トップリーグ2014_2015特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

ファーストステージ 第1節(8/22 - 8/24)

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見どころ

●ファーストステージ第1節プレビュー[3]8月24日編

 
  開幕
 

大物FW第3列がチームを去り、故障者も多いトヨタ自動車だけに副将としてチームを引っ張るFL NO8杉本にかかる期待は大きい
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

昨季よりもトライパターンを増やす方針の下、小柄ながら抜群の決定力を誇るWTB原田の走りにも期待がかかるキヤノン
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

神戸製鋼の強力FWを最大限生かすためにも昨季後半戦はSOでの起用が多かった正面のアタック力に期待がかかる
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

昨季は新人ながらポジションを獲得。2年目の今季早くも副将に指名されリーダーとしても期待されるリコーSH山本
photo by Kenji Demura (RJP)

昨季上位グループ同士のトヨタ自動車対キヤノン
2年連続4強の神戸製鋼はリコーとの開幕ゲーム

8月22日、ジャパンラグビー トップリーグ2014-2015が開幕する。
下記のとおり8チームずつに分かれてファーストステージを戦っていくことになるが、24日には京都・京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場でプールBの2試合が行われる。

<プールA>
パナソニック ワイルドナイツ(昨季1位)
東芝ブレイブルーパス(同3位・リーグ戦4位)
ヤマハ発動機ジュビロ(同5位)
NECグリーンロケッツ(同8位)
クボタスピアーズ(同9位)
豊田自動織機シャトルズ(同12位)
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(同13位)
宗像サニックスブルース(昇格)

<プールB>
サントリーサンゴリアス(同2位)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ(同3位)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ(同6位)
キヤノンイーグルス(同7位)
近鉄ライナーズ(同10位)
リコーブラックラムズ(同11位)
コカ・コーラレッドスパークス(同14位)
NTTドコモレッドハリケーンズ(同15位)

■トヨタ自動車ヴェルブリッツ - キヤノンイーグルス(プールB)
8月24日(日)、16時40分 京都・京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

昨季、共にファーストステージで4位に食い込み、セカンドステージを上位グループ(グループA)で戦った同士の対戦。
1月19日に今回と同じ場所で行われた直接対決では24-19でトヨタ自動車が接戦を制している。

前回の対戦時と場所は同じでも、季節は真逆ということもあるのか、トヨタ自動車の廣瀬佳司監督は「試合のポイントは京都の暑さ」と指摘。
元々、フィジカルな戦いを得意とするトヨタ自動車だが、「トップリーグで一番フィジカルに、ハードワークできるチームになるために激しいトレーニングに励んできた」ことも影響したのか、プレシーズンでは主力にケガ人が相次いだ。
新主将となったFL吉田光治郎も開幕に間に合わない。

それでも、「若手に多くのチャンスを与えられたし、ある程度固定したメンバーで練習できたのは良かった」(同監督)と、チームのまとまりという意味では逆にプラス面もあった。
昨季のメンバーから、FLジェローム・カイノ、ヘイデン・ホップグッド、NO8菊谷崇といった実力者が退団し、FL/NO8ジャーン・デイセル(シャークス/南アフリカ代表)、同ファイフィ・レヴァヴェ(ハリケーンズ/サモア代表)のスーパーラグビー組やSO/CTBデレック・カーペンター、FB竹田宜純などが新加入。
吉田主将不在もLO/FL/NO8杉本晃一、SO文字隆也の両副将などが元気にチームを引っ張っていて求心力もあるだけに、ケガ人が復帰する前に開幕ダッシュできるようだと、逆に波に乗る可能性もある。

昇格2シーズン目ながらファーストステージで4位をキープし、セカンドステージを上位グループで戦ったキヤノン(最終成績は7位)。
永友洋司監督は新シーズンにあたって「トップリーグチャンピオンがターゲット」であることを公言する。
頂点獲りのため、「アタッキングラグビーの原点に回帰し、さらなるパワーアップをはかってきたし、トライの取り方のバリエーションも増やしている」(同監督)とも。
ジュニアジャパンやU20日本代表で活躍したLO宇佐美和彦という将来、日本代表FWを背負っていく期待の逸材に加えて、NO8菊谷崇、WTB小野澤宏時という百戦錬磨のビッグネームを獲得。
両ベテランに関して永友監督は「オンフィールドでもオフフィールドでも力を発揮してくれている」と言い、「勝つ文化というところをわかってくれている」という、いままでチームに欠けていた部分を補う存在として大きなプラスになっていると評価している。

