トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第13節

4強最後の1枠をものにするのは7季ぶりのトヨタ自動車か2季ぶりの東芝か
降格回避確定はクボタ or NTTドコモ? 豊田自動織機と宗像サニックスは直接対決

text by Kenji Demura

8月18日に開幕し、途中ウィンドウマンスの中断等も挟みながら期間としては約4ヶ月にわたって熱い戦いを繰り広げてきたトップリーグは、いよいよクリスマスイブの24日、リーグ戦最終節を迎える。

今シーズンは年明けの1月6日および同13、14日に総合順位決定トーナメントが控えているが、優勝を争う1〜4位決定トーナメントにはサントリーサンゴリアス(レッドカンファレス1位)、パナソニック ワイルドナイツ(ホワイトカンファレンス1位)、ヤマハ発動機ジュビロ(ホワイトカンファレンス2位)の3チームの進出が確定。
最後の1枠を現在レッドカンファレンス2位のトヨタ自動車ヴェルブリッツと同3位の東芝ブレイブルーパスが争っている。

トヨタ自動車は地元で神戸製鋼を倒し、7季ぶりの4強入りを決められるか photo by Kenji Demura

トヨタ自動車は地元で神戸製鋼を倒し、7季ぶりの4強入りを決められるか
photo by Kenji Demura

最終節24日の両チームの試合予定は以下のとおり。当然ながら、今節最注目カードはこの2試合ということになるだろう。

トヨタ自動車 – 神戸製鋼(14:00 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場=名古屋)
サントリー – 東芝(13:00 東京・味の素スタジアム=調布)

12節終了時点での両チームの勝ち点差は4。そして得失点差の差は43。いずれもトヨタ自動車がリードしている。

トヨタ自動車は神戸製鋼コベルコスティーラーズに勝つか引き分ければ7年ぶりとなる4強入りが確定。
逆に、トヨタ自動車が神戸製鋼戦で勝ち点を挙げられなかった場合、東芝がサントリーに3トライ以上の差で勝って勝ち点5を獲得すれば、2年ぶりのトップ4となる。
また、前述のとおり、両チームの得失点差の違いは現在43あり、最終節の結果を経て総勝ち点で並んだ場合(※)も、トヨタ自動車が1〜4位決定トーナメントに進む可能性が高い。

(※)「トヨタ自動車がボーナスポイントの勝ち点1のみで東芝が勝ち点5」と
「トヨタ自動車が勝ち点0で東芝が勝ち点4」の2パターンが考えられる

ウィンドウマンス開けの第10節で神戸製鋼を抜いてレッドカンファレンス2位に浮上し、「自分たちの運命は自分たちで決められるポジションになった」(ジェイク・ホワイト監督)トヨタ自動車は、リーグ最終戦で地元に神戸製鋼を迎える大一番を制して自力での4強入りを決められるのか。
新人ながら主将に指名され、いまや日本代表でも欠かせない存在となったFL姫野和樹が「(日本代表で1ヶ月いなかったら)全くついていけなかったほど、チームはいい方向に変わっている。精神面の成長も大きい」と自信を見せる逞しさを地元ファンの前で披露して、4チームにしか権利が与えられないトップリーグ制覇戦線へ名乗りを上げたいところだ。

一方、他力に頼らざるを得ない面があるとはいえ、「強い相手であるサントリーから勝ち点5を取る」(瀬川智広監督)ことで4強入りに近づきたい東芝にとっても「ケガ人が戻ってきたし、全員がゲームプランを理解しだした。新しいDFシステムもどのように機能するのかわかってきた」(CTBリチャード・カフイ主将)と、チームの成長に手応えを感じながらの王者へのチャレンジとなる。
同じ場所での昨季の失態(0—48での惨敗)のリベンジという意味も持つ、因縁の“府中ダービー”でもある。

東芝は府中ダービーでサントリーから勝ち点5を奪い、トップ4への可能性を高めるような戦いができるか photo by Kenji Demura

東芝は府中ダービーでサントリーから勝ち点5を奪い、トップ4への可能性を高めるような戦いができるか
photo by Kenji Demura

磐田ではヤマハ発動機がパナソニックを迎える
秩父宮ではリコー – キヤノンの熱いダービー戦

一方、降格回避をめぐる争いも熾烈だ。

前述のとおり、今季はリーグ戦終了後に2節にわたる総合順位決定トーナメントが組まれていて、両カンファレンスの7、8位は同トーナメントでは13〜16位決定戦に回ることになる。
この13〜16位決定トーナメントで最下位となったチームが自動降格、残り3チームもトップチャレンジ勢との入替戦へ。
つまり、今節終了後、両カファレンス7、8位となったチームは来季降格の可能性を残したまま2018年を迎えなければいけないのだ。逆に言えば、カンファレンス6位以上が決まった時点で、来季のトップリーグ残留も確定する。

