●1stステージ第6節プレビュー
19日に東京、大阪でプールBの4強同士が直接対決
20日には横浜でサントリー対神戸製鋼(プールA)も
決定力のあるピーターセンをCTBに使う布陣が続くパナソニック。東芝とのガチンコ勝負の行く末は? |
ヤマハ発動機の快進撃は続くのか(安定したプレーでチームを支えるFB五郎丸とSO大田尾) |
|
CTBイエロメも復帰して調子を上げる近鉄は4強を確保するためにもヤマハ発動機に黒星をつけたいところ |
|
前節トヨタ自動車に力負けした神戸製鋼はDFを立て直してサントリー戦に臨む(写真はLO伊藤) |
10月6日までに第5節を終了したトップリーグ。1週間のブレイクを経て、残り2節となったファーストステージでラストスパートに成功するのはどのチームか。
今節もA、B両プールでトップ4入りを懸けた激しい戦いが繰り広げられることになりそうだ。
まずは、プールごとに前節までの順位を整理しておこう。
プールAではサントリーサンゴリアス、NECグリーンロケッツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズが4勝1敗で並んでいるが、ボーナスポイントの差で1位=サントリー(勝ち点21)、2位=NEC(同20)、3位=神戸製鋼(同19)。
4・5位に共に3勝2敗で勝ち点14のトヨタ自動車ヴェルブリッツとNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが続き、以下、NTTドコモレッドハリケーンズ(6位=同10)、豊田自動織機シャトルズ(7位=同6)、九州電力キューデンヴォルテクス(8位=同0)が上位陣を追いかける状況となっている。
一方、プールBでは前節の東芝ブレイブルーパスとの無敗対決を制したヤマハ発動機ジュビロが4勝1分けで首位に立ち(勝ち点21)、2・3位のパナソニック ワイルドナイツ(3勝1敗1分け)、東芝(4勝1敗)は共に勝ち点18。
以下、いずれも2勝3敗の近鉄ライナーズ(4位=勝ち点12)、クボタスピアーズ(5位=同11)、キヤノンイーグルス(6位=同10)が激しい4位争いを繰り広げ、さらにリコーブラックラムズ(7位=同8)、コカ・コーラウエストレッドスパークス(8位=同3)が続いている。
19日には、東京と大阪でプールBの4強同士の直接対決が予定されている。
東京・秩父宮ラグビー場で行われるのは、パナソニック対東芝の一戦(14時キックオフ)。第4節まで全勝を続けてきた東芝は前節でヤマハ発動機に17-33で完敗。
「ヤマハの方がブレイクダウンで強く、2人目、3人目の入りが東芝よりも早かった」
和田賢一監督はそんなふうにヤマハ発動機戦の敗因を語ったが、まさしく東芝が生命線とするエリアでの力負けだっただけに、1週間のブレイクの間にどこまで東芝らしさを取り戻せているかが復調の鍵となる。
NO8豊田真人・前主将が復帰するのは大きなプラスだろう。
一方のパナソニックは第2節で昇格2年目のキヤノンに金星を献上した後、第3節ではヤマハ発動機と引き分け。
序盤戦は苦しい戦いが続いたが、第4節のクボタ戦、第5節のコカ・コーラウエスト戦と、4トライ以上のボーナスポイントも加えるかたちでの快勝が続き、チーム状態は上向きと言っていい。
前節のコカ・コーラウエスト戦でCTBとして先発し、トップリーグデビューを果たした豪州代表ベリック・バーンズが今回はSOで先発。
コカ・コーラウエスト戦に関しては「まだまだチームに馴染んでいない部分もある」というのが中嶋則文監督の評価だったが、さらに2週間のトレーニング期間を経て、今度は指令塔としてどんなゲームメイクをするのかも注目される。
コンディションの問題もあり、ここ2試合、後半にインパクトプレーヤーとしての投入が続いているHO堀江翔太主将は3試合連続でのリザーブスタートとなる。
ヤマハ発動機の無敗は続くのか
19日に調子を上げる近鉄と対戦
大阪・近鉄花園では、4位の近鉄が首位のヤマハ発動機を迎える。
「パナソニック戦で完敗だったスクラムを改善できた」(清宮克幸監督)と、強みであるセット、そしてブレイクダウンでも東芝を圧倒したヤマハ発動機は、いま一番勢いのあるチーム。
一方の近鉄も前節のリコー戦では5トライを挙げてトップ4争いに生き残ったかっこうで、調子は上向き。
前節では40分間限定だったとはいえ、CTBジェフリー・イエロメが復帰し、「いい楔を打ってくれた」と前田隆介監督を喜ばせる力強い走りで勝利に貢献するなど、ミッドフィールドでの迫力も増している。
前節、リコーの神鳥裕之監督が「近鉄のプレッシャーが厳しく、自分たちのラグビーができなかった」と脱帽せざるを得なかったとおり、今回もセット、ブレイクダウンで強力FWのヤマハ発動機と対等に戦えるかがポイントになりそうだ。
19日には、このところ2連勝でファーストステージでの4強入りが見えてきたNTTコムがまだ勝ち点のない九州電力を秩父宮に迎える(12時キックオフ)一戦と、やはり前節、神戸製鋼に快勝(43-10)して4強戦線にとどまったトヨタ自動車とNTTドコモの対戦(12時キックオフ=近鉄花園)のプールAの2試合も予定されている。
翌20日には、プールAの4強チーム同士の直接対決も。
共に4勝1敗の首位サントリーと3位神戸製鋼が対戦(13時、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)。
前節でトヨタ自動車に完敗して今季初黒星を喫した神戸製鋼。
王者・サントリーも前節の豊田自動織機戦では「相手のミスのおかげで生き残れた」(LO真壁伸弥主将)という辛勝ぶり(17-24)。
「上に行ってしまったタックル」(神戸製鋼・苑田右二ヘッドコーチ)
「ブレイクダウン」(サントリー・大久保直弥監督)
前節でそれぞれ出た課題を、この2週間でどちらが修正できているのかが勝負を分けそうだ。
20日の残り3試合は、豊田自動織機対NEC(14時、三重県営鈴鹿スポーツガーデン サッカー・ラグビー場=プールA)、クボタ対リコー(14時、新潟・新発田市五十公野公園陸上競技場=プールB)、コカ・コーラウエスト対キヤノン(13時、大分市営陸上競技場=プールB)の顔合わせで行われる。
(text by Kenji Demura)