トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

ファーストステージ 第2節(9/6 - 9/8)

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見どころ

●1stステージ第2節プレビュー[3]9月8日編

トヨタ自動車を追い詰めた豊田自動織機と
開幕白星スタートのNTTドコモが札幌で対戦
 

 
 

ロングキックとカウンター能力でNTTドコモBK陣を支えるFBフィルヨーン
photo by Kenji Demura (RJP)

トヨタ自動車戦では攻守にソリッドなプレーぶりが目立った豊田自動織機CTBヴァカ
photo by Kenji Demura (RJP)

■北海道・月寒屋外競技場(ラグビー場)
豊田自動織機シャトルズ-NTTドコモレッドハリケーンズ(プールA=13:00)

第2節、最後の1試合は今季唯一の北海道での開催。
3年ぶりにトップリーグに戻ってきた豊田自動織機と、その豊田織機と入れ替わるかたちで一昨年からトップリーグの座を守ってきたNTTドコモという、因縁と言えば因縁と呼べなくもない好敵手同士の対戦となる。

昨季、開幕から11連敗するなど苦戦が続き、入替戦を経て何とかトップリーグ残留を果たしたNTTドコモだが、今季はいきなり初戦で九州電力に29-7で快勝。
「ブレイクダウンを強化してきた」という下沖正博ヘッドコーチの言葉どおりに、密集戦でボールを奪い、そこから一気に攻めるラグビーで九州電力を翻弄。チームとして大きく進化したことを印象づける内容だった。

密集回りでの仕事だけではなく、ボールキャリーも目立ったFLハインリッヒ・ブルソーは欠場するが、攻守において相変わらずの存在感を見せたNO8箕内拓郎は健在。
本職はSHのSO茂木大輔の素早いパスさばきと、FBリアン・フィルヨーンのロングキックとカウンター能力で攻撃力が倍増した感のあるBK陣にも注目だ。

一方の豊田自動織機は、敗れたものの開幕節TOYOTAダービーで試合終了5分前までリードを奪うなどトヨタ自動車を追い詰めた。
大西将太郎、ヴァカ・ジョセフ・ウィルソンのCTB陣と大居広樹、朝見力弥のWTB陣に、大黒柱FBマーク・ジェラードと並ぶBK陣の破壊力は抜群。
トヨタ自動車戦で見せたように、強力BK陣を生かすためにもFWが前に出られるかがポイントになりそうだ。
「最後の10分、フィットネスが足りなかった」(田村誠監督)という、初戦で勝ちきれなかった反省をどう生かすのか。
195センチ、110キロのNO8ライアン・カンコウスキーと箕内のマッチアップも楽しみだ。

(text by Kenji Demura)

 

見どころ

●1stステージ第2節プレビュー[2]9月7日編

初開催の和歌山で注目のトヨタ自動車 - サントリー戦
福岡では地元九州2チームが今季初のホームゲーム
 

 
 

3季ぶりのトップリーグ勝利を目指すクボタの接点でのキーマン、FLマテンガ
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕戦でトライを挙げたパナソニックWTB山田の積み上げなるか? 近鉄はWTBギア(右)が初先発
photo by Kenji Demura (RJP)

 
 

サントリーはトヨタ自動車とのフィジカルバトルを制することができるか(写真は開幕戦マン・オブ・ザ・マッチのSHデュプレア)
photo by Kenji Demura (RJP)

トヨタ自動車は欠場の菊谷に代わってNZ代表カイノがNO8のポジションに入る
photo by Kenji Demura (RJP)

7日土曜日には、東京、和歌山、福岡、三重の4会場で計6試合が予定されている。

■東京・秩父宮ラグビー場
クボタスピアーズ - 近鉄ライナーズ(プールB=17:00)
キヤノンイーグルス - パナソニック ワイルドナイツ(プールB=19:00)

東京・秩父宮ラグビー場には前節は大阪で戦ったクボタ、近鉄、パナソニックの3チームと、同じ秩父宮で東芝をあと一歩まで追い詰めたキヤノンが登場する。

第1試合のクボタ対近鉄は共に開幕節で敗れた同士の対戦。セカンドステージを上位グループで戦える4位以内を確保するためにも、開幕2連敗は絶対に避けたいところだ。
3シーズンぶりのトップリーグ復帰を果たしたクボタは、初戦のヤマハ発動機戦では立ち上がりから積極的に接点で前に出るラグビーで前半はリードを奪うなど善戦。
風下の後半に逆転されたものの、4トライを奪って勝ち点1を得た。
「アタックは良かったが、ミスが多かったのと、DFが淡白だったところが良くなかった」(LO今野達朗主将)というのが初戦の反省点。

開幕節に続いてホアニ・マテンガ、フィナウ・フィリペ、タキタキ・エロネと外国出身選手ばかり(フィナウ、タキタキは帰化選手)で固めたFW第3列のブレイクダウンでの働きがひとつのポイントになりそうだ。
日本代表の主力、立川理道は前節ヤマハ戦に続き12番。後半からの出場だったサム・ノートンナイトはFBで先発する。
SO高橋銀太郎も含め、BK陣がどんなゲームメイクをしていくのかも注目される。

