セカンドステージ第7節 マッチサマリー(東芝 31-14 NTTコミュニケーションズ)

東芝ブレイブ
ルーパス
東芝ブレイブルーパス
31 合計 14
19 前半 0
12 後半 14
5 勝点 0
28 総勝点 2
NTTコミュニケーションズ
シャイニングアークス
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
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東芝ブレイブルーパス 31-14 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

セカンドステージ・第7節 グループA
2015年1月11日(日)11:40キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

東芝、FW戦でNTTコムに完勝、LIXIL CUP セミファイナル進出を決める

セカンドステージ第6節を終え、勝ち点23で3位につけている東芝は、この最終戦で勝たないとセミファイナル進出を確実にできない。両チームともケガ人が多く、必ずしもベストメンバーが組めない状況が続いているが、東芝はこの日、FBに今年、初のトップリーグ出場となる38歳のベテラン立川剛士を起用した。一方、NTTコムは前節、大善戦となったサントリー戦からスターティングメンバーで11人も入れ替えてきた。

東芝は前半、FW戦にこだわった戦いをしてきた。9分、東芝が敵陣でフェイズを重ねて攻撃を続けNTTコムの反則でゴール前でのPKを得ると、ショットは狙わずにスクラムを選択する。そのスクラムで、NTTコムのFWがコラプシングを2回、更にオフサイド、その後にもまたコラプシングの反則をとられ、その度に東芝はスクラムを選択する。スクラムが7回8回と繰り返され、NTTコムが4回目のコラプシングを犯すと、前半18分、大槻卓レフリーは東芝にペナルティトライを与えた(ゴール成功、7-0)。
さらにその直後にも東芝CTBフランソワ・ステインの大きなキックで敵陣ゴール前にすすみ、マイボールスクラムを得ると、東芝FWはスクラムをゴールラインへ向けプッシュ。スクラムトライかと思われたが、NTTコムの反則で、ボールをインゴールに押さえることができなかったため、再度、ペナルティトライが与えられた(ゴール成功)。東芝はFWのスクラム戦を圧倒して試合をスタートし、早くも14-0とリードした。

NTTコムもカウンターアタックで敵陣に入り得点チャンスとなる場面もあったが、マイボールラインアウトを東芝FWにスティールされるなど、FWがセットプレーで劣勢となりトライにはつながらない。東芝は34分にも、ゴール前でのラインアウトからのモールを押し、FLスティーブン・ベイツがゴールラインに飛び込みトライ。19-0としてハーフタイムとなった。

後半になっても、東芝のアタックは続いた。後半3分、FB立川剛士が中央突破で大きくゲインし敵陣に入ると、FWがよくフェイズを重ねて、CTBステインがトライを狙うショートパントをゴールライン付近に上げる。NTTコムはどうにかボールを確保してSOエルトン・ヤンチースのキックで逃れようとしたが、ノータッチ。このボールをキャッチした東芝はCTBステインが中央ゴール前へ。これによくフォローしたPR浅原拓真がゴールラインに迫り、ゴールライン直前のラックから梶川喬介がボールを押さえ、TMOの結果、チーム4つ目のトライが認められ(ゴール成功)、26-0と、試合を決めた。

東芝は25分にも、後半途中から入替投入されWTBに入ったクーパ・ブーナがスクラムサイドを突破、ゴール前に攻め込むと、FLタネラウ・ラティマーがNo.8リーチからのオフロードパスをもらいトライ。途中入替出場の2外国人選手がすぐに活躍して31-0とリードを広げた。

しかし、最後まであきらめずに走り続けたNTTコムフィフティーンは29分にゴール前に攻め込みラックからWTB友井川拓がラックサイドを飛び込みトライ。さらにノーサイドの直前に自陣からよくフェイズをつなぎ、ホーンが鳴った直後に一旦ターンオーバーされたが、東芝SH小川高廣がボールをタッチに出さずNTTコムが再びボールを獲得すると、敵陣ゴール前にアタック。最後にはSOヤンチースが中央に切れ込んでトライを決め、2トライを返してノーサイドとなった。(31-14)

特に前半は東芝のセットプレーでの強さが印象に残ったが、後半の最後の11分間にNTTコムに2トライ取られる「詰めの甘さ」も見せた。この日、他会場の結果により、東芝は次週25日(日)にパナソニックとLIXIL CUPセミファイナルを戦うこととなったが、それまでに修正すべき課題もはっきりさせた試合だった。
(正野雄一郎)



● 記者会見ダイジェスト ●

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ペニー ヘッドコーチ(右)、溝口キャプテン

ロブ・ペニー ヘッドコーチ

「東芝さんにおめでとうと申し上げます。トップクラスのタフなチームと試合できて良い経験になっています。ファイティングスピリットは出せたと思います。前半、最初にペナルティトライが2本あって、判断にはフラストレーションを感じましたが、スクラムでは東芝さんに圧倒されていたと思います。後半は14-12で勝つことができました。あきらめないで走った選手たちを評価したいと思います。このトップ8で得た経験を、2週間後に生かしたいと思います」

──セカンドステージではワイドに行こうとして失敗しているのでは?

