トップリーグ2021 第1節レポート(キヤノン 24-26 NTTドコモ)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第1節 ホワイトカンファレンス
2021年2月21日(日)14:00キックオフ/東京・町田GIONスタジアム
キヤノンイーグルス 24-26 NTTドコモレッドハリケーンズ

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスの沢木監督(左)、田村キャプテン

キヤノンイーグルスの沢木監督(左)、田村キャプテン

沢木敬介監督

「今日はいい環境でラグビーをできたことに、関係者の皆様のご尽力に感謝いたします。今日の試合に関しては自分たちがやろうとしているラグビーにはほど遠く、スピードレベル、ナレッジ(ラグビー知識)についてもまだまだ改善していかなければいけないと思いました」

──コロナ禍で活動が一時停止になり、ここまでの道のりは簡単なものではなかったと思いますが、振り返ってこの期間をどのように感じていますか?

「活動の一時停止期間は(他のチームと)イコールコンディションなので全く言い訳にはなりません。今日はただ単に自分たちで自滅した試合でした。自分たちで自分たちの首を絞めるようなラグビーをやってしまいました」

──『自滅』という言葉は監督ご自身の反省を含めて言われたのだと思います。終盤、フルタイムまであと数分のところで反則が続き、最終的にドコモに逆転PGを決められてしまいました。そこについてはどう見ましたか?

「ああいう展開になる以前に、(チャンスで)仕留め切れていないことがそもそも問題で、前半にも4トライくらい取れるチャンスはありましたし、そこでしっかりフィニッシュできていないことが、チームの現状だと思います。チャンスにしっかり仕留められるかということが最後の結果につながっていると思います。最後の時間でのペナルティの問題もありますが、まだまだ我慢強さがありません。現状をしっかり受け止めなければ成長できないと思います。またしっかり改善できるように取り組みます」

田村優キャプテン

「今日は約1年振りにトップリーグの試合をすることができ、コロナ禍の問題もありながら、開幕戦を迎えることができ、自分たちの大好きなラグビーができることが嬉しかったです。いろいろな方々のご尽力で開催でき、嬉しく思います。試合については、40〜50点くらいは取れるかと思いましたが、うまく流れをつかめませんでした。練習でも起きていることが出て、練習で失敗しているところと同じところで失敗していました。そこは改善していくしかないと思います」

──試合の序盤にドコモがシンビンで14人になった時間がありましたが、その時間の過ごし方については?

「あそこではスクラムにこだわって、できれば、もう一人シンビンを出せるかな、スクラムでトライを取れるかなと思い戦いましたが、レフリーからキヤノンへのコールを貰えず、また勝負所のスクラムではターンオーバーされてしまいました。また、それ以上にアタックでの僕たちのリアクションがよくなかったのでそこは改善したいと思います」

──(後半36分の)安井選手のトライの時、(安井選手にラストパスを出す前の)田村選手のランプレーではスペースが空いていると思って回り込んだように見えましたが、その時の判断は? またその後のゴールキックは田村選手に代わり小倉順平選手が蹴りましたが?
「あの場面ではスペースが見えて空いていたので行きました。走っていたときにふくらはぎに少し違和感があったので、これから検査を受けに行きます」

NTTドコモレッドハリケーンズ

左から、NTTドコモレッドハリケーンズのペレナラ選手、エラスマス キャプテン、アッカーマン ヘッドコーチ

左から、NTTドコモレッドハリケーンズのペレナラ選手、エラスマス キャプテン、アッカーマン ヘッドコーチ

ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ

「今日の試合では前半は特にキヤノンに厳しいプレッシャーを受けました。前半いくつかキヤノンに得点されましたが、そこでなんとか耐えることができ、それ以上追加点を取られなかったことがよかった。また、後半、選手達が息を吹き返していいプレーをしてくれて我慢強く最後まで戦ってくれました。それが勝利の要因だと思います」

──今日のペレナラ選手のプレーについての評価は? ヘッドコーチにとってペレナラ選手の魅力、素晴らしいところは何ですか? また、今シーズンどんなところに力を入れてチームの選手達にプレーをしてほしいか、についてコメントお願いします。

