トップリーグ2021 第4節レポート(東芝 5-73 サントリー)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第4節代替 レッドカンファレンス
2021年3月20日(土)12:10キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
東芝ブレイブルーパス 5-73 サントリーサンゴリアス

東芝ブレイブルーパス

東芝ブレイブルーパスの左から、リーチ選手、小川共同キャプテン、ブラックアダー ヘッドコーチ

東芝ブレイブルーパスの左から、リーチ選手、小川共同キャプテン、ブラックアダー ヘッドコーチ

トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ

「コンニチワ。まず、サントリーさんに素晴らしい勝利をおめでとうと伝えたいと思います。今日のサントリーは非常に素晴らしいプレーをしたと思います。当然、私たちにとっては今日のパフォーマンスおよび試合結果は私たちが求めてきたものではありませんでしたが、東芝としては今日の内容よりもっとできるチームだと思っています。今日の結果から学ぶべきものを学んでいきたいと思います。あまり数多くのことは申し上げませんが、ここから学んだことを次の金曜日(注:NTTコム戦)に見せたいと思います。自分のチームにはいい選手達、いいリーダーがいますので、ここから立ち上がりたいと思います。スポーツではこういったことが時々起こります。今日は本当にすべてのことがサントリーにうまくいった日だったと思います。今日はサントリーが素晴らしい試合をしました。自分たちのチームには素晴らしい選手が揃っているので、ここから跳ね返していきたいと思います」

──先週の試合が雷で中断して今日再試合となりましたが、この1週間、どのようなところにフォーカスして準備してきましたか?

「いい質問ありがとうございます。難しさというより、準備する時間がより多くあったということで捉えて、さらに1週間やってきました。コーチ陣としては先週の試合でのプランがどうだったかということを考えるチャンスをもらいました。チャンスはまだあると考えてきました。プレッシャーの中でそれをどこまで遂行できるかというところを見ていましたが、この試合から学ぶべきものを学んで選手たちに生かしたいと思います。マインドセットと準備としてはきちんとしたものを持っていたと考えていましたが、試合では勢いがつかめないまま試合が終わってしまいました」

小川高廣 共同キャプテン SH

「この2週間、サントリー戦に対してのいい準備はできたのですが、試合が始まって、セットピースのところ、また、ペナルティを多くしてしまったところなどで、苦しい展開にしてしまいました。サントリーがPGで得点をとることによりプレッシャーを与えられてしまい、自分たちのものを出せないまま終わってしまいました。ただ、準備の段階では非常に良く準備はできており、次の試合に向けても一貫性を持っていい準備をするようにしたいと思います。この(大敗の)経験を生かして、後ろ向きにならずに皆で次の試合ではいけるようにやっていきたいと思います」

──今日の73失点は、東芝としては記録的に多い失点です、これについてはどう思いますか?

「今日の大量失点は大きいと思います。このような展開となった原因は、一番にはペナルティの多さだと思います。ディシプリンについてはもう一回、皆で切り替えてやっていきたいと思います。どのチームとの試合でもペナルティが多ければ勝つのは難しくなります。皆でこの点をもっと意識してやっていきたいと思います」

──今年のサントリーはボーデン・バレット選手が加入して、昨年までと大きく違ったチームになってきていると思います。同じバックス選手として脅威になるとか具体的に思うところはありますか?

「東芝のディフェンスはとてもアグレッシブに出るディフェンスですが、相手にバレット選手がいることによりキックディフェンスもカバーしなければならず、ディフェンスがちょっとアグレッシブに出られないところがあったかと思います。それでも、今日は、東芝としてはアグレッシブなディフェンスはできたと思います」

──バレット選手のキックには多くのオプションがあり、それへの対応が難しかったのでは?
「今日は、自分としては守るべきところはカバーできたかとは思います。(バレット選手のキックオプションは)そこまで気にすることではないかと思います」

リーチ マイケル選手 FL

「これまで5週連続してお客様の前でプレーできたことを嬉しく思います。(小川)高廣キャプテンがすべて言っていますが、その通りです。サントリーはトップリーグの中でも本当に強いチームなので、サントリーから学ぶことはたくさんあります。準備についても、もっと準備するべき点もあると思います。ポジティブに捉えて次に向けて準備していきたいと思います」

──ブレイクダウンでは東芝はいつも対サントリーでは激しくプレーしますが、今日は反則が多かったりしました。いつもと違う難しさを感じましたか?

「東芝としてはテンポを持ってアタックしたいと考えていました。今日のサントリーはブレイクダウンでプレッシャー掛けてきましたが、僕らはブレイクダウンの質をもっと上げないとサントリーのような(強い)チームと戦えないと思います。来週の準備ではブレイクダウンの練習が多くなると思います」

──ディフェンスについて、サントリーのアタックをどう止めようとしていて、実際にはどのようになったのですか?

「僕らがやられたところはペナルティでサントリーに得点され、また、サントリーが蹴ってきたボールをターンオーバーしてセットピースから取るようにしたところにプレッシャーを掛けてこられたところです。セットプレーからのディフェンスは悪くはありませんでしたが、チョット熱くなったり、相手のチェイスでのプレッシャーを受けたりして、東芝がいい流れをつかめないまま試合が終わってしまいました」
──リーチ選手個人にとっては手術を終えてのシーズン入りと思いますが、現在はどのようなコンディションですか?

