トップリーグ2021 プレーオフ2回戦レポート(NTTコ厶 13-43 キヤノン)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 プレーオフトーナメント 二回戦
2021年4月25日(日)12:00キックオフ/東京・江戸川区陸上競技場
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 13-43 キヤノンイーグルス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの左から、リースエドワード ヘッドコーチ、金 共同キャプテン、前田選手

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの左から、リースエドワード ヘッドコーチ、金 共同キャプテン、前田選手

ヒュー・リースエドワード ヘッドコーチ

「チームとして悔しい思いをしています。自分達自身、ファンの皆様、家族の方々をがっかりさせてしまい、とても悔しい思いです。自分達のラグビーができませんでした。シャイニングアークスは、たくさんトライを取りにいくアタッキングチームですが、前半ではキヤノンにそういうプレーをさせてもらえず、後半も自分達のエラーから得点を許してしまう形になり、自分達のアタッキングラグビー、トライを取っていくというのができませんでした。そうなると勝つことが難しくなります」

金正奎 共同キャプテン FL

「本当に、悔しい終わり方をしてしまったというのが、率直な一言です。それ以上は、何も出てきません。プレシーズンにハードアップしてきて、やってきたことを信じてきましたが、それがゲームに出せなかったのが敗因につながったとシンプルに思います。ファンの方、家族、試合に出られないノンメンバー、スタッフ、会場の方々が、ずっと支えてくれたので、こういう結果で終わってしまったのは申し訳ない気持ちで一杯ですが、凄く感謝しています」

──試合終了後に相手No.8のアマナキ・レレイ・マフィ選手と泣きながら抱き合う場面もありましたが、どのようなことを話していましたか?

「特に、話はしていません。お互いに感情が込み上げて、あのような感じで抱き合ったということです」

前田土芽選手 SO

「第7節でサントリーにあのような負け方をして、トーナメントに向けて、キヤノン戦に向けて勝つ準備をメンバー及びノンメンバー関係なく全員でしてきました。しかし、準備してきたことができず、僕達がアタックする上でボールを継続することができませんでした。SOとしてゲームメイク、プレーメイクしなければいけないところですが、ブレイクダウンでプレッシャーをかけられたときに修正できなかったのは、今後の課題です。しかし、そこをやり切れることができれば、自分達にチャンスがあるときは、良いアタックもできていたので自信を持ってやりたいと思いますし、このシステムを信じた上で自分達がどうコミットするかだと思います。シーズンは思ったより早く終わってしまいましたが、良い意味で勉強になりました」

──日本代表候補に選ばれた感想と、本代表に選ばれるとしたら越えなければならない田村優選手と対面で対戦しての感想を聞かせてください。

「日本代表候補に選ばれたことに関しては、最初は驚きもありましたが、嬉しい気持ちでもありました。チームがあってこその代表候補だと思うので、多くの人に感謝しています。今日の試合では、周囲から対面が田村選手であることを言われていましたが、自分としては、『特に意識せずチームが勝つためのプレーをしよう、準備してきたことを出そう』という気持ちでしたので、日本代表候補だからとか、対面が田村選手だからという意識はありませんでした。しかし、田村選手のキックの使い方、落ち着いたゲームメイクは見習うべきところだと思いますので、SOとして成長するためには、とても良い勉強になりました」

──SOでプレーする手応えは掴んでいますか?

「ここ数ヶ月、プレーし始めて、チーム内で多くの人が支えてくれました。同じ10番の選手から学ぶことは多くありますし、コーチ陣が映像をレビューしてくれたりしたので、僕一人の成長ではないと感じています」

キヤノンイーグルス

キヤノンイーグルスの沢木監督(右)、田村キャプテン

キヤノンイーグルスの沢木監督(右)、田村キャプテン

沢木敬介監督

「お疲れ様でした。前半はレフリングとの相性が悪く、なかなか自分達のペースで運べませんでしたが、選手達が良い我慢をしてゲームをコントロールすることができ、良い結果につながりました。毎週毎週、試合を重ねるたびに成長できている感覚を全員が持っての一週間を過ごせているので、このままパナソニック戦に向けて良い準備をして、良い試合をしていきたいと思います」

──元々SOでしたが、SOに田村優選手がいるためFBをしていると思われる小倉順平選手は良い役割をされていますが、SOやCTBをされていた沢木監督からどのようなアドバイスをされていますか?

「小倉選手をFBで起用するときは、彼の良さを出さないといけません。コミュニケーションのところでは、田村選手からいろいろと教わり、吸収する部分もあります。逆に後ろからインサイドに対し敵側のコミュニケーションを伝える部分もあります。小倉選手の良さは、キヤノンのFBとして出ていると思います」

──―試合直後の握手のときにマフィ選手や小倉選手が古巣のNTTコムの選手達と健闘を称え合っていました。特にマフィ選手は特別な感情があったと思われますが、チームマネジメントの観点で何かあればお願いします。

「準備の段階で『相手がNTTコムだから』ということは、本人達は絶対に意識してしまうので特別なことはしていません」

──平常心で試合に臨むようにされ、感情の中には入らないということでしょうか?

「平常心では、間違いなくできないことではないかと思います」

──No.8に入っているマフィ選手の加入は、どの辺りがプラスになっていますか?

