トップリーグ2010-2011特集 TOPプレビュー&TOPマッチレポート「今シーズンのトップリーグはここを見よ!
今シーズンより、トップリーグホームページでは、スポーツライターとして活躍中の永田洋光氏と村上晃一氏による毎節の見どころと、両氏およびその他第一線で活躍する豪華執筆陣によるマッチレポートをお届けいたします!

リーグ戦 第13節(1/9 - 1/10)

特集トップへ戻る

見どころ村上晃一の目

いよいよ最終節である。前節までに、トップ4と、自動降格の13位、14位が確定し、最終節の興味は、プレーオフの組み合わせを決めるトップ4の中での順位、入替戦まわりとなる11位、12位、そして日本選手権出場権をかけて戦うワイルドカードトーナメント進出枠の5位〜10位の中での順位争いとなる。プレーオフセミファイナルは、1位対4位、2位対3位。ワイルドカードは、8位対9位の勝者が5位と、7位対10位の勝者が6位と戦い、2枠を争う。個人賞レースも最終局面。見どころを紹介していこう。

優勝争いを左右する上位4チームの順位争い

  最終節は秩父宮に4強が集結。4チームが勝ち点差4内にひしめく中、現在1位の三洋電機、2位の東芝はそれぞれ上位をキープできるか?
 

最終節は秩父宮に4強が集結。4チームが勝ち点差4内にひしめく中、現在1位の三洋電機、2位の東芝はそれぞれ上位をキープできるか?
(C)2010,JRFU(photo by K.Demura RJP)

トップ4の勝点は、首位の三洋電機ワイルドナイツ(54点)から4位のトヨタ自動車ヴェルブリッツ(50点)まで4点差にひしめく。最終節では、三洋電機対トヨタ自動車、東芝ブレイブルーパス(2位、52点)対サントリーサンゴリアス(3位、50点)の直接対決があり、プレーオフの組み合わせはその結果次第。プレーオフでの再戦も視野に入れての戦いとなる。

大観衆が予想される10日の秩父宮ラグビー場の第1試合は、三洋電機対トヨタ自動車の戦い。悲願の初優勝を狙う三洋電機は、SOトニー・ブラウン、CTB霜村誠一、LOダニエル・ヒーナンら負傷者が続出して敗れた第10節のサントリー戦から、負傷者も徐々に復帰。プレーオフに向けてチーム力は万全になりつつある。鉄壁のディフェンスで、トヨタ自動車の攻撃力を封じ込めることができるかは最大のみどころ。トヨタ自動車は第9節で東芝を破ったように、接点の激しさで三洋電機ディフェンスを崩す地力を持っている。トヨタのLO北川俊澄、FL菊谷崇と、三洋電機のHO堀江翔太、NO8ホラニ龍コリニアシらの日本代表対決も見逃せない。

第2試合の東芝ブレイブルーパス対サントリーサンゴリアスの府中ダービーもタフな試合になりそうだ。アタッキングラグビーを徹底するサントリーは、SH日和佐篤の素速いパスワークでリズムを作り、CTBライアン・ニコラス、平浩二らが防御を縦に切り裂く。一方の東芝は、「オプションを考えすぎてリズムが出なかった」(瀬川監督)という反省から、原点回帰で早め早めにゲインラインを切る攻撃を仕掛けるだろう。東芝の縦の波状攻撃をサントリーが食い止め、激しいプレッシャーの中で素速い連続攻撃を仕掛けられるのか、サントリーのアタッキングラグビーの完成度が試されることになる。

小野澤宏時、2年連続のトライ王間近。得点王はアイイが初受賞か?

10日の秩父宮ラグビー場は、個人賞争いでも熱い。最多トライゲッターは、サントリーの小野澤宏時が15トライで1位。これを三洋電機の山田章仁が12トライで追っている。1試合で3トライは可能だが、「僕は毎年トライ王を狙っています」と公言する小野澤が死守するのか。得点王争いでは、トヨタ自動車のオレニ・アイイが、176点でトップを走っている。追うのはこちらも三洋電機の田邉淳、昨季の得点王である。田邉は、151点。3位の東芝デイビッド・ヒルは148点。アイイが圧倒的に有利だが、逆転不可能な点差でトライ数、得点などにも注意すれば、観戦の楽しみ倍増である。

入替戦を巡る戦いも熾烈だ。8位のリコーブラックラムズ(27点)から12位のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(23点)まで勝点差は「4」。最終節では、11位のコカ・コーラウエストレッドスパークス対NTTコム、リコー対ヤマハ発動機ジュビロ(10位)という直接対決があり、勝ったチームがワイルドカード進出枠の10位以内に入ることは確実で、負けたチームが入替戦に回る可能性が高い。また、13位以下が確定しているクボタスピアーズと対戦する近鉄ライナーズ(9位)も負ければ、他チームの結果次第で、入替戦の可能性が残っている。
自動降格が決まってしまったクボタスピアーズも、応援してくれるサポーターのためにも最後の試合を勝利で飾ろうと猛練習に励んでいる。どの試合にも勝たなければならない理由がある最終節。すべての会場で気迫のこもったプレーが観客の胸を打つだろう。トップリーガーの雄姿を見にぜひスタジアムへ。

10節で首位・三洋を破り勢いに乗るサントリーは超攻撃ラグビーで東芝にチャレンジ。現在トライ数トップのWTB小野澤の走りにも注目だ   東芝に続き、首位・三洋も倒して、地元に近い花園でのプレーオフを目論むトヨタ。得点王SOアイイの出来も勝負を左右しそうだ   すでに自動降格はなくなったNTTコムはコカ・コーラウエストとの最終戦を制して、ワイルドカードトーナメント進出を目論む

