太田チェアマンに訊く新シーズンの開催概要&見どころ(前編)

いよいよキックオフ直前!
空前のラグビーブームの中、開幕するトップリーグ2020
太田治チェアマンに訊く新シーズンの開催概要&見どころ(前編)

1月12日、待ちに待った「ジャパンラグビー トップリーグ 2020」が開幕する。
昨秋のラグビーワールドカップ2019日本大会の影響でスタートが年明けにズレ込んだ“今季”のトップリーグは、全16チームの1回戦総当りでのリーグ戦(1〜5月)によって優勝チームを決定する。
ワールドカップで活躍した日本代表選手はもちろん、日本代表以外のスーパースターたちも世界中から新たに加わり、各チームがさらなる進化を遂げること が予想されるトップリーグ 2020に関して、昨年5月に就任した太田治チェアマンに、その概要や見どころに関して訊いた。開幕直前インタビューとして、前後編の2回にわたってお届けする。

聞き手&構成 出村謙知

太田治 トップリーグチェアマン photo by Kenji Demura

太田治 トップリーグチェアマン
photo by Kenji Demura

16チームの総当りリーグ戦による順位決定は3年ぶり

——今季は3シーズンぶりに1回戦総当り方式のリーグ戦の成績によって、順位決定が行われることになりました。

太田「開幕こそ自国開催のワールドカップの影響で通常とは異なる時期にずれ込みましたが、リーグ戦で優勝チームを決めるというスタイル自体は、正常なかたちに戻ったという認識でいます。ここ数シーズンはワールドカップに向けて、日本代表強化を一番に考えて、リーグとしても全面的に協力してきました。そして、実際に日本代表が結果を出してくれて、ワールドカップは最高に盛り上がりました。トップリーグとしても、この結果こそ望んでいたことですし、盛り上がりをさらに生かしていく努力を続けていかなくてはならないと身を引き締めているところです」

——確かに、空前のラグビーブームをトップリーグとしてどう生かしていくか、創意工夫が試されるシーズンとなります。

太田「いまの時代、視聴率が50%を超えるなんて、なかなかないこと。その後も、日本代表の選手たちがメディアに出続けてくれて、盛り上がりを維持しようとしてくれている。自分も現役時代はPRでしたが、PRの選手が『笑わない男』として注目されるなんて、正直羨ましいですし、『ジャッカル』などが一般に認識される言葉になるのも本当に嬉しいこと。日本代表がOne Teamを貫き通して、世界の強豪国を倒したというのが、チームワークを重んじる日本人の心に突き刺さったのでしょう。
もちろん、我々としても、新たにラグビーに興味を持つようになっていただいた、ポジティブな意味での“にわか”の方々も含めたファンに向けたイベントなども積極的に行っていく予定です」

——すでに、具体的に決まっているイベントなどがあれば。

太田「開幕節では、全チームのフェイスシールを配布します(開催会場ごとに対戦チームのシールを配布)。そして、東京・秩父宮ラグビー場と大阪・東大阪市花園ラグビー場には、ご来場いただいたファンの方々にとってのいい記念にしてもらうためにオリジナルフォトスポットを設置します。今季からはソニー・ミュージックエンタテインメントと提携して、BGMなど会場を盛り上げるエンタテインメント面でもバージョンアップを図っていくつもりです。ワールドカップの時に盛り上がった『カラオケ・タイム』なども導入していけたらいいと思っています」

——好評を得ている、ファンと選手が直接触れ合える「グリーティングタイム」は続けるのでしょうか。

太田「もちろん、続けていくつもりです。ただし、ワールドカップによって、人気が爆発しているという事実もありますので、あくまでも安全面を確保した上での対応になると思います。昨シーズンは、特別難しいケースなど除いて、基本的には試合直後にバックスタンドなどの最前列付近にファンの方々に集まっていただいてハイタッチをしたりしていましたが、そのスタイルでは安全面での支障が出ることも考えられますので、違うやり方で行っていくことになるかもしれません」

パナソニック - クボタ戦の行われる開幕節の熊谷ラグビー場にも大勢のファンが駆けつける見込みだ photo by Kenji Demura

パナソニック – クボタ戦の行われる開幕節の熊谷ラグビー場にも大勢のファンが駆けつける見込みだ
photo by Kenji Demura

開幕節の秩父宮、熊谷はほぼ満員。第2節の豊田も昨季上回る動き

——実際のチケットセールスにも、ワールドカップ効果は表れていますか?

太田「一般販売分は、すでに昨年12月時点で前季の総売上枚数よりも94%アップしています。11〜15節のチケットがまだ販売されていない(2月から販売開始予定)時点でこの状況ですので、今シーズンはいままでよりも多くのファンの方々に来てもらえる可能性も十分あると考えています」

——今シーズンの観客動員の目標は?

太田「60万人を目指します。これまでは、50万人も突破できなかったわけですが、今季に関しては発券ベースでは開幕前にすでに33万枚を超えています。先ほど言ったとおり、11〜15節のチケットがまだ販売されていない段階でこの数字ですし、達成が可能な数字だと思っています」

——すでに、満員に近い状況になっている試合も相当あると聞きます。

太田「開幕節の東京・秩父宮や埼玉・熊谷はほぼ満員に近いチケット枚数が発券されています。また、第2節の愛知・豊田スタジアムに関しては、昨シーズンの開幕節では3万人を超えるファンの方に集まっていただいたのですが、それを上回りそうな勢いですね」

以下、後編に続く。

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