トップリーグ カップ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦レポート(リコー 28-17 NEC)

トップリーグ カップ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦
2019年1月19日(土)14:00キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)
リコーブラックラムズ 28-17 NECグリーンロケッツ

NECグリーンロケッツ

NECグリーンロケッツのラッセル ヘッドコーチ(右)、森田キャプテン

NECグリーンロケッツのラッセル ヘッドコーチ(右)、森田キャプテン

ピーター・ラッセル ヘッドコーチ

「シーズンを終えるに相応しい試合ではなかった。特に我々としては良いスタートをきれた試合でしたが、そういう意味でふさわしくなかったと思います。特にレッドカードが試合を分けたと思います。レフリーの判定やTMOも含め、仕方ないタックルでしたが、それでかなり流れが変わりました。我々としてはチャンスを取り入れることができなかった。
14人になった中でもDFは素晴らしく、特に最後のスクラムまではしっかりディフェンスできていたと思います。前半も含めて簡単なミスから簡単に相手にトライを許してしまいました。後半でも突き放すことができたが、何人かの状況判断が良くないことがありました。
このカップ戦というのは素晴らしいもので、先週の我々の試合に関しては若手の選手をしっかり使っていい形の育成を見せることができましたので、このカップ戦の価値はあったと思います」

──」通常のリーグで優勝が決まった後で、モチベーションなど難しい部分があったと思うが?

「トップリーグに関しては選手の育成が大事で、日本のラグビーを発展させていく上でも必要かと思います。カップ戦を継続するならば登録で誰が出るかをはっきりさせ、若手メインなのか主力メンバーなのかミスマッチにならない様にしないといけないと思います。予定されている2019年のカップ戦は育成にしっかり専念しなくてはいけない部分があると思います」

森田洋介キャプテン

「試合に関しては、前半は我々が勢い良くトライを取ることができましたが、後半は自らのペナルティーや軽いミスなどがあり中々流れを掴みきれずにいました。逆にこちらのレッドカードをきっかけに相手に流れを持っていかれ、そこから戻すことができなかった。レッドカードが勝負の分け目だったと思います。ペナルティーの多さと個人のミスの多さは今シーズン初めからずっとチームの課題としてきたところだった。シーズンを進めるにつれてだんだん良くなってきた部分ではあったのですが、ここに来て悪いところが出てしまった試合なので、かなり悔いが残る試合でした。チーム一丸となってディフェンスができた部分もあったので、それに関しては来シーズンにつなげて行ける大きな収穫だったと思います。またこのカップ戦トータル5試合やりましたが、NECの課題でもある若手の育成でもかなり成長できる機会が与えられたので非常に良い機会だと思いました。

──前半3トライ奪った後にミスとか反則などがあったと思うが、どのように流れを変えようと思った?

「基本的にはシンプルにキックで陣地を回復する、いつもの流れで行きたかったのですが、その前にこちらのミスでエリアマネジメントという部分で、こちらが後手に回り上手く行かなかった。私自身の反省も含めてやりたいことが最後の最後までできなかったというところがあります」

──今年1年どのようなことに注力をして、どのようにチーム力が上がって来たのか? これから直したいところは?

「今年1年注力をしたことの1つはチームの底上げです。若手を含め全体のレベルアップをしてきました。しかしNECの大きな課題として、層の薄さという部分が他のチームと比べてあったので、それを春の段階からまず6月のワラターズの試合をターゲットに若手とシニアの混合でゲームを経験し、最終的に勝利したことが良い結果につながったので、若手の起用を積極的に行って底上げができたのではないかという実感がでました。カップ戦でかなり若手の成長を確認できたのでそれなりの成果があったのかと思います。それ以にFWのグレッグ・フィークコーチを呼びFWの強化、特にスクラムにポイントをおいて強化をしました。昔強かったNECはFWが強かったと昔のファンの方が言いますが、チームの弱体化と共にFWの力強さというものが弱まってきたところをグレッグ・フィークのコーチングで、かなりの部分を解消できたと思います。スクラムも戦略に入れられるほど安定して組めているので、その様な課題もいい方向に向かっているのではないかと思います。来年はイレギュラーなシーズンになるのですが、引き続きチームのレベルアップをしなくてはいけないということを痛感したので、レベルアップしているチームが多々ある中で、僕たちも置いて行かれないようにFWの強化やスクラムの強化をしていき、フィジカルの部分も強化していくのと、BKももっとスキルアップしてBKでもトライを取れるチームにしていかなければならないと思います」

──カップ戦は不規則なスケジュールを経験したかと思いますが、プレイヤー目線からみてどのように感じた?

