●セカンドステージ第6節プレビュー
今季も4強を懸ける東芝 - ヤマハ発戦は3日秩父宮で
パナソニックは4日駒沢でのLIXIL CUP確定なるか?
グループA首位に立つ王者パナソニック。キヤノンに勝った時点で8季連続4強入りが決まる(写真は安定したプレーを続けるCTB林) |
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再び圧倒的な存在感を見せ始めているFLリーチ。ヤマハ発動機戦でもゲームキャプテンとしてチームを引っ張り、東芝を4強へ導く |
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東芝に対して昨季のリベンジを果たし、4強へ前進したいヤマハ発動機にとって攻守に安定したプレーを続けるFB五郎丸の存在は大きい |
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グループBではリコー - NECの首位攻防戦をものにしたチームのワイルドカードT進出が決まる(写真はリコーFL NO8柳川) |
まだ真夏と言ってよかった8月22日の開幕から4ヶ月強。
各地で雪が降るなど冷え込んだ2015年新年早々、ジャパンラグビー トップリーグ 2014-2015はレギュラーシーズンのクライマックスを迎える。
11月28日にスタートしたセカンドステージは昨年末までに第5節を終了。
泣いても笑っても、残り2節でプレーオフトーナメントであるLIXIL CUP 2015進出か、日本選手権出場をかけたワイルドカードトーナメント進出か、それとも残留をかけた入替戦へ回るのか、はたまた自動降格なのかが決まることになる。
まずは、LIXIL CUP 2015を懸けた戦いを続けるグループAの前節終了時点での各チームの順位および勝ち点を整理しておくと、以下のようになる。
1 パナソニック ワイルドナイツ(24)
2 東芝ブレイブルーパス(21)
3 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(19)
4 ヤマハ発動機ジュビロ(17)
5 サントリーサンゴリアス(17)
6 トヨタ自動車ヴェルブリッツ(11)
7 キヤノンイーグルス(8)
8 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(1)
( )内は勝ち点
すでにNTTコムの4強入りの可能性はなくなっているが、他の7チームにはLIXIL CUPを経ての優勝の可能性が残されている。
前節でサントリーを45-8と圧倒したパナソニックが4強入りに一歩抜け出したかっこう。
今節は1月4日に、東京・駒沢陸上競技場でキヤノンと対戦するパナソニック(14:05)だが、この1戦で勝てば最終節を待たずに8シーズン連続となるベスト4入りが確定する。
年末の地元・太田では「もう一度やれと言われても難しいくらい。特にディフェンスが素晴らしかった」と、ロビー・ディーンズ監督も絶賛するパフォーマンスを見せてサントリーに快勝したパナソニックが、今回も同じようなレベルの高い試合ができるのか。当然、LIXIL CUPの行く末にも大きく影響しそうでもあり、注目される。
対するキヤノンは現在4位グループのヤマハ発動機、サントリーとの勝ち点差が9。わずかに残る4強入りの可能性を消滅させないためには、王者パナソニックからの勝利が絶対条件となる。
昨季のファーストステージ、23-18でパナソニックを破った経験も持つキヤノンだが、今回は是が非でも4トライ以上を奪っての勝ち点5を記録したいところだ。
3日の東京・秩父宮ラグビー場には、4強入りを狙う3チームが集結。
前節終了時点でパナソニックに次いで2位につける東芝はヤマハ発動機と対戦(11:40)。
12月13日の“府中ダービー”でサントリーのテンポある攻撃ラグビーに完敗(16-32)した後、4節、5節はトヨタ自動車、キヤノンに対して快勝して再び調子を上げている東芝。
トヨタ自動車戦から復帰したFLリーチ マイケルをファーストステージでは任せなかったゲームキャプテンに指名。
「マイケルは日本代表のキャプテンなのでチームではプレーに集中してもらいたい」というのが、元々の冨岡鉄平ヘッドコーチの考えだったようだが、シーズン終盤にきてチーム力をもう一段上げるためにはフィールド上で圧倒的な存在感を見せる日本代表主将に試合の中でもナチュラルにリーダーシップを執ってもらうことが必要と判断。
ヤマハ発動機戦でも3戦連続となるリーチ ゲームキャプテン体制で大一番を迎えることになる。
今季のファーストステージでの対戦(10月19日)ではヤマハ発動機が19-14で東芝を下しているが、2ヶ月半を経ての再戦でもまずはセットプレーでどちらが優位に立てるかがポイントになるのは間違いないところ。
共に絶対的な自信を持つスクラムを筆頭に、コンタクトエリアで優位に立てばトライチャンスだけではなく、相手にペナルティが多くなることも想定され、共に東芝・SH小川高廣、ヤマハ発動機・FB五郎丸歩という好ゴールキッカーを抱える両チームの得点機会が多くなる。
昨季のセカンドステージでも第6節で対戦した両者だが、結果的にこの直接対決を制した東芝が4位でプレーオフに勝ち残り、ヤマハ発動機は5位で涙を飲んでいるが、今回も4強の座を懸けたとびきり激しい戦いとなること必至だろう。
サントリーの“太田ショック”から立ち直りは?
“天国か地獄か”のグループB生き残り戦も佳境
前述のとおり1週間前にパナソニックに大敗したサントリーは順位を5位に落とし、ベスト4入りに黄色信号が灯ったかっこう。
セカンドステージで勝ち点1しか挙げられていないNTTコムに対して内容の伴った勝利をものにして、太田ショックからの立ち直りをアピールして最終節を迎えたい。
グループAのもう1試合は、4日、大阪・ヤンマースタジアムでの神戸製鋼 - トヨタ自動車戦(14:00)。
現在3位の神戸製鋼はトヨタ自動車のフィジカルチャレンジを制して、4位以内の座を確実なものにできるか。
4位グループとの勝ち点差が6の6位トヨタ自動車にとっては4シーズンぶりのプレーオフ進出の可能性を残すために絶対に負けられない一戦となることは言うまでもない。
一方、1〜4位がワイルドカードトーナメント、5〜7位が入替戦、8位が自動降格という、グループAの比ではない“天国か地獄か”の戦いを続けるグループBの今節の対戦カードは以下のとおり(いずれも4日に対戦予定)。
リコーブラックラムズ(23) - NECグリーンロケッツ(23)=東京・駒沢 12:00
NTTドコモレッドハリケーンズ(16) - クボタスピアーズ(20)=大阪・ヤンマースタ 11:40
豊田自動織機シャトルズ(7) - 近鉄ライナーズ(20)=三重・鈴鹿 13:00
宗像サニックスブルース(3) - コカ・コーラレッドスパークス(14)=福岡・グローバル 13:00
( )内は勝ち点
グループBでの首位攻防戦であるリコー - NEC戦の勝者がワイルドカードトーナメント行きを確定させることができる一方で、8位の宗像サニックスが九州ダービーで敗れ、7位の豊田自動織機が近鉄を破れば、宗像サニックスの自動降格も決まる。
第5節終了時点で3勝2敗と勝ち越しているNTTドコモが入替戦圏内の5位となっているなど、厳しいサバイバルゲームが続くグループBの熱い戦いからも、当然、目が離せない。
(text by Kenji Demura)