●ファーストステージ第5節プレビュー
首都圏初登場の神戸製鋼はサントリーと首位攻防戦
名古屋では豊田自動織機 - 東芝、トヨタ自動車 - 近鉄
ファーストステージ最後の金曜ナイターはサントリー - 神戸製鋼の大一番。大型FWで圧力をかけたい神戸製鋼(写真中央はLOベッカー) |
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前節のリコー戦で今季初となる勝ち点5を獲得したサントリーはさらなる上昇気流に乗れるか(写真は2試合連続先発のFL西川) |
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今季初の名古屋開催には地元愛知勢2チームが登場。豊田自動織機は東芝にチャレンジ。アジア競技大会で7人制主将を務める坂井はWTBで先発 |
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前節の劇的な逆転勝ちで勢いに乗るクボタはプールA首位のヤマハ発動機を倒して上位進出を狙う(写真はCTB立川) |
8月22日のジャパンラグビー トップリーグ 2014-2015開幕から約1ヶ月が経過。
前節までに4フェイズが終了したファーストステージは残り3節。
各チームとも上位進出へ向けて、確実に勝ち点を積み上げておきたい状況であることに加えて、アジア競技大会開催もあって、来週、再来週とトップリーグが小休止するため、出し惜しみのない激しいパフォーマンスが見られそうだ。
第4節終了時点での各プールの順位と総勝ち点は以下のとおりとなっている。
<プールA>
1. ヤマハ発動機ジュビロ(16)、2. 東芝ブレイブルーパス(15)、3. パナソニック ワイルドナイツ(14)、4. NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(11)、5. クボタスピアーズ(8)、6. NECグリーンロケッツ(7)、7. 宗像サニックスブルース(5)、8. 豊田自動織機シャトルズ(5)
<プールB>
1. 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(18)、2. サントリーサンゴリアス(17)、3. トヨタ自動車ヴェルブリッツ(14)、4. キヤノンイーグルス(12)、5. 近鉄ライナーズ(10)、6. コカ・コーラレッドスパークス(6)、7. リコーブラックラムズ(3)、8. NTTドコモレッドハリケーンズ(3)
( )内の数字は勝ち点
ファーストステージ最後の東京・秩父宮ラグビー場でのフライデーナイターとして開催されるのがプールBの首位攻防戦、サントリー対神戸製鋼の一戦。
共に今季ここまで4戦全勝。
ただし、両チームとも、内容的には苦しんでいる試合が多いのも事実ではある。
ボーナスポイントの差で勝ち点1サントリーを上回り、プールBで首位に立つ神戸製鋼は、今季初戦でリコーに対して試合終了2分前の逆転PGで辛うじて勝利をものにする辛勝スタート。
第2節、第3節は相手をノートライに抑える堅守ぶりを見せたが、前節はNTTドコモから5トライを奪ったものの逆に4トライを献上するなど、やや戦い方が安定しない面も。
一方のサントリーも、開幕から4点差(対コカ・コーラ)、3点差(対トヨタ自動車)、3点差(対キヤノン)と、「率直に、よく勝ったなというゲーム」(大久保直弥監督)を続けながら、何とか全勝をキープ。
それでも、前節のリコー戦では「サポートのスピードとアグレッシブさは及第点」と、大久保監督も高く評価する内容で、今季初となる4トライ以上のボーナスポイントを獲得。
調子を上げた状態で、神戸製鋼との大一番を迎えることになる。
神戸製鋼が首都圏で試合をするのは、ファーストステージではこのサントリー戦のみ。前述どおり相手をノートライに抑える試合を続けるなど、前に出るディフェンスが機能している神戸製鋼がサントリーのアタックをどう防ぐのか。
強力FWがセットプレーで優位に立つことも神戸製鋼が2005-2006年以来となるサントリー戦勝利をものにするための条件となりそうだ。
この直接対決でライバルを蹴落とした方が、ファーストステージ1位通過へ一気に加速することになる。
新潟では急上昇クボタがヤマハ発動機に挑戦
翌20日の土曜日には東京・秩父宮と愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場で、それぞれダブルヘッダーが予定されている。
秩父宮で行われるのはリコー - コカ・コーラ、キヤノン - NTTドコモの2試合(いずれもプールB)。
プールBで下位に沈むリコー(7位=勝ち点3)、コカ・コーラ(6位=同6)、NTTドコモ(8位=同3)の3チームは上位進出への可能性を残すために、是が非でもサバイバルマッチをものにしたいところ。
一方、前節、近鉄との4、5位対決を制して4位に浮上したキヤノンとしては確実に勝ち点を積み上げて4位以内をキープしておきたい。
今季初の名古屋開催には、地元の豊田自動織機とトヨタ自動車が登場。
現在、1勝3敗でプールA最下位に沈む豊田自動織機だが、現在2位の東芝に対して地元で4トライ以上奪って勝利をものにすれば、東芝との勝ち点差は5となり、上位進出の芽が出てくるだけに、何とか金星をものにしたいところ。
第2試合は現在プールB3位のトヨタ自動車と同5位の近鉄の対戦。
両者の勝ち点差は4と、今節の直接対決の結果如何では、近鉄がトヨタ自動車の順位を上回る可能性もあるが、ここで近鉄が敗れるようだと、プールBの4位以内が遠ざかることになるだけに、近鉄にとっては“マストウィン”ゲームとなる。
21日の日曜日には、宮城・石巻市総合運動公園石巻フットボール場でNTTコム - NEC、栃木・足利市総合運動公園陸上競技場でパナソニック - 宗像サニックス、新潟・新潟市陸上競技場でクボタ - ヤマハ発動機という、いずれもプールAの3試合が予定されている。
開幕2連敗の後、東芝、NTTコムという上位陣に2連勝して勢いに乗るクボタが、「激しく前に出るディフェンス」(石倉俊二監督)で、プールAで首位に立つヤマハ発動機をどう追いつめるのか。
セットプレーでもブレイクダウンで激しいバトルが繰り広げられること、請け合いだ。
(text by Kenji Demura)