トップリーグ2021 第3節レポート(クボタ 34-24 NTTコム)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第3節 レッドカンファレンス
2021年3月6日(土)12:00キックオフ/東京・江戸川区陸上競技場
クボタスピアーズ 34-24 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス、左から中島 共同キャプテン、ゲイツ選手、リースエドワード ヘッドコーチ

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス、左から中島 共同キャプテン、ゲイツ選手、リースエドワード ヘッドコーチ

ヒュー・リースエドワード ヘッドコーチ

「残念な試合でした。結果に対して残念な気持ちというよりも、試合内容の部分に納得のいかないところがあり、自分達のラグビーとして、ここ数年で一番調子の悪い日でした。調子が悪かったにもかかわらず、10点差に抑えることができたのはポジティブだったのかなと思います。課題としては、失っているボールの保持権をしっかり取り戻していくことができれば、自分達のラグビーが、またできるようになるのではないかと思います」

──CTBのイメージの強い前田土芽選手をSOで起用された意図と、今日のプレーぶりは?

「前田選手については、去年から10番として起用しており、プレシーズンの練習試合でも同様でした。彼は、システムを機能させる能力が高く、ボールを広く展開させる自分達のラグビーを行うことに適した人材と判断して、SOで起用しました。さらに、外国人選手枠の関係で前田選手をSOに起用し、シェーン・ゲイツ選手にシルヴィアン・マフーザ選手の2名を入れたバックスラインの形となりました」

中島進護 共同キャプテン LO

「負けは負けですが、しっかり次の試合にフォーカスしていくことが大事です。今日の試合を振り返ると、簡単に相手にボールをわたしてしまい、ミスから相手にトライを取られてしまいました。後半、最後の方で追い上げたようなことを継続的に行うことが大事であり、自分達のラグビーをするために細かいミスも修正して次の三菱重工相模原戦に臨みたい」

──相手はラインスピードのあるディフェンスをしていましたが、どのように対応し、結果的にはどうであったのでしょうか?

「相手のラインスピードが速いことは認識していましたが、自分達が何をやるかが大事で、相手にラインを上げられても、ボールをしっかり外に持っていくことにフォーカスしていました」

──ボールを大きく振ろうとすると相手の鋭く出てくる防御の網に1回はかかってしまうと思いますが、そこからでもボールを出していくことが理想であったということでしょうか?

「相手のディフェンスが良かったこともありますが、相手につかまってしまっても、そこでもう一度外に運んでいくのが自分達のラグビーです」

シェーン・ゲイツ選手 CTB

「結果は残念ですが、それよりも試合内容が残念であった部分が大きいです。ミスから攻撃できず、攻撃回数やトライチャンスが少なくなってしまったところが一番残念です。次の試合に向けて頑張りたい」

──相手はラインスピードのあるディフェンスをしていましたが?

「相手がどのようなプレーをしてくるかは分かっており、そのためのプランもあったのですが、完全に遂行しきれませんでした。自分達はアタックのフェーズを重ねることができず、精度を欠くプレーからボールを簡単に失ってしまったためです」

──ボールを大きく振ろうとすると、相手の鋭く出てくる防御の網にかかってしまうと思いますが?

「自分達が準備していたのは、前に詰めすぎないこと、走る速度を抑えることでした。詰めてくる選手がいれば、メッセージを伝える対策もありましたが、フィールドの真ん中で精度を欠くと対応が難しくなってしまいます」

クボタスピアーズ

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(右)、ラブスカフニ ゲームキャプテン

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(右)、ラブスカフニ ゲームキャプテン

フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「まずは勝てたことがすごくハッピーです。前半の最初の部分と後半を含め80分間試合をコントロールできたと思いますし、チャレンジし続けてきた相手を称えたいと思います。ただ、我々もスマートにプレーし、判断やポゼッションの部分ができたので勝てたのだと思います」

──CTB立川理道キャプテンの欠場の理由は?

「木曜日の練習中にケガをした立川選手は、この土曜日までに回復できなかったため、代わりにライアン・クロッティ選手が出場しました。岸岡智樹選手も初めてのトップリーグの試合にSOで先発し、ファンタスティックな試合を高いスタンダードでやってくれたので素晴らしいと思います」

──ここまで3試合に先発出場しているFB金秀隆選手に対する評価および今後期待したいところは?

「金選手は毎試合良くなっています。判断はさらに良くなっており、カウンターも良い選手で、ディフェンスでのコミットも増えています。毎試合、力を上げてきており、このように若手の選手が出てきてくれるのは嬉しいことです」

──先週の試合で、立川選手が「皆と同じ絵を描けている」との発言がありましたが、先週とメンバーが少し変わった今日の試合では如何でしたか?

