トップリーグ2021 第5節レポート(東芝 19-45 NTTコ厶)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第5節 レッドカンファレンス
2021年3月26日(金)18:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
東芝ブレイブルーパス 19-45 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

東芝ブレイブルーパス

東芝ブレイブルーパスの左から、小川共同キャプテン、德永共同キャプテン、ブラックアダー ヘッドコーチ

東芝ブレイブルーパスの左から、小川共同キャプテン、德永共同キャプテン、ブラックアダー ヘッドコーチ

トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ

「まず、NTTコミュニケーションズの皆さんの今日のパフォーマンスにおめでとうと申し上げたいと思います。東芝はスタートではプレッシャーを掛けることができていて良かったと思います。特に前半、NTTコミュニケーションズはチャンスを全部、生かしてきたなと思いました。東芝でミスタックルなどが起こったところを相手につけ込まれてしまい、NTTコミュニケーションズに素晴らしいプレーをされてしまいました。自分たちのエラーのせいでそのようになり、そこで相手からのプレッシャーを受けてしまいました。特にブレイクダウンでのNTTコミュニケーションズのプレッシャーは良かったと思います。それによってNTTコミュニケーションズも良かったので東芝が後手に回って押されてしまったところがありました。ただ、東芝の選手たちについて讃えたいところは最後まで諦めずにプレーしてくれたところです。プレッシャーの中から自分たちのかたちを取り戻して、最後の2つのトライに繋げることができました。それによって、シンプルなことをすれば結果に繋がるということを見せることができたと思います。今日の試合をきちっと見直して、ハードワークすれば、修正はそれほど難しくないと思います。次の試合を楽しみにしています」

──今日のゲームには直接関係はありませんが、4月から2021年新加入のルーキーが起用できます。これら新戦力の選手について今、考えていることは?

「いい若手の選手が多く加入します。レギュラーの選手にケガなどがあった際にそういった選手たちが出場できることは嬉しいことです。いい選手層がそろってきています。新加入選手たちも既に、自分たちと一緒にトレーニングしています。新加入選手を迎えることは嬉しいですし、現在の選手たちにとってもハッピーなことです。彼らが新たなエネルギーをもたらしてくれること、パワーをもたらしてくれることは嬉しいことです」

德永祥尭 共同キャプテン No.8

「監督の言ったとおりですが、相手のブレイクダウンでのファイトで、自分たちがアタックでのテンポを出して動かすことができなかったことで、アタックでうまくいかなかったと思います。そこで起きたミスなどを相手にうまく突かれました。特に前半は、相手のほうが一つのミスに対してのリアクションが多くあったと感じました。しかし東芝も最後はいいアタックをすることができました。これを(選手1人のレッドカードで)14人の状態でできたのですから、最初から15人でもっとできたと思います。しっかり修正して次の試合に臨みたいと思います」

──50/50でのパスをすることが増えて、そこからトライを取られてしまったところがあったと思いますが、どうして、50/50のパスが多くなってしまったのでしょうか?

「細かなコミュニケーションがなかったと思います。僕はそこのプレーの当事者ではないので細かなことはわかりませんが、練習を通してもう1回、そこは見つめ直さなければいけないと思います。ボールをキープしていれば自分たちのアタックができて、そのアタックは素晴らしいものなので、スコアに焦ることなく、もう一度、ボールキャリアがしっかり意思を持ったプレーをしたいと思います」

──今日は、德永選手が自身によるいいキャリーを再三見せていたと思います。今の体の状態や今日のプレーについてのご自分による評価、感覚は?

「感覚はすごくいいです。ボールを持って前に出られたのは自分たちのアタックのシェイプがしっかりしたものであり、自分が走り込んだところにボールが来て、突破することができたと思います。アタックのシェイプがうまくいっているときは、自分がボールを持って走りやすいことが多くあります」

──先週のゲームから今日のゲームに向かっての皆さんの気持ち、また、今日のゲームを終えて、次のゲームまでのプランについてのキャプテンの意気込みは?

