トップリーグ2021 第2節レポート(東芝 7-39 クボタスピアーズ)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第2節 レッドカンファレンス
2021年2月27日(土)12:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
東芝ブレイブルーパス 7-39 クボタスピアーズ

東芝ブレイブルーパス

東芝ブレイブルーパスのブラックアダー ヘッドコーチ(右)、リーチ ゲームキャプテン

東芝ブレイブルーパスのブラックアダー ヘッドコーチ(右)、リーチ ゲームキャプテン

トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ

「まずはクボタに『勝利おめでとう』とお伝えしたいと思います。自分たちもチャンスを作り出していたと思いますが、このレベルのラグビーですとチャンスがあったときにそれを生かせないと難しいと思います。それが結果的に両チームでの大きな違いになったと思います。我々のチームはミスが多すぎました。クボタはそこをつけ込んでトライにつなげたと思います。ウチがうまくいった部分もありました。また、試合の中で改善できていた部分もありました。ただ、それがスコアボードには反映されませんでした。ここから改善していきたいと思います。次の試合はより強い状態で臨みたいと思います」

リーチマイケル ゲームキャプテン FL

「まず、2週連続多くのファンの方々に来ていただきとても嬉しく思います。東芝としては試合の入りはとても良かったのですが、80分間通してこれを前面に出して試合をしたかったところです。個人的にはトップリーグ全体のレベルがすごく上がってきていると思います。自分たちの準備を振り返り、試合をもう1回見直して、試合準備の面からやり直したいと思います。今日はクボタがすごくいいラグビーをして、自分たちのラグビーにプレッシャーを与えてくれました。次週の三菱相模原戦に向けてしっかり準備したいと思います」

──サイズもパワーもあるクボタに対して、東芝としてもう少しブレイクダウンでテンポアップしたかったのでは? 実際プレーしてのクボタの圧力の印象は?

「クボタはサイズも大きく、ディフェンスも非常に強いチームです。試合のはじめからテストマッチのようなモール、スクラムでやってきました。それに対して東芝は1人に対して2人で倒していくディフェンスになりましたが、前半は良くできていたと思います。ただ、アタックの切り替えができたときに自分たちのテンポをうまく作れず、自分たちのテンポが崩れてしまったところがありました。相手のチョークタックルやラブスカフニ選手らのジャッカルにより自分たちのテンポが作れなかったところもありました。ブレイクダウン周りの精度を上げていきたいと思います」

──今日はリーチ選手がゲームキャプテンになりましたが、この1週間の準備はいかがでしたか?

「チームの準備も、個人の準備もいつも通りです。このチームはいいリーダーがたくさんいるので、ティム・ベイトマン選手、梶川選手や、マット・トッド選手など誰がやっても同じ結果が出ると思います」

──『トップリーグのレベルが上がっている』と言いましたが、具体的にどのような点ですか? また、クボタのマルコム・マークス選手は手強かったですがいかがでしたか?

「各チームのディフェンス力がどんどん上がってきて、トライを取るのも難しくなってきています。外国人選手のインパクトが強くなっていると思います。マークス選手ということより、クボタの選手は全体的に良かったと思います」

──試合後に、チームの選手でハドルを組んでリーダー陣で話をしていましたが、どのような話をしたのですか?

「シーズンは長いこと、切り替えることが必要だということ、クボタに負けて悔しいが、悔しいということはとてもいいことで、この試合にとても勝ちたかったということなので、この悔しさを生かして、次の試合の準備を仕上げないといけないというようなことを話しました。連敗になりましたが、もちろん東芝としては優勝を目標としています。第1戦のトヨタ戦と、今日の試合を反省して良くなっているところはたくさんあると思います。今日の反省を生かしていいチームに作り上げていくことが大事だと思います。1試合1試合レベルアップしていくことが重要です。やっていることは間違っていないと思います」

豊島選手

豊島選手

豊島翔平選手 WTB

──今日、豊島選手は後半28分にすばらしいトライを取りました。しかし、チームとしては前半からいいところがあってもなかなかトライを取れませんでしたが?

「前半が特にそうですが、チームとしてゲームの流れをつかみきれないところがあったと思います。セットプレーもそうですし、フェイズ中での細かいミスなど、やろうとしていたことができなかったところがありました。リズムを掴みきれなかったところがあったと思います」

──今日はリーチ選手がゲームキャプテンでしたが、久々にキャプテンを務めたリーチ選手のキャプテンとしての様子について、どう感じましたか?

