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三洋電機ワイルドナイツ 49-10 ヤマハ発動機ジュビロ
【week3/2010年9月18日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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トップリーグ第3節、ここまで開幕より2勝同士の三洋電機ワイルドナイツ(昨年リーグ戦1位)とヤマハ発動機ジュビロが秩父宮ラグビー場で対戦いたしました。
1~2節の三洋電機は失点が東芝戦(1節)での1T1Gのみ、一方のヤマハは相手ペナルティを11PGと確実に得点にしております。また過去トップリーグでの対戦成績は三洋が3勝に対しヤマハが4勝と勝ち越しております。
試合はヤマハFB五郎丸選手のキックオフで始まりました。開始早々よりヤマハは敵陣に攻め込むもののラックでボールを奪われ三洋の連続攻撃を止めることができず、前半4分に三洋は敵陣22m中央付近で相手ペナルティを誘いFB田邉選手がペナルティゴールを決めて先制(3-0)。
ヤマハは三洋に対して果敢に攻め込むが三洋の厚いディフェンスに阻まれ突破できずキックで攻め込むも効果的な成果が得られない。前半10分にも敵陣22m付近スクラムより右オープンに速い展開で廻し三洋のディフェンスの裏をグラバーキックで狙ったがボールは繋がらない。前半15分にセンター付近のラックでペナルティを誘いFB五郎丸選手が50mのペナルティゴールを狙うが失敗。前半21分に敵陣ゴール前10m中央付近での三洋ペナルティからのペナルティゴールを決め同点(3-3)としたが直後に自陣22m付近での反則によりペナルティゴールを決められ逆転(6-3)された。
攻める三洋は前半28分に22mよりHO堀江選手がゴール前まで持ち込みラックより出たボールをSOトニー・ブラウン選手が右サイドに飛び込みトライ(ゴール成功/13-3)、32分にも自陣22m付近ラックより左サイドに展開し狭いサイドよりCTB下村選手~HO堀江選手~WTB三宅選手へとボールを繋ぎトライ(ゴール成功)、その後もペナルティゴールにより得点を重ね前半を「23-3」と三洋ペースで折り返した。
後半開始早々よりヤマハは敵陣深く攻め込むも三洋の低いディフェンスに阻まれ突破できない。三洋は前半6分に敵陣22m付近ラックよりPR川俣選手からのパスをHO堀江選手が22m内側へ走りこみCTB大澤選手へと繋ぎトライ(ゴール成功)、続く11分にも敵陣5m付近でのラインアウトよりモールを押し込みラックへ出たボールをFL劉選手が飛び込みトライ(ゴール成功/37-3)し、その後も得点を重ねヤマハを突き放す。
後半32分ヤマハは自陣10m付近のラックでボールを奪い後半代わったジョシュア選手からのパスを受けたFB五郎丸選手が60m走り抜けトライ(ゴール成功/42-10)し意地を見せるが、三洋は直後の後半36分にもトライを奪い(ゴール成功)、終始試合ペースを掴んだ三洋電機ワイルドナイツが「49-10」と勝利した。
この試合マン・オブ・ザ・マッチは三洋電機(FL)劉 永男選手が獲得。
次節、三洋電機はNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと10月3日(埼玉/熊谷)に対戦し、ヤマハは10月2日(松本アルウィン/長野)にトヨタ自動車と対戦する。(佐藤克則)
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堀川監督(上)、串田キャプテン
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◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督 「まず、磐田からたくさんの従業員の皆様、ラグビーファンの皆様がいらっしゃって、80分間声援を送ってくださったことに感謝いたします。前半、20分くらいまではゲームプランどおりのヤマハのゲームができましたが、前半20分過ぎから後半はまったくできないゲームでした。我々の強みであるディフェンス、特に1対1のディフェンスで食い込まれて、外側、外側へ相手のバック3が良いランナーで、効果的にボールを動かされました。やはり、接点でもう少し1対1で倒せたらもっと良いゲームになったと思います。エリアについても、ハーフ団の相手BKへのキックが乱れて、プレッシャーを掛けられませんでした。トップリーグは長いので、三洋さんとのゲームを受けて、新たな色々な課題が見えましたから一点一点修正し、原点へ戻って戦っていきたいと思います」
──食い込まれたのは?
