トップリーグ2021 第7節レポート(サントリー 94-31 NTTコ厶)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第7節 レッドカンファレンス
2021年4月11日(日)13:00キックオフ/東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場
サントリーサンゴリアス 94-31 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの左から、リースエドワード ヘッドコーチ、金 共同キャプテン、栗原選手

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの左から、リースエドワード ヘッドコーチ、金 共同キャプテン、栗原選手

ヒュー・リースエドワード ヘッドコーチ

「まずはサントリーさんの素晴らしいパフォーマンスを讃えたいと思います。自分たちにとっては、かなりキツい学びがありましたが、これから、どう挽回するかが大事だと思います」

──トーナメント戦では具体的にどんな試合を?

「トーナメントとなると勝ちが重要となって来るので、おそらくキヤノンさんと対戦することになると思いますが、とにかく1点差であろうと10点差であろうと、20点差であろうと、勝つことに重点を置いて、1試合1試合集中してやっていきたいと思います」

金正奎 共同キャプテン FL

「本当にタフな80分でした。こういう試合で何かを話すのは難しいです。トーナメントは待ってくれないので、1週間後には、対戦相手が決まっている訳ではないのですが、そこに向けてもう一度本当に良い準備をして。このチームで本当に1日でも長く一緒にラグビーができる時間を持ちたいので、そこを目指して頑張ります」

──7試合を通して、現在の立ち位置は?

「どういう相手であれ、しっかりプレシーズンで自分たちの積み上げてきたものを出すということです。どれだけ発揮するかということにフォーカスして、その中で、ホンダ戦にしっかり勝って、クボタさん、トヨタさんとなかなか自分たちのラグビーができなくて。そこから、自分たちを見つめ直すことができてきて。そこから、東芝、サニックス戦でしっかり勝つことができたのですが。ここで、もう一度、こういう学びの多い試合をできたことは本当に大きいと思いますし、それをどうトーナメント戦にしっかりつなげるかというのが、本当に大事だと思うし。チャレンジャーの気持ちを持ち続けて、とにかくやり続けたいと思っています」

──前半、大差をつけられながら、巻き返せたのは?

「シャイニングアークスは、アタッキングなチームだと思われがちなのですが、ディフェンスから良い流れをつくるチームでもあるので。例えば、ディフェンスでアグレッシブに前へ出ようとすると、取られた中でも、しっかりコミュニケーションが出てきて。それが結果的にインターセプトだったり、そういうトライにつながるシチュエーションがつくれた。後半は一番しんどい、例えば後半20分の場面からは脚が止まって前に出続けられなくなったところが、相手に失点を許してしまった大きな原因だと思うので、もう少しディフェンスの精度のところを高めていければ、ああいう失点につながらないだろうと思います」

──次の試合はキヤノンとの対戦。相手には(元チームメイトの)アマナキ・レレイ・マフィ選手もいるが、思うことがあれば?

「何もないです」

栗原大介選手 No.8

「こういう試合のコメントは難しいですけれども。チャレンジするっていうことは、うまくやるってことではなく、やはり泥臭くやらないといけないっていうことを学んだと思います。何となくうまくいっていたことが全然うまくいかないということが、今回の試合でもあったと思うので。僕たちがトーナメントの前でこういうことに気付けたのは、一つ良かったと思うところです。応援してくださった皆様には申し訳ない結果になりましたが、トーナメントに向けて良い準備をしていきますので、引き続き応援をよろしくお願いします」

サントリーサンゴリアス

サントリーサンゴリアスのヘイグ監督(左)、サベッジ ゲームキャプテン

サントリーサンゴリアスのヘイグ監督(左)、サベッジ ゲームキャプテン

ミルトン・ヘイグ監督

「素晴らしい環境で、観客の皆様にたくさん来ていただき、自分たちのアグレッシブなアタッキングラグビーをプレーするには絶好の日だと感じました。多くのファンの皆様にお越しいただいたことに感謝いたします。目標としては、自分たちの1位通過は決まっていたのですが、良い勝利で終えたいと思っていました。今日、90点を超える大量得点で勝利することができ、ファンの方々も楽しんでいただけたのではないかと感じています。中でも、新人の下川甲嗣選手がファーストタッチでファーストトライしたことは、先ほどチーム内でも話をしていたのですが、素晴らしいハイライトであったと感じています」

──フレッシュマンの中でいち早くメンバー入りし、素晴らしいトライを挙げた下川選手をセレクトした理由は?

「ケガ人が結構出てしまい、下川選手はLOとルースFWというマルチでFWのポジションをプレーできる器用な選手です。練習でもコーチから良いフィードバックがありましたので彼を起用しましたが、すごく良いパフォーマンスをしてくれました」

──リザーブから出場し、わずか20分の間にハットトリックというボーデン・バレット選手の今日のパフォーマンスについては?

「バレット選手がワールドクラスの選手だということは毎回インタビューを受けるたびに申し上げていますが、現役のオールブラックス選手でもあります。今日の試合に関しては、田村煕選手にもゲームタイムを与え、バレット選手には少し休んでもらうプラニングをしていました。そのような中で、20分間で挙げた3トライは、彼のワールドクラスの実力をしっかり示してくれたものだと感じています」

──9番、10番、今日は出場しなかった12番の中村亮土キャプテンなどメンバーを入れ替えながら7試合を戦って来られましたが、スコッドの充実ぶりをどのように捉え、またプレーオフに向けた手ごたえは?