■神戸製鋼コベルコスティーラーズ - リコーブラックラムズ(プールB)
8月24日(日)、19時 京都・京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

開幕節最後の試合は昨シーズン対戦のなかった神戸製鋼対リコー。
2012-2013シーズンの直接対決では神戸製鋼が26-15で勝っているが、逆に2011-12シーズンのリーグ戦ではリコーが31-27で勝利を収めている。

2年続けてプレーオフ進出を果たしている神戸製鋼にとっては当然、日本一が目標のシーズンとなる。
南アフリカ出身で、イングランドのプレミアシップなどでもコーチ経験を持つギャリー・ゴールド新ヘッドコーチ(HC)の下、頂点獲りを目指すことになる。
「数多くのトライを取る一方で、取ったら取られるのではなく、ディフェンスを強化し、バランスのとれたチームを作りたい」というのがゴールドHCの基本方針。
FL橋本大輝主将は「(ゴールドHCは)ラグビーの基礎の部分を大事にしているコーチ。ラグビーに対する意識付けの部分ですごく落とし込んでくれた。チームとして今までは波があったのが、今年は減ってきている。誰が出ても同じレベルのラグビーができるようになり、自信を持って『優勝を目指します』と言えます」と、大きな手応えを感じている。
FLジョシュ・ブラッキー、SOピーター・グラントが退団し、NZ代表26キャップを誇るSHアンドリュー・エリス、スーパーラグビーのチーフスで活躍するFL/NO8マット・バンリーベンが新たに加入。
さらに大学時代から注目を集めていたWTB/FB山下楽平、WTB/CTBトニシオ・バイフという新人BK陣にも期待がかかる。

Change.
シンプルにひとりひとりの意識改革を求めるリコーの今シーズンのチームスローガンだ。
目標はファーストステージ4位以上で、最重視する修正・強化ポイントはディフェンス。
「ディフェンス、ブレイクダウン、フィットネス。この3つを中心に粘り強く戦う」(神鳥裕之監督)
PR長江有祐、SO河野好光、同・津田翔太、CTBリキ・フルーティ、WTB/FB横山健一・伸一など、多くの主力が退団したが、スーパーラグビーのブルズから伸び盛りのSOルイ・フーシェが加わる他、FLマウ ジョシュア、CTB牧田旦などが新戦力。
「FWが大きくセットプレーが強い」(神鳥監督)という神戸製鋼に対して、どこまでFW陣が対抗できるかが、開幕ゲームをものにするポイントになりそうだ。

(text by Kenji Demura)

見どころ

●ファーストステージ第1節プレビュー[2]8月23日編

 
  開幕
 

昨季は入替戦を経ての残留を余儀なくされたNTTコム。ボールを動かす新スタイルで上位進出を狙う(写真はCTBサンダース)
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

TLに戻ってきたブルースは宗像サニックスとしていきなり秩父宮でのお目見えとなる。日本代表合宿にも呼ばれたWTBヘスケスも健在
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開幕

日本代表BK陣の中でも圧倒的な存在感を示すSO田村。NEC復活のキーマンであることも間違いない
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

クボタの上位進出の鍵を握るSO CTB立川。NECの田村と日本代表同士のマッチアップも楽しみだ
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

日本代表でも圧倒的なリーダーシップを見せるヤマハ発動機FB五郎丸。今季は史上2人目のTL通算1000得点にも手が届きそうだ
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

昨季は12位となりワイルドカードに進んだ豊田自動織機。今季は8強入りを目指す(写真はSO FBジェラード)
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

昨季のファーストステージは勝ち星なしに終わったコカ・コーラ。今季はDF面にも力を入れて開幕ダッシュを狙う(写真はNO8豊田主将)
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開幕

昨季無冠に終わり大きな変革期を迎えているサントリー。再び頂点に立てるのか(写真はFW起用も考えられているFL CTBニコラス)
photo by Kenji Demura (RJP)

