トップリーグ2010-2011特集 TOPプレビュー&TOPマッチレポート「今シーズンのトップリーグはここを見よ!
今シーズンより、トップリーグホームページでは、スポーツライターとして活躍中の永田洋光氏と村上晃一氏による毎節の見どころと、両氏およびその他第一線で活躍する豪華執筆陣によるマッチレポートをお届けいたします!

リーグ戦 第12節(12/25 - 12/26)

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試合結果

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場
12/25(土) 12:00 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 36-10 ヤマハ発動機ジュビロ 秩父宮
12/25(土) 12:00 豊田自動織機シャトルズ 26-31 コカ・コーラウエストレッドスパークス 瑞穂
12/25(土) 13:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 42-44 サントリーサンゴリアス ホームズ
12/25(土) 14:00 NECグリーンロケッツ 31-20 近鉄ライナーズ 秩父宮
12/25(土) 14:00 福岡サニックスブルース 14-31 東芝ブレイブルーパス レベスタ
12/25(土) 14:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 53-26 クボタスピアーズ 瑞穂
12/26(日) 13:00 三洋電機ワイルドナイツ 74-17 リコーブラックラムズ 太田

マッチレポート

抜群の強さを発揮して、三洋がっちりと首位をキープ

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ケガ人の多いチーム事情から前節の神戸戦に続きTBに入った三洋・三宅(写真中央)。豊富な運動量と的確な判断で勝利に貢献
(C)2010,JRFU(photo by Koichiro Nomoto RJP)

12節で唯一26日開催となった三洋電機ワイルドナイツ対リコーブラックラムズ戦は、三洋が11トライを挙げる猛攻で74-17とリコーを下し、勝ち点を54に伸ばしてがっちりと首位をキープした。
敗れたリコーは勝ち点が27のまま。8位で年明けの最終節に臨むことになった。

三洋電機ワイルドナイツ ○74-17● リコーブラックラムズ(前半36-10)──12月26日

奇すでに4強が確定した状況でも、年内最後の試合をホームで迎えた三洋に緩みはなかった。
単純に、そして感心するほど、三洋は強かった。
三洋は、飯島均監督の言葉を借りれば「相手の良さを引き出す」戦い方をするチーム。相手の得意とする形をじっくりと受け止めて一瞬のミスを見逃さずにボールを奪い、そこからトライまで一気に結びつける。
守ってはどっしり懐深く構え相手を必死にさせながら、攻め疲れた瞬間を見逃さない勝負観と鋭さを併せ持つ戦い方は、どことなく“横綱”のイメージだ。
リコーの懸命さが立ち上がりの流れを緊迫感あるものにした分、よけいにそういう三洋の強さの質を見極めることが出来た。その意味で大変貴重なゲームだった。

三洋の懐深い強さを構成する主要因は、当たり前だがNO8でゲーム・キャプテンを務めたホラニ龍・コリニアシの存在。
リコー戦では開始1分でトライを奪って相手の度肝を抜くと、5-7と逆転された直後の10分には、相手ボールのラインアウトのターンオーバーからSH田中史朗のパスを受けて一直線に防御を切り裂き、2つめのトライを記録した。
「ウチには走り屋がたくさんいるので、いつもは裏方仕事を意識しているんだ。チャンスがあれば積極的に走りたいと思っていたんだけどね(笑)」
そして言葉通りに、走るだけではなくブレイクダウンでは骨惜しみせずに身体を張って相手ボールを奪い、危機には後ろに戻って味方の背後を固める。
獅子奮迅の活躍ぶりで後半18分に足がけいれんを起こして堀江翔太と交代したが、プレーの質も量もとにかく高かった。

最後尾の守備陣形に注目!そこに三洋の秘密が……

もう1つの要因が、アウトサイドCTBを務める三宅敬の存在。
本人は「霜村誠一キャプテンの代役が重い」と笑うが、幅広い守備範囲を誇る運動量はポジションがCTBになっても健在だ。
むしろ、北川智規、山田章仁の両WTB、FB田邉淳とともに、4人で防御ラインの背後を自在に守り、常にFBが3人いるような安定感を醸し出している。

