トップリーグ2021 第1節レポート(パナソニック 55-14 リコー)

ジャパンラグビー トップリーグ 2021 第1節 ホワイトカンファレンス
2021年2月20日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
パナソニック ワイルドナイツ 55-14 リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズ

左から、リコーブラックラムズのファリア選手、濱野 共同キャプテン、神鳥監督

左から、リコーブラックラムズのファリア選手、濱野 共同キャプテン、神鳥監督

神鳥裕之監督

「まずはこういったコロナ禍の環境下、試合開催にご尽力いただいた関係者の皆様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。我々としては自分たちの力を信じて開幕戦勝利を目指して準備をしてきましたが、こういった結果になってしまい、残念です。前半、フィジカルティで相手を苦しめるシチュエーションも結構ありましたが、また、ディシプリン(規律)の面で反則が重なり、相手をフリーに動かせる場面を作ってしまったのは反省です。しかし、まだ、今年度始まったばかりですので、気持ちを切り替えて、しっかりと次の試合に備えたいと思います」

──パナソニックのチームとしての印象は?

「パナソニックは、我々が映像で分析準備してきたことと変わらず、しっかりとディフェンスラインが乱れずに我々の得意としているフィジカルなアタックに対してもなかなか簡単にゲインラインを破らせてくれないというところは、今日もパナソニックは強かったと思います。我々はそこで我慢強く反則せずにフェイズを重ねてスペースを見つけていこうとしましたが、その前に我々が反則を犯してプレーを切らせてしまいました。前半最後にラインアウトでのチャンスがありましたが、セットプレーからのトライチャンスを逃してしまい、また、後半の自陣でのセットプレーの場面では逆にターンオーバーされトライを取られてしまいました。次の試合では、我々がやろうとしているアタックやディフェンスについては信じて同じように準備をし、セットプレーに関してはしっかり修正していきたいと思います」

──パナソニックにはRWC2019の代表メンバーも多くいましたが、特にその中で印象に残った選手はいましたか、またそのような中での印象に残ったプレーはありましたか?

「メンバー表を見てパナソニックには素晴らしいメンバーが揃っていることはわかっていました。前半であれば、WTB福岡選手のランプレーや、PR稲垣選手のセットプレーでの強さは、持っている強みを出しているという印象でした。後半からHO堀江選手が入ってきたことによりスクラムでも我々のスクラムが苦しめられました。こういったところはやはり日本代表選手の実力だという印象を持ちました」

濱野大輔 共同キャプテン CTB

「協会関係者の皆様、トップリーグを開幕できたことに本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。試合に関しては、まずフィジカルティで行こうと皆で話し合って臨みました。前半、キーガン(ファリア)のトライで先にスコアをしていいスタートがとれましたが、ディシプリン(規律)のところで自分たちのリズムを壊してしまい、パナソニックさんにチャンスを与えてしまい、自分たちのラグビーができませんでした。しかし、この試合で得たものもたくさんあると思いますので、次週のヤマハ戦に向けてしっかり準備をしていきたいと思います」

──パナソニックのチームとしての印象は?

「2つあります。一つ目は、パナソニックはブレイクダウンでプレッシャーを掛けてきて、ウチのそこへの寄りが遅くてジャッカルされてしまったり、反則を犯してしまったりというプレーがありました。そのため勢いをつけることができませんでした。また、スクラム、ラインアウトのセットプレーでもプレッシャーを掛けられターンオーバーからアタックされてしまい、僕たちの思うようなアタックができませんでした。次のヤマハ戦に向けては、ブレイクダウンでの自分たちのフィジカルティを磨き上げること、またセットプレーについても見つめ直してしっかり修正したいと思います」

──パナソニックのディフェンスの手強かったところ、また、具体的にやりづらさを感じたところは? またそのような選手については?

「ブレイクダウンではFL布巻選手、リザーブから入った福井翔太選手は結構ブレイクダウンでプレッシャーを掛けてきました。僕たちはそこのブレイクダウンで相手選手を剥がせずノット・リリース・ザ・ボールを取られることがありました。フェイズディフェンスでもパナソニックの選手はしっかりコネクトしていて、なかなか壁を壊すことができませんでした」

──新型コロナウィルスの感染防止対策が行われている中での試合でしたが、グラウンド・観客席でいつもと違うと感じたところはありましたか? 声を上げての応援ができないファンの方々の気持ちを感じたところはありましたか?

