トップリーグ2021 第4節レポート(リコー 19-20 神戸製鋼)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第4節 ホワイトカンファレンス
2021年3月14日(日)14:00キックオフ/東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場
リコーブラックラムズ 19-20 神戸製鋼コベルコスティーラーズ

リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズの左から、武井選手、山本ゲームキャプテン、神鳥監督

リコーブラックラムズの左から、武井選手、山本ゲームキャプテン、神鳥監督

神鳥裕之監督

「本当に本当に悔しいです。今日はチャンピオンチームである神戸製鋼さんに、リコーのコミュニティの方々や応援してくれている方々に対して、感動や自分たちが立ち向かう姿勢を伝えられるような試合にしたいと思って臨みました。本当に選手たちはそれを体現してくれました。でもこの結果に満足することはないので、この1点差の重みをしっかりかみしめて、まだまだシーズンは続きますので成長していきたいと思います」

──本当に惜しい試合でした。20歳の新人メイン平選手を開幕からFBで起用してきましたが、今日はCTBで起用されました。このメイン選手のCTBでの起用の狙いと、今日のパフォーマンスへの評価は?

「ポジション変更の理由としては、これまでの試合12番を務めていた濱野選手のローテーションの変更と、今日もトライを取ったFBマット・マッガーン選手が調子よく先週もいいパフォーマンスをしていたこと、また、メイン選手はもともと12番がメインの選手ですので‥‥ちょっとメインがメインでややこしいですね(笑い)。メイン選手のポジション変更に対しての適応力については問題ないと思っていました。メイン選手のパフォーマンスについてはご質問のとおり、本当に、試合を重ねるごとに成長してきていると思います。どんどんこういった若い力を起用してチームを活性化していきたいと考えていましたので、その中での中心的な役割を担ってくれています。当然グラウンドに立っている限りは競争に勝ち抜いていかなければいけないですが、しっかりチームの中で競争していける選手だと思います」

山本昌太ゲームキャプテン SH

「今日はホーム開催ということで、たくさんのファンの方々の前でプレーできたことを嬉しく思います。今日は非常に悔しい結果になりましたが、今日の試合は相手どうこうでなく、自分たちが80分間何をするのか、どうあるべきなのかをしっかり話してゲームに入りました。その中でチャンピオンチーム相手にチャレンジし続けられたとは思います。ただ、負けは負けですし、次の試合まで2週間あるのでチームとしてこの1点をどう埋めていくかという点を次の試合までしっかり修正して臨みたいと思います」

──このホワイトカンファレンスでも一番強い相手との試合でしたが、どんなことにフォーカスして臨みましたか?

「チャンピオンチーム相手として少しは意識するところもありましたが、それよりは自分たちがどうするのか、どういうラグビーをするのか、というところにフォーカスしてこの1週間準備してきました。ディフェンスでもアタックでも相手より早くセットするということを意識して準備してきました。アタックだったら早くボールを動かす。ディフェンスでは神戸製鋼のスキルに対抗するためにしっかり相手より早くセットして準備した状態でディフェンスすることを心掛けました」

──今日の結果には悔しい気持ちでいっぱいだと思います。試合を見ていますと、ゴール前のディフェンスやボールへの絡み方など、現在勝ち続けているチームと十分互角にプレーできていると感じます。そういった感触についてはどのように思っていますか?

「今日までで4試合ですが、それらの試合でいろいろな学びがあり、それをチームとして成長につなげられているかと思います。今日のように粘れるところは今年のチームのスローガンでもあるBIGGA(注:Back in Game, Go Again)を使って、相手より早く立ち上がるとか、全員がしっかりグラウンドに立ち続けて闘うというところなどは開幕戦からだんだん良くなってきていると思います。今日の試合ではそういった場面でよくプレーできていたと思います。

武井日向選手 HO

「監督とキャプテンのコメントの通りですが、接戦を勝ちきれるチームに成長していきたいと思います。これでシーズンが終わるわけでなくまだまだ試合が続きますので、何で勝ちきれないのかをしっかり研究して、チーム一丸となって成長していきたいと思います」

神戸製鋼コベルコスティーラーズ

神戸製鋼コベルコスティーラーズの左から、日和佐選手、バックマン選手、ディロン ヘッドコーチ

神戸製鋼コベルコスティーラーズの左から、日和佐選手、バックマン選手、ディロン ヘッドコーチ

デーブ・ディロン ヘッドコーチ

「タフな試合でした。両チームともフィジカルな戦いになりました。リコーのラインアップを見たところ経験豊富な選手が多く、リコーに対して自分たちがしっかりと対抗しなければなりませんでした。今日の試合では神戸の選手たちのことを本当に誇りに思います。試合の中で厳しい局面が続きましたが、その中でしっかり勝利を掴んでくれました。勝利で終わることができたことで、自分たちには次に繋げることができました」