前日に続き、東京・秩父宮では夕刻から2試合
サントリーは熊本、ヤマハ発動機はホームで開幕

8月22日、ジャパンラグビー トップリーグ2014-2015が開幕する。
下記のとおり8チームずつに分かれてファーストステージを戦っていくことになるが、開幕2日目の23日にはプールAの3試合と、プールBの1試合が、東京、静岡、熊本の各会場で行われる。

<プールA>
パナソニック ワイルドナイツ(昨季1位)
東芝ブレイブルーパス(同3位・リーグ戦4位)
ヤマハ発動機ジュビロ(同5位)
NECグリーンロケッツ(同8位)
クボタスピアーズ(同9位)
豊田自動織機シャトルズ(同12位)
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(同13位)
宗像サニックスブルース(昇格)

<プールB>
サントリーサンゴリアス(同2位)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ(同3位)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ(同6位)
キヤノンイーグルス(同7位)
近鉄ライナーズ(同10位)
リコーブラックラムズ(同11位)
コカ・コーラレッドスパークス(同14位)
NTTドコモレッドハリケーンズ(同15位)

■NTTコミュニケーションズシャイニングアークス - 宗像サニックスブルース(プールA)
8月23日(土)、16時40分 東京・秩父宮ラグビー場

今季2年ぶりにトップリーグに戻ってきた宗像サニックスは福岡から遠く離れた東京・秩父宮での開幕戦となる。
対戦相手は昨季まさかの入替戦を経験したNTTコム(最終順位は13位)。

トップリーグ5季目となるNTTコムはNZ出身でカンタベリー代表やアイルランドのマンスターなどでのコーチ経験を持つロブ・ペニーヘッドコーチ(HC)の下で、大きな飛躍を目指すシーズンとなる。
昨季までは強いセットプレーとDF力を前面に押し出す戦いぶりが多かったが、今季はSO/CTB溝口裕哉新主将の「どんどんボールをまわすようになった。ストラクチャーというよりはアンストラクチャーで選手の判断に任せるように変化している」という言葉どおり、より型にはまらないプレースタイルを模索。

LO木曽一、SO君島良夫、CTB山下大悟、FB栗原徹、WTBアレサナ・ツイランギなど、多くの主力がチームを去ったが、HO須藤拓輝、FL金正奎、WTB/CTB鶴谷知憲、WTB/FB羽野一志、そして24歳ながら南アフリカ代表キャップを持つSOエルトン・ヤンチースといった有力な新加入選手も多く、エキサイティングなラグビーを見せてくれそうだ。

ある意味、自分たちのスタイルに近くなってきている相手と開幕戦で対戦することになると言ってもいい宗像サニックスだが、藤井雄一郎部長兼監督は「降格時から継続して、ディフェンス強化とセットの安定に取り組んできた」と、逆にトップリーグを勝ち抜く上で絶対に必要となるベーシックな部分でのレベルアップに多くの時間を費やしてきたことを強調する。

高山国哲(前東芝)、ドウェイン・スウィーニー(前九州電力)という計算できるCTB陣が新たに加わり、元ジャパンのSO/CTBロビンス ブライス、そしてジャパン入りを狙うWTB/CTBカーン・ヘスケスも健在。
「名称も変わり、新たな気持ちで、最初から飛ばしていく」
FL田村衛土主将の宣言どおり、より地域密着を打ち出した宗像サニックスが再びトップリーグでプレーする喜びで一丸となった姿に期待したい。

■NECグリーンロケッツ - クボタスピアーズ(プールA)
8月23日(土)、19時 東京・秩父宮ラグビー場

続く東京・秩父宮での第2試合は昨季の8位のNECと同9位のクボタの対戦。
セカンドステージで上位グループ最下位となったチームと、下位グループ首位だったチームの対戦だけに、まずはお互い上位グループ入りのライバルを倒しておきたいところだ。

昨季ファーストステージ第3節でサントリーサンゴリアスに土をつけるなど、序盤戦を盛り上げたNECだが、こと開幕戦に関しては9シーズン勝利なし。
「ファーストステージでのトップ4入りのため、まずは9シーズン負けている開幕戦からきちんと戦える状態に持っていく。目指しているのはオーソドックスなラグビー。全員がボール持ったら前に行き、常にゲインラインを狙っていく」
新たに現場指揮を執ることになった相澤輝雄総監督は原点回帰とも言える方向での開幕ダッシュを狙っている。
スーパーラグビーでトライ王となったWTBネマニ・ナドロ、日本代表で確固たるポジションを築いたと言っていいSO/CTB田村優など、主力BK陣がチーム外で実績を作って頼りになる存在となっているだけに、FW陣が前に出られるようだと、目標である「トップリーグ優勝」(PR瀧澤直主将)も見えてきそうだ。

