●セカンドステージ 第7節プレビュー
4強へのラストバトル。神戸で神戸製鋼 - 東芝戦
ヤマハ発動機は秩父宮でサントリーにチャレンジ
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強力FWでサントリーに圧力をかけて4強入りに望みをつなぎたいヤマハ発動機(写真はNO8堀江) |
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前の良く見えるプレーと安定したゴールキックで東芝のキーマンになりそうな新人SH小川 |
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現在トライ王(14個)のCTBフーリーは神戸製鋼をプレーオフに導くことができるか |
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前節、九州電力を破り残留に望みをつないだNTTドコモ。ベテランNO8箕内は再びチームの窮地を救えるか |
昨年8月31日に開幕したジャパンラグビー トップリーグ 2013-2014は今週末レギュラーシーズン最終節を迎える。
グループAではセカンドステージ第6節までの戦いで、すでにパナソニック ワイルドナイツとサントリーサンゴリアスのプレーオフ進出が確定。
東芝ブレイブルーパス(勝ち点21)、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(同19)、ヤマハ発動機ジュビロ(同18)の3チームに4強入りの可能性が残されている。
最終節で3チームが関係する対戦カードは以下の2試合。
●サントリー - ヤマハ発動機(18日、東京・秩父宮ラグビー場=14時15分)
●神戸製鋼 - 東芝(19日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸=13時)
現在3位の東芝に勝ち点差3、4位の神戸製鋼には勝ち点差1をつけられている5位のヤマハ発動機としては、是が非でも王者サントリーを破り、4強入りの望みをつなぎたいところ。逆にボーナスポイントを取れずに敗れると、その時点で7季ぶりのプレーオフ進出の可能性は消滅する。
ファーストステージでは最終節でキヤノンイーグルスに敗れるまで無敗。「首位通過」(清宮克幸監督)でのプレーオフ出場を目指していたヤマハだが、ここ2節トヨタ自動車ヴェルブリッツ、東芝に対して勝ち点を取れずに2連敗。一気に順位を5位に下げ、崖っぷちに立たされたかっこうだ。
「良かった頃に比べて、攻めも守りも前に出る勢いを失っている。もっとアグレッシブにプレーしないと」(同監督)
体を張る筆頭格のFL三村勇飛丸主将をケガで欠くのは痛いが、前節の東芝戦でもFW戦では互角以上の戦いを見せた部分もあり、セットプレーやモールからいかに効果的に得点を奪っていくかがひとつのポイントか。
常にボールキープしながら攻め続けるスタイルのサントリーに対して、DFでプレッシャーをかけて反則を誘い、安定感のあるFB五郎丸歩のキックで着実に加点していくことも重要になる。
清宮監督がサントリーを率いていた08〜09年シーズン以来のサントリー戦勝利をものにして、4強入りにふさわしいチームであることをアピールしたい。
一方、翌日の神戸製鋼 - 東芝戦は勝った方がプレーオフ進出、負けると前日のヤマハ発動機の結果いかんで5位に沈む可能性もあり、こちらもサバイバルマッチとなる。
現在3位の東芝は、パナソニック(12-14)、サントリー(29-30)という2強に対して、惜敗を続けた後、前節の直接対決でヤマハ発動機に29-15で快勝。
「ひとりひとりがワン・オン・ワンでしっかりと戦ってくれた」と和田賢一監督も納得の東芝らしい激しく前に出るスタイルはシーズン終盤になって凄みを増してきた印象だ。
セカンドステージに入って復帰したFLリーチ マイケル主将がサントリー戦で顔面を強打し、ヤマハ発動機戦ではFB豊島翔平、CTB増田慶介の若いBK陣も相次いで負傷退場するなど、ケガ人の多さが気になるところだが、「ここまできたら総力戦」(同監督)で乗り切るしかないのも確か。
前述の2人以外にも、セカンドステージに入って、レギュラーポジションをつかんだ新人SH小川高廣や本来はLOながらリーチ主将の穴を埋める活躍を見せるFL松田圭祐など、成長著しい若手がチームに勢いを与えている。
神戸製鋼は前節のパナソニック戦で、前半終了間際まで7-24と大きくリードされていたにもかかわらず、後半いったんは逆転。終盤再逆転を許したものの、勝ち越しを狙った最後のPGをCTBクレイグ・ウィングが決めていれば、10季ぶりのワイルドナイツ戦勝利をものにした可能性も高く、白星に匹敵する内容で勝ち点2を獲得(最終スコアは31-32)。
「しっかり前に出られるようになってきた」(FL橋本大輝主将)と、こちらも調子を上げた状態でホームに東芝を迎えることになる。
「リスクをおかしてでもアグレッシブにいくために」(苑田右二ヘッドコーチ)、アタック能力に優れる正面健司をSOに据え、クレイグ・ウィング、ジャック・フーリーというワールドクラスのCTBを並べる破壊力抜群の布陣で、4トライ以上を記録する試合を続けている。
3年連続で神戸でのゲームとなる神戸製鋼 - 東芝戦。過去2年間(1勝1敗)同様、コンタクトエリアで優位に立ったチームに勝機が訪れそうだ。
自動降格、入替戦回りの顔ぶれも
全てグループB最終節の結果如何
一方、グループBの自動降格、入替戦をめぐる最後の戦いも熾烈を極めるものになりそうだ。
来季、トップリーグから自動降格となる16位(グループB8位)になる可能性を残しているのは、6位のコカ・コーラウエストレッドスパークス(勝ち点14)、7位の九州電力キューデンヴォルテクス(同11)、8位のNTTドコモレッドハリケーンズ(同9)の3チーム。
最終節ではコカ・コーラウエストと九州電力が直接対決(19日、福岡・レベルファイブスタジアム=14時15分)。NTTドコモは豊田自動織機シャトルズと対戦する(18日、大阪・近鉄花園ラグビー場=12時)。
1日早く試合をすることになるNTTドコモは何としても先に勝利を収めて、翌日戦う2チームにプレッシャーをかけたいところ。
上記2試合も含めて、グループBの最終節の対戦カードは以下のとおり。
●リコーブラックラムズ(20) - クボタスピアーズ(27)=18日、東京・秩父宮12時
●NTTドコモレッドハリケーンズ(9) - 豊田自動織機=18日、大阪・近鉄花園12時
●近鉄ライナーズ(22) - NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(20)=18日、大阪・近鉄花園=14時
●コカ・コーラウエストレッドスパークス(14) - 九州電力キューデンヴォルテクス(11)=19日、福岡・レベルファイブスタジアム=14時15分
※()内はセカンドステージ第6節までの勝ち点
すでにグループB3位以内を確定させ、ワイルドカードトーナメント出場(グループAの5〜8位およびグループBの1〜4位が出場)を決めているクボタスピアーズ以外は、全チームに入替戦に回る可能性が残されており、どの試合もトップリーガーのプライドを賭けた激しい攻防が期待できる熱戦となりそうだ。
(text by Kenji Demura)