ファーストステージ第7節 マッチサマリー(NEC 54-33 豊田自動織機)
ファーストステージ・第7節 プールA 心地よい秋晴れの中、最終戦を迎えたファーストステージ。プールA暫定6位のNECグリーンロケッツ(勝点9)VS暫定7位豊田自動織機シャトルズ(勝点9)の一戦はNDソフトスタジアム山形で行われた。試合前には、グラウンドで元気いっぱいの子ども達によるラグビー体験やタグラグビーのイベントが開催され、記念撮影も行われた。 前半は豊田自動織機シャトルズのキックオフでゲーム開始。 16分、敵陣22m付近右側からNEC10番田村優がゴール前左隅にキックパス。それをキャッチした11番ネマニ・ナドロからパスを受けた4番村田毅が左隅にこの試合初トライ(5-6)。見事なキックパスを見せた田村優がゴールキックを成功させ、逆転(7-6)。 逆転直後の26分、今度はNECが敵陣ゴール前のラックから8番フォラウ愛世が抜け出しそのまま中央にトライ(12-13)。10番田村優のゴールキックが成功しNECが逆転(14-13)。 ハーフタイムには地元山形ラガールによる山形名産品や各チームサイン入りジャージの抽選会が開催された。 後半はNECのキックオフでゲームが再開。9分にゲームが動く。NECは敵陣ゴール前のスクラムから10番田村優のロングパスを受けた14番釜池真道がゴール右隅に同点トライ(19-19)。田村優が逆転ゴールを決めた(21-19)。 しかしこの後、豊田自動織機の猛攻が始まる。25分、敵陣22m付近から13番ヴァカジョセフウィルソンが抜け出しゴール中央にトライ(33-24)。12番大西将太郎のキックも成功し、7点差まで詰め寄った(33-26)。 会場のボルテージも最高潮になる中、抜け出したのはNEC。32分、敵陣22m中央ラックから左に展開し11番ネマニ・ナドロが左隅にこの日3本目のトライ(38-33 TMO判定)。10番田村優のゴールキックも成功(40-33)。 ゲーム中盤、リズムをつかみかけた豊田自動織機だったが、ペナルティを抑え、敵陣で攻撃する時間が多くなったNECがゲームを優位に進め、ノーサイド間際に爆発力を発揮して勝利した。ゲーム後、手に汗握る攻防に、山形のラグビーファンからは惜しみない拍手が鳴り響いた。 ● 記者会見ダイジェスト ●
豊田自動織機シャトルズ 丹生雅也ヘッドコーチ 「勝ってセカンドステージに勢いをつけて臨みたかったですが、残念です」 梅田紘一キャプテン 「天気にも恵まれ、山形の素晴らしい環境の中でゲームができたことが嬉しいです。また、応援してくれた人たちにも感謝したいです。ゲームは、得点後のキックオフレシーブでのミスなどもあり、大味なゲームになり負けてしまい残念です」 ──後半33対33と追いついてから3トライ奪われてしまった要因は? 「前半はチームでコミュニケーションをとりながらプレーできていましたが、後半はそれができなかったと思います」 ──ナドロ選手への対策は? 「試合開始からキックパスを狙っていることは分かっていました。SHとバックスリーが連携し、うまく抑えられました。後半は相手のアタックがテンポアップしてきて、それに対応できず、最後にナドロにつなげられ点をとられてしまいました」 NECグリーンロケッツ 相澤輝雄総監督 「今シーズン1勝しかできておらず、山形でのファーストステージ最終戦で必ず勝利をしようと臨み、勝利でき嬉しく思います。また、瀧澤キャプテンとこのように初めて勝利インタビューを受けることができ、非常に嬉しいです」 瀧澤直キャプテン 「最高の天気と素晴らしい環境の中でラグビーができたことが嬉しいです。この試合への自分たちの臨み方としては、今回の結果がリーグ順位にどう関係があるかというよりも、とにかく勝つことで次のセカンドステージでの戦いにつなげたかったです。今の僕たちに足りないのは勝利という結果だけだったので、今回の結果が自信につながったと思います」 ──後半14点差をつけ、勝利が見えたが追いつかれてしまったが、その理由は? 瀧澤キャプテン 「後半の疲れていた時間に相手のキーマンに仕事をさせてしまったことに尽きます。しかし、これまでそういった流れから逆転され僅差で負けるという試合でしたが、今回は追いつかれてから突き放し、勝ち切れたこと、強く終われたことが収穫でした」 ──これまでの敗戦との違いは? 瀧澤キャプテン 「これまでの試合も前半から内容は良かったです。しかし、点差を縮められたり、逆転されたりすると浮き足立ってしまうところがありました。今回はチームでやるべきことを冷静に確認し、それを続けられたことで勝利につながったと思います」 ──後半始めのゴール正面でのペナルティを得た場面で、5点差という点差からキックという選択肢もあったと思うが、なぜスクラムを選択したのか? 瀧澤キャプテン 「難しい判断でしたが、選択の前提としてFWのセットプレーで上回れていたことがあります。また、トライゾーンまで近く、自分たちにはボールが出ればトライになるオプションがありました。ボールがクリーンに出てくる自信があったので、スクラムを選択し、積極的にトライを狙おうと思いました。 ──今シーズン2勝目。セカンドステージに向けて修正点を。 相澤総監督 「これまでの修正点を修正できたから、今回の勝利につながりました。セカンドステージに向けては、その精度を上げるだけです」 ──具体的には? 相澤総監督 「アタックに関しては、シーズン前半はFWの縦のプレーを前面に出すスタイルで戦っていましたが、そこでのミスがあり、ボールがキープできませんでした。それをこれまでやってきた、スペースを見つけて攻めるスタイルにしました。ディフェンスに関しては、みんな頑張ってはいたが、相手の強みのところでやられてしまっていました。そこを複数人でカバーすることができてきました」 ──手応えは? 相澤総監督 「1試合1試合を大切にしていきたいと思います。グループAの高いレベルで戦えるレベルを目指し、目先の勝利、さらにその先も見据えたチーム作りをしていきたいです」 |