昨季、3季ぶりのトップリーグで、あと1歩で8強入りを逃したクボタは、キヤノンイーグルスから元NZ代表CTB/FBアイザイア・トエアバも加わり、SO/CTB立川理道、CTBカトニ・オツコロの新旧ジャパン組と共に強力なフロントスリーを形成することになるなど、BKの破壊力が増しているのは間違いないところ。
それだけに、戦い方の特徴でもある激しいブレイクダウンを次々に制圧していければ、相手にとっては手が付けられなくなる。
「FWとBKが一体となり、多彩なバリエーションでどこからでもトライを取りきれるチームを目指す一方で、ディフェンスにも昨年以上に力を入れてきた」(石倉俊二監督)
トータルにレベルアップした姿を開幕戦で披露して上位進出を狙う。

■ヤマハ発動機ジュビロ - 豊田自動織機シャトルズ(プールA)
8月23日(土)、18時 静岡・ヤマハスタジアム(磐田)

2012-2013シーズンが6位、昨シーズンが5位。
あと1歩のところで惜しくもプレーオフ進出を逃しているヤマハ発動機にとって、4強入りから一気に日本一を目指すシーズンとなる。
日本で7シーズン目となるCTB/WTBハビリ ロッキー、スーパーラグビーやイングランドのプレミアシップで活躍してきたSO/CTB/FBダン・ボーデンといった実績十分なベテランBK陣が新たに加わったが、清宮克幸監督は「昨シーズン得た自信もあり、チーム内の競争が激しくなって、チーム全体が成長している」ことに手応えをつかんでいる。

昨季のセカンドステージでサントリーサンゴリアスをあと一歩まで追いつめながらも3点差で敗れ、プレーオフ進出を逃したヤマハ発動機だけに「昨シーズンの悔しさが今年の原動力。春から細部にまでこだわり、トレーニングを積み上げてきた」(FL/NO8三村勇飛丸主将)という進化した姿をホームで戦える開幕ゲームから披露して、勢いに乗りたいこところだ。

豊田自動織機は3年ぶりの昇格となった昨シーズンは、進化し続けるトップリーグの洗礼を受けるかたちで開幕から6連敗。
それでも、ファーストステージ最終節で九州電力キューデンヴォルテクスに大勝した後、セカンドステージでは近鉄ライナーズ、コカ・コーラウエストレッドスパークス、九州電力、NTTコムを破ってグループB4位となり、ワイルドカードトーナメント進出を果たした。
NO8ライアン・カンコウスキー、SO/CTB/FBマーク・ジェラード、SO/CTB大西将太郎といった頼れる主力は健在。さらに、今季はPR長江有祐、FL/NO8バツベイ シオネという脂の乗り切ったジャパンクラスのFW陣も加わり、戦力アップは間違いないところ。
今季の開幕戦で対戦するヤマハ発動機は昨季のワイルドカード1回戦で0-46と完敗した相手。
「特にフィジカルとセットプレーの強化に取り組んできた」(丹生雅也ヘッドコーチ)成果を見せて、「トップリーグベスト8」(SH梅田紘一主将)という目標に近づくための試金石となる。

■コカ・コーラレッドスパークス - サントリーサンゴリアス(プールB)
8月23日(土)、18時 熊本・うまかな・よかなスタジアム

We want it back ! 
「なくした物を獲り返す」というスローガンを掲げる一昨季までの王者サントリーは九州でのアウェー戦での開幕となる。
PR尾崎章、FLジョージ・スミス、SO野村直矢、WTB小野澤宏時などが退団する一方、スカルク・バーガー、ジャスティン・ダウニーの南アフリカ出身FW第3列やPR恒永真之介、SO/CTB中村亮土、FB/WTB/CTB松島幸太朗のジャパンクラスの有望新人も加入。
プレシーズンではニコラス ライアンのFW第3列も試されるなど、トップリーグ2連覇を果たした2011-2012〜2012-2013とは大きく異なるチーム構成で再び頂点を目指すことになる。

