・コーラ対NTTドコモ、熊谷では日野対近鉄
宗像サニックス対栗田工業は北九州、豊田自動織機対三菱重工は名古屋で

text by Kenji Demura

15日に行われた総合順位決定トーナメント3回戦が終了し、リーグ戦の最終順位が確定したジャパンラグビー トップリーグ 2018−2019。
年明けの1月13日からはトップリーグカップ 2018−2019の総合順位決定トーナメントが予定されているが、その前にリーグ戦で13〜16位となった4チームが乗り越えなければならないのが12月23日に予定されている「入替戦」だ。

来シーズン、トップリーグで戦う権利を懸けて争われるサバイバルマッチは、以下の対戦カード・会場で行われる。

  • 宗像サニックスブルース(TL13位) − 栗田工業ウォーターガッシュ(TCL4位)=13:00 福岡・ミクニワールドスタジアム北九州
  • 日野レッドドルフィンズ(TL14位) − 近鉄ライナーズ(TCL3位)=13:00 埼玉・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場
  • 豊田自動織機シャトルズ(TL15位) − 三菱重工相模原ダイナボアーズ(TCL2位)=13:00 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場
  • コカ・コーラレッドスパークス(TL16位)− NTTドコモレッドハリケーンズ(TCL1位)=13:00 大阪・キンチョウスタジアム

※TLはトップリーグ、TCLはトップチャレンジリーグの略

今季のTLはリーグ戦が7節のみと短かかったこともあり、自動降格のないフォーマットで下位4チームが入替戦に回り、TCL上位4チームと残留を賭けて年内最後の大一番を戦う。

「トップリーグで、もまれた実力を全てぶつける」(日野・村田主将)

「自分たちは16位だということをしっかり受け止めないといけない」
運命の一戦を前にそう危機感を露わにするのは、実に6年連続での入替戦となるコカ・コーラのFL桑水流裕策副将だ。「自分たちのミス、ペナルティでリズムに乗れないことが多かったので、規律の部分は修正する。しっかり我慢するだけ」
昨季もリーグ戦では1勝もできなかったコカ・コーラだが、同・総合順位決定トーナメント第1節でNTTドコモを破り、そのシーズン唯一の勝利によって自動降格を免れ、入替戦では終了間際に引き分けに持ち込んで(対三菱重工相模原27−27)、辛うじて残留を果たした。

そんなふうに、残留がかかった状況では無類の勝負強さを発揮してきたコカ・コーラだが、今回の対戦相手はTCLを1位通過してきたNTTドコモ。
昨季、リーグ戦で6勝を挙げながらも、前述のとおりコカ・コーラに敗れたことで入替戦に回り、更に日野に敗れ、まさかの降格となったのがNTTドコモであり、当然、モチベーション高くコカ・コーラとの“リベンジ戦”に臨んでくるのは想像に難くない。
「フィルヨーン選手(リアン=FB)などがしっかりエリアを取って、キックを使って前に出てくる。FWでは大きな選手がタテにいいボールキャリーをしてくる」と、桑水流副将はNTTドコモの印象を語る。
トップリーグ勢としては随一、敵地に乗り込んでのアウェー戦となる厳しい状況で再び勝負強さを発揮できるのか。激しい試合になることは間違いないだろう。

日野にとっては宗像サニックス戦でのショッキングな敗戦から切り替えられているかも対近鉄のポイントか photo by Kenji Demura

日野にとっては宗像サニックス戦でのショッキングな敗戦から切り替えられているかも対近鉄のポイントか
photo by Kenji Demura

やはり、昨季トップリーグから降格し、1年での再昇格を狙う近鉄と対戦するのは日野。
1週間前のリーグ総合順位決定トーナメント3回戦で、終了間際に宗像サニックスに逆転トライを決められて惜敗(34—37)。昨季まで10シーズン、トップリーグでプレーし続けた近鉄が入替戦の相手に決まった。
「攻守の切り替えのところ。もうすこし組織として埋めていかなければいけない」(細谷直監督)
「ディシプリン。我慢し切れずに相手に与えたペナルティが多い。徐々には良くなってきてはいるが、自分らで律せるところ」(FL村田毅主将)

1シーズン、トップリーグで戦いながら浮上している課題の消化に取り組みながら「トップリーグで、もまれた実力を全てぶつけて」(村田主将)残留を目指す。

日野に対する劇的な逆転勝ちによって、対戦相手が近鉄ではなくTCL4位の栗田工業となった宗像サニックスは「真っ向勝負で、しっかり体を当てていけば、スペースはできる」(藤井雄一郎監督)と、持ち前の激しく、かつテンポのいいアタッキングラグビーを披露して、しっかり勝ち切ることを宣言。

昨季の入替戦ではコカ・コーラに引き分けに追いつかれて涙を呑むなど、あと1歩のところで昇格を逃し続けている三菱重工相模原と戦う豊田自動織機は、「1試合、1試合、全力を尽くす」と語るトップリーグ得点王SOサム・グリーンのキック力なども生かして、安定した試合運びを見せたいところだろう。

ここ2戦は接戦をものにして連勝中の宗像サニックス。自信を持ってTCL4位の栗田工業を迎える photo by Kenji Demura

ここ2戦は接戦をものにして連勝中の宗像サニックス。自信を持ってTCL4位の栗田工業を迎える
photo by Kenji Demura

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