トップリーグ2021 第2節レポート(パナソニック 60-12 日野)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第2節 ホワイトカンファレンス
2021年2月28日(日)14:00キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場
パナソニック ワイルドナイツ 60-12 日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズの、左から片岡選手、プル共同キャプテン、箕内ヘッドコーチ

日野レッドドルフィンズの、左から片岡選手、プル共同キャプテン、箕内ヘッドコーチ

箕内拓郎ヘッドコーチ

「このような素晴らしい環境で再びラグビーができて、関係者の方に感謝しております。試合の前半、内容は良くなかったですが、思ったような形で進められたものの、最終的にはパナソニックさんとの差を分けたのは、スキルセットであったり、プレーの細かい所をしっかりプレッシャーの中でもやりきれるという所が勝敗を分けたのではないかと思います。タフな週が続きますが、前を向いてチーム一丸となって向かっていきたいと思います」

──プレーの細かい所とは特にどのあたりでしょうか?

「差の大きいところは、パナソニックさんは、プレッシャーの中でスキルを遂行する、細かい所まで意識されている所が、うちのチームの選手と差があると感じました」

──初戦から改善された部分と課題になっている部分とは?

「規律の部分ではしっかりと改善されたと思います。ペナルティの部分で、プレイクダウンで持ち込んだボールをかなりの数をターンオーバーされたのは、次に向けた課題になると思います」

──連敗でのスタートとなったが、その結果についてどのようにとらえているか?

「チーム内で負けを許す文化はないので、負けたことに関しては受け止めなくてはりません。ただ、我々は若いチームですので、今後はしっかりチームが勝つための文化を創る、財産を積み上げている段階なので、そこに対しての選手の取り組みには満足していますし、これから先、勝つための準備をしていきたいと思っています」

──次も神戸製鋼という強いチームへのチャレンジですが、どういった所で勝負を挑むのか?

「コーチ陣をして試合に臨む時に、こうした形で勝つのだということを示し、一週間準備をすることが大事だと思います。それに対してスタッフは全力でやっていきますし、選手もしっかりやってくれると思っています」

──ルーキーである川井太貴選手のパフォーマンスはどうであったか?

「新人の彼にとっても、何度も日本一を経験しているパナソニックさんと対戦することは非常に良い経験であり、チームにとっても素晴らしい財産だと思います」

オーガスティン・プル共同キャプテン SH

「前半はゲームの中でステイできたました。後半に関してはディテールをさらに磨くことで自分達がしっかりやるべきプレーを遂行しきろうと話したのですが、後半始まってから不幸にもペナルティを重ねてしまい、なかなか勢いに乗れませんでした。やはりパナソニックさんのような強いチームに対しては、そうした細かい所を私達が、しっかりと遂行しきれなければ、その部分をつかれて、ああしたスコアになってしまうのだと感じました」

──今日のゲームで想定していたパフォーマンスで良かったもの、悪かったものとは?

「パナソニックさんがレベルの高いチームと分かっていましたが、とくに自分達が想定していたよりも優れていたと思うのは、試合の中で、ここぞというチャンスの時に取りきる、そのギアは我々が思っていた以上であったし、逆に我々が取りきれなかったと感じています。コーチ陣がしっかり第二節で自分達がさらに成長できるように準備をしてくれました。これから先は、この部分を自分達にしっかり矛先を向けて次のレベルに上がれるように継続してやっていかなければならないと思います」

片岡 将選手 CTB

「先週のヤマハ戦が終わった後、チームとしてディテール、細かい所をやっていこう、そこをやりきらない限りああいうスコアになってしまうということで、チーム全体として取り組んできました。ゲームのなかで、そうした細かい所がパナソニックさんのほうが上手であったことから、こうした結果に繋がったと思います。次に向けて短い時間ですが、ディテールの所を修正して前を向いて、やっていきたいです」