開幕ゲームとなるコカ・コーラ戦に関しては「相手にはラインブレークできる選手が多いので、簡単に防御を破られるようだと苦しい」という大久保直弥監督は「チームはまだ未完成」であることも認めている。
シーズン終盤での成長につながる、内容のある勝利を目指す。

一方のコカ・コーラは、今季から日本のコカ・コーラシステム全体からのサポートを受けることになり、チーム名から「ウエスト」が取られた。
「(チーム母体が全国規模のコカ・コーラになり)選手たちは一層のやりがいを感じている」(山口智史監督)といい、トップリーグ復帰2シーズン目にして「ファーストステージで勝利を重ねて上位進出」(FL/NO8豊田将万主将)を狙っている。

「体が大きくないので、素早くボールを動かすラグビーをしていく」(山口監督)方向性に変わりはないが、失点を少なくするために今年はディフェンス面の強化にも多くの時間が割かれてきており、サントリーのアタッキングラグビーに対してどれだけ粘り強く守れるかもポイントになりそうだ。

(text by Kenji Demura)

見どころ

●ファーストステージ第1節プレビュー[1]8月22日編

東京でパナソニック-東芝、大阪はNTTドコモ−近鉄
今年も暑く熱いフライデーナイトゲームで開幕!

 
  開幕
 

昨季、トップリーグと日本選手権の2冠を成し遂げたパナソニック。ディーンズ新監督の下、2連覇を目指す
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

昨季トップリーグMVPのパナソニックSOバーンズ。今季は多くのプレシーズンマッチにも出場し、万全の状態で開幕を迎える
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

昨季のプレーオフトーナメントセミファイナルでパナソニックHO堀江主将のタックルを受けながら突進する東芝LO大野。東芝にとって負けられない開幕戦となる
photo by Kenji Demura (RJP)

8月22日、ジャパンラグビー トップリーグ2014-2015が開幕する。
昨季同様、計16チームが8チームずつ2プールに分かれてファーストステージを戦い、それぞれの上位4チーム、下位4チームずつの2グループに再編成されたセカンドステージへと突入する2ステージ制で行われる今季のトップリーグ。
昨季の成績からファーストステージのプール分けは以下のようになっている。

<プールA>
パナソニック ワイルドナイツ(昨季1位)
東芝ブレイブルーパス(同3位・リーグ戦4位)
ヤマハ発動機ジュビロ(同5位)
NECグリーンロケッツ(同8位)
クボタスピアーズ(同9位)
豊田自動織機シャトルズ(同12位)
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(同13位)
宗像サニックスブルース(昇格)

<プールB>
サントリーサンゴリアス(同2位)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ(同3位)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ(同6位)
キヤノンイーグルス(同7位)
近鉄ライナーズ(同10位)
リコーブラックラムズ(同11位)
コカ・コーラレッドスパークス(同14位)
NTTドコモレッドハリケーンズ(同15位)

プレーオフ進出のためには、前半戦のファーストステージで4位以内に入ることが絶対条件となり、シーズンのスタートダッシュに成功するか否かが大きな意味を持つという観点からも注目度が大きい開幕節8試合に関して、本稿では開催日ごとに見どころを紹介していこう。
まずは、開幕日の22日に行われるフライデーナイター2試合から。

■パナソニック ワイルドナイツ - 東芝ブレイブルーパス(プールA)
 8月22日(金)19時30分 東京・秩父宮ラグビー場

昨季のプレーオフトーナメントセミファイナルおよび日本選手権決勝戦の再現となる開幕戦は、当然ながら今季のトップリーグ全体の流れを大きく左右する一戦となると言っても過言ではない。
共に、新しい指揮官となって、チームの戦い方がどう変わったのか見極めるという意味でも見逃せない。

トップリーグ、日本選手権双方で優勝し、2013-2014年シーズンを完全制覇したパナソニックは、中島則文・前監督が勇退。新たにロビー・ディーンズ新監督を迎えた。
ディーンズ監督と言えば、スーパーラグビーのクルセイダーズ、そして豪州代表の監督として多くの名声を得てきた名将。
現在の世界のラグビー界におけるトップコーチのひとりであることは間違いないところ。