「先週のゲームからはショートウィーク(中5日)で難しいところがありましたが、自分たちでコミットできいい練習はできていたと思います。先週のサントリー戦、今日のNTTコム戦を終えましたが、どちらの試合でもブレイクダウンでプレッシャーを受けてしまいました。そこの部分にもっとフォーカスして、次も同じ反省を言わないようにしっかり修正したいと思います」

小川高廣 共同キャプテン SH

「ヘッドコーチと徳永キャプテンの言ったことに加えて、先週のゲームからの問題ですが、ディシプリンの面でペナルティが多く、そこで自分たちの首を絞めてしまいました。リーグ戦は残り2節ですが、その中でしっかり修正して、もう1回前向きに次の試合に取り組んでいきたいと思います」

──50/50でのパスをすることが増えて、そこからトライを取られてしまったところがあったと思いますが、どうして、50/50のパスが多くなってしまったのでしょうか?

「スコアの差がどんどん開いたことで、早くトライを取りたいという気持ちから軽いプレーが増えてしまったと思います」

──先週のゲームから今日のゲームに向かっての皆さんの気持ち、また、今日のゲームを終えて、次のゲームまでのプランについてのキャプテンの意気込みは?

「先週の試合からは(中5日の)ショートウィークだったので難しいところがありました。サントリー戦でああいった試合(大敗)になってしまいましたが、選手たちは皆、ポジティブに練習に取り組むことができて、ショートウィークでしたが、いい準備ができたと思います。次の試合は(中8日で)ちょっと日も開くので体と心をフレッシュにして、もう1回、一貫性を持っていい準備をしていきたいと思います」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのリースエドワード ヘッドコーチ(右)、中島進護 共同キャプテン

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのリースエドワード ヘッドコーチ(右)、中島進護 共同キャプテン

ヒュー・リースエドワード ヘッドコーチ

「この試合、勝点5をとることができたことは、満足という言葉では足りないくらいです。今週ずっと選手も含め準備に頑張ってきましたし、自分たちの今シーズンの成功を収めるために必要な勝点5でした。最後の20分に東芝さんに見せていただいたファイティングスピリットは素晴らしいものでした。彼等の諦めない姿勢は賞賛したいと思います。最終的に自分たちが勝点5をとれたことにとても満足しています。選手たちが良くやってくれました」

中島進護 共同キャプテン LO

「先週は1週、トップリーグの休みがあり、自分たちはとてもいい準備ができました。試合メンバーだけでなくノンメンバーの選手たちによるいい準備があり、チーム全員で勝つことができた試合だと思います。もちろん、自分たちのパフォーマンスがよくできたことには満足していますが、やはり、ヘッドコーチも言ったように、最後の20分のところでは東芝さんの強いプレッシャーを自分たちが受けてしまいました。その点については修正しないといけないと思っていますが、今日の自分たちのラグビーにはとても満足しています」

──今日はディフェンス、特に敵陣ゴール前で押し返したところや、前に向かうディフェンスなどとても良かったと思います。ブレイクダウンのところでのディフェンスで準備してきたところ、また、今日良かったところは?

「ディフェンス面ではジョー・バラカットディフェンスコーチがディフェンスにフォーカスして、ワンオンワンのアタックを決めて、内側からジャッカルを決めてというシンプルなディフェンスをしようとしています。一人でなく全員がしっかりコネクションできて、それが自分たちのワンオンワンのアタックにつながって、今日はこういった結果を得られたと思います」

──ラック周りの近いところからの抜け出しもできていたのが大きかったと思いますが?

「特に近くでラグビーをするということは意識していませんでした。そこはゲームコントロールのコールやグレイグ(レイドロー選手)の判断でできていたと思いますが、とてもいい面だったと思います」

──今シーズンはいい形でシーズンを迎えられたと思いましたが、これまでは惜しいところで勝てない試合が続きました。ここでチームの流れを変えるための取組みなどを何か行いましたか?

「最初の4戦では自分たちのミスから自分たちのラグビーができていないところがありました。先週末のオフを挟んでのところで、もう一回、ノンメンバーも含めて、チームとして自分たちのラグビーをやろうとしました。1回、スタート地点に立ち戻り、同じ絵を見てしっかりと方向性を見て、東芝戦に対しての準備ができました。その準備の段階がとても良かったと思います。特別にミーティングなどで何をしたとかはありませんでしたが、やることをもっと明確にして『自分たちのラグビーはこうだよね』というのをチームの中でコミュニケーションをとって東芝戦に準備してきました」

──『自分たちのラグビーはこうだよね』についてですが、これまでの結果が出ていない時に比べてボールを回す頻度など少し変わってきていると思いますが?

