トップリーグカップ2019 プール戦 第1節レポート(釜石 7-55 キヤノン)

ジャパンラグビー トップリーグカップ2019 プール戦 第1節
2019年6月23日(日)14:00キックオフ/岩手・いわぎんスタジアム(盛岡南公園球技場)
釜石シーウェイブスRFC 7-55 キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスのクッツェー ヘッドコーチ(右)、三友キャプテン

キヤノンイーグルスのクッツェー ヘッドコーチ(右)、三友キャプテン

「今日のキャプテン三友、素晴らしいゴールキックの精度、そして彼のリーダーシップ、キャプテンシーについても素晴らしいものを見せてくれました」

アリスター・クッツェー ヘッドコーチ

「ゲームの話をする前に、釜石SWとの試合を盛岡で実現してくださったホストの皆さんに感謝を申し上げたい。
(いわぎんスタジアムは)本当に素晴らしいコンディションのスタジアム、フィールドで試合をすることができて、たいへんにうれしく思っている。
カップ戦の初戦ということで、結果としてはある程度満足している。しかし、チームにとっての課題・取り組むべきところはたくさんある。私は個人的にはいつも、スコアだけ見るようなことはしません。自分たちで課している基準(standard)というものを常にすべてのゲームにおいて設定して、そこがうまくできていたかどうかというところを見ていくつもりです。取り組むべき課題はたくさんある。次のコカ・コーラ戦に向けて取り組んでいきたいと思います。
(今日の試合では)選手には、とてもむずかしい、風の強い天候の中、すべての面で我々のゲームプランを遂行してくれたことを評価したい。
特に、今日のキャプテンの三友の素晴らしいゴールキックの精度、そして彼のリーダーシップ、キャプテンシーについても素晴らしいものを見せてくれました。
そして、最後に言いたいのは、釜石SWの選手たちは最後まであきらめることなく、全身でプレーを続けた。釜石SWというチームの特徴が見えた試合だったと思います。我々キャノンイーグルスはこれからの試合、そして後半戦に向けてより慎重に取り組んでいきたい」

──今日の試合のポイントは。

「天候の部分が大きく関係していた。前半は(風の強い中)風下からの闘いでキックを使ったり、エリアやテリトリーをとるということについても難しい状況だった。
後半は逆に風が我々チームに味方した。キックを有効に使って敵陣に入り、セットピースでも有利な展開でプレーできた。
真逆の視点から言うと、釜石SWにとっては、自陣から出ることが難しくなっていった。前半もキヤノンはある程度は敵陣でチャンスを作れたとは思うが、モールディフェンスとか、釜石SWが素晴らしいディフェンスをしてきたので、思うようなプレーがなかなかできなかったが、後半はラインアウト・スクラムでも、敵陣でプレッシャーをかけ続けることができたのが、今日の勝利の要因の一つです。
コイントスで勝ったのが大きかったと個人的にはすごく思っています。こういう強風の時のことを『風で20点スコアしている』という言い方をすることがあるくらいなので、その点では、前半が終わった段階で点数の面で勝っていたというのは、後半に向けていい流れを作れたと思います」

──12番の多い三友キャプテンが10番で結果を出したことについて。

「プレッシャーはいつもよりきつかったと思うが、応えてくれていたと思う。状況判断やキックの精度もいいものを見せてくれたと思います。もし12番に戻ることになったとしても、逆にプレッシャーは軽く、もっと時間とスペースを持ってプレーすることができると思います。
そういう意味では、三友選手が10番でプレーすることも彼が12番でプレーするときのためにもなっています。ダン・カーターもクルセイダーズでは12番だったこともありますし、12番でキックの精度も上がってきて、これはいい経験だと思います」