「そうではないです。我々はスペースを探して持ちこんで行くラグビーを目指しています。確かにプレッシャーのかかる時間に正確性のある判断・スキルの発揮は難しいですが、そこをしっかりしていけばチャンスにスコアできます。どんどんアタックのスタイルを増やして、この2週間の間に作っていきたいと思います」

──発展途上ということか?

「そのとおり。アタックの違うスタイルをやっています。キックで裏に出たり、近場を攻めたり、エッジへ運んだりしようとしています。正確性については『首振り』をキーワードに判断をしようと練習しています。選手はよく頑張って取り組んでいるので、コミュニケーションに自信をもってスキルが上がってくれば、アタックの中で得点するチャンスが生まれるでしょう。今日はフィジカルで強度不足だったが、若い選手が多いので、期待したいと思います」

──友井川前キャプテンを外したのは?

「彼は毎ゲーム、スタメンだったので、タフな試合を重ねてきました。ここで一度休みを取ってもらい、フレッシュな状態に戻ってもらおうと判断しました」

──アマナキ選手の復帰は?

「11月に戻ってくれればよいと思っています。日本代表で、ワールドカップのスコッドに入れたらと思います。今は腰の脱臼骨折でリハビリ中です」

溝口裕哉キャプテン

「こんにちは。まず、セカンドステージで1勝もできていないし、東芝さんにしっかり勝って行こうと臨みました。東芝さんのセットプレーでプレッシャーを受けた結果勝てなかったが、セットプレー以外のディフェンスもアタックも通用したと思います。これらを磨いて、弱いところも磨いて、ワイルドカードでしっかり結果を出したいと思います。後半は勝てたのが収穫でした。今後の糧にして勝って行きたいと思います」

──良い試合が多く、接戦を落としたが、ワイルドカードでは?

「やること自体は変わらないと思います。セットプレーは、すぐに良くならないけれど、相手のスタイルに合わせて、今までやってないことをしっかりやっていくことだと思います。シーズン通して、良い経験をしていますが、もう少し自分たちのやりたいことが通じなかったところのスキルを上げていきたいと思います」


東芝ブレイブルーパス

東芝ブレイブルーパス
冨岡ヘッドコーチ(右)、リーチ ゲームキャプテン

冨岡鉄平ヘッドコーチ

「まず、マイケル中心に、今年もプレーオフ進出を自力で決めてくれたことを喜びたいと思います。けが人が出て、特にセカンドステージでは森田も怪我して、大島とマイケルでよく引っ張ってくれました。マイケル、脩平には感謝しています。まあ、次のプレーオフで東芝のアイデンティティをしっかりぶつけたいと思います。2週間で、しっかり戦えるよう、皆で同じものを見ていきたいと思います」

──ずっとプレーオフ進出し、東芝の伝統を感じるが?

「スタンダードです。12年間、一度も落ちることなく高いレベルを保っているのは、私たちだけでなく、会社も、チーム関係者もやってくれている中で、当然、常識、最低限のラインなんです。我々が、今やるべきことをやらねば来れないところですが、ここからなんです。私がキャプテンをしている時に、多くの一瞬一瞬の判断が良かったのですが、キャプテンを退いて、三洋戦で、僕の中途半端なしょうもないキックで、コリーにカウンター喰らって2点差で負けた試合がありました。あの精神状態を今でも悔やんでいます。まったく意味のないプレーでした。責任なんです。今日も選手の中には責任感のないプレーをして、東芝らしくない判断ミス、タックルミスがありました。これでは、正直、チャンピオンは獲れないと思っています。マイケル含め、獲れる力は持っています。責任を持った状態でピッチに立たせてやりたいと思います。僕はこんなこと言うのは恥ずかしいし、頑張ってくれた選手を貶めたくない。スタンダードを、もう2週間でマインドを変えさせて、その場に立たせてやりたいと思います」

──修正点は?

「1年大事にしてきたアタック、ディフェンスのストラテジーを最後までぶれずにやることです。この2週間で相手の強みを分析して、この状態なら勝てると、自信を持って選手をピッチに送り出したいと思います」

──今季、初めての出場だった立川選手と両ロックは?

「7週間連続してけが人が出て、もっと若く速い選手もいますが、剛士の今までの経験とプライド、わくわくしたプレーをしてくれるところを買って、負けたら終わりのこの試合に起用しました。まったく浮足立つことなく、期待どおりのプレーをしてくれました。100点のプレーです。ロック二人が勝因です。雨宮は良いし、梶川はFWのシンボルです。素晴らしかった」

──大野選手は?

「プレーオフに万全で出てきます。良い顔をしています」

リーチ マイケル ゲームキャプテン

「今日はありがとうございました。まず、プレーオフに行けて、本当に嬉しいです。今日の試合はFWの強みは出し切れましたが、BKの強みを出し切れなかったのが反省点です。もっとスマートに戦わないといけないと思います」

──最後にホーンが鳴っても試合を続けたのは?

「勝手なプレーです(苦笑)。本当は切るべきでした。もっとスマートにというのは、同じところにFW打ち込んでも全然前に出られないときは、BKでもっと楽に前へ出るよう変えなくてはということです。ゲームは悪くなかったと思いますが」








マン・オブ・ザ・マッチは東芝ブレイブルーパス3番、浅原拓真選手

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