「徳永選手や小川選手(注:今シーズンは2人で共同主将)もそうですが、やはり詳細を詰めきるところではリーチ選手はすごいなと思います。例えば、キックされたら何をする、キックオフで風が吹いたらどうするなどなど、全部決めて試合に臨みます。試合中にトライを取られて点数が離れたときでもリーチ選手は必ず前を向いてポジティブな次につながることを言います」

──後半、風下になって、3人FBのようなポジショニングにしたと思いますが、キックレシーブからのアタックなどどのように考えていましたか? また、クボタのフォーリー選手らのゲームメークについての印象は?

「キックを蹴られた後にはボールは手放さず、自分たちでカウンターを仕掛けてフェイズを重ねて自分たちのアタックシェイプをしながら相手を崩していくと考えていました。今日は、そのカウンター後のアタックについてのよい準備ができていなかったかと思います。クボタのゲームメークはフォーリー選手だけでなく、12番にはハル(立川選手)もいたのでどこからキックが飛んでくるかもわからず、ディフェンスはやりづらかったです」

──バックスラインの外側でパスを待つポジションとしてはもう少し、テンポアップしてボールを回してもらわないと、チャンスを貰えなかったと思いますが、ブレイクダウンでクボタのプレッシャーを受けていたでしょうか?

「バックスもそうですが、フォワードもフェイズなどの最初のところで前に出ることができず、外に回しても余らない状況でした。そこが一番大事だと思うのでチームで改善したいと思います。クボタのプレッシャーもありましたが、そのプレッシャーを分散させるような僕たちのアタックができなかったと思います。ディフェンスにとって簡単なアタックでしたので、プレッシャーは掛けやすかったのですが」

クボタスピアーズ

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(右)、立川キャプテン

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(右)、立川キャプテン

フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「去年の例にもあったように、今週も先週のサニックス戦に引き続きいいパフォーマンスを出せるかというのがとても大事でした。その中で良いパフォーマンスとなったこと、さらに良くなって来たことは満足できるパフォーマンスだったと思います。我々のカギになるところはコントロールできるかというところと、そのためにハードワークできているかというところですが、今日の試合ではそれが結果に反映されていて良かったです。週末はこの勝利を喜んで、次のNTTコミュニケーションズ戦に向けてしっかり準備したいと思います」

──今日の試合ではスクラムもブレイクダウンも良かったと思います。特に相手のアタックをスローダウンさせるようないいプレッシャーを掛けていましたが、これらのプレーにどのような評価をしていますか?

「ポジティブなフィードバックありがとうございます。スクラムは我々にとって大事なカギになりますので、しっかりプレッシャーを掛けられて東芝さんを苦しめることができて良かったと思います。東芝もフォワードでプライドを持って攻めてくることがわかっていたのでそこに対してしっかりパーフォーマンスできたところは良かったと思います」

──後半最初にトライを取り、その後、リードを拡げることができました。前半は東芝のディフェンスラインのウラをついてキックを使ったアタックもしましたが、あれはヘッドコーチからの指示によるのですか?

「やはりハードワークが全てです。話を少し戻すと、前半25分までは得点できていませんでした。後半は、ご指摘のあったように立川選手やフォーリー選手らの判断でキックをつかってのアタックもしたことは、現場での判断・コミュニケーションが良かったと思います」

──今日の試合ではいろいろなかたちでトライを取れました。そこの要因はどんなところにありますか?

「立川主将のコメントの通りですが、選手がディフェンスでも努力を続けていたことが、カウンターアタックなどにも繋がっていたと思います」

立川理道キャプテン CTB

「今日の試合の結果は、本当に自分たちが準備してきたことが出せた結果だと思います。ディフェンス、アタックのところ、フォワードのセットピースで自分たちがコントロールしたことによって攻めて、最後には突き放せたものだと思います。特にアタックではいろんなかたちで取り切ることができ収穫だったと思います。ただ、反省する部分もたくさんあるので、また来週からいい準備をしてNTTコム戦に臨みたいと思います」

──前半24分の立川選手のトライはリーチ選手のタックルをかわして、腕を伸ばしてゴールライン上にトライしたナイストライだったと思います。あのプレーを振り返ってのコメントをください。

「前半は少し風下だったので、ボールをキープしてアタックしていこうとチームの中での統一がありました。あの部分、敵陣でボールをキープしながらなかなかスコアできない時間が続きました。井上からスペースのあるところにいいパスがあったので、トライできました。それまでフォワードがよくつないでくれました」

──リーチ選手とは、両チームのキャプテン同士での対戦となりましたが? また、試合中のプレーでもマッチアップのようなリーチ選手とのプレーがありましたが?

