●セカンドステージ第7節プレビュー
東京、名古屋、大阪で4強入りを賭けたラストバトル
入れ替え戦、自動降格を避ける戦いも3都市+福岡で
トヨタ自動車を破って他力でのプレーオフ進出に賭けたいサントリーは今季初めてSHデュプレアが先発出場する |
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前節、ヤマハ発動機に圧倒された東芝はNTTコムに勝って自力での4強入りを決められるか(写真はNO8リーチゲームキャプテン) |
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通算1000得点まであと8に迫ったヤマハ発動機FB五郎丸。大記録達成と共にチームを4強入りに導く活躍を見せられるか |
8月22日の開幕からファーストステージ7節、セカンドステージ6節の計13節を戦ってきたジャパンラグビー トップリーグ 2014-2015が、いよいよリーグ最終節を迎える。
11日に全国4会場で予定されている計8試合で16チームのレギュラーシーズン成績はもちろん、ポストシーズンの行く末も決まることになる。
まずはグループAからセカンドステージ6節終了時点での各チームの成績と勝ち点を整理しておくと、以下のようになる。
1. パナソニック ワイルドナイツ(29)
2. 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(24)
3. 東芝ブレイブルーパス(23)
4. ヤマハ発動機ジュビロ(22)
5. サントリーサンゴリアス(21)
6. トヨタ自動車ヴェルブリッツ(11)
7. キヤノンイーグルス(8)
8. NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(2)
( )内の数字は勝ち点。
すでに、リーグ2連覇を目指すパナソニックの「プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015」進出が確定しているが、残り3枠をめぐって神戸製鋼、東芝、ヤマハ発動機、サントリーの4チームにプレーオフトーナメント出場の可能性が残されている。
ちなみに、この4チームは最終節では直接対決はなし。2位の神戸製鋼、3位の東芝、そして4位のヤマハ発動機はボーナスポイントを獲得しての勝利を得た時点で4強入りが決まる一方、2年前のリーグ覇者である5位サントリーには自力でのプレーオフトーナメント進出の可能性は残されていない。
すべて11日に予定されている4強争いに絡むグループAの4試合は以下のとおり。
東芝 - NTTコム(11:40 東京・秩父宮)
キヤノン - 神戸製鋼(14:00 東京・秩父宮)
トヨタ自動車 - サントリー(14:00 愛知・瑞穂)
ヤマハ発動機 - パナソニック(14:05 大阪・近鉄花園)
東芝、神戸製鋼、サントリーという昨季の4強チームが最終節で下位チームと対戦するのに対して、06〜07年シーズン以来のプレーオフトーナメント進出を目指すヤマハ発動機は首位を行くパナソニックとの最終戦。
ちなみに、最終節の結果に4強入りを賭ける4チームは当然として、すでにレギュラーシーズン2位以上を確定させているパナソニックも前節のキヤノンイーグルス戦先発メンバーからの変更は2人のみというベストと言っていい布陣でヤマハ発動機と対峙することになる。
「最後の試合でここまでシーズンを通して作り上げてきた勢いを落としたくない」
ロビー・ディーンズ監督は、最後までベストメンバーで臨む理由をそう説明する。
一方、前節で東芝を圧倒したヤマハ発動機も「明らかにチームとして1ステージ上がった。パナソニックに対してもきっちり結果を出す」(清宮克幸監督)と自信を持って臨む一戦となる。
東芝戦で「60分間に関してはボールを持っている状態で危ないシーンはなかった」(同監督)というセットプレーを中心とするFW力とディフェンス力で8年ぶりのベスト4を勝ち取りたいところだろう。
実は、最終節の4つのカードはいずれもファーストステージで対戦した同士の再戦ばかり。しかも、以下のとおり、いずれもが僅差の勝負だった。
東芝 23-16 NTTコム(8月29日 東京・秩父宮)
神戸製鋼 17-14 キヤノン(10月19日 愛媛・ニンスタ)
サントリー 13-10 トヨタ自動車(8月30日 愛知・豊田ス)
パナソニック 14-9 ヤマハ発動機(9月6日 静岡・ヤマハ)
4チームが4強入りを賭けることになった最終節の再戦でも、再び最後の最後まで目の離せない死闘が繰り広げられることになりそうだ。
ヤマハ発動機FB五郎丸の通算1000得点達成なるか
トライ王争いはナドロ(NEC)vs 堀江(ヤマハ発動機)?
一方、上位4チームがワイルドカードトーナメント、5〜7位が入替戦、8位が自動降格となるグループBでも、確定しているのはリコーブラックラムズのワイルドカードトーナメント進出と、コカ・コーラレッドスパークスの入替戦行きのみ。
前節終了時点でのグループB各チームの順位と勝ち点、および最終節の対戦カードは以下のとおり。
1. リコーブラックラムズ(27)
2. 近鉄ライナーズ(25)
3. NECグリーンロケッツ(23)
4. NTTドコモレッドハリケーンズ(21)
5. クボタスピアーズ(20)
6. コカ・コーラレッドスパークス(14)
7. 宗像サニックスブルース(7)
8. 豊田自動織機シャトルズ(7)
豊田自動織機 - NEC(11:40 愛知・瑞穂)
宗像サニックス - NTTドコモ(11:40 福岡・レベスタ)
コカ・コーラ - リコー(14:00 福岡・レベスタ)
近鉄 - クボタ(12:00 大阪・近鉄花園)
グループA以上に、敗れれば厳しいポスト・レギュラーシーズンが待ち受けているグループBだけに、こちらも自分たちの存在意義を賭けた激しい試合ばかりとなりそうだ。
個人成績に目を移すと、ヤマハ発動機ジュビロFB五郎丸歩のトップリーグ通算1000得点まであと8。今季13試合ですでに136点を稼ぎ出している五郎丸だけに、最終節での大記録達成が濃厚だ。
その五郎丸(3位)、および2位のピータース・ダニエル(リコーFB=139得点)を抑えて得点ランキングで1位なのがパナソニックSOベリック・バーンズ。
一方、トライ王争いでは、NECのWTB/CTBネマニ・ナドロが11トライで2位グループのアダム・トムソン(キヤノンFL/NO8)、堀江恭佑(ヤマハ発動機NO8)の10トライを僅かに抑えて首位に立っている(トムソンは最終節を欠場予定)。
(text by Kenji Demura)