一方、パナソニックに完封負け(0 - 46)という最悪のスタートとなった近鉄だが、「3次、4次とアタックが続けられた時には、相手DFの形を崩せているケースもあった」という前田隆介監督の分析どおり、さらにボールキープを続けられれば、トライチャンスにつながりそうなシーンはかなりあった。
パナソニック戦では、ハーフタイム前の時点で元豪州代表NO8ラディキ・サモと、ミッドフィールドを締めるCTBジーン・フェアバンクスを下げざるを得なくなるなど、ケガによるアクシデントでチームがパニックになった面もあっただけに、80分間落ち着いたゲーム運びができるかもポイントだろう。

第2試合はパーフェクトな開幕スタートを切ったパナソニックに対して、東芝を追い詰めたキヤノンが挑戦。
「フィットネス、フィジカル面で勝てたし、80分間集中力を切らさずに戦えた」(中嶋則文監督)」というパナソニックは、初戦の試合内容の良さを反映するように、1番から23番まで近鉄戦と同じメンバー構成でキヤノン戦に臨む。

一方のキヤノンは東芝戦では「突破力を期待して」(永友洋司監督)、後半途中出場した元NZ代表のアイザイア・トエアバがSOとして先発。カウンター能力に長けるパナソニックに対して、ボールキープする時間をいかに長くするかもポイントになりそうだ。古巣と対戦することになる日本代表LOジャスティン・アイブスの役割も重要になる。
「みんな体がでかくなって、コンタクトダメージがなくなった。最後まで動けた」(WTB和田拓主将)という激しいプレーがパナソニックにも通用するか注目だ。

■和歌山・紀三井寺運動公園陸上競技場
トヨタ自動車ヴェルブリッツ - サントリーサンゴリアス(プールA=17:00)

初のトップリーグ開催となる和歌山・紀三井寺運動公園陸上競技場では今節最大の注目ゲームと言ってもいい好カードが組まれた。
「選手たちは最初からサントリーらしく攻めるラグビーを見せてくれた」(大久保直弥監督)という王者は、開幕戦でNTTコムに32 - 6で快勝。

一方、プレシーズンで好調が続いていたトヨタ自動車は、キックをうまく使った豊田自動織機のクレバーなプレーに後手に回り、ロスタイムのPGでようやく勝ち越す苦戦(21 - 18)。
中7日のサントリーに対して、トヨタ自動車は中5日。コンディション的には不利なトヨタ自動車が「どんな相手にもフィジカルで圧倒する」(HO上野隆太主将)スタイルを取り戻せるか。

サントリーはサントリーで、5トライを記録したNTTコム戦での精度では「トヨタのラッシュDFには対抗できない」(大久保監督)と、ブレイクダウンとシェイプの精度を上げる必要性があるとの認識を示していた。
ともに日本代表の中心選手でもある、サントリーWTB小野澤宏時、トヨタ自動車NO8菊谷崇というキープレーヤーが揃って欠場することがどう影響するのかも鍵となりそうだ。

■福岡・レベルファイブスタジアム
コカ・コーラウエストレッドスパークス - 東芝ブレイブルーパス(プールB=17:00)
九州電力キューデンヴォルテクス - 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(プールA=19:00)

福岡での開幕には当然のごとく、地元の2チームが揃って登場する。
第1試合ではトップリーグに戻ってきたコカ・コーラウエストが東芝を迎え撃つ。
初戦のリコー戦では、「自分たちの方が走れていると感じていた。ボールを動かせたし、自信になった」(NO8豊田将万主将)という内容で5トライを奪い27 - 27で引き分け。勝利こそものにできなかったものの、徹底的に攻め続けるラグビーで勝ち点3を奪ってみせたコカ・コーラのアタッキングラグビーが東芝にも通用するのか。

キヤノンに辛勝スタートとなった東芝も「DFの時間が長かったのが苦戦した最大の原因」(和田賢一監督)と、ボールキープしながらアタックを続けることにフォーカスしてチームを立て直してくることが想定されるだけに、激しい攻めの応酬が期待できそうだ。

「セットプレーで安定を欠き、アタックゾーンでしっかり攻撃できなかった」(苑田右二ヘッドコーチ)と、NECの激しいプレッシャーに苦戦しながら28 - 26で開幕白星スタートを切った神戸製鋼は、LOアンドリース・ベッカー(リザーブ入り)、FLジョシュ・ブラッキーの外国人FWを先発メンバーから外し、和製FWで九州電力戦に臨む。
「NTTドコモの素晴らしいラグビーに完敗」(平田輝志監督)した九州電力は、粘りのDFと数少ないチャンスを得点に結びつけていくクレバーなラグビーで対抗したい。