12節終了時点でカンファレンス6位以上を確定できていないのは、以下の計6チーム。

<レッド>
クボタスピアーズ(6位=勝ち点22、得失点差−102)
NTTドコモレッドハリケーンズ(7位=勝ち点22、得失点差−114)
近鉄ライナーズ(8位=勝ち点13、得失点差−168)

<ホワイト>
豊田自動織機シャトルズ(6位=勝ち点7、得失点差−116)
宗像サニックスブルース(7位=勝ち点7、得失点差−185)
コカ・コーラレッドスパークス(8位=勝ち点3、得失点差−337)

6チームのうち、レッドの近鉄、ホワイトのコカ・コーラに関してはカンファレス7位以下が確定(近鉄は8位確定)。

一方、くしくも両カンファレス共に現在6、7位のチームの総勝ち点は同じ。そして、その現在6、7位のいずれかのチームがそれぞれ降格の可能性を抱えながら年を越さないといけなくなるのだ。

両カンファレスで現在6、7位につける4チームのリーグ戦最終節の試合予定は以下のとおり。

NECグリーンロケッツ – NTTドコモ(11:30 東京・秩父宮ラグビー場)
クボタ – NTTコム(13:00 千葉・フクダ電子アリーナ)
宗像サニックス – 豊田自動織機(13:00 福岡・ミクニワールドスタジアム北九州)

レッドカンファレスで6位を争うクボタとNTTドコモの得失点差の違いは現在12。
特に、得失点差で劣勢のNTTドコモはインパクトプレーヤーも多いアタック力を生かして、大量得点での勝ち点5を狙いにいくような戦いをしてきそうだ。

そして、ホワイトカンファレンスの6位争いに関しては、なんと直接対決で決着がつくことになる。

「今季は一番最初の試合で勝った後、全部負けている。その悔しさを全部ぶつけて、必ず1点差でも勝ちたい」(宗像サニックスHO星本泰憲ゲームキャプテン)

今季の集大成を出し切って残留を確定させる試合となるだけに、熱戦となることは間違いないだろう。

静岡・ヤマハスタジアム(磐田)では、両チームともに順位が確定しているとはいえ、1位のパナソニックと2位のヤマハ発動機が直接対決(13:00)。
「残り3試合に向けて想定どおりになってきた。戦える状態になってきている」(ヤマハ発動機・清宮克幸監督)
決勝戦の前哨戦となる可能性のある試合でもあるだけに、現在の両チームの力関係、仕上がり具合をチェックするという意味でも見逃せない。

また、ライバル企業同士のダービー戦では、日本一熱いとも言われるリコーブラックラムズ – キヤノンイーグルスの一戦もホットなクリスマスイブ演出のために、ひと役買ってくれそうだ(14:00 東京・秩父宮ラグビー場)。

東京・秩父宮では熱いリコー対キヤノンの”事務機器ダービー”も行われる photo by Kenji Demura

東京・秩父宮では熱いリコー対キヤノンの”事務機器ダービー”も行われる
photo by Kenji Demura

■順位決定の方法
<リーグ戦>
【1】順位の決定は勝ち点制を採用する。
【2】各試合の勝ち点は、勝ち4点・引き分け2点・負け0点とする。
【3】また、ボーナス点として以下の勝ち点を与える。
(1) 負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加
(2) 勝敗に関係なく、3トライ差以上獲得したチームに、勝ち点1を追加
【4】全試合終了時点でカンファレンスごとに最も勝ち点の多いチームを1位とし、同様に2位から8位を決定する。
【5】全試合終了時点で勝ち点が同じ場合、次の各号の順序により順位を決定する。
(1) リーグ戦全試合の勝利数の多いチームから上位とする。
(2) リーグ戦全試合の得失点差の多いチームから上位とする。
(3) 当該チーム同士の試合で、勝ち点の多いチームを上位とする。
(4) 3チーム以上が当該チーム同士の試合でも同じ勝ち点の場合、当該チーム同士の試合で得失点差の多いチームから上位とする。
(5) リーグ戦全試合の総トライ数が多いチームを上位とする。但し、不戦勝などの理由で対象試合数が少ない場合はトライ数(1試合平均)を13試合に換算して比較する。
(6) リーグ戦全試合のトライ後のゴール数が多いチームを上位とする。
(7) 当該チームで抽選を実施

詳しくは下記、2017-2018大会要項をご参照ください。
http://www.top-league.jp/2017/05/08/jrtl2017-2018-format/

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