「今日はボールタッチの回数は少なかったですが、コンディションは毎週良くなってきています。コンディションは先週よりも今日のほうがいいですし、来週は今日よりも良くなると思います。しっかりシーズン通してどんどんやっていきます」
──今日、ハンドリングエラーと、セットプレー、特にラインアウトでのミスがリズムを失った大きな原因だったと思いますが、今日の試合でこれらのミスが多かった理由は? また、それをうまく修正できなかった理由は?

「今日は確かにハンドリングエラーとセットプレー、特にラインアウトでのミスを修正できずに、前半で40点近く取られました。ハンドリングはたくさん練習したからといってうまくなるものでもありません。僕も今日は3回くらいノックオンをしてしまい、チームに悪い影響を与えてしまいました。セットプレーからボールをきちんと出せないと得点することができません。今日は目指していたセットプレーができていませんでした。ここはしっかり修正して来週の試合に臨みたいと思います。このチームは選手の年齢的に年上の選手が多いですが、今日73失点をしたという経験は大きいと思います。この経験を生かして月曜日からしっかりやっていきたいと思います」

サントリーサンゴリアス

サントリーサンゴリアスのヘイグ監督(右)、中村キャプテン

サントリーサンゴリアスのヘイグ監督(右)、中村キャプテン

ミルトン・ヘイグ監督

「今日の試合結果については大変満足する結果を得ることができました。68点差をつける結果となりました。このような大きな点差をつけて勝ったことは、サントリーのクラブとしての歴史を考えても、とてもクオリティの高いラグビーをする東芝さんに対して、これまでなかったことだと認識しています。したがって今日の結果にはとても満足しています。先週の試合が雷雨で中止、再試合となってしまい、メンタル的にもしっかり準備することが重要だという話をして試合に臨みましたが、それがいい結果に繋がったと思っています。ボールを持っているときも持っていないときも、相手にいいプレッシャーをディフェンスで与えることができ、いいターンオーバーもいくつかできました。今日は全体的にもいいパフォーマンスができていたと思います。チームの総合力が出たかたちになったと思います。これはノンメンバーを含めて選手達がハードワークをしてくれた結果だと思います」

──1週間、ゲームが延びてしまいましたし、1週間後にはビッグマッチ(注:3月27日(土)トヨタ自動車戦)が予定されています。この1-2週間は、来週の試合も考えてのチームのコンディショニングなど難しかったのではないでしょうか?

「今週は他のチームはBYE WEEKの週ですが、先週雷雨で中止になった試合の4チームだけ今週に試合をすることになりました。今週、少しローディングは抑えたかたちでのトレーニングをやりました。各トレーニングセッションに関してはショートでシャープに精度をしっかり上げてやることに意識して準備しました。ここからビッグマッチが続きます。昨日は日野とノンメンバーでの練習マッチをしました。チーム内の競争がチームの総合力を生むと思います。ポジション毎にしっかりチーム内の競争をした上でセレクションの結果につなげていきたいと思います」

──(大学ではCTBだった)ルーキーの中野将伍選手をずっとWTBで起用していますが、これについてはどのように考えていますか?

「中野選手はCTBでもWTBでもプレーできる選手で、チームにとっては貴重な存在です。サニックス戦では彼のパフォーマンスは良くなかったのですが、プレシーズンの試合を含めて、とてもいいパフォーマンスをしてくれています。サニックス戦の後、彼と話をしましたが、中野選手はまたいい状態でプレーできていると思います。中野選手はパワフルなキャリーができる選手ですので、WTBに先発起用しておいて、CTBにも起用できるというようなマルチなプレーができます。したがって、今は、最初はWTBで起用することを考えています」

中村亮土 キャプテン CTB

「監督も言ったように、今週に限らず、これまでずっとノンメンバーと一緒に練習をしてきて、毎回いい準備ができていました。今回いい結果が出たことはチームにとって勢いが出るいいチャンスかなと思います。これからタフなゲームが続きますが、自分たちのスタンダードをキープしつつ、もっと伸びるところは伸ばしてサントリーらしいアタックをゲームでお見せしたいと思います」

──天候やメンバーにもよると思いますが、今日の試合では相手によくプレッシャーを掛けていました。このゲームプランは、先週雷雨で中止になった試合でも用意していたものでしょうか?

「ゲームプランについては先週と変わらず、同じプランで今週もやりました。前半最初では相手がプレッシャーをきつくしてくるので、相手にプレッシャーを掛けるためにも一回、ボールを手放す戦術をとりました」

──中村キャプテン、サントリーでの50キャップおめでとうございます。先週中止になった試合では、12分間のプレーの中でハンドリングエラーも多くあった印象でした。この1週間はどのような点にフォーカスして準備してきましたか?