「グラウンドに立って、(コロナ禍の中で)ラグビーをできることを嬉しく感じました。また普段はファンの方々からは掛け声を出してくれていましたが、今日は最後の最後までハンズクラップで応援してくれたのが、グラウンド内の僕らに伝わってきました。ファンの皆さんの一生懸命な応援が僕らにも伝わってきて、僕らも最後までひたむきなプレーをしようと選手達に声を掛けていました。ファンの皆様にはシーズン通して泥臭い、ひたむきなプレーを感じていただき、少しでもエナジーや感動を与えられるようなラグビーを発信していきたいと思います」

──パナソニックにはRWC2019の代表メンバーも多くいましたが、特にその中で印象に残った選手はいましたか、またそのような中での印象に残ったプレーはありましたか?

「WTB福岡選手については、外側からプレッシャーを掛けてインターセプトを狙って、そこで取られてしまい、また、SO松田力也選手のゲームメーク力についても日本代表クラスの力を感じました」

キーガン・ファリア選手 WTB

「まずはこの開幕戦を開催していただき、関係者の皆様に感謝申し上げます。ここまでの時間がすごく長くてチーム全員がこの日を楽しみにしていました。今日はハードワークしましたが、結果はついてきませんでした。でも下を向かずにしっかり前を向いて進んでいきたいと思います。次の試合に向けて、今後のシーズンに向けて、しっかり準備していきたいと思います」

──パナソニックのチームとしての印象は?

「パナソニックの印象としては、まず、我々の武器としているフィジカルなアタックに対しても、なかなかディフェンスも乱れず、しっかり防ぎ切られたという印象が強いです。パナソニックは強いチームだとは予想していました。間のスペースを狙わなくてはいけないと考え、ところどころではそれができましたが、うまくいかないところもありました。今日の試合から学ぶべきところはたくさんあったので、次の試合にはこれを生かしたいと思います」

──パナソニックのディフェンスの手強かったところ、また、具体的にやりづらさを感じたところは? またそのような選手については?

「パナソニックはWTBが深い位置に立ち、また、詰めてくることはわかっていました。また、ウラにもスペースがあることもわかっていました。戻ったときのディフェンスも少し遅めだと感じていました。したがってどこをアタックすればいいかはわかっていましたが、それを実行できたところとできなかったところがありました」

パナソニック ワイルドナイツ

左から、パナソニック ワイルドナイツの松田選手、坂手キャプテン、ディーンズ監督

左から、パナソニック ワイルドナイツの松田選手、坂手キャプテン、ディーンズ監督

ロビー・ディーンズ監督

「今日、トップリーグの試合に戻って来られて大変嬉しく思います。選手達の表情を見てわかっていただけたと思いますが、選手1人1人が本当にトップリーグの試合ができることをエンジョイしていました。ピッチコンディションも素晴らしく、グラウンド整備の方々にもお礼を申し上げたいと思います。通常第1節の試合では少しボールが散らばったりしますが、練習から選手皆がこの試合に高い志をもって準備して、今日はシンプルかつ速いラグビーができました。今日の試合もお客様は楽しんでくれたと思います。次週も高い志を持っていられるようにしたいと思います」

──後半から入ったHO堀江選手のナイスラストパス、また、FL福井選手の度重なるナイスキャリーとベンチから入替で入った選手の活躍が印象的でしたが、彼等の使い方ではどういうことを求めていますか? また、今日はプレーの機会のなかった山沢選手は今シーズンどういうふうに使おうと考えていますか?

「今シーズンはベンチから出た選手にはインパクトのあるプレーを期待します。堀江選手は経験値が高いのでそのようなプレーに期待しています。福井選手のプレーは試合に大きなインパクトを与えてくれました。ラグビーは80分間を23人の選手でプレーします。山沢選手については、今日は万全の体調ではなかったこともあり交替出場はありませんでした。これからの試合も選手全員で戦っていきたいと思います」

──福岡選手が最後のシーズンなることについて、何か声を掛けましたか?