パナソニック ワイルドナイツ

パナソニック ワイルドナイツのディーンズ監督(左)、坂手キャプテン

パナソニック ワイルドナイツのディーンズ監督(左)、坂手キャプテン

ロビー・ディーンズ監督

「熊谷での試合に戻って来られて非常に幸せで光栄です。このような素晴らしい施設で試合をすることができ、非常に良い経験となりました。選手達もここへ戻って来られて満足しております。試合の序盤は良いスタートをきれたのですが、その後にスロースタートの部分が出てしまいました。そこで出た課題をハーフタイム中に修正し、後半については良いパフォーマンスで試合を終えることができました。今日の試合で最大の勝点5を獲得できたことをチームとして嬉しく思っています。今週はショートウィークで、練習できる日数が少ないので、リカバリーに専念して、選手の状態も確認しながら今週一週間のショートウィークを乗り切っていきたいと思っています。来週の大分での試合を楽しみにしております」

──スターターで起用したディフェンスに関しては大西樹選手、アタックでは山沢拓也選手が良いパフォーマンスだったと思います。二人に関しては、どのような評価をしているのか?

「大西選手(7番)は、良いパフォーマンスをしてくれたと思います。彼は物凄いエナジーを持ってプレーしてくれる選手で、彼の正確性を期待していたので、正にそこを体現してくれ、大事な場面でターンオーバーでチームのために勝ち取ってくれたのはプラスだと思います。こうした経験を彼の糧にして欲しいと思っています。山沢選手については、見ていただけたように“山沢というプレー”をしてくれたと思います。彼は、誰も真似できないようなプレーをしてくれる選手だと評価しています。日野は、自分達にプレッシャーをかけてくるチームでしたが、そのプレッシャーに対して自分のプレーで、しんどい局面を打開してくれたので、非常に良かったと評価しています」

──福岡堅樹選手の急遽変更は?

「今週末は大事を取って外しました。彼が会った方の中で、体調がすぐれない方がいたと聞いたのですが、彼自身も会った方も元気で体調に問題はないということなので、来週末にピッチに戻ってくることを期待しています。彼は、ホームでの試合をいつも楽しみにしていて、試合に出られなかったことは少しばかりガッカリしていたと思います」

坂手淳史キャプテン HO

「今シーズン初のホームゲームということで、ここ熊谷でホームのファンの方々の前でプレーすることが楽しかったですし、待ち望んでいましたので、それが実現できたことが嬉しかったというのが大きな感想です。プレーに関しては、勢いに乗る、勢いを出していくという形でスタートを迎えたのですが、少しミスが増えた部分、ルースボールで相手にボールが入ってしまうことが多くあったこと、ペナルティでゲームに乗り切れなかった前半、少ししんどい時間帯が多かったです。ただ、ハーフタイムで、もう一度ハードワークをしよう、一人ひとりがもう一度コミュニケーションをとって全員がつながってハードワークすれば問題はないという一言だけで後半に入りました。全員が一人ひとりやるべきことは一週間の中で理解していましたし、それをハードワークという言葉で全員がもう一度思い出して動き出したことで後半は良かったと思います。来週一週間ショートウィークですが、やるべきことを確認して大分でのキヤノン戦を楽しみたいと思います」

──前半終了後に運動量を上げるように話したとのことだが、そのことで後半にどのようなプレーが出たのか?

「前半、ルースボールが全て日野に入っていたが、後半になってパナソニックに入ってきたのは、全員の運動量が上がって判断をしたという所が大きいと思います。前半できなかったアタックを後半には繰り返しでき、あの得点になったのはハードワークの形として出た結果だと思います」

──ジョージ・クルーズ選手(LO)がラインアウトで存在感を発揮しているが、同じフォワードとして、どうみているか?