「トレーニングがきつくなったし、ミーティングも長くなった。メンバーにも監督の熱意が伝わっていると思う。スタイルという意味ではマイナーチェンジ。試合の中でも変わっていけるような柔軟性が増した」
昨年に引き続きチームを引っ張ることになったHO堀江翔太主将は、そんなふうにディーンズ監督になってのチームの変化について言及する。
ディーンズ監督自身は「昨シーズンの日本選手権決勝同様、今回も激しいコンテストが散りばめられた試合になるだろう。やるべきことはわかっているが、それができるかどうか。シーズンをいいかたちで進めていくための指針となるような戦いをしたい」と、開幕ゲームへの意気込みを語る。

メンバー的にはコーチ専任となったPR相馬朋和、FB田邉淳の他、FLバツベイ シオネ、SO/CTBマイケル・ホッブスなどがチームを離れたが、NZ代表キャップホルダーであるFLジョージ・ホワイトロック、日本代表SH内田啓介などが加入。
堀江主将、SH田中史朗副将のスーパーラグビー組を筆頭に、戦力的にはV2にたどり着けるだけのメンバーが揃っていることに異論はないだろう。

昨季は開幕2戦目でキヤノンイーグルスに敗れ、3戦目でもヤマハ発動機ジュビロと引き分けるなど、シーズン序盤につまずいた王者がどんなスタートダッシュを見せるのかも、トップリーグタイトルの行方を占う上でも見逃せない。

対する東芝は04-05シーズンからトップリーグ3連覇を果たすなど黄金期を支えた冨岡鉄平元主将が新たにヘッドコーチ(HC)に就任。
新HCは「戦い方は全く変わらない」とうそぶくが、いままでのコンタクトエリアでの攻防にすべてを懸けるような東芝スタイルから、より効果的にボールを動かす方向性を模索中でもある。

「ストラクチャーとしては変わっていないが、セットアップだったり、ゲインの取り方、ボールを運ぶイメージなどをより具体化して、整理をした。これまでよりもボールは動くようになった」
新しい東芝スタイルに関してそう語るのは、新たに主将に指名されたSO森田佳寿。
もちろんメンバーを見ても、ジャパン組も多い強力FW陣が健在なのは容易に想像がつくだけに、森田主将をはじめとする司令塔たちがどんなゲームメークを見せていくかがポイントであることも間違いなさそうだ。

08年から東芝の司令塔を務めてきたSOデイビッド・ヒルが抜けたが、昨季、リザーブとして4試合しか出場しなかったにもかかわらず、3年目にしていきなり主将の大役を務める森田の他、日本代表でもSOに挑戦中の廣瀬俊朗、そして新加入の南アフリカ代表53キャップを誇るフランソワ・ステインと、SO陣には実力者が揃う。
その一方で、冨岡HCは「若い選手、今まで日の目を見ていない選手がどうブレイクしていくか」とも語り、「絶対勝たないといけない」という開幕戦にも昨シーズン出ていない選手を使って臨むことを宣言する。

昨季は前述したプレーオフトーナメントセミファイナル、日本選手権決勝に加えてレギュラーシーズンの2回の対戦でも敗れるかたちで、4戦4敗に終わった対パナソニック戦。
「同じ相手に何度も負けるわけにはいかない」(LO大野均)という、かつて常勝集団だったプライドを前面に出した激しさに加えて、よりクレバーにもなったニュー東芝スタイルに注目したい。

■NTTドコモレッドハリケーンズ - 近鉄ライナーズ(プールB)
 8月22日(金)19時30分 大阪・キンチョウスタジアム(長居球技場)

  開幕
 

NTTドコモとの大阪ダービーを制して上位進出へ好スタートを切りたい近鉄(写真はPR豊田主将)
photo by Kenji Demura (RJP)

開幕

ファーストステージ上位4強入りを目指すNTTドコモ。フィジカル、スキル両面でのレベルアップに自信あり(写真はTL最小SH秦)
photo by Kenji Demura (RJP)