三宅が言う。
「確かに意識しています。守るなら1人より2人、2人より3人いた方が心強いですから」
その分、SO野口裕也とCTB入江順和は交互に守備における司令塔役に徹して、どちらかが密集戦に巻き込まれても組織防御は機能する。
防御だけではない。
後半10分には、リコーが持ち込んだラックのこぼれ球を拾った野口が自陣から約50メートル走って山田につなぎ、80メートル一気に攻めきるトライを奪っている。こうしたカウンターアタックを支えているのも、最後尾のぶ厚いサポートなのである。
個々のタックルが強く、相手より少ない人数で防御ラインを構成できる三洋だからこそのシステムかもしれないが、11番も14番もバレーボールのローテーションのように左右にこだわらずにポジショニングする三洋の布陣は、プレーオフでも攻守に威力を発揮するだろう。

戦力的には、この試合に欠場したSOトニー・ブラウンも霜村主将も、いつでも復帰できる状態だが、野口もゲーム経験を積んで安定感を増している。日本選手権を3連覇しながら未だに続くトップリーグの“未冠”返上には、メンバー起用が重要課題。飯島監督を悩ませそうだ。
年明けの最終節は、現在4位のトヨタ自動車ヴェルブリッツが相手(1月10日東京・秩父宮ラグビー場12時キックオフ)。レギュラー・シーズン最後にプレーオフトーナメントの前哨戦を戦い、じっくりと相手の強さを見極めた上で、三洋は勢いよく頂点を目指す心づもりでいる。

(text by 永田洋光)

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抜群の決定力を見せてこの日も3トライを記録したWTB山田。シーズン通算トライ数でもサントリーWTB小野澤の15に次ぐ12にまで数字を伸ばした
(C)2010,JRFU(photo by Koichiro Nomoto RJP)
安定感のあるプレーぶりでブラウン欠場の穴を埋めるSO野口。首脳陣は次節トヨタ戦、そしてプレーオフでの選手起用に頭を悩ませそうだ
(C)2010,JRFU(photo by Koichiro Nomoto RJP)
三洋の懐深いラグビーに11トライを奪われて完敗したリコー。最終節ヤマハ戦はワイルドカード進出をかけた死闘となりそうだ(写真はSO河野)
(C)2010,JRFU(photo by Koichiro Nomoto RJP)

 

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豊田自動織機、クボタの降格決まる

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昨季の6位からまさかの降格確定となったクボタ。試合後、選手たちは呆然と立ち尽くした。「現実を受け止めるしかない」(荻原主将)
(C)2010,JRFU(photo by Kenji Demura RJP)

レギュラーシーズンも残り2節。25日には第12節6試合が行われ、すでにプレーオフ進出を決めている、東芝ブレイブルーパス、サントリーサンゴリアス、トヨタ自動車ヴェルブリッツがそれぞれ順当勝ちする一方、サントリーに惜敗したものの、2点のボーナスポイントを獲得した神戸製鋼コベルコスティーラーズがワイルドカードトーナメント進出を決めた。ワイルドカード確定は、福岡サニックスブルースに続いて2チーム目。
前節まで12位のNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが同9位のヤマハ発動機ジュビロを、同10位NECグリーンロケッツが同8位近鉄ライナーズをそれぞれ破ったことで、ワイルドカード残り3枠を巡る争いは一気に激しさを増した。
その一方で、この日、コカ・コーラウエストレッドスパークスに競り負けた豊田自動織機シャトルズと、トヨタ自動車ヴェルブリッツに逆転負けを喫したクボタスピアーズの降格が決まった。

コカ・コーラウエストレッドスパークス ○31-26● 豊田自動織機(前半28-5)──12月25日

奇跡のトップリーグ残留に望みをつなぐには、とにかく勝つしかなかった豊田自動織機だが、いきなり出端をくじかれた。
冷たい強風が吹き荒れた瑞穂公園ラグビー場。
トスに勝ったコカ・コーラウエストがキックオフボールを選んだ後、豊田自動織機はあえて風下の陣地を選択。
これが裏目に出た。