「正直難しい部分は感じました。毎週試合をするのは体的にもきついですけど、チームの方針も若手一辺倒でなく混合で行くとか、前の試合は若手で次の週の頭ではメンバーが分からないので、どこまで準備をすればよいのか難しい部分があった。ある程度協会の方で登録メンバーを固定して若手でこの試合をやりましょうとかいうのもよいかと思います。基本的には自分のリズムを上手く使ってやりたいのでシーズンを通して一定のリズムでやる方がありがたい。比較するとカップ戦はプレイヤーとしては難しい」

リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズの神鳥裕之監督(右)、濱野キャプテン

リコーブラックラムズの神鳥裕之監督(右)、濱野キャプテン

神鳥裕之監督

「我々としてはカップ戦を勝って終わる。そして笑顔で終わるというメッセージのもとで戦いまして、その結果として勝利をすることができました。1年を通して我々はチャンピオンという目標をリアルに実現するべく努力をして来たんですけど、結果としては届かなかったが、その目標はまだまだ続くというメッセージのもとで来期に向けてしっかりベース作りも含めて行っていきたいと思います」

──どの部分が一番成長したか、そして来季の大きな目標は?

「レギュラーメンバーを使いながら、間に若い選手を入れて戦ってきたことで、若い選手が成長できたことをつかめたことは我々の収穫でした。特に浜口選手や小池選手など。若い選手達が経験値のある選手達と一緒にプレイすることで能力を引き出させたことが良かった。チーム全体に関しては終盤に向けてアタックに対してのクオリティが上がってきた。相手のDFに的を絞らせずにトライを取ることが大分見えてきた。こういったベースは次のシーズンに向けて、しっかり繋いでいきたい。DFはリコーの生命線ですが、終盤に向かって良くない部分もあったので、この辺りはしっかり積み上げ直していきたい。我々としては直ぐに立ち上がってタックルでラインスピードを上げていきたいです。生命線のところはもう一度、基礎から積み上げていきたいと思います」

濱野大輔キャプテン

「今シーズンのラストゲームということで、スローガンのもとactionこれをひたすら続けようと思ってメッセージを出しました。最後は勝って皆で笑おうということを選手に伝えて試合に臨みました。前半はリコーらしさがないという率直な感想で、後半に関しては逆にリコーらしさであるアグレッシブさが出てボールをキープして、しっかりパワープレイなどができた。目標はトップリーグチャンピオンということでしたが、それには届かなかったが、リコーは前進していると思います。この目標を変えずにひたすら突き進んでいけたらと思います」

──今シーズンチャンピオンになるために、どのようなことに注力してきたか? 来季チャンピオンになるためには何が必要か?

「今シーズン優勝を目標に掲げ、シーズン初めに選手が主体的にやっていこうと話しました。練習の中でもミスがあったら何が悪かったかを選手達で話していく。そしてチャンピオンに向かって細かいことをリーダーを交えて選手達でミーティングを開いたり、練習前のミーティングでもアタックとディフェンスで別れてリーダー陣が発表したり、細かい部分から選手が主体的に活動してきましたが、まだ伸ばせるところはたくさんあるので、そこは引き続きやっていきたいと思います。チームとして日本一を取るためには、やはりまだ基本的なスキルやアタック・ディフェンスもそうですが、チームのスキルもまだまだ日本一のレベルには届いていない。今年はワールドカップイヤーなので、その中で磨き続けて積み重ねていきたいと思います」

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