「タックルプレーヤーの姿勢が少し高かった、それに尽きると思います。内側でなくアウトサイドBKの問題で、三洋さんが広く真っ直ぐ走ってくるので、どうしても守ってしまうディフェンスになってしまいました」
○串田義和キャプテン 「まず、三洋さんと秩父宮で、開幕2連勝同士で戦うことができてとても嬉しく思います。残念ながら僕たちのラグビーができなかった、それに尽きます。そうさせないのが王者三洋さんの強さです。しっかり立て直していきたいと思います」
──自分たちのタックルが高かったのか?
「なかなかしっかり芯でヒットさせてもらえませんでした。ディフェンスが速いアタックに対応できず、後手後手になってしまったと感じます」
──前半20分過ぎからの攻防は?
「相手の見えない何かもあるとは思いますが、ディフェンスからちょっとずつペースがつかめなくなっていきました」
──三洋は接点が強いのか?
「強さもあるが、芯で入らせてもらえないのは、ウィークショルダーへアタックされたからだと感じています」
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飯島監督(上)、霜村キャプテン
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◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督 「ヤマハさんはディフェンスが良く、そこからキープしていこうとするラグビーをするので、特に最初から我慢していくプランで、そこからトライが獲れました。選手は良くやったと思います。トニー、入江がいなくなっても大澤、野口が期待通りの働きをしてくれました」
──野口選手の評価は?
「勝つために元気な良いメンバーを出すというのが私の考えです。良いメンバーがたくさんいて、コーチ達と話して決めています。野口は良いボールキャリアーで、イケメンで(笑)、真面目なので出しました。本人はプレッシャーもあったでしょうが良くやったと思います。タイプとしてインサイドセンターですね。野口、入江はどちらかというと強いタイプの選手です」
──大澤選手は?
「大澤も良かったのでバックスの選考は非常に難しいです。榎本も三木もいます。三輪も凄く良いので悩みます。誰か良い方法があったら教えてほしいです」
──トニーを下げたが?
「腿が痛いというので、とにかく無理をさせないということで代えました」
──良い状況だが、もし不安な点があるとすれば?
「出られない選手のモチベーションの維持が難しいです。よく話し合ってはいますが」
──良いトライはあったか?
「いくつか良いトライがありました。できたスペースにトライとか。自分で持って行ってディフェンスが広がれば持って行くし、寄ればパスという意思統一されたトライがありました」
○霜村誠一キャプテン 「お疲れ様です。ゲーム前から自分たちのパフォーマンスをしていこうと臨みました。今シーズンのヤマハさんはキックが多いので、それに付き合うと大変だと分かっていました。そうならないよう、声を掛け続けたので、トライが獲れて勝てたと思います。これからチームをつくって、さらに良いチームにしていきたいと思います」
──北川選手は霜村キャプテンがボールを回してくれないと言うが?
「北川だけでなく、山田、三宅さんたちも凄いです。本当はパスしたくないのですが(笑)、良いところに来てくれるので。ただ、それはFWが前に出てくれるからできることです。あいつ(北川選手)がトライを獲れるのは、うちとしては良い形なので、仕方なくパスしています(笑)」
──前半20分は拮抗したが?
「ペナルティをすると五郎丸選手のPGがあるので、声を掛け続けて反則しないようにしました。FWも凄く良く走ってくれました」
──ヤマハはタックルの芯を外されたと言うが?
「少しずつずらす練習はしています。Tボーンに当たらないように」
──ヤマハは2連勝だったが?
「前だったら、もうちょっとワイド系でしたが、今年はキックが多かったので、そこまで怖くはありませんでした。疲労度も少ないです。グラウンドを大きく使うイメージでしたが、大田尾選手もいないのでテンポがつかめなかった印象です」
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