「自分たちが得意としている『キックをベースにスペースにボールを運んで自分たちのシェイプでアタッキングラグビーをする』というのが今日はよく見られました。相手のディフェンスのプレッシャーはありますが、自分たちがスペースにボールを運ぶことが大事だということを今日、体験できたと思います。これを続けることができれば、自分たちのラグビーをできる自信に繋がると思います」

左から石井選手、レイドロー選手

左から石井選手、レイドロー選手

グレイグ・レイドロー選手 SH

「今日の試合に、特に東芝さんのようなタフな相手に勝てたことに満足しています。今日勝てた大きな理由としては、フォワードがしっかりボールをキープしてプレッシャーを掛けていくこと、あと、自陣からの脱出を簡単にすることができたので、これらを通じてスコアを重ねることができました。このため、スコアボード(大きな点差)で相手にプレッシャーも与えることができたと思います」

──陣地脱出について、前半はハイパントが風に押し戻されたりして苦しいところもありましたが?

「前半は風も強く、私たちは風下でしたので、ボールの滞空時間も長く難しい状況ではありました。それでも自陣を脱出するにはそういったキックを使うことが最善の策でしたので、プラン通りそれを遂行しました。チームとしていい戦いができていたのは、チームメイトからのキックチェイスが良かったからだと思います」

──今日は、以前の試合より、全体的にヨコにボールを動かす頻度が少し上がっていたと思いますが、チーム内でどのような話し合いがなされていたのでしょうか?

「大きな要因としては、フォワードがいいボールキャリーをしてくれていたのでアタックが前に行くことができました。そこでは9番の速いパスさばきが課題になります。そこではフォワード選手たちの貢献が大きかったと思います。この経験をこれからのシーズンに生かしてプレーオフ以降もこういったものを生かしていきたいと思います」

──今日SOで先発した前田土芽選手はキックや判断も良かったと思いますが、前田選手はどういったところが成長していると感じますか?

「ドガ(前田選手)とは主にゲームマネジメントの部分を課題としてそれを克服しようと一緒に練習してきました。今日は、例えば自陣から簡単に脱出できる機会があるのならそうしようというところや、自分たちからプレッシャーを掛けていくことができるところではプレッシャーを掛けていこうというところなどで声を掛け合いながらやっていました。今日はドガのパフォーマンスは素晴らしかったので、彼の成長の大きな一歩となったと思います」

──今日の天候は日本ではかなり風が強いと感じるコンディションでしたが、レイドロー選手はこれを苦にせず、端からのゴールキックも決めていました。スコットランドでプレーしてきたレイドロー選手にとってはこのくらいの風はあまり気にはならない「そよ風」程度ですか?

「コンバージョンキックについては風があるときはやはり難しく、今日もやはり風は強かったと感じました。前半終了前にペナルティキックがありましたが、自分が蹴った感触ではボールの真ん中に当たっておりゴールボストの真ん中を通っていくだろうという感触でした。しかし(蹴った直後に)顔を上げてみたらボールが右にそれていました。そういう時もあります。風で難しいときは自分のフォームやテクニックにしっかり集中して今まで積み上げてきたスキルに自信を持ってやり抜くようにしています。今日のキッキングパフォーマンスではそれができていたので、今日は納得しています」

石井魁 選手 WTB (マン・オブ・ザ・マッチ)

「チームが勝てたことを嬉しく思います。東芝さんという素晴らしい相手との試合に対していい準備ができ、それをグラウンドで出すことができたことが今日の勝利に繋がったと思います」
──前半19分、スクラムからの1次攻撃から⑫ゲイツ選手から⑮石田選手へのロングパスから石井選手にボールが渡ってのいいトライがありましたがあのプレーはサインでのプレーだったのですか?

「外側にスペースがあるということをチームとしての共通認識で持っていましたので、東芝さんのプレッシャーあるディフェンスの中で、その外のスペースにシンプルにボールを運ぼうとしていました」

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