──釜石シーウェイブスについて。

「トップリーグでプレーするという夢を抱えながらのチーム運営だと思いますが、1週間で何回くらい全員で練習ができているのか、他のトップリーグのチームと比べたら、理想的な環境ではないかもしれない。仕事をしていて仕事が終わった後、夜遅くに練習があるようなことも聞いている。
そういった中でも今日の試合に関して言わせてもらえれば、キャノンイーグルスもいつも以上のいいパフォーマンスを見せないと、なかなかこういう(勝利という)結果に持っていけなかった。楽な相手ではない、難しい相手だったと思っている。
後半で点差が開いても決してあきらめることなく、最後の最後までファイティングスピリットを見せながらプレーしているのが今日いちばん印象に残っています。
この後、釜石でラグビーワールドカップが開催される。釜石SWのファイティングスピリットのおかげで地域全体にラグビーワールドカップに対する気持ちが高まっていけば素晴らしいことではないでしょうか。
昨年、コカ・コーラと釜石で試合した時には、その日も風がものすごく強かった。岩手で風の強い中で試合をすることは、とても難しい試合になるという印象です。今日の試合も、前半は我々には本当に難しいゲームだったし、もうちょっと賢く裏にキックを使ったりして釜石は試合を進めてくるかと思った。ファイティングスピリットという面では最後まであきらめない強い心を見せてもらった。今日の試合を復習して次に進みたい。チームとしていいスタートを切りたいと思っていたので、それができたことは満足。
まずは1試合ごとにフォーカスを決めてそれに取り組んでいきたい。次戦のコカ・コーラにフォーカスを当てて取り組んでいく。今日の試合ででた反省点にも取り組んでいきたい。けが人も出なくて本当にいいスタートが切れました」

「新しいエリアで試合をするということをフォーカスする試合で、前半いい試合の入りができたと思います」

三友良平 キャプテン (マン・オブ・ザ・マッチ)

「まずは今日ここで試合をさせていただき、温かいご声援もいただきありがとうございました。
開幕戦ということと、盛岡で釜石SWと戦うということで、特に難しい試合になるのではと考えて会場に来ました。試合を支配するということにフォーカスを当てて試合に臨みました。特にエリアの部分、新しいエリアで試合をするということをフォーカスする試合で、前半いい試合の入りができたと思います。
そのままいい流れで試合ができたと思います。しかし、コーチの言うところの反省点もあります」

釜石シーウェイブスRFC

釜石シーウェイブスのピアース ヘッドコーチ(右)、小野キャプテン

釜石シーウェイブスのピアース ヘッドコーチ(右)、小野キャプテン

「全員にチャンスを与えるつもり。この経験を積んで高い山に挑んでいく」

スコット・ピアース ヘッドコーチ

「両チームともにディフェンスでプレッシャーを掛け合ったが、今シーズンの試合の中で、今日のようなプレッシャーのかかる試合をあまり経験していないので、練習で分かっていても試合では難しい局面があった。
今日の試合はディフェンスが多くなった。ボールをキープできないと勝利に結びつかない。前向きにとらえるなら、こういう経験をしないと前に進めない。このカップ戦には選手全員を起用するつもりです。東北の選手でこういう経験はなかなかできないから、全員にチャンスを与えるつもりです。
次はクボタ戦、クボタはパワーチームなのでディフェンスはもちろん大事だが、チャンスはあるのでポジティブに挑んでいく。いま、釜石SWは選手が若いので、この経験を積んで高い山に挑んでいく。経験は大事。

「相手より我慢できなかった」

小野航大キャプテン

「アタックもディフェンスも、ゲーム全体を通して、相手より我慢できなかった。アタックのチャンスもあったしディフェンスも試合の最初からアグレッシブにいけてましたが‥‥相手より我慢できなかった。
チームに若い選手が多いですし、シーズンに向けてキヤノンのような強いチームと当たっていくことによって我々も強くなっていくと思いますし、トップチャレンジに向けては、まだまだアタックもディフェンスもシステムも精度が低いので意識していかなくてはいけないですし、トップリーグのチームと戦っていくことによってそこをスタンダードにしていければチームの精度も上がると思います」

マン・オブ・ザ・マッチ、キヤノンイーグルスの三友キャプテン

マン・オブ・ザ・マッチ、キヤノンイーグルスの三友キャプテン

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