■三重県営鈴鹿スポーツガーデンサッカー・ラグビー場
ヤマハ発動機ジュビロ - リコーブラックラムズ(プールB=19:00)

風下の前半にクボタにリードを許しながらも、後半は強力なセットプレーを軸に「ゲームを支配して危なげなかった」(清宮克幸監督)と、白星スタート(38-28)を飾ったヤマハ発動機と、4トライを奪った上に最後にPGで追いついて貴重な勝ち点3を獲得したリコーの対戦(対コカ・コーラウエスト 27 - 27)。
開幕ゲームではセットプレーが不安定な面もあったリコーが、強力なセットプレーを誇るヤマハ発動機に対して、どう修正してくるかがポイントのひとつになりそうだ。

(text by Kenji Demura)

 

見どころ

●1stステージ第2節プレビュー[1]9月6日編

2週連続で秩父宮の金曜ナイターに登場のNTTコム
前節、神戸に惜敗のNECは反則の多さを修正して臨む
 

 
 

NTTコムとしてはセットプレーで優位に立ちたいところ(写真中央はベテランPR山口)
photo by Kenji Demura (RJP)

■NTTコミュニケーションズシャイニングアークス - NECグリーンロケッツ(プールA)
 9月6日(金)19時 東京・秩父宮ラグビー場

第2節も開幕節同様、金、土、日の3日間に渡っての開催となる。
6日金曜日には、開幕戦で王者サントリーに6-32で敗れたNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが再び東京・秩父宮ラグビー場での金曜ナイターに登場。
前節、神戸製鋼コベルコスティーラーズに惜敗(26-28)したNECグリーンロケッツと対戦する。

サントリー戦では、林雅人監督が「セットプレーとタックルで試合をコントロールしたい」と考えていたゲームプランがあまり機能しなかったNTTコム。
「基本的なチームカラーを変えるつもりはない」(同監督)というものの、NECに対してはサントリー戦で揃って試合開始から起用した2m超のLO陣のうち、アイザック・ロスをベンチスタートにして、その代わりに爆発的な走りを見せるWTBアレサナ・ツイランギを先発させる。
強固なDFをベースにしながら、サントリー戦でノートライに終わった攻撃面でのインパクト増やすための外国人選手の入れ替えであることは間違いない。
開幕戦で先発したSO川本祐輝に代わって、昨季リーグ3位の140得点を挙げた君島良夫が指令塔で先発復帰するのも、得点力アップを考えてのことだろう。

移動なしかつ中6日で戦えるNTTコムに対して、神戸でのアウェー戦から中5日での試合となり、コンディション面では不利が否めないNEC。
「チームスローガンの『NO LIMIT !』を体現できた」とFL浅野良太主将が振り返ったとおり、神戸製鋼に逆転負けした初戦は、内容的には手応えを感じさせる試合となった。

キッキングゲームもDFもうまく機能していたが、誤算だったのは反則の多さ(前半のペナルティ数はNEC=7、神戸製鋼=1)。慌てず、80分間規律を持ってプレーし続けられるかがポイントとなりそうだ。
東芝から移籍したCTBニール・ブリューが先発メンバー入りし、WTBネマニ・ナドロはベンチスタート。堀江翔太(パナソニックHO)とスーパーラグビーのレベルズでチームメイトだったNO8ガレス・デルブもリザーブ入りしている。
コカ・コーラウエストレッドスパークスから移籍の元日本代表SOウェブ将武が2試合連続で指令塔を務め、日本代表CTB田村優とコンビを組む。

セカンドステージを上位グループで戦うためにも、共に開幕2連敗は絶対に避けたいところだ。

(text by Kenji Demura)

元日本代表ウェブがSO、日本代表の田村(写真中央)をインサイドCTBに入れる布陣で臨むNEC
photo by Kenji Demura (RJP)

 

チケット

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場 チケット
9/6(金) 19:00 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス NECグリーンロケッツ 秩父宮 チケット
9/7(土) 17:00 クボタスピアーズ 近鉄ライナーズ 秩父宮 チケット
9/7(土) 17:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ サントリーサンゴリアス 紀三井寺陸上 チケット
9/7(土) 17:00 コカ・コーラウエストレッドスパークス 東芝ブレイブルーパス レベスタ チケット
9/7(土) 19:00 キヤノンイーグルス パナソニック ワイルドナイツ 秩父宮 チケット
9/7(土) 19:00 九州電力キューデンヴォルテクス 神戸製鋼コベルコスティーラーズ レベスタ チケット
9/7(土) 19:00 ヤマハ発動機ジュビロ リコーブラックラムズ 鈴鹿 チケット
9/8(日) 13:00 豊田自動織機シャトルズ NTTドコモレッドハリケーンズ 月寒 チケット
■チケット全国発売日
1stステージ 第1節〜第7節:2013年7月27日(土)
※セカンドステージの発売日は決定次第トップリーグオフィシャルサイトにて発表。
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