一方、関西では“大阪ダービー”での開幕となる。
昨季10位の近鉄と、11年の初昇格以来、毎年、入替戦に回りながらもしぶとくトップリーグの座を維持してきたNTTドコモ(昨季15位)。
ちなみに過去のトップリーグでの対戦では、近鉄の3戦3勝だが、昨季は終了間際の逆転PGで辛くも近鉄が21-20で逆転勝利を収めるという互角の戦いを繰り広げた。
6月のプレシーズンマッチでもNTTドコモが勝っている(32-28)だけに、近鉄サイドとしてはむしろ「しっかり借りを返す」(前田隆介監督)という意識を持っての戦いとなる。

近鉄というと、海外出身選手を中心にフィジカル面を生かしたプレーと、自陣からでも積極的にボールを動かすスタイルをミックスさせながら魅力的なアタックを構築していくことに定評のあるチーム。
「ボールを動かしてチャレンジするところはチャレンジしつつ、堅くゲームを運ぶところはしっかり判断しながらやっていく。近鉄はフィジカルが強いというイメージを持ってもらっているようだが、もう一度、しっかりしたフィジカルバトルができるように春からフォーカスを当てて強化してきた」と前田監督が語るように、より激しく、精度が高く、しかも洗練もされた方向への進化を狙っている。

共に2年目のシーズンとなるLO山口浩平、FL辻直幸などの若手の成長に加えて、新たにFL/NO8ラトゥイラ レプハとCTBイエロメ ジェフリー剛の2人が新たに日本国籍を取得したこともあり、前田監督も戦力アップには自信を見せる。
「まだ暑くスリッピーでもあると思うので、自分たちがどれだけミスを減らせるかと、逆に相手にはしっかりプレッシャーをかけていくような戦いをしていきたい」(PR豊田大樹主将)という大阪ダービーを制して、勢いある開幕ダッシュとしたいところだ。

NTTドコモとしては、「帰化選手やアジア枠も含めて海外出身選手も多く、フィジカルが強い」(下沖正博監督)という近鉄のアグレッシブなプレーにどれだけ対抗できるかが開幕戦を制するポイントとなるのは間違いないところ。
戦力的には、FBミルズ・ムリアイナやWTBシレリ・ボンボといったビッグネームの退団はあったものの、昨季ケガで出場機会のなかったNO8イオンギ譲、前主将でもあるWTB平瀬健志などのコンディションが良くなり、共に2年目のFLハインリッヒ・ブルソー、SO/FBリアン・フィヨルーンのスプリングボクス組のチーム戦術理解度も間違いなく上がっている。
パナソニックから移籍のSOマイケル・ホッブス、新たに南アフリカから加わったヨハン・サディー、韓国代表LO/FL朴淳彩など、即戦力となりそうな新戦力も多い。

「広いスペースも使いながら、自分たちの強みでもある狭いところも攻めるようなアタックのパターンをいくつか用意して、早い時期からチームのアタックに関する共通認識を高めるようにしてきた。計画通りにきていると思う」(下沖監督)

昨シーズンは開幕2連勝の後、セカンドステージ第6節でシーズン3勝目を挙げるまでは、黒星を重ねてしまったNTTドコモ。
まずは、春に続いて大阪のライバル近鉄を倒した上で、昨季の二の舞にならない地に足をつけた戦いを続けながら、目標であるファーストステージ4位以内を目指すことになる。

(text by Kenji Demura)

チケット

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場 チケット
8/22(金) 19:30 パナソニック ワイルドナイツ 東芝ブレイブルーパス 秩父宮 チケット
8/22(金) 19:30 NTTドコモレッドハリケーンズ 近鉄ライナーズ 金鳥スタ チケット
8/23(土) 16:40 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 宗像サニックスブルース 秩父宮 チケット
8/23(土) 19:00 NECグリーンロケッツ クボタスピアーズ 秩父宮 チケット
8/23(土) 18:00 ヤマハ発動機ジュビロ 豊田自動織機シャトルズ ヤマハ チケット
8/23(土) 18:00 コカ・コーラレッドスパークス サントリーサンゴリアス うまスタ チケット
8/24(日) 16:40 トヨタ自動車ヴェルブリッツ キヤノンイーグルス 西京極 チケット
8/24(日) 19:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ リコーブラックラムズ 西京極 チケット
■チケット全国発売日
ファーストステージ 第1節〜第7節:好評発売中です。
※セカンドステージの発売日は決定次第トップリーグオフィシャルサイトにて発表。
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