●セカンドステージ第4節プレビュー
大混戦の戦国リーグから抜け出すチームは?
グループBでは自動降格回避への熱い戦いも
スーパーラグビーのフォースへの加入も発表されたWTB山田。パナソニックの首位維持のため持ち前の決定力で貢献したい |
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2連勝で2位に浮上したヤマハ発動機は神戸製鋼とのアウェー戦。キレ味が戻ったWTB中園の走りにも期待がかかる |
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共にセカンドステージ白星のない豊田自動織機と宗像サニックスは名古屋で直接対決。降格を避けるため負けられない試合となる |
11月28日にスタートしたセカンドステージだが、早くも折り返し地点を迎える。
同・第4節は20日に東京・秩父宮ラグビー場で2試合、翌21日に全国5会場で計6試合が予定されている。
上位陣による星の潰し合いが続くグループAの各チームの順位と勝ち点は以下のとおり。
1 パナソニック ワイルドナイツ(14)
2 ヤマハ発動機ジュビロ(12)
3 サントリーサンゴリアス(12)
4 東芝ブレイブルーパス(11)
5 トヨタ自動車ヴェルブリッツ(10)
6 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(9)
7 キヤノンイーグルス(7)
8 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(1)
( )内は勝ち点
前節、神戸製鋼に前半3-27と大きくリードされながら大逆転勝ちして首位に復帰した王者パナソニックは、20日の秩父宮の第2試合でNTTコムと対戦。
「今後は前半最初から、後半のようなラグビーをしていかないといけない」
神戸製鋼戦後、ロビー・ディーンズ監督が語ったとおり、NTTコムに対して80分間波の少ないパフォーマンスを見せて、真の復活をアピールしたいところだ。
対するNTTコムはパナソニック戦で勝ち点を挙げられなかった場合、その時点で早くもプレーオフ進出の可能性が消えることになる。
翌21日のグループAの対戦カードは、トヨタ自動車 - 東芝(愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場=14:00)、サントリー - キヤノン(山梨中銀スタジアム=13:00)、神戸製鋼 - ヤマハ発動機(兵庫・ノエビアスタジアム神戸=13:00)。
戦国リーグの様相を呈しているグループAの中で、4強入りに向けて1歩前進するのはどこか。どのチームにとっても負けられない試合ばかりだ。
FW戦で優位に立ち、ロングキックを誇る新加入のCTBフランソワ・ステインもチームにフィットして、セカンドステージに入って神戸製鋼、パナソニックに快勝した東芝だが、前節ではサントリーに対してセットプレー、ブレイクダウンで後手に回り32-16で完敗。
コンタクトエリアでしっかり勝負してくるトヨタ自動車との対戦で、FW陣がどう修正してくるのか。
対するトヨタ自動車は前節でキヤノンとのタイトな試合をものにするなど2連勝。
同ステージ第3節終了時点で両者の勝ち点差はわずかに1。
フィジカルバトルを制して勝利を手に入れた方が大きく4強入りに近づくことになる。
昨季のセカンドステージでの対戦では、27-12と東芝が快勝しているが、日本選手権では24-21での辛勝。2年前のトップリーグではトヨタ自動車が29−21で勝っている。
東芝に快勝したサントリーの復調ぶりは本物なのか。
対するキヤノンはヤマハ発動機、トヨタ自動車相手に2連敗中。サントリーにも敗れるようだと、4強入りはかなり厳しくなるだけに、是が非とも金星を奪いたいところだ。
2位浮上ヤマハ発動機は
神戸製鋼とのアウェー戦
前節、パナソニックに大逆転負けを喫した神戸製鋼は、地元神戸にヤマハ発動機を迎える。
「(パナソニック戦の)後半に自分たちの弱さが出た。修正しないといけない」(FL橋本大輝主将)
ショックの大きい敗戦から精神的に立ち直れるかが、神戸製鋼にとっては一番のポイントかもしれない。
一方、ここ2試合、キヤノン、NTTコムに対して自分たちの強みをしっかり出すかたちで連勝し、前節終了時点で2位に浮上したヤマハ発動機。
「僕が神戸に相性がいい」と、自信を見せる清宮克幸監督は「明らかにキックの使い方が変わった。ディフェンスをする覚悟が出てきている」と今季の神戸製鋼の戦いを分析。
一方、FL三村勇飛丸主将は「FWのスクラムは重いという印象。8人で組むスクラムで対抗して、セットから流れをつかみたい」と、ヤマハ発動機が神戸製鋼に勝つための方向性を語る。
一方、グループBに関しては、第3節を終わってリコーブラックラムズ、クボタスピアーズの2チームが3戦3勝。NECグリーンロケッツ、近鉄ライナーズ、NTTドコモレッドハリケーンズの3チームが2勝1敗。コカ・コーラレッドスパークス、宗像サニックスブルース、豊田自動織機シャトルズが3戦3敗。勝ち点で言っても、5位までの上位チームと、6〜8位の下位チームに2分されているような状況だ。
グループBで最下位になると自動降格、5〜7位のチームは入替戦に回ることになるため、下位チームのお尻には完全に火がつき始めていると言っていい。
21日の愛知・瑞穂では、ここまで3敗同士の豊田自動織機と宗像サニックスが対戦(11:40)。
何とか自動降格だけは免れたい両チームによる熱いバトルとなること必至。ちなみに、ファーストステージでの対戦では豊田自動織機が31-14で快勝している。
一方、コカ・コーラは同日、宮崎総合運動公園陸上競技場で近鉄と対戦(14:00)。
リコー - NTTドコモ(20日、東京・秩父宮=11:40)、クボタ - NEC(21日、千葉・フクダ電子アリーナ=13:00)というグループB上位陣同士の対戦とともに、熾烈なボトム争いにも注目だ。
(text by Kenji Demura)