
| 開催日 | Kick Off | Host | Visitor | 会場 | |
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| 10/09(土) | 12:00 | NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 13-10 | トヨタ自動車ヴェルブリッツ | 熊谷 | 
| 10/09(土) | 12:00 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ | 18-15 | コカ・コーラウエストレッドスパークス | 近鉄花園 | 
| 10/09(土) | 13:00 | クボタスピアーズ | 8-34 | サントリーサンゴリアス | 新発田 | 
| 10/09(土) | 14:00 | NECグリーンロケッツ | 22-17 | リコーブラックラムズ | 熊谷 | 
| 10/09(土) | 14:00 | 近鉄ライナーズ | 9-12 | 三洋電機ワイルドナイツ | 近鉄花園 | 
| 10/10(日) | 13:00 | 豊田自動織機シャトルズ | 20-35 | 福岡サニックスブルース | 刈谷 | 
| 10/10(日) | 14:00 | 東芝ブレイブルーパス | 54-20 | ヤマハ発動機ジュビロ | 盛岡南 | 

ヤマハ相手に圧倒的勝利。着実に勝点をとり、東芝2位に浮上
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| 圧倒的な力強さを見せたFLベイツ(写真中央)の3トライなど、東芝は8トライを奪ってヤマハの挑戦を退けた | 
10日は第5節の残り2試合が行われ、岩手県の盛岡では東芝ブレイブルーパスがヤマハ発動機ジュビロから8トライを奪って54-20と快勝。通算勝ち点を21に伸ばして、前日敗れたトヨタ自動車ヴェルブリッツを抜いて2位に浮上した。
      愛知県・刈谷ではアウェーの福岡サニックスブルースが豊田自動織機シャトルズを35-20で破り、勝ち点18として4位の座をキープした。
■東芝ブレイブルーパス ○54-20● ヤマハ発動機ジュビロ(前半35-13)──10月10日
東芝の強さが際立った。
      キックオフからのヤマハの攻撃を揺るがぬ防御で止めて、FLスティーブン・ベイツがターンオーバー。一気にヤマハ陣に突入すると、ブレイクダウンで反則を誘い、モールからベイツが飛び込んで、わずか5分で先制する。
ヤマハもNO8モセ・トゥイアリイの突破を起点に東芝防御に挑み、9分から15分の間に3度PGチャンスを得て、ゲームキャプテンのFB五郎丸歩が2本を成功。1点差に追い上げる。
勝負が決したのは24分の攻防だった。
      ヤマハは、ゴール前のモールでLOダニエル・ケートが故意のオフサイドを犯してイエローカードをもらい、14人で戦う窮地に。すかさずモールからベイツが2つめのトライを奪う。
      東芝は、さらにケートが戻るまでの10分間に切れ目のない連続攻撃で2トライ2ゴールを加え、勝負の天秤を大きく傾けた。
瀬川智広監督が言う。
      「ヤマハが1人少なかった点は差し引かないといけませんが、今日挙げたトライのなかではこの10分間に挙げた2トライが良かった。どちらもブレイクダウンを次々に動かしてとった、東芝が目指すトライでしたから」
      ヤマハの五郎丸ゲームキャプテンも、東芝の途切れない連続攻撃に兜を脱いだ。
      「東芝はじっくりフェイズを重ねてトライをとってきた。でも、ヤマハはブレイクダウンで圧力を受けて、一発でトライを取りに行く形が多かった。それがミスにつながった」
飛び出した98メートル(推定)独走トライ!
