トップリーグ2021 第5節レポート(リコー 28-31 キヤノン)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第5節 ホワイトカンファレンス
2021年3月27日(土)12:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
リコーブラックラムズ 28-31 キヤノンイーグルス

リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズの左から、神鳥監督、山本ゲームキャプテン、ルーカス選手

リコーブラックラムズの左から、神鳥監督、山本ゲームキャプテン、ルーカス選手

神鳥裕之監督

「今日はどうもありがとうございました。こういう状況の中、多くの観客の皆様の前でゲームができたことを非常にありがたく感じております。今日のゲームにおいては、過去2試合、接戦を勝ち切れないゲームが続いていましたので、今日は必ず勝ち切ろうとゲームに臨んだところです。キヤノンさんとは毎年、タフなゲームになると臨んだのですが、最終的に今日はスコアで上回れず、悔しい思いで一杯です。勝負どころでのミスだったり、ゲームプランをしっかり守るところであったり、本当に少ない点差でしたが、そこを乗り越えるために我々はやらなくてはならないことがまだまだあると、学ばさせていただいたゲームでしたので、次の試合にしっかり切り替えて頑張っていきたいと思います。ありがとうございました」

──接戦になると分かっていてどこで勝ち切ろうと考えていたのか?

「我々としては、自分たちのスタイル、相手よりも早くセットして、運動量で上回って、相手のスペースを奪って、前でディフェンスして、アタックに関してはシンプルにゲインラインを切るというゲームプランを考えていたのですが、どうしても相手のディフェンスに対して受けに回る場面があったり、自陣でタッチキックを蹴るところでしっかり切れなかったりしたところがありました。ディフェンスの面では相手が合わせて来るところを少しスペースが作れずに、その場でブレイクされてしまったり。そういったところの細かいミスが積み重なって、上手くパフォーマンスにつながらなかったシーンがありました。そういったところは、まだまだ我々が成長しなければいけないところだと考えています」

山本昌太ゲームキャプテン

「今日は非常に素晴らしい環境の中、多くのラグビーファンの方々の前でプレーできたことをすごく嬉しく思います。試合に関しては、非常に悔しい結果となりました。スコア以上でも、スコア以下でもなく、負けは負けなので、しっかりこれを受け止めて、しっかり準備していく。やはり、多くの局面で自分たちのスタンダードを守れなかったというところがすべてかなあと思います」

──リコーのラインオフサイドについて?

「自分たちのディフェンスとしては、まず早くセットする、相手よりも早く準備したラインでしっかりディフェンスするということが第一なのですが、それが崩れると、やはりキヤノンさんの素晴らしいアタックで、どんどんうちが接点でプレッシャーを受けてしまって、コンタクトの部分で前に出られるという悪循環になってしまって、しっかり立つべきポジションに立てなかったところがペナルティにつながったと思います」

──スタンダードを守れなかったのは?

「後半、キヤノンさんのアタックというのは一貫性があって、本当に素晴らしいアタックだった。ただ、自分たちがやるべきこと、自陣のエリアではプレーしない、しっかりタッチアップするだったり、ボールキープする場面でできなかったり、セットプレーでもプレッシャーを受けてしまったりというところで、キヤノンさんのアタック、ディフェンスのプレッシャーもありましたが、自分たちの首を締めてしまった部分が多くあったかなと感じました。やはり、前節、その前と、後半の戦い方というのは自分たちのチームの課題だと思うので、しっかりそこを見つめ直して、まだ試合は続くので、やって行くしかないかなと思っています」

──相手のスコアを上回るためには?

「やはり、80分間通して自分たちのやるべきことをやり続ける、やり切るところですかね。やはり、自分たちのチームのルールを守れなかったり、スタンダードを下回ってしまうプレーが出てしまったりというのが、特に大事な局面でまだ見られるので、そこは改善が必要かと思います」

アイザック・ルーカス選手 SO

「昌太が言ったように、勝つということに焦点を当てて準備してきました。ここ何週間か、そこが足りていないところでした。ライバル戦、ビッグマッチということもあったのですが、それに関係なく、勝つことにフォーカスしてきたのですが、残念ながら、今日は少し足りませんでした。また月曜日から成長できるように、来週に向けてポジティブにやっていきたいと思います」

──リコーのラインオフサイドについて?

「前半はディフェンスの面でプロセスを守れたのですが、後半はキヤノンさんのアタックも良かったので、彼らからプレッシャーを掛けられて、ゲインラインを越えられ、そういったところで、セット、ノミネートができなかった、そこでペナルティにつながったと思います」

──相手のSO田村選手を意識するところがあったか?

「日本代表の10番というところで、良い選手と知っていたので、非常に楽しみにしていました。今日、彼は素晴らしかったと思います。自分の役割をしっかりチームのために遂行して、ボールキックもすごく正確で、上手くチームをコントロールしていたと思います」

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスの右から、沢木監督、橋野選手、サウマキ選手

キヤノンイーグルスの右から、沢木監督、橋野選手、サウマキ選手

沢木敬介監督

「皆さん、お疲れ様でした。今日の前半は特に、自分たちがやろうとしたプランが出来なくて、本当にイライラした40分でした。ただ、後半は自分たちが前半からやろうとした姿勢というのが見えてきて、こういう良い結果につながったと思います。こういうゲームを勝ち切れるようになって来たのは、チームとして、少しずつ成長しているなと感じています」

──フロント全員を前半で替えたのは?