10節で首位・三洋を破り勢いに乗るサントリーは超攻撃ラグビーで東芝にチャレンジ。現在トライ数トップのWTB小野澤の走りにも注目だ
(C)2010,JRFU(photo by K.Demura RJP)

東芝に続き、首位・三洋も倒して、地元に近い花園でのプレーオフを目論むトヨタ。得点王SOアイイの出来も勝負を左右しそうだ
(C)2010,JRFU(photo by K.Demura RJP)

すでに自動降格はなくなったNTTコムはコカ・コーラウエストとの最終戦を制して、ワイルドカードトーナメント進出を目論む
(C)2010,JRFU(photo by K.Demura RJP)

 

注目選手

注目選手 Photo

日和佐篤
(サントリーサンゴリアス)

◇アタッキングラグビーの鍵握るスクラムハーフ

   

日和佐篤(ひわさ・あつし)◎報徳学園高校→法政大学→サントリーサンゴリアス。SH。1987年5月22日生まれ。166cm、71kg。
(C)2010,JRFU(photo by K.Demura RJP)


トップ4の常連チームであるサントリーサンゴリアスで、加入1年目でレギュラーポジションを獲得。「アグレッシブアタッキングラグビー」を掲げて、徹底的に攻撃を仕掛けるチームの中心として、素速いテンポでボールをさばき続けている。

4歳から兵庫県ラグビースクールでプレーし、高校は兵庫県の名門報徳学園に進んだ。ここでも1年生からレギュラーとなり、3年生ではキャプテンとして全国高校大会にも出場した。全国的にその名が知れわたったのは法政大学時代。2年生から先発メンバーとなり、SO文字隆也とのコンビで法政の高速BKを率いた。忍者のように、ポイントに素速く寄り、相手のプレッシャーの中で正確なパスをさばき続けて玄人ファンを唸らせてきた。

その日和佐がサントリーに入ったシーズンに、エディ・ジョーンズ監督が就任し、アタッキングラグビーを標榜したのは天の配剤と言えるかもしれない。
しかも、チームには世界最多キャップ保持者であるSHジョージ・グレーガンが在籍。そのアドバイスを受けながら、めきめき実力を伸ばし、日本代表入りも視野に日々成長中である。
「パスさばきは素晴らしいのですが、さばき過ぎなので、もっとランプレーも入れるようにコーチには言われています。今はスポンジのようにコーチのアドバイスを吸収していますね」と、チームディレクターの坂田正彰さん。

第13節は東芝ブレイブルーパスというブレイクダウン(ボール争奪局面)で激しく圧力をかけるチームが相手。素速く正確なさばきで、アグレッシブアタッキングラグビーを引っ張れるか。真価が問われる試合となる。


注目選手 Photo

仙波智裕
(東芝ブレイブルーパス)

◇存在感高まる東芝のニューリーダー

   

仙波智裕(せんば・ともひろ)◎八幡工業高校→同志社大学→東芝ブレイブルーパス。WTB/CTB。1982年10月26日生まれ。183cm、97kg。日本A代表、7人制日本代表。
(C)2010,JRFU(photo by K.Demura RJP)


三連覇に向けてひた走る東芝ブレイブルーパスのバイスキャプテンとして、日増しに存在感が高まっている。本来はCTBの選手だが、チーム事情でWTBを務めることも多く、高い危機管理能力でピンチを未然に防ぎ、7人制日本代表にも選出されるランニングスキルで、チャンスも作ればトライもする万能型プレーヤーだ。

滋賀県の大津ラグビースクールでラグビーを始め、八幡工業時代に高校日本代表に選出されて全国大会でも逸材として注目を集めた。同志社大学時代は現サントリーの平浩二と学生屈指のCTBコンビとして名を馳せ、4年生時はキャプテンも務めた。東芝入りしても、層の厚いCTB陣のなかで頭角を現し、2005年度からトップリーグで活躍している。

入社6年目の今季は、チームを引っ張るバイスキャプテンに就任。もともとリーダーシップはあったが、2010年11月、中国で開催されたアジア競技会に7人制日本代表として参加し、金メダルを獲得してからはさらに成長したという。瀬川監督は言う。「金メダルメンバーになったことは大きかったと思います。東芝でもメンバー全体のことを考えるようになったし、他チームの選手たちと一緒に戦ったからこそ東芝らしさを出そうとしていると思います。プレーの思い切りも良くなりました」

東芝の特徴といえば、ボールを持った選手が力強く突進する思い切りの良さだ。第13節は、サントリーとの対戦である。金メダリストという新たな称号を得た仙波の責任感あるプレーにも注目したい。



チケット

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場 チケット
1/9(日) 14:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 豊田自動織機シャトルズ ホームズ チケット
1/10(月祝) 12:00 三洋電機ワイルドナイツ トヨタ自動車ヴェルブリッツ 秩父宮 チケット
1/10(月祝) 12:00 ヤマハ発動機ジュビロ リコーブラックラムズ 花園 チケット
1/10(月祝) 12:00 コカ・コーラウエストレッドスパークス NTTコミュニケーションズシャイニングアークス レベスタ チケット
1/10(月祝) 14:00 東芝ブレイブルーパス サントリーサンゴリアス 秩父宮 チケット
1/10(月祝) 14:00 近鉄ライナーズ クボタスピアーズ 花園 チケット
1/10(月祝) 14:00 福岡サニックスブルース NECグリーンロケッツ レベスタ チケット

 

ページの先頭へ
本サービスの全てのページは、著作権により保護されています。
本サービスに含まれている全ての著作物を、著作権者の事前の許可無しに複製、変更することは禁じられております。
Copyright © (財)日本ラグビーフットボール協会 All rights reserved.