      
          けれども、この試合で一番の見せ場はケートが戻った直後の36分にやってきた。勢いが止まらない東芝が、またもやヤマハのゴール前でモールを組む。赤い塊がゴールラインを越え、あとはボールを押さえるだけ……というところで、それは起こった。
      ボールを抱えていたベイツが腕をはたかれて思わず落球。ヤマハFL河本明哲が素早く拾い上げる。そして、モールの脇に立っていたWTB徐吉嶺にパス。
      その瞬間に、「ロードが見えた」徐が勢いよく走り出した。
      徐は、渾身の全力疾走で東芝FB立川剛士を抜き去って98メートル(推定)を駆け抜ける。
      おそらくはトップリーグ史上最長不倒距離のトライだろう。だが、続くキックオフからの攻撃でその徐がノックオン。今度はミスにつけ込んだ東芝がトライを返して前半が終了した。
      「あのノックオンでプラマイゼロ(プラスマイナスゼロ)どころか、マイナスになってしまった」と悔やむのは徐。
      35-13の22点差は、確かに覆しようもなく大きかった。
マン・オブ・ザ・マッチは、前半最後のトライでハットトリックを記録したベイツ。こちらは、「ボクは今日3トライなのに、みんなが"4トライとったね"と言うんだ。3つは東芝の、1つはヤマハのトライだって(笑)」と苦笑しながら試合を振り返った。
東芝の圧倒的優勢は後半も変わることなく続き、ヤマハの反撃を1トライ1ゴールに抑えて54-20で試合が終了。しかし、瀬川監督は試合後にディフェンスに不満を漏らした。
      「相手の状況を見ないでラックに入る選手がいたり、相手の選択肢を減らすように守っているのに、タックルミスからカットインされて抜かれたり、今後は面で守る意識を高めたい」
首位の三洋電機ワイルドナイツに勝ち点でも3点差に迫った東芝は、さらに強さを熟成させるつもりでいる。
(text by 永田洋光)
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| 前節でMOMに輝いた東芝NO8望月はこの日もトライを奪うなど活躍。新ポジションも板についてきた (C)2010,JRFU(photo by Yuka Shiga RJP) | ヤマハFL八木の突破を止める東芝CTBブリュー(右端)とSH三井(右から3人目)。8トライを奪う完勝もDF面では不安も (C)2010,JRFU(photo by Yuka Shiga RJP) | 前半のシンビン退場も響いて王者に完敗のヤマハ。指令塔SO大田尾(写真)を中心に次節・神戸戦で浮上のきっかけを探す (C)2010,JRFU(photo by Yuka Shiga RJP) | 
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渾身のタックル連発! NTTコムがトヨタ自動車から大金星
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| 雨の中、80分間集中力を切らさない堅守でトヨタを破ったNTTコム。CTB山下は攻守にリーダーシップを発揮、MOMに輝いた | 
雨のなかのゲームとなった第5節は、気温とは正反対に僅差の試合が目白押しの"熱い"週末となった。
      10月9日には5試合が行われたが、熊谷ラグビー場では今季昇格のNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが昨季ベスト4のトヨタ自動車ヴェルブリッツの連勝を4で止める金星を挙げ、NECグリーンロケッツ対リコーブラックラムズも1トライを争う熱戦の末、NECが逃げ切った。
      大阪・花園ラグビー場でも近鉄ライナーズが首位の三洋電機ワイルドナイツに9-12と食らいついて雨のなか訪れた熱心なファンを興奮させる一方、神戸製鋼コベルコスティーラーズは15-12でコカ・コーラウエストレッドスパークスに競り勝ち、連敗を3でストップ。
      新潟・新発田で行われたサントリーサンゴリアス対クボタスピアーズは34-8でサントリーが順当勝ちした。
■NTTコミュニケーションズシャイニングアークス ○13-10● トヨタ自動車ヴェルブリッツ(前半6-3)──10月9日