「けが人が1-2名出たためのメンバーチェンジは、シーズンで必要なことです。スコッドを信頼しています。今日の出場選手達がステップアップして結果を残してくれました」

ピーター“ラピース”ラブスカフニ ゲームキャプテン FL

「NTTコムとの対戦は、いつもお互いがプレッシャーをかけ合うハードなバトルになりますが、我々がプレッシャーを受ける中での今日の結果にハッピーですし、良い一日となり、チームメイトをすごく誇りに思います」

──試合を通じ良いディフェンスができていたことと、モールでのトライをされたことについての感触は?

「ディフェンスはハードワークを必要とします。NTTコムは良いアタックフォーメーションを持ったチームでバトルが楽しみでしたが、今日の結果についてはハッピーです。モールについては、セットピース全般について言えることですが、我々はラインアウト、モール、スクラムでもプライドを持ってやっています。今日のハードなバトルで、毎回できたこと、できなかったところでも切り換えて次に行くことができたことは、ポジティブなことでした」

──東芝も倒すなどの3連勝は、チームにとって自信になるのでは?

「3試合で自信はかなりついてきました。もちろん3試合だけではなく、プレシーズンでハードワークをして、ストラクチャーをいろいろと試してきたことが機能していることはポジティブですし、自信はかなり上がってきていると思います」

──前半、ヘッドキャップをかぶらずにプレーしていたのは?

「特に理由はなく、ロッカールームに忘れてきてしまい、そのまま試合に出たためです」

岸岡選手(左)、クロッティ選手

岸岡選手(左)、クロッティ選手

岸岡智樹選手 SO

「クボタで初の10番として80分間出させていただきました。すごくタフなゲームに勝つことができ、何よりも自分の喜びというか、試合を楽しむことができました」

──80分間ゲームをコントロールしていく中で、良かったと思うところと、次までに直しておきたいところは?

「今日は風があまりなく、戦うエリアということで相手側にどんどん行きたかった中で、前半、ボールをキープするところと手放すところの判断を少し誤った反省があります。逆に後半は、キックで相手にとって嫌な場所と時間帯でプレーできたのは良かったかなと思います」

──ハーフタイムに誰かと話し合ったのでしょうか?

「プレー中を含めてSH井上大介選手とコミュニケーションをとりました。そして、バックスのユニットの中で、その後チームで共有して、自分達のやりたいラグビーというものを確認しました」

──岸岡選手にとってライアン・クロッティ選手はどのような存在ですか?

「彼はレジェンドであり、何より自分がゲームをコントロールしていく中で、プレー中の彼のコールによる10番への情報提供はすごく助かっています。日本語、英語の言語の壁はありますが、他の誰よりも言葉を発して自分に情報提供をしてくれるのでやりやすさを感じていますし、すごく信頼できる人です」

──岸岡選手のルーキーシーズンとなるトップリーグの今シーズン、先発を含めて試合に出ている早稲田大学ラグビー部同期のたくさんの選手達からどのような刺激を受け、また今後はどのような切磋琢磨を考えていますか?

「今日は第3節ですが、第1節、第2節合わせて私を含めて同級生5人全員がメンバー入りしたことはすごく嬉しいことですし、日本ラグビーを盛り上げることにつながると思っています。その中で、今日、私自身は10番で出させていただいたので、他の選手達に刺激を与えると思います。サントリーサンゴリアスではWTB中野将伍選手が今日、SH齋藤直人選手が昨週の各試合でそれぞれスタートしましたし、私自身、彼らの活躍に負けていられないなと思うところです。お互いが相まみえるときもあるでしょうし、そういうときを楽しみに試合をやっていければ良いなと思っています」

ライアン・クロッティ選手 CTB

「今日は天気も良く、陽の出ている中、午後のこのような時間にラグビーができたことはすごく良かったです。今週は、しっかり準備してきました。NTTコムとは良い対戦になる中で勝つことができ、プライドもありますし、良かったです」

──試合全般として、前に出るディフェンスが機能していたと思いますが、そこで意識したことや実際の感触は?

「NTTコムがボールをキープしてくることは分かっていましたので、ラインスピードでプレッシャーをかけることを今週練習してきました。このディフェンスは先週まで良い感じで機能していたので、さらに良くするよう努めました。チームメイトのためになるディフェンスが、しっかりできたことは誇りですし、前半は、特に良かったと思います」

──クロッティ選手にとっての岸岡選手の存在と、今日の彼の評価をお願いします。

「岸岡選手については感銘を受けています。すごく良い印象で、まだ若い大卒1年目でこれだけの高いスキルセットがあることは素晴らしいことです。謙虚ですし、ハードワークしていけば今後、もっと高いレベルを目指すことができると思います。試合に関しては、ゲームコントロールをしっかりしていました。彼はエリアのことも言っていましたが、特に前半、しっかりコントロールしていたと思います」

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