トップリーグ2020 第4節レポート(キヤノン 17-51 パナソニック)

ジャパンラグビー トップリーグ 2020 第4節
2020年2月2日(日)13:00キックオフ/東京・町田GIONスタジアム
キヤノンイーグルス 17-51 パナソニック ワイルドナイツ

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスのクッツェー ヘッドコーチ(右)、嶋田 共同キャプテン

キヤノンイーグルスのクッツェー ヘッドコーチ(右)、嶋田 共同キャプテン

アリスター・クッツェー ヘッドコーチ

「非常に残念なパフォーマンスでした。ポジティブに受けとめる要素がないパフォーマンスでした。我々のチームはゲームを通してエナジーに欠けていました。他のゲームと比べても、選手たちのエナジーを感じられない面が多く見受けられました。
規律に関しては、衝撃的なパフォーマンスでした。同じペナルティーを何度も犯し、ノットロールアウェイ、オフサイド、そしてハイタックル等、同じ反則を何回も犯しています。チームに戻り、何故このようなエナジーで試合に入っていったのかを、また、規律の部分がなぜ足りなかったのかを振り返えらなければいけないと思っています。
視点は変わりますが、パナソニックさんは早い段階で、14人でゲームを進める状況になりました。普通はキヤノンのほうに勝機が見えてきて元気が出てくると思いますが、今日の試合では、14人になったことでパナソニックさんに更にエナジーを与えてしまったと感じました。非常に残念なパフォーマンスでしたし、私の知っているキヤノンの選手達ではないと感じた点が多かったです。残念ですが、言い訳はできません。チャンスはたくさんつくっていましたが、しっかりとモノにすることができなかった点が多くありました。
来週は試合がありませんので、1週間空けてリセットして、次の試合に臨んでいけるよう取り組んでいきたいと思います」

──1週間空きますが、どのあたりに焦点を絞って修正していくのでしょうか。

「規律の重要性をチームとして理解することです。相手陣内に入っているのにペナルティーを犯すことで相手に簡単に脱出させてしまう。相手がハードワークしなければいけない状況下なのに、我々がペナルティーをしてしまい相手がキックで簡単に自陣から脱出してしまう。そこは問題だと思います。これまでの試合ではうまくできていましたが、なぜか今日、急に規律の部分がうまくいきませんでした。修正するポイントだと思います。
また、我々が相手陣内でボールをもっている時、4,5回ボールを失ってしまいました。ターンオーバーされてしまう、トライラインに近いところでボールを失ってしまうとか、チャンスでフィニッシュにもっていけないシーンがありましたので、その点も修正のポイントです。
トップリーグ、特にトップのチーム相手では限られたチャンスをものにしていかないと、勝つことはできないということをもう一度理解する必要があると思います。
セットピースはすごく良かった訳ではありませんが、ある程度機能していると思います。ディフェンスでは、良いヒットはしていますがそこで放してしまい、相手がランを続けてしまうということがあります。
規律の部分、チャンスをものにする、ディフェンスではタックルで仕留めるという3つのポイントを修正していきたいと思います」

嶋田直人 共同キャプテン

「14人のパナソニックさんが素晴らしいパフォーマンスでした。キヤノンは4試合を終わって一番出来の悪いパフォーマンスでした。ヘッドコーチからも話がありましたが、エナジーというか運動量で15人のキヤノンが相手に負けていたと思います。チームのメンバーには、誰かのせいにするのではなく、負けをしっかりと受け止めようと言いました。まだまだシーズンは続くので、今日の負けから更に成長できるよう、来週はしっかりとリカバリーして、見つめ直して、次の試合に向かっていきたいと思います」

──パナソニックがあまりにも早い段階で14人になったことで、やりづらさはありましたか。

「それはなかったです。相手が14人になったことで、フォワードでリズムを作っていこうと話をしていたのですが、もしかしたら相手が14人だからということで、どこかフワッとした部分が出てしまったのかもしれません。そこの気を引き締められなかったことは自分の反省すべき点です」

パナソニック ワイルドナイツ

パナソニック ワイルドナイツのディーンズ監督(右)、堀江選手

パナソニック ワイルドナイツのディーンズ監督(右)、堀江選手

ロビー・ディーンズ監督

「(試合開始2分でキャプテンがレッドカード退場になるという)これまでなかったことに対して、選手達がチャレンジとして勇敢に戦ってくれました。リーダー陣もこのチャレンジに一段とステップアップしてゲームコントロール、ゲームマネジメントをしてくれた結果です。このレッスンを踏まえて、今後の試合をしっかり戦っていきたいと思います」

──今日のメンバーではSOに松田力也選手が入り、キヤノンの10番は田村優選手と、日本代表選手でのトイメン対決となりましたが?