「今日は、今までのゲームタイムのバランスも考えた選手起用でした。各ポジションの選手層を厚くし、チーム内の競争をつくっていきたいと思って7試合をしてきています。そこでゲームタイムが特に得られていなかった選手を多く起用した今日の試合でしたが、スコッドとして良い仕上がりになっていると感じています」

──サントリーという独特の文化のあるチームを率いて2年目となる中、1年目を受けてサントリーの文化に関する変化や適応など意識していることは?

「サンゴリアスというクラブの文化とともに、日本という国の文化に対し自分ができるだけ適応しようとやってきています。外国人選手を含めて日本人選手がどのように考えるか、自分の哲学やスタイルに適応できるよう選手たちが求めていることに合わせていこうと2シーズン目に臨んでいます。1シーズンが終わり変えたところは、選手たちにオーナーシップを持たせ、クラブとして活動していくに際し、オン・ザ・フィールドだけではなくオフ・ザ・フィールドでも責任感をもって行動してもらうようにしています。最後、フィールド上でプレーするのは選手たちなので、彼らに常日頃からいろいろとしっかり判断をしてもらいながら活動しています」

トム・サベッジ ゲームキャプテン LO

「今日は、自分にとってサンゴリアスで初めてキャプテンをした日でした。チームとして良い結果が得られたことに満足しています。23人に入っていないメンバーも含めて一週間良い練習と準備ができ、このような結果が得られたと思います。これからプレーオフステージに入っていくために修正していかねばならない課題も見えました。プレーオフに向けて、もっと良いパフォーマンスができるよう、チームとして準備していきます。チームとして、観客の皆様が一杯のスタジアムでプレーできハッピーに感じました。多くの皆様にスタジアムに来ていただいたことに感謝しています」

齋藤選手(左)、下川選手

齋藤選手(左)、下川選手

齋藤直人選手 SH

「試合は、点数にも表れているように、アタック面ではどのエリアからも積極的に攻めて多くの得点を重ねることができて良かったと思います。ただ、失点を見てもわかる通りかなり失点してしまったので、そこは改善すべきポイントです。崩されての失点というよりはアンラッキーな形の失点でしたが、そこはしっかり受け止めて改善していくべきところだと思います」

──久しぶりのスターターでしたが、今日のゲームで何をしたいと思って臨み、実際はどうでしたか?

「これまでメンバーが少し変わった中でもサントリーのスタイルを貫くことを、ゲームリーダーとして常々練習で口酸っぱく言いながら今日の試合を迎えました。どのエリアからでもスペースがあれば攻めるというアグレッシブな姿勢は良かったと思います。相手が詰めてくる場面、例えば、2回インターセプトされたシーンがあったので、今後対応していきたい」

──インターセプトはスクラムハーフから制御できるところはあるのでしょうか?

「プレー中は難しいものの、試合前に相手の特徴や実際そのようなプレーがあることは共有されていたことなので、練習から意識すべきでした」

──今日は、メンバーがかなり変わった中で出場され、リーグ戦が終わりプレーオフに入ることでアピールの気持ちも強かったと思います。声もたくさん出ていましたが、どのような思いで今日の試合に臨まれていましたか?

「チームが勝つことが一番です。自分自身21番で出場することが多かったですが、そのようなポジションには満足していません。今日アピールしてプレーオフにつなげたいと思っていましたので、やれる限りの準備をしましたし、ピッチ上では全力でやりきったつもりです」

下川甲嗣選手 No. 8

「チームとして、トップリーグの最終節にも勝って1位通過しようという中で、メンバーに選んでいただき自分自身として責任を感じました。このチャンスで絶対に自分のプレーを全面に出して頑張ろうと思いました。チームとして勝てたことが一番嬉しいです」

──ピッチに入ってすぐのプレーでトライをしたときの判断はどのようなものでしたか?

「スクラムが回った状態でペナルティを得たときに自分の下にボールがあったので、拾い上げてポイントのところに行きました。すると、前が空いて行けそうな感じがあって、さらに齋藤先輩から『行け』と言われたので、タップして行きました。先輩によるナイスアシストによるものです」

──大学のときは確かロックをされていたと思いますが、今日はNo.8に入っていたことについては?

「サンゴリアスに入ってバックローということで、No.8の練習もしていました」

──他の同期よりも先にデビューしたことについては?

「自分自身、今のままだと箸本龍雅選手(同じく新人、元明治大学キャプテン)と比べると『まだまだ』と思っていましたのでメンバー入りしたときは、毎日メンバーに入るため練習してはいるものの、少し心の準備ができていない部分もあって驚きました。しかし、メンバーに選ばれたのでチームの一員として絶対に責任を持ったプレーをしないといけないと思いました」

──チームの練習に合流したのはいつ頃ですか? 合流から4月の出場資格解禁になるまで、『試合にでてやるぞという思い』はどのくらいあったのでしょうか?

「チームに合流したのは2月で、『出てやるぞ』という気持ちは心の底からあり、行く準備はできていましたが、『まさかこのタイミングで』とは思いました。目標を持って準備をしていましたが、メンバー入りが予想より早かったということです」

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