「頼もしいと思っています。少しうまくいかない中でのハドルだとか、練習中でもリーダーシップをもって対応してくれるので、彼の経験を皆に話すことで、チームに貢献していると思う。とくにラインアウトでは、彼のコールで動くのですが、ボールの獲得率が良いので、スローワーの私としては投げやすく、頼もしいと思っています」

長谷川選手(左)、山沢選手

長谷川選手(左)、山沢選手

山沢拓也選手 SO

「前半は上手くいかなかったことが多く続き、自分達がプレッシャーを受けてしまう部分も多かったが、後半はしっかり修正してプレッシャーを相手に与えることができ、試合を通じて修正することができたと思います」

──後半、非常にプレーが際立っていた。少し相手のプレッシャーが弱まって来たとのイメージもあるが、プレーしていて感じたことは? その他にあれだけの良い判断、動きができた理由は?

「前半もシンプルにプレーしようと心掛けていましたが、考えすぎてしまった部分もありました。後半は、本当にシンプルに難しいことはしないように、変なことは考えないでやるようにしました。後半は相手の疲れもあって前半ほどのプレッシャーを受けることはなかったので、比較的に自分達のラグビーがやり易くなり、自分達のペースにもっていけたと思います」

──今日も素晴らしい想像力豊かなプレーでしたが、今シーズンにおいて、どういった所にターゲットを置いてシーズンを迎えたのか? もう一段上のレベルへ行くために自身に何が必要か、何が求められている?

「前半のようなゲームマネジメントをしてしまうと国を代表するような試合に出場するのは難しいと思います。どんな試合でも、しっかりと勝ち切るような、チームに勢いを戻せるようなプレーヤーにならないといけないと思っています。自分の持ち味である所は消すことはせず、ゲームマネジメントを勉強、経験していきたいと思っています」

──今年夏には熊谷へのホーム移転も控えているが、個人としての目標は?

「パナソニックの移転は、自分にとってプラスになることが多いと思っています。小さい頃から熊谷ラグビー場でラグビーをしてきましたし、自分にとっては親しみ易く、馴染のあるグラウンドでラグビーができるのは幸せなことだと思っており、その幸せを噛みしめながらラグビーを楽しめるようにやっていきたいと思います」

──国を代表する試合に出場するためには個人的にどのようなスキルアップを考え、実践しているのか?

「スキル一つ一つの精度を高めることはもちろんですが、ラグビーの経験値や知識が他の選手に比べて足りていない部分でもあります。もっと試合を多く経験することで自分にとっての引き出しが増えると思いますので、いろいろな状況を体験して自分のレベルアップにつなげたいと思っています。毎回、試合後にしっかりレビューし、コーチなどに助言をいただき、自分の頭の中で理解して同じ状況になった時に修正できるようにやっています」

──前節出場機会がなく、今節は先発出場と決まって、どういう気持ちで試合に臨んだのか?

「前節はメンバーに入っていましたが、出場機会がなく、もどかしい気持ちがありました。そんな中、今日はスタメンに選んでいただき、自分の中では意気込みし過ぎず、自分のペースでやれるように意識していました」

──キックパスの精度が良かったが、多用した意図は?

「相手が前に出てプレッシャーをかけてくるというディフェンスの特徴があったので、プレッシャーを上手くかわして相手にプレッシャーを与えようと、この一週間準備してきて分析通りに裏のスペースが空いているのが分かったので、そこを狙ってうまくいったのが良かったかと思います」

長谷川崚太選手 LO

「前半は自分達のテンポが上手くいかず、相手のペースの時間が多かったのですが、後半はしっかり修正して自分達のテンポでアタックすることができたので勝つことができました」

──今季初の出場であったが、どのような意気込みで出場したのか? 感じた課題は?

「今季初の公式戦で緊張しましたが、セットプレーとボールキャリーだけはしっかりと、そこだけは相手に負けずに取り組もうとプレーしました。自分達のミスが多いとアタックできないので、次のキヤノン戦ではミスなく、自分達のアタックをできるようにしたいと思います」

山沢拓也選手はこの試合、マン・オブ・ザ・マッチを受賞した

山沢拓也選手はこの試合、マン・オブ・ザ・マッチを受賞した

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