「今日のリキヤは明らかにいいプレーをできていました。チームをよくリードして、いいディシジョンでランもして、コンビネーションでもいいプレーをしていました。とてもよくできていたと思います。セレクションについては、うちのチームにはクオリティの高い2人の10番(注:松田選手と山沢選手)がいます。先週の試合でも10番と12番で一緒にプレーする時間がありましたが、レッスンを通じて、お互いいいコンビネーションでやっていきたいと思います。シーズンを通じてうまく2人の10番を使っていきたいと思います。どちらもいいプレーをします。チームとしていいパフォーマンスをするために、彼等2人が共に戦い、チームとしてよくやってくれています。2人とも成長過程にあります。大事なことは背番号に関係なく、ピッチに出た選手がチームに貢献することです。チームのために貢献できる選手がチームにとっていい選手です」

──開始直後に14人でのプレーになりましたが?

「難しい局面で選手達がいいレスポンスをしてくれました。状況ではいい面、悪い面ありましたが、それぞれでいいレスポンスをしてくれました。これも日々の練習でいい準備をしてきた結果だと思います。今日の試合ではショータ(堀江選手)がこのチームのリーダーとしてよく引っ張ってくれました。人間は予測可能なものにレスポンスすることはある程度できるでしょうが、今日みたいに予期できなかったものに対するレスポンスが大事です。チームゲームとして予期せぬものへの対応が求められた試合でした。今日の試合で、チームとしてポジティブに捕らえることができることは若手選手の成長です。チームとしてのパフォーマンスがしっかりでき、⑬ディラン・ライリー選手、⑧ジャック・コーネルセン選手など、若手選手の成長を見ることができました。また、もちろん、⑤サム・ホワイトロック選手、⑫ダミアン・デアリエンディ選手のベテラン選手もチーム一体となってやってくれています。今日は、ショータがよくリーダーシップを発揮してくれました」

──今日の勝利で4試合連続勝点5での連勝となりましたが?

「今日は勝点5をとり勝利することができましたが、シーズンは15試合です。ボーナスポイントの獲得を一つ一つ積み重ねて行きたいと思います。ボーナスポイント1ポイント1ポイントの獲得を大事に今後も続けていきたいと思います」

──次節は来週のBYE(注:試合のない週)の後、2週間後に東芝との全勝同士の対決になりますが?
「東芝とは1週あけて熊谷での対決になります。選手達にはしっかり体を休めさせて、試合に臨みたいと思います。東芝戦をたいへん楽しみにしています」

堀江翔太選手 (レッドカード退場となった坂手淳史キャプテンに代わり)

「(試合開始後2分で)14人になりましたが、試合でやることは変わらないと話をして、焦っていつものこと以外のことをしないように注意していました。試合に勝利でき結果が出てよかったと思います」

──久しぶりにほぼ80分間プレーしていかがでしたか?

「相変わらず、しんどかったです。しかし、結構動けていた感覚はあります」

──開始早々14人でプレーすることになり選手に焦りはありませんでしたか?

「焦っていました。そういった気持ちをどういうふうに抑えようかと考えました。しっかり敵陣に入って戦うことに気をつけました。後半に入るときのスタッフからのコールで、どうやってアタック・ディフェンスを変えるかを話して、後半、落ち着いてできたと思います」

──ワールドカップ以降も継続していいコンディションでできていますか?
「僕自身はワールドカップ後もトレーニングはやり続けており体の調子はいいです。メンタル的にもパナソニックでの試合に絞れており、いい調子です。ガッキー(稲垣選手)やリキヤ(松田選手)らの若い選手達は今年6月7月の日本代表の試合を控えている気持ちでしょうが、僕としては日本代表に選ばれるかわからないですし、(今夏の)日本代表戦でプレーするかどうかわかりません。今はパナソニックのプレーだけを考えているのでメンタル的には楽に感じます。6月7月の日本代表戦では若い選手を起用する中で自分が戦えるかどうか疑問に思うところもあります。トンプソンルークのよう(に一旦、日本代表から引退宣言しても声をかけられたら再び代表に戻れるの)ならば一番いいのでしょうが‥‥」

──(前半34分頃、自陣からのアタックで)堀江選手がキヤノンの選手に一回当たって、そのままコースを変えて走り、ボールを松田選手につなぎ、最後は(SH内田選手の)トライに繋がったいいプレーがありましたが?

「あのシーンではポイントを作りに行ったのですが、スペースがあったのでそのまま走ってリキヤにつないだら、リキヤがよく走ってくれました」

──先ほど、日本代表でのプレーについて話されましたが、日本代表へのパッション(情熱)は?

「ビミョーですね。2011年から走り続けてきて、気持ちを高めてきましたが、そこまで走り続けると結構しんどいものです。正直言ってビミョーです。現時点では6月7月の日本代表戦のことは全く考えていません。今のところ、パナソニックでのプレーのことしか考えられません」

──今日は相手チームに田中史朗選手(フミ)が出ていました。田中選手と対戦するのは久しぶりなのでは?

「練習などでは何度も相手になったことはありました。だけど、直接、相手にしたのは僕が帝京大、フミが京産大での(大学選手権での)対戦の時以来だと思います。相手チームの選手としてのフミは想定内。予想通りでした」

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