キックオフから豊田陣に攻め込んだコカ・コーラウエストは、CTBティム・ベイトマンがあっさりラインブレークして、なんとノーホイッスルトライ。いきなり試合の主導権を握る。
「立ち上がりに取られたのが響いた。相手は厳しい戦いを経験しながらトップリーグ残留を果たしてきたチーム。経験の差が出た」
豊田自動織機・田村誠監督がそう嘆いたように、試合のポイントでの集中力という意味では、コカ・コーラウエストの方に一日の長があった。
10分にこの日シャトルズの攻撃の起点になり続けたNO8斉藤祐也が1トライを返したものの、直後にレッドスパークスは再びノーホイッスルトライを奪って引き離し、その後もしっかりしたエリアマネージメントからチャンスをものにするスタイルで、前半だけで計4トライを重ねた。

豊田自動織機は後半9分までに2トライを返して逆転に望みをつないだが、立ち上がりから目立っていた攻め込みながらのミスは最後まで解消されず、5点差での「もったいない」(SH吉田正明主将)敗戦となった。
結果的に、昇格1年目での残留は果たせなかった豊田自動織機だが、この日も2ボーナスポイントを獲得したように、厳しい戦いを経験しながら「チームはだんだん強くなっている」(田村監督)のは間違いないだろう。
この経験を将来につなげていくためにも、年明けの最終節で「次につながるゲーム」(同監督)で有終の美を飾ることを目指すことになる。

トヨタ自動車ヴェルブリッツ ○53-26● クボタスピアーズ(前半13-19)──12月25日

11節終了時点で11位クボタとの勝ち点差が8で12位につけていたNTTコムが、ひと足早く秩父宮ラグビー場の第1試合で勝利──。
その時点でクボタの残留の可能性は消滅した。
そんな速報は、約300キロ離れた名古屋・瑞穂公園ラグビー場での第2試合に臨もうとしていたクボタの選手たちにも伝わってしまっていた。
「試合前の時点で、(選手たちがNTTコムの結果を知ってしまった)そういう雰囲気があったので、『結果云々じゃなく、思い切って自分たちのラグビーをやろう』ということをもう一度話して、選手たちを送り出した」(佐野順監督)

残留の可能性がなくなった状況でのキックオフ。
トップリーグ在籍8年、過去2シーズンは6位だったチームのプライドを見せつけるかのように、立ち上がりからクボタは積極的に攻めた。
トヨタSOオレニ・アイイのPGで先制された後、8分にクボタはPGを十分に狙える地点からのPKからタッチへ。NO8ジョシュア・フィマオノの突破の後、SOシェーン・ドゥラームから大外のWTB伊藤有司への飛ばしパスが通って逆転。15分にも自陣からFB吉田英之が大きくゲインした後、CTBカトニ・オツコロがタテにトヨタDFを切り裂いて連続トライ。
25分には、オツコロ、FLジョエル・ヒッキーの突破からドゥラームがトライを重ねた。
前半はクボタが19-13とリードして終了。

ところが、後半は一転してスコアボードのクボタ側の数字はまったく動かなくなる。
佐野監督が自嘲気味に語る「今季多かった後半に点が取れないパターン」にはまり込み、その間にトヨタに6トライを重ねられ、終わってみればダブルスコア以上の差をつけられての大敗となってしまった。
「ラグビーで勝つためにやるべきことが足りなかった」
昨季6位のチームがまさかの降格という事態に陥ったことに関して、佐野監督はそう総括。
最終節の近鉄戦で「トップリーガーとしてのプライドを持って、クボタらしい試合」(HO荻原要主将)を見せた後、来季は出直しのシーズンとなる。

(text by 出村謙知)

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NO8斉藤(写真左)の活躍などで後半追い上げた豊田自動織機だったが、あと1歩届かず。来季の降格が確定した
(C)2010,JRFU(photo by Kenji Demura RJP)
コカ・コーラウエストに26-31で敗れて、ガックリ肩を落とすシャトルズの選手たち。TLでの経験を生かし、来季以降巻き返しをはかることに
(C)2010,JRFU(photo by Kenji Demura RJP)
4トライを挙げたSOアイイ(写真中央)など、個々の力で後半クボタを圧倒したトヨタ。年明けの最終節では三洋電機にチャレンジする
(C)2010,JRFU(photo by Kenji Demura RJP)

 

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