「見ての通りで、アタックでもディフェンスでもしっかり良いパフォーマンスをするナキ(マフィ選手の愛称)の強みが出ており、チームに良い勢いを与えてくれていると思います」

──チームの成長への手応えは、今日の試合中または練習中など、どこで感じられていますか?

「ゲームに出られないメンバーもチームの力になろうという思いを持った選手が段々増えていますし、ちゃんと感情を出せるチームになっています。私が最初に感じていたチーム力とは違うチームにもなっています」

田村優キャプテン SO

「トーナメントの試合最初で10~15分のところは、皆、緊張して硬くなっていました。後は、自分達のペースで運べたところと、レフリングで不満が残るところはありましたが、変にイライラするところはなく、自分達のゲームプランを信じて戦うことができ、チームとして成長したと思います。チームの皆が全員応援に来てくれたので、戦うメンバーにとって凄い力になりました」

──今度の試合まで2週間もありますが、チームの熟成に関し時間をかけるとどんどん良くなっていく感触でしょうか、それとも何か難しいところはありますか?

「初戦を落としたのは痛かったですが、力のあるチームにただ力負けしたという印象でしたので、皆には『自分達のプランや準備を疑うのは止めよう』と伝えており、元々持っている力が発揮されている状態で次戦まで2週間ありますので、休みを取って次戦の準備を、バランスを保ちながらやっていくだけです。何か特別なことをやっている訳ではありません」

──―試合直後の握手のときにマフィ選手や小倉選手が古巣のNTTコムの選手達と健闘を称え合っていました。特にマフィー選手は特別な感情があったと思われますが、チームマネジメントの観点で何かあればお願いします。

「特にありませんが、彼らはしっかり準備してチームに良いパフォーマンスをしていましたが、(感情的には)いろいろとあったと思います」

──次の対戦相手はまだ決まっていませんが、次に向けて重要だと思われるポイントは?

「パナソニックです。今まで強いチームとやるときは最初から負けていました。それだけは嫌なので、皆で良い準備をして勝負にいきます」

──No.8に入っているマフィ選手の加入は、どの辺りがプラスになっているのでしょうか?

「マフィ選手は元々素晴らしい選手で、チームにフィットしようと努力している姿勢は凄く、皆も彼をサポートしています。チームの中のワンピースとして動いてくれており、凄く感謝しています」

──チームの成長への手応えは、今日の試合中または練習中など、どこで感じられていますか?

「キャプテンが頼りないので、皆がサポートしてくれており僕は助かっています」

クリエル選手(左)、荒井選手

クリエル選手(左)、荒井選手

ジェシー・クリエル選手 CTB

「今週の一週間を通して、ノンメンバーが私達の練習相手をしてくれたお陰で、NTTコムが何をやってくるかがわかった状態で試合に臨めました。更にマインドセットとテンポが重要でした。プレーオフの試合がファイナルであり、勝つというマインドセット。早いペースでプレーを展開し、相手がついて来れない、早いテンポの試合を心掛けたことが上手くいきました。いつも応援してくださるキヤノンファンの皆様には16人目の選手のように力を与えていただきました。今日は、特にそのファンの皆様のサポートを感じることができました」

──クリエル選手は良い場面でボールをもらい、他のBKの選手達も活かされていると思いますが、アタックについてかなり満足されていますか、それともまだまだ課題を感じていますか?

「まずは、そのようなコメント、ありがとうございます。私達が感謝すべきは、内側の9番の荒井選手、10番の田村選手がスキルを使って、私達のエリアまでボールを運んでくれるお陰で良いプレーができていることです」

──テンポの速さを生み出している要因はどこにあるのでしょうか?

「沢木監督になってから、ハードなトレーニングをしています。試合よりもハードでつらい状況に置かれながらいつも練習をしていますので、試合ではボールが見えて良い判断ができている状況になっているためだと思います」

──田村選手のスキルの良いところは?

「田村選手は素晴らしいスキルを持っている選手です。しかし、自分のスキルだけやって、自分だけがどんどん成長していく一流選手もいますが、彼は自分のスキルだけではなく他の選手のスキルも良くなるよう私のキャッチ・パスのスキル練習にもつきあってくれます。周りの選手のスキルを成長させようという部分が周りの選手のためにもなっています。良い選手とワールドクラスの選手の違いは、自分だけが良い選手と、周りの選手を助けられるところにあると思います」

荒井康植選手 SH

「『自分達の力を信じて80分間やり切ること』がテーマでした。その80分間の中、セットプレーやブレイクダウンで相手の激しいプレーで受け身になった場面もありますが、自分達の持っている力を信じたことが勝利につながったと思います」

──以前に日本代表のキャンプに行かれたときは練習参加生で遠慮がちの部分もあったようでした。今回、日本代表候補に選ばれ、自分なりに成長したものを感じていますか?

「沢木監督からは『自分のスキルにしっかり責任を持て』と言われており、自分にベクトルを向けて、『試合で自分は何をしないといけないのか』を明確にできるようになりました」

──後半にトライを取られましたが、以前のキヤノンと異なり連続失点はなく、チームのカルチャーが変わった印象ですが?

「どう変わったかというよりも、トライされた後で、田村キャプテンが次に何をしなければいけないかをしっかり明確にしてくれますので、チーム全員がクリアになって切り替えて修正できることが、今年に入っての良い成長です」

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