「別にスクラムを押された、とかではなく、僕たちが前半予定していたプランとか、ミスしてもいいから、積極的にアグレッシブに相手より動くというのを、キーにしていた部分があって、やはり、できていなかったので替えました」

──サウマキ選手の交代のタイミングは?

「相手の足が止まって来て、ホセアを出せば、2、3本ぐらいトライを取ってくれるだろうと思って。毎回、3本ぐらい取って欲しいなとおもいます(笑)」

──ハーフタイムの指示と、選手の変化、チームの雰囲気は?

「チームの雰囲気は、別に負けていたからといって悪くなっていたわけじゃないですし。ただ、初戦でドコモさんとああいうゲーム内容的には自分たちが全然コントロールしている状況なのに点差で負けてしまったというのが、勿論、それがラグビーなのだけれど、そういうのもあって、少し不安とか迷いとかあったと思います。そのあと、強いチーム、神戸さんとかパナソニックさんとか、まだ、そことは実力差もあると思いますし。ただ、自分たちがやろうとしていることをやり切るメンタルの強さ、そういうのはちょっとずつ出てきているのかなと思います。ハーフタイムには優しく(笑)優しく選手に丁寧な対応で伝えました」

──本当に?

橋野選手から「優しかったです」とフォロー。

──その優しさが怖くて、後半、頑張れたのか?

橋野選手から「そう、そうです(笑)」とフォロー。

──田村選手のプレーについて?

「毎回、毎回、しっかり自分の持っているパフォーマンスを出せる選手というのは、やはり、周りからも信頼される選手だと思いますし、勿論、リーダーとして、勉強しなければならないことも一杯あると思いますが、去年のイーグルスとしてプレーしていた優と今の優は格段に違うと思います。去年の優のチームでの発言は分かりませんが、すごく良いコメントをするようになって来ました。あいつのスタイルで言うと、別に言葉で引っ張ると言うよりはパフォーマンスで引っ張るというタイプだと思うので、今日みたいに、毎回、マンオブザマッチを取るような活躍をすれば、選手は自然と付いて行くと思います」

──今日のアマナキ選手の起用に関して?

「僕が入って来た時、まだウイングをやっていたんですよ。すぐ変えました、ポジションを(笑)。たぶん、これからドンドン良くなって来ると思います」

橋野皓介選手 FB

「まずは、本当に勝ち切れてホッとしています。前半の取れるところで、3本ぐらいトライチャンスを逃して、スコアできなかったところがありました。あそこで、取っていれば、もっと楽な展開になっていたと思います。でも、こういったところで、去年までのイーグルスだったら、接戦をモノにできずにいってたところを、こういうタフな試合を勝ち切れて、ちょっとずつステップアップしているなと実感しています」

──アタックの貢献度が高かった自己評価と、チームの変化は?

「今日の自分のフォーカスポイントというのは、ボールを持ったら積極的にというのを第一に考えていました。前半はあまり良くなかったですけれど、後半はまあ積極的にプレーできたのかなと思います。チームがどう変わっているかですが、やはり一人一人がチームのことを考えて、チームのためにと行動できるようになって来たところが、今までになかったところだと思います」

──リコーのラインオフサイドは?

「こちらがレフリングに対応できたかは分かりませんが、結果的に味方になったので良かったです」

──ダービーと言われる試合にかける強い思いはあったのか?

「去年までは、リコー戦となると、『リコー、リコー』と、この試合は特別という雰囲気でやっていたのですが、今年はそういうのでなくて、本当に自分たちのやるべきことにフォーカスして、自分たちのことを信じてやるというので、何か特別な一戦というのはあまり意識せずにやりました。それがかえってよかったのかもと思います」

──田村選手のプレーぶりは?

「まず、すごく自分のプレーに自信を持っているなというのが一番感じるところです。自分たちのやろうとしているラグビーというのも、彼が一番信じていると思いますし、それを先頭に立ってやってくれるので、本当に彼に付いて行くというのか周りの選手は楽です」

──田村選手がコメントで良いことを言ってくれるとか?

「自分たちのやることを信じよう、とか。去年もなかったことはないですが、まあシンプルです」

ホセア・サウマキ選手 23番(14番マイケル・ボンド選手と交代)

「素晴らしい天候とエナジーを与えてくれた神に感謝したいと思います。沢木さんも仰ったとおり、特別なことをするのではなく、やはり、しっかりと自分たちのやるべきことをやり続けて、ゲームプランを信じてやり続けたというところが、最終的なこういう結果につながったと思うので、結果には良く思っています。沢木監督のおかげで、私のプレースタイル、やり方が変わってきていると思いますし、1週間、1週間、やり続けていくことができることに関しても、非常に満足しています。あとは、チームを信じて、マネジメントを一緒にやって、全員でハードワークしていくだけだと思います」

──弟のアマナキ選手と一緒にプレーしたが?

「今まで描いていた夢の一つが叶いました。プレーに関しては、監督のアドバイスどおりですが、マインドセットの部分で、私から自分たちの家族のためにプレーしようという話をしました。弟と一緒にフィールドに立ってプレーしたというので、今日は特別な日になりました。彼の選手としての成長と、監督にしっかり信頼してもらって、一緒にプレーできるチャンスをいただいたことに感謝したいと思います。(日本語で)これからも頑張ります」

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