「リーチ選手とはこれまで何度もこのような対戦がありましたので、特別に意識するようなことはありませんが、リーチ選手は相手としてすごくいい選手ですし、相手チームのキーマンであることは間違いありません」

──リーグ戦2部出身の新人のFB金秀隆選手がスターティングメンバーに入って今日もトライを取り、活躍していますが?

「金選手はのびのびとプレーしていましたし、先週のサニックス戦より更に日に日に良くなっていると思います。経験を積めばもっともっと良くなってくると思いますので、経験のある選手がしっかりサポートしてもっとのびのびといいプレーをできるようにしていきたいです。ランニングスキルはとてもいいので彼のランニングスキルを出せるような場面をもっと与えてあげたいと思います」

──今日の試合ではいろいろなかたちでトライを取れました。そこの要因はどんなところにありますか?

「フォワードのセットピースでの球出しが安定していたのが一番です。また、そこで相手をうまくコントロールできていました。今日はキックカウンターからトライを取れましたが、ボールが上がったとき選手の皆が自分の役割を理解できていたことが良かったと思います。皆、チャンスがあればどこからでもアタックするということが共有できていると思います。選手の皆が同じ絵を見られていると思います」

井上選手(左)、ラブスカフニ選手

井上選手(左)、ラブスカフニ選手

ピーター”ラピース”ラブスカフニ選手 FL

──今日はセットピース、および接点でかなり圧倒できたと思いますが、それらのプレーを振り返っての感触は? また、ワールドカップ後のリーチ選手とバチバチ当たっていましたが?

「特に前半40分はセットピースでは東芝がかなりよくやっており、スコアを上げるまでに時間がかかりました。ワールドカップのチームメートとやり合うことは好んでやりたいとは思いませんが、しっかり対戦することができました」

──HOマルコム・マークス選手がとてもいいパフォーマンスを示していますが、2試合一緒にプレーしての印象は?

「まず、マークス選手がクボタに来てくれて本当に嬉しいです。彼はワールドクラスの選手ですのでチームに与える影響はとても大きいですし、チームに貢献してくれていると思います。自分たちの強みとしてはどれだけ彼と一つになれるかというところですが、全員がチームに貢献していることが大きいと思います」

井上大介選手 SH

──今日はフォワードがゲームを良くコントロールできていたと思いますが、今年のフォワードの充実ぶりはどのように感じていますか?

「今日のフォワードはスクラムで安定していたと思います。そのおかげでファーストフェイズのアタックが安定してできました。アタックしていて楽しいですし、ゲームを組み立てやすくなります」

──後半特に、キックで優位性を取って、チャンスにつなげましたが、ハーフタイムにどのような話をして攻め方を変えたのですか?

「前半、風下だったので苦しい展開でしたが、しっかり我慢してなるべくボールを蹴らずにつないでアタックしようと話していました。その中で前半はリードして折り返したことは大きかったです。ハーフタイムに話し合って、後半は、シンプルに敵陣に入って敵陣でプレーし、キックを使ってアタックできたと思います」

──HOマルコム・マークス選手がとてもいいパフォーマンスを示していますが、2試合一緒にプレーしての印象は?

「練習の面で言うと、彼はすごく真面目で、日本人選手のこともしっかりリスペクトしてくれて、さすが、ワールドクラスの選手だと思います。プレーではスクラムはもちろんしっかり組みますし、要所要所でのジャッカルでペナルティを獲得するなどのプレーで助かります。やはり世界一のプレーヤーだなと感じます。今日の前半、始まってすぐのピンチでの彼のジャッカルのプレーでも『入ったな』という感じで、一回食いついたらボールを離さないといったプレーをしてくれて助かっています」

──今春には天理大の後輩、SH藤原忍君が入団し、彼とはすでに練習は一緒にしていると思いますが、同じポジションになる藤原君は刺激になっていますか?

「刺激にはなりますが、まだ、争っているというところではありません。彼はとても注目されているプレーヤーですが、僕もそれに負けないようにベテランの味を出していきたいと思います。人とエリアを考えて、ゲーム全体をコントロールするところを出していきたいと思います」

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