──後半26分にSOヘイデン・パーカー選手がHIA(その後、そのまま負傷交替)で新人の22番李承信に交替しました。その後、李選手がPGを決め逆転にもっていきました。李選手についての評価をお願いします。

(日本語での質問内容をほぼ理解したので日本語への質問内容の通訳を不要としての英語での回答)「スンシン(李承信選手)は神戸製鋼に来てからすごく成長していると思います。スンシンにはアンドレ・ベルコーチと森田恭平コーチが直接指導していますが、2人のコーチはしっかりと時間を掛けて李選手の成長を手助けしています。2人のコーチに加え、ここにいる日和佐選手やバックマン選手、また他にも経験豊富な選手が多くいますのでそういった選手たちが時間を掛けて李選手の成長を手助けしています。今日の試合でもわかる通り、最後のPGでプレッシャーがかかる場面でもしっかりゴールキックを決めてくれて、チームが勝ちきることができたことは李選手がニジュウサイ(20歳)にも関わらず強さをもっていることを示していると思います。李選手について一番いいと思うのはフィジカルがしっかりしていること、また自分に対してしっかり自信を持っているところです。ディフェンスでもアタックでも自信を持ったアクションを起こしてくれています」

日和佐 篤 共同キャプテン SH

「リコーさんとの試合ではいつもタフな試合になります。トライを取るべきところで取り切れない時間が多かったというところで自分たちの首を絞めてしまったと思います。あともう一つのところをしっかり修正していきたいと思います」

──『トライを取るべきところで取り切れない』と言いましたが、チームとしてはまだ4節目であり、改善していく点があるということについて、具体的なところがあれば教えてください。

「バックマン選手も言っていましたが、もう1つでトライを取れるようなところでしっかりグラウンディングなどの細かなプレーをもう少し丁寧にできたらチームがもっと変われると思います」

──LOレタリック選手がボールを奪ってというプレーが多くありますが、レタリック選手の強さ、また彼が与えるチームへのいい影響については?

「常にチームにエナジーを与えてくれる、日本人選手にとって手本となるプレーを良くやってくれます。チームにとっても素晴らしい影響を与えてくれています」

──SO李承信選手についての評価は?

「李選手はすごい才能のある選手です。次のワールドカップフランス大会に出るに値する選手だと思います。僕自身も李選手からいい影響を与えてもらっています。一緒に成長できるように、またチームとして成長できるように頑張っていきたいと思います。李選手は同じSOのポジションの選手たちとも試合のサインプレー、状況判断など一緒に話し合って共通認識できるように練習しています。また練習の後、パーカー選手、李選手、アーロン・クルーデン選手らはいつも最後まで残ってゴールキックの練習をしています」

──これで4連勝になりましたが、今日はいつもにくらべてボールを外に展開することが少なかったのでは?

「まずはフィジカルの面で、リコー選手にボールに絡まれたりボールを取られたりということがありました。そこですごくプレッシャーを掛けられていました。またリコーのラインスピードも良かったと思います」

──リーグ戦では次節からさらに厳しい試合が続きますが、今日の試合で受けたプレッシャーなどをどのように次節以降につなげたいですか?
「今日の試合は決勝トーナメントに向けて、いい練習が出来たと思います。難しい時間帯、難しい風の影響、また、プレッシャーが厳しい今日の試合でしっかり勝つことが出来たことは自信に繋がります」

リチャード・バックマン選手 CTB (マン・オブ・ザ・マッチ)

「スタートはいい形で入れましたが、その後はリコーからすごくプレッシャーをかけられて、自分たちのかたちのラグビーをさせて貰えませんでした。自分たちのミスがなければ自分たちがトライで終われるシーンが多くありましたが、トライにつなげられず残念でした。ただ、勝利を掴むことができたことは良かったと思います」

──開幕戦でもそうでしたが、今日もバックマン選手のワークレートの高さは目立ちました。試合で高いワークレートを出そうとご自分でかなり意識してプレーしているのですか?

「自分は若さが取り柄の選手だとは思っていないので、自分としてはハードワークして、周りの選手たちがつけていけないところでも自分がどこまでシンドイことができるかというところに重きを置いています。ラックに突っ込むところでも、自分がハードワークすることを意識しています」

RELATED NEWS