熊谷ラグビー場の芝生は良質で、多少の雨ではグラウンド状態が悪くならない。しかし、雨のなかでボールを回すゲームプランには、当然リスクがつきまとう。その辺の判断はなんとも難しいが、トヨタ自動車が果敢に攻めてNTTコムは入魂の防御で応酬。そんな試合展開となった。
先制したのはシャイニングアークス。3分に、マイボールのラインアウトからこの試合の「マン・オブ・ザ・マッチ」となったCTB山下大悟が大きく突破。トヨタ陣内深く攻め込んで反則を誘い、SO君島良夫が右タッチライン際から難しいPGを決めた。
ヴェルブリッツも7分にSOオレニ・アイイがPGを返すが、3分後にはまた君島にPGを決められて主導権を握れない。
30分過ぎからNTTゴール前に攻め込んだトヨタは、FWでプレッシャーをかけるが、NTTコムはモールからトライを狙ったNO8菊谷崇を仰向けに倒すなど、渾身のタックルで対抗。
      「自分たちが勝つイメージは、倒れてもすぐに起き上がって低くタックルに入るディフェンスにある」という大沼照幸監督のプラン通りの展開に持ち込んだ。
運もNTTコムに味方した。
      36分にトヨタはターンオーバーからアイイが誰もいないNTTコム陣内にボールを蹴り込み、トップスピードでこれを追う。バウンドして浮き上がったボールを拾い上げればそのままトライ……という場面。しかし、無情にもボールがアイイの手からこぼれ落ちる。
ラスト20分間の攻防を耐えてつかんだ金星
後半、トヨタはFBスティーブン・イェーツのカウンター・アタックからチャンスをつかんで、3分にCTB八役大治がトライを奪い、アイイのゴールも決まってあっさりと逆転。
NTTコムも、6分にラックからボールを受けた君島が、WTB友井川拓に絶妙のパスを通してトライを奪って再逆転。ゴールも決まって13-10とした。
そして、ラスト20分間の壮絶な攻防が始まる。
NTTコムは20分過ぎに君島がイエローカードをもらってシンビンとなり、10分間を14人で戦う窮地に。FWを8人にしたままバックスを1人減らしたシャイニングアークスに対し、ヴェルブリッツはあくまでも「一番自信を持っていた」(FL中山義孝主将)FW勝負にこだわって攻め立てる。
攻めるトヨタと懸命にこらえるNTTコム。
      しかも、シャイニングアークスが再三ピンチをしのいでキックで逃れても、今度はヴェルブリッツが果敢にカウンター・アタックを仕掛ける。それでも黄色のジャージーは、執念でグリーンのジャージーを倒し続けた。
ほとんど独走しかけたトヨタWTB水野弘貴を片手一本で止めたWTB沼尻大輝。
      菊谷のサイドアタックに頭からタックルに入ったCTB倉林史和。
      ビッグ・タックルを数えればキリがないほど、全員がまさにゴールを死守したのだ。
トヨタにはこの20分間にPGで同点に追いつくチャンスが何度もあったが、FWでのトライにこだわり続けた。しかし、試合後の朽木泰博監督も中山キャプテンも、「グラウンドでの判断は間違っていない。結果に一喜一憂するのではなく、さらにプレーの精度を上げて、チームをレベルアップを目指したい」と、一点の迷いもなくその判断を「是」とした。
敗れてなお清々しいトヨタと、初々しく勝利の喜びを爆発させたNTTコム。雨と寒さをこらえた観客に格好のプレゼントとなった、好ゲームだった。
第2試合では、NECグリーンロケッツに前半3-22と離されたリコーブラックラムズが後半に猛追撃。2トライ2ゴールを奪って5点差まで追い上げたが、最後に涙をのんだ。
(text by 永田洋光)
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| 密集戦でNTTコムの核となったLOウォレスハリソン(左から2人目)とFL木曽(右端)。経験豊かなベテラン勢が強力トヨタFW陣を封じた (C)2010,JRFU(photo by Hiroyuki Nagaoka RJP) | 開幕からの連勝がストップしたトヨタ自動車。FL中山主将は「一番自信のあるFWで負けた」と、完敗を認めた (C)2010,JRFU(photo by Hiroyuki Nagaoka RJP) | NEC-リコー戦は後半19分のFLティーポレ(中央)のトライなどでリコーが追い上げたが、あと一歩及ばず、NECが逃げ切った (C)2010,JRFU(photo by Hiroyuki Nagaoka RJP) |