「チームに関しては、皆に大好きなラグビーを楽しんでプレーしてほしいということと、また、今年はチームスローガンを“PLAY TO INSPIRE”としていますが、それぞれがラグビーをやる理由を自分で振り返って、何のためにやるのか、人によい影響を与えているかということを考えてラグビーをやるように話をしています。TJ(ペレナラ選手)については、選手として素晴らしい経験値を持っており、それを生かして、チームに入ってくる選手達にプレッシャーを与えるのでなくよい影響を与えてくれるように期待しています。それに関しては他の外国人選手にもよい影響を与えてくれていると思います。今日のTJについては、コントロールするべきところでしっかりコントロールしてくれていました。落ち着かせたいところで落ち着かせてくれていましたし、チャンスの時にはしっかりいい結果につなげてくれました」

──監督就任後の最初の試合でもある開幕戦で勝利できたことは、今後に向けてどのような意味を持ちますか?

「もちろん勝利は嬉しいですが、特に今日の勝利については大きく考えていません。これからもっといいチームがたくさん出てくると思います。私は毎試合ごとにリセットしなければいけないと思っていますので、また、リセットして次の勝利に向けて準備して勝ちを重ねていくことが一番大事だと思います。トップリーグの試合を見ると皆、レベルが高く全チームが競った試合をしており、これが毎週末繰り返されていくと思います。したがって毎回毎回リセットをしっかりやっていかないと、厳しい試合が続くと思います」

──今日はWTBにマピンピ選手の起用はありませんでしたが?

「今日、マピンピ選手を起用しなかったのは戦術的な理由だけです。外国人選手数が限定されるので、今日はそのようにしました」

ローレンス・エラスマス キャプテン LO

「今日の試合では勝利という結果に対して自分たちの選手を誇らしく思います。長いプレシーズンがようやく明けて、最初のトップリーグの試合ということで、最初はかなり堅くなってしまいましたが、試合が進むにつれ、ほぐれていきました。自分たちの個性がしっかり出せたと思います。試合会場に来ていただいたファンの方々やいろいろな関係者、また、戦ってくれたキヤノンさんに感謝いたします。また次戦も頑張りたいと思います」

TJ・ペラナラ選手 SH

「まずは試合会場に来ていただいたファンの方々、また、ホストチームのキヤノンさんに感謝したいと思います。ヘッドコーチもキャプテンも言っていましたが、前半には、キヤノンのプレッシャーを受けてしまいペナルティなど自分たちのかたちを自らで崩してしまうところもありました。しかし後半に立て直すことができ自分たちのやりたいことが明確になってチームのいいところが出て勝つことができたと思います」

──後半18分にペレナラ選手がトライを取ったシーンと、後半26分ごろPKからペレナラ選手がピックアンドゴーで持ち出してFL李智栄選手のトライに繋げたシーンの2つのプレーを振り返ってのコメントをください。

「(18分のトライについては)9番は常にボールの近くにいることが仕事の一つなのでそれに徹しただけです。(26分の李選手のトライシーンについては)ペナルティからラックを作って攻めるのは難しいと思ったので、あそこでは思い切ってクイックタップしてそこに李選手がついてきてくれたのでトライに繋げることができました」

──ファーストスクラムのときにキヤノンSHの田中史朗選手と言葉を交わしていましたが?

「フミとはこれまで何回も試合で対戦しています。僕は今、日本語を勉強しているので『イマ、家族ハ元気デスカ?』とか『フミハドコノ出身デスカ?』などの会話を日本語でしていました」

──今日のペレナラ選手は、髪を銀のカラーに染めてとてもお似合いですが何か心に思うものがあるのですか?

「特にイメージはありません。気が向いたので床屋に行ったときに思いつきでこのカラーに染めただけです」

──後半36分にキヤノンにいったん勝ち越された後、ドコモが最後にPGで逆転するまでの時間に意識したことは? また、キヤノンが最後に反則したときに感じたことは?

「実際、ピッチでは結構落ち着いていました。キヤノンに(後半36分に)トライをとられた時にも、キャプテンが率先して選手をゴール下に集め、『ゴールキックが決まらなければ落ち着いてプレーを続け時間を稼ぐ。もし決まったら攻めるキックを蹴って敵陣に入り、我慢強く敵陣で戦い、ペナルティをとるかもしくはトライを取りにいく』ということをキャプテンが明確に示してくれたのでやりやすかった」

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