トップリーグ2020 第1節レポート(日野 20-29 NTTコ厶)

ジャパンラグビー トップリーグ 2020 第1節
2020年1月12日(日)11:30キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
日野レッドドルフィンズ 20-29 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズの細谷監督(右)、プル共同キャプテン

細谷 直 監督

「ワールドカップで日本代表が素晴らしい活躍をして、また、昨日の大学選手権決勝での早明戦の盛り上がりもあり、そのバトンがトップリーグに来ました。このトップリーグオープニングゲームに光栄にも我々がプレーさせていただいたこと、また、素晴らしい環境の中で試合をさせていただいたこと、関係者の皆様に感謝いたします。この試合にラグビーの繋がりをしっかり繋げていこう、ラグビーファンがこんないい試合を日本で見られるのだと思ってくれるような、ハートに突き刺さる試合をしていきたい。そのようなプレーの延長の中に勝利があるとして試合に臨みました。選手達はしっかり体を張り続けてくれたと思います。ただ、80分間戦い抜く中で、特に後半にちょっとしたズレが出てきて、そこをNTTコミュニケーションズが逃さずに突いてきてゴールに迫られたところが課題になります。試合に負けた悔しさはありますが、トップリーグの厳しい荒波に揉まれるという洗礼だと思っています。今日の敗戦で下を向くことなく、また来週の試合にしっかり準備して臨み、精度を上げて素晴らしい試合をしたいと思います」

──後半38分、プル選手のパスをNTTコミュニケーションズFL金正奎選手にインターセプトされ走りきられてトライされたプレーについてのコメントは?

「あの場面ではピッチのエッジにボールを運んで、日野がプロテクトできたボールをプル選手の強みを生かしてのプレーをしようと、相手のディフェンスにギャップがあると想定してのプレーだったと思いましたが、金正奎選手にうまくインターセプトされてしまいました。セオリーとは違うプレーでしたが、逆転も狙えるところ(注:その時点のスコアは20-22)であり、あのプレーが出たと思います。あのプレーに限って言えばプル選手のミスともいえますが、プル選手は、前後半通して多くのいいプレーをしていて、試合全体には彼の存在は大きかったと思います」

──今日の試合でできていたところと、できていなかったところは?

「特にディフェンスでのコンタクトエリアでのプレーは概ね出せていました。できなかったところはエリアマネジメントです」
──ワールドカップを見てラグビーに関心を持った多くのファンの方々がトップリーグを見に来てくれていますが、コーチングスタッフとしてどのようなプレッシャーを感じますか?

「プレッシャーと言うより、トップリーグチームとしての責任として、『にわかファン』と呼ばれる方々に本当のラグビーの楽しさを知ってもらい、日本のトップリーグでもこんな素晴らしいラグビーを見られるのだと思ってもらうことへの責任感を感じます。選手としても観客が多い中でラグビーをやれることで一番の力を出せます」

オーガスティン・プル キャプテン

「ワールドカップ日本代表の活躍もあり、トップリーグチームとしての責任というプレッシャーを感じて臨んだ試合でした。トップリーグのスタンダードをしっかりと発揮して勝ちを収めなければいけないというプレッシャーの中、勝利という結果を得ることはできませんでした。後半、NTTコミュニケーションズの素晴らしいパフォーマンスで試合をひっくり返されましたが、やはりNTTコミュニケーションズは強いチームだとリスペクトします。この負けを学びの場としたいと思います。80分間しっかりと戦わなければトップリーグでは勝利できないことをあらためて学びました。今日の試合には負けましたが、あらためて我々がやってきたゲームプランは間違っていないと感じ、ゲームプランに自信を持つことができましたので、継続してしっかり次の試合にも準備していきたいと思います」

──たくさんの観客の前での試合となり、また大きな声での応援をもらった日野の応援団についての印象は?

「試合前から今日はかなり多くの観客の方々に来ていただけることは想定していました。その中で、自分たちのやることにフォーカスしようと試合に臨みました。日野のサポーターはトップリーグチームの中でも最も大きな声での応援をしてくれているサポーターです。それには大変感謝しています」

──後半38分にプル選手のパスを金正奎選手にインターセプトされたプレーについて?

「もちろん悔しかったし、ハードワークし続けてくれたチームメートにも申し訳ないと言う気持ちはありました。しかし、ああいったプレーが私を成長させてくれます。監督も言いましたように下を向いている時間はありません。試合を通じて選手達のいいプレーも多くありました。自信を持って準備して次の試合に臨みたいと思います」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのエドワーズ ヘッドコーチ(右)、金キャプテン

ヒュー・リース・エドワーズ ヘッドコーチ

「皆さんこんにちは。今日は勝てたことを嬉しく思います。トップリーグ開幕戦で勝利できたのはここ4-5年なかったと思いますので、チームの歴史を変えることができたことを嬉しく思います。しかし、今日の勝ち方は満足いくものではありません。課題が残りますので、来週のサントリー戦に向けてしっかり修正して準備したいと思います」

金 正奎 キャプテン

「リース(ヘッドコーチ)が言ったように勝ち方は満足いくものではありませんでしたが、今日の試合では80分間戦う中で修正力を出せたことを嬉しく思います。特に前半、ディシプリン(規律)の面で課題がありましたが、後半にしっかり修正ができ勝ち切れました。チームとして成長できたと思います。自分たちはまだまだ成長できると思いますので、次のサントリー戦に向けてより規律を正して戦いたいと思います」

──後半38分、プル選手のパスを金正奎選手がインターセプトしてトライまで走りきりましたが、あのプレーでの狙いは?

「狙ってはいました。ブレイクダウンをワイドにプレッシャーをかけて、プル選手が苦し紛れにパスを出すコースに走り込みインターセプトできたのですが、選手達がプレッシャーをかけてプル選手のパスコースが絞られたその過程でトライに結びつけることができました。(隣席のエドワーズH.C.から『金選手のランスピードが足らなくて心配だったが・・』(笑い)との声も入った)」

──今年は多くの新戦力が入りましたが、チーム内でのコミュニケーションは?(注:この日の先発では②マルコム・マークス、④ジミー・トゥポウ、⑫クリスチャン・リアリーファノ、⑭山田章仁、⑮シルヴィアン・マフーザが今年の新戦力)

「彼等は皆、すぐにチームに馴染んでくれました。まるでずっと一緒にやっているような感じを持てています。彼等が新しくチームに加入したという感じはありません」

──ワールドカップでラグビーが盛り上がってから最初のトップリーグの試合に臨んでの責任感などの印象は?

「たくさんの観客の皆さんに来ていただき、自分たちもインスパイアされます。刺激を与えて貰えます。今日は、しっかり最後まで諦めずに戦う姿を出すことができました」

──今年チームはいい方向に行っていると思いますが、手応えは?

「小さなことを当たり前にやることです。80分間コツコツと、規律を守り、ディフェンスを激しくやり続ける。当たり前のことを当たり前にやり続ける。そういうチームが強いチームだと思うので、そのようなチームになれるようにしっかりプロセス踏んで戦っていきたいと思います」

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