●セカンドステージ 第4節プレビュー
王者を圧倒したパナソニックは地元で東芝戦
大混戦グループBでも注目カードが目白押し
サントリーを圧倒したパナソニックの快進撃は続くのか。13年最終戦はホームで東芝との大一番 |
2週連続でのホームゲームとなるNEC戦で内容を伴った勝利を収め、4強を揺るぎないものにしたいヤマハ発動機 |
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21日、東京・秩父宮では今季2度目となる「NTTダービー」も行われる |
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グループBで首位に立つクボタ、コカ・コーラWを破り、混戦から抜け出せるか |
セカンドステージ第4節が行われる21、22日は2013年最後のトップリーグウィークエンドとなる。
何と言っても注目は22日に群馬・太田市運動公園陸上競技場で行われるグループAの“全勝対決”、パナソニック ワイルドナイツ - 東芝ブレイブルーパス戦(13時)。
両チームともにセカンドステージに入って3連勝。ボーナスポイントの関係で勝ち点自体はパナソニックが18で東芝が14と4点差あるものの、東芝が勝てばパナソニックを抜いて1位に躍り出る可能性もあり、13年のクライマックスに相応しい首位決戦となる。
前節、サントリーサンゴリアス大久保直弥監督をして「完敗」と言わしめる内容で王者を圧倒(42-13)したパナソニック。
ディフェンス、ブレイクダウン、カウンターアタック、キックなど、チームとしての意思統一レベルが上がり、ひとつひとつのプレーは激しいのに、全体としてはスマートささえ感じさせる戦いぶりを見せ、高いレベルで仕上がってきていることを印象づけた。
SH田中史朗、SOベリック・バーンズの卓越したゲームメイクもあり、王者を子供扱いしたような強さは本物なのか。地元に東芝を迎える一戦はワイルドナイツが3年ぶりに頂点に立てるかを占う大一番となる。
両チームはファーストステージ第6節(10月19日)で対戦し、パナソニックが40-22で勝利。
それでも、セカンドステージに入ってFLリーチマイケルが復帰し、SHに新人の小川高廣が定着した東芝にアタックオプションが増えているのは事実。
東芝としては、前回の対戦で「パナソニックさんのディフェンスの圧力で歯車が噛み合わなくなった」(和田賢一監督)部分を修正し、我慢強くボールキープを続けながらアタックを続けられるかがポイントとなりそうだ。
同日には山梨中銀スタジアムでサントリー - トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦、兵庫ノエビアスタジアム神戸で神戸製鋼コベルコスティーラーズ - キヤノンイーグルスというグループA2試合も予定されている(共に13時)。
前述のとおりパナソニックに完敗したサントリーがどんな立ち直りを見せるのか。そして、セカンドステージ3連敗のトヨタ自動車の復活はあるのか。
ここ3年間直接対決で勝てていない相手であるサントリーとの対戦とはいえ、敗れれば早くも4強入りが消滅する可能性のあるトヨタ自動車にとっては絶対に負けられない試合。
イングランド1部(プレミアシップ)のサラセンズに参加するため渡英したNO8菊谷崇なしでどう浮上のキッカケをつくっていくのか。早くも瀬戸際に立たされたヴェルブリッツの起死回生力が注目される。
一方、キヤノンと神戸製鋼は勝ち点7で並ぶ5位対6位の対戦。
こちらも、トップ4への挑戦権をめぐるサバイバルゲームとなる。
他のグループAの3試合よりも1日早く行われるのがヤマハ発動機ジュビロ - NECグリーンロケッツの一戦(21日、静岡ヤマハスタジアム=13時)。
2週連続でのホームゲームとなるヤマハ発動機だが、前節のキヤノン戦はスクラムなどフォワード戦で圧倒しながらも終了間際のトライで辛くも逆転勝ちするなど「内容は良くなかった」(清宮克幸監督)。
年内最後の試合をホームでしっかりした内容で勝ち切り、トップ4の地位を盤石なものにしたいところ。
逆にセカンドステージ3連敗で勝ち点も5にとどまっているNECとしては、現在勝ち点差8の4位ヤマハ発動機を直接対決で破り、プレーオフ進出に望みをつなげて13年を締められるか。FL浅野良太主将が復帰するのは心強い。
21日の秩父宮はクボタ対コカ・コーラWに
今季2度目となる“NTTダービー”も
勝ち点4差内に6チームがひしめき合う大混戦となっているグループBは、今節グループAとは逆に土曜日に3試合、日曜日に1試合という予定が組まれている。
グループAを押し退けて21日に東京・秩父宮ラグビー場で行われるのは、現在勝ち点13で首位に立つクボタスピアーズ対、5位ながら勝ち点12のコカ・コーラウエストレッドスパークス(12時)、そして今季2度目の“NTTダービー”となるNTTコミュニケーションズシャイニングアークス対NTTドコモレッドハリケーンズ(14時15分)の2試合。
ファーストステージ(プールB)で4位のキヤノンと勝ち点20で並びながら、得失点差の関係で上位グループ入りの道を閉ざされたクボタは、セカンドステージに入っても第1節で豊田自動織機シャトルズに30-7、第2節で九州電力キューデンヴォルテクスに25-14と安定した戦いぶりを見せて2連勝。ところが前節では「自分たちのミスが敗因」(石倉俊二監督)となり、NTTコムに18-20で競り負けたことで、グループBが混戦となる要因をつくるかたちともなった。
対するコカ・コーラウエストもセカンドステージでは2連勝の後、前節では前半15分までに3トライを奪われる立ち上がりの悪さをつかれて豊田自動織機に24-29で敗戦。
両チームとも、グループB上位4チームまで与えられるワイルドカードトーナメント出場権獲得のためにも確実に勝利を収めたいところだろう。
ファーストステージでの対戦ではNTTコムが28-17で快勝を収めている“NTTダービー”。
ファーストステージ第3節以降勝ち星のないNTTドコモだが、セカンドステージに入ってからは「課題だったセットプレーが安定」(下沖正博ヘッドコーチ)するようになったプラス面もあって、競った試合を続けている(第1節、第2節共に1点差での惜敗)。
9節ぶりの白星が“NTTダービー”で挙げられれば、チームが一気に勢いづくことも十分考えられるだけに、ファーストステージの借りをしっかり返したいところだろう。
他に、21日に名古屋・瑞穂公園ラグビー場で豊田自動織機 - 九州電力(14時15分)、22日に千葉フクダ電子アリーナでリコーブラックラムズ - 近鉄ライナーズ(13時)の2試合も予定されている。
(text by Kenji Demura)