「先週の12分間のプレーを振り返って今週に準備するというより、自分たちのスタンダードを見つめて、マインドセットだけはいい準備をしようとしました。今週は元々トップリーグの試合が予定されていなかったのに急に試合の予定となったので、それに対して前向きに取り組むように意識してのマインドセットを心掛けました。たしかに先週はハンドリングエラーが多かったですが、もう1回、ファンダメンタルなところを意識して今日の試合に向け取り組んでいました」

──今日の試合は急遽、開催が決まったにもかかわらず、府中ダービーということもあり大勢の観客に来ていただいていましたが?

「先週、雷雨の中、中断アナウンスがあるまで雨の中ずっと待っていただいていたファンの方々に勇気をもらい、ファンの方々のためにもいいプレーをしたいと思いました。また急遽、今日の試合の開催が決まりましたが、再びファンの方々が来てくれて、それに対してもいいパフォーマンスをしなければならないと思いました。毎週毎週、試合を見てくれているファンのためにもいいプレーを続けなければいけないと思います」

──今日は府中ダービーでしたが、東芝はサントリーとしても意識する相手だと思います。今日は大差の試合となりましたが、ダービーマッチということについて、このようなものがあったらいいと思うようなものはありますか?

「どの試合、どの相手でもいい準備をしていいマインドセットをして臨んでいます。特に東芝さん相手では歴史的にも激戦を繰り広げてきたチームなので、今週はフィジカルに意識して準備しました。ファンの方々にとっても府中ダービーは面白いと思いますので、今日はサントリーとしてはいいゲームができて良かったと思います」

タタフ選手(左)、バレット選手

タタフ選手(左)、バレット選手

テビタ・タタフ選手 No.8 マン・オブ・ザ・マッチ

──東芝とサントリーは以前からいいライバルです。東芝との初めての対戦でこのライバル関係には何か意識して臨まれたところはありましたか?

「府中ダービーの意味は自分でもしっかりわかっていて、先週からしっかりこの試合に臨みたいと思いやってきました」

──前半29分のトライは、リーチ選手のディフェンスを突破してのトライでした。リーチ選手は東海大での尊敬する先輩でもあると思いますが、あのプレーはタタフ選手にとって自信になったのではないでしょうか?

「私にリーチ選手がディフェンスに来ていることはわかりませんでしたが、フォワードとしては22mラインの中に入ったら、サントリーとしてトライを取ることが自分たちの仕事です」

──来週、対戦するトヨタはこれまで非常に調子がいいチームで、タタフ選手としてやりがいのある相手だと思いますが、どういった印象を持っていますか?

「来週の試合に向けてはしっかり準備をして相手にはインターナショナルレベルのプレーヤーがいるのでバトルに負けないように頑張っていきたいと思います」

ボーデン・バレット選手 SO

──今日のゲームプランもあったと思いますが、自陣からコーナーに大きくキックを蹴ることが多くあったと思います。このようなプレーの意図、また、ある程度リスクがあるこのようなキックを蹴るコツなど教えてください。

「チーム内の分析でも東芝はラインスピードを上げてディフェンスしてくるという分析がありました。キックスペースが空いているところを狙っていこうという意図が最初からあって、キックを使うことによって相手のラインスピードを下げて、相手のバックスリーにプレッシャーを掛けようとイメージしてプレーしました」

──東芝とサントリーは以前からいいライバルです。東芝との初めての対戦でこのライバル関係に何か意識して臨まれたところはありましたか?

「仲間の選手やチームのマネジメントからローカルダービーの重要さはしっかり話をしてもらいました。また、先週の試合のリマッチとなってしまった12分間だけの試合でも東芝のフィジカルティを感じることができました。また今日の試合に向けてもすごくいい準備ができて試合に臨めました」

──今日のような試合ではバックスが目立ってしまいますが、フォワードが体を張った結果でもあると思います。バレット選手から見て、今日はどのようなところでフォワード選手が貢献してくれていましたか?

「本当にフォワードの素晴らしいパフォーマンスに感謝しています。バックスがスペースにボールを運べたのもフォワードのハードワークがあってのものです。今日はフォワードがすごくいいパフォーマンスをしてくれたと思います」

──バレット選手は開幕戦からずっといいパフォーマンスをされています。加入したばかりのチームでうまく機能しているのにはどのような理由があるのでしょうか?

「アリガトウゴザイマス。隣にいるテビィ(タタフ選手)とも一緒にプレーできて、今日は彼がマン・オブ・ザ・マッチをとったということにもとても誇りを感じています。サントリーでプレーしていることを楽しんでプレーできています。来週はトヨタ戦がありますが、しっかり自分たちのやっているシステムを信じてプレーすること、また、自分がチームに対して何か付加価値を与えられることがあれば、それをやりたいと思って、開幕戦から1週間、1週間、集中して準備して取り組んできているというのが現在です」

──試合の1時間くらい前にバレット選手は一人でピッチに出て練習をされていますが、これはいつ頃からのルーティンなのでしょうか?

「本当は15分から20分くらいゴールキックの練習をしたいのですが、ピッチによって5分間しかゴールキックの練習が取れないこともあります。その中で自分のリズムやフローをどう作り上げていくかを考えてやっています。今は少し早めにピッチに出て体を温めて、試合に向けて準備するように心掛けています」

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