「福岡選手は毎試合100%の力を出してくれるので信頼しています。一緒にプレーしている選手達も誇りに思っていると思います。医学部受験の勉強をしながらラグビーのプレーを続けることは並大抵のことではありません。人間には限界がないことを証明してくれる素晴らしい選手だと思います」

坂手淳史キャプテン HO

「今日はファンの方々にスタジアムに入っていただいた状態で試合ができたことはすごく嬉しく、また、楽しかったです。今までの練習試合は無観客試合で行ってきましたので、今日は久しぶりにファンの方々の前でプレーすることができました。ゲームに関しては、スタートからパナソニックの強みを出していこうと臨みましたが、開幕戦の緊張のためか、ボールを落とすなど少しミスが続いたところがありました。しかし、そこで選手達の間でよくコミュニケーションは取れましたし、開幕戦で緊張する中でも1人1人が考えて修正することができたのは大きいと思います。特に後半入ってきたメンバーがゲームを落ち着かせてくれたので心強かったですし、チーム全体で戦っての勝利だと思います」

──プレシーズンマッチから毎試合、ディフェンスにフォーカスしてチーム作りをしていると感じますが、ディフェンスの部分で今日の試合での満足度は?

「今日は約1年ぶりの公式戦でした。公式戦とプレシーズンマッチとでは大きく違いますが、今日は練習してきたことが出せたというところでは満足しています。ただ、後ほどビデオで見直しますが、修正点はたくさん出てくると思います。コミュニケーションをしっかり取れば、パナソニックのディフェンスは脅威になると思い、次につなげていきたいと思います」

──ディフェンスのところで具体的によかったところ、また、どの選手のプレーで助かったかというところはありますか?

「前に出てのディフェンスができていたので、相手はアタックしながら下がっていく状況でした。そこが良かったと思います。一人でタックルにいかずにダブルタックルで相手を倒すということができていました。アウトサイドでのディフェンスは今後の修正点になると思います」

──福岡選手が最後のシーズンなることについて、何か声を掛けましたか?

「堅樹とは同期入社ですし、日本代表でも一緒で仲良くしています。クレバーに考え、コミュニケーションをよく考えている選手です。堅樹の最後のシーズンをいい形で終わらせたいと僕自身、思いますし、堅樹自身も思っていると思います」

松田力也選手 SO

「トップリーグが開催できるということに感謝してプレーしようと思っていました。グラウンドでの風を含めてチームとしてコントロールしていくことを考えてプレーしました。前半、風下の中で相手にチャンスを与えたシーンもありましたが自分たちにフォーカスして相手にプレッシャーを与えるようにコントロールできたところもありました。試合80分間を通してパナソニックが主導権を握ることができたことは良かったと思います。開幕戦でいいスタートを切れたので次戦に向けていい準備をしてチーム一丸となって次戦に臨みたいと思います」

──新型コロナウィルスの影響で観客数は制限され、観客の皆さんも声を出しての声援もできないという状況でしたが、グラウンドに立って、観客席からの思いを感じたところはありましたか?

「当初はコロナでの無観客試合もあり得るという考えで準備をしてきましたが、今日スタンドにファンの皆さんが大勢入っていただいているのをアップをしているときから見て、5,000人以下という観客数の縛りはありましたが、選手としてファンの皆様から見守っていただいているという気持ちになりました。ファンの皆様に観戦していただき僕たちも楽しくラグビーをプレーできたと思います」

──福岡堅樹選手は今シーズンが最後のプレーになりますが、あらためて、松田選手から見た福岡選手はどのような選手ですか? また、共に開幕戦を迎えるに当たりなにか福岡選手と話などしましたか?

「今シーズンは福岡選手にとって最後のシーズンになるのでパナソニックの選手達としても、皆、今年はトップリーグで優勝して福岡選手を送り出したいと思っています。福岡選手は毎試合、ワールドクラスのプレーをしてくれ、仲間としても心強く思います。毎試合、ケンキさんの良さを引き出すようにゲームメークしたいと思っています」

──前半途中までのアタックで、フラットなパスではラインを動かせないところがあったと思います。少し攻め急いだというところはありましたか?

「攻め急いだというより、全員の繋がりがなく、個人の判断でプレーしてしまいミスが起こってしまったと思います。もう一度コミュニケーションをとって皆で同じ絵を見てアタックしようとはしていました。開幕戦ということもありミスが出たところはあったと思います。選手の間でしっかり話もした結果、前半の後半くらいからはうまくできたかなと思います」

──前半33分のSH内田選手がトライしたシーンでは、どのような判断でしたか?
その前にフォワードの選手達が細かなパスでつないでゴール前に攻めていきましたが‥‥?

「敵陣ゴール前5mに入ってのプレーで、フォワードでのパワー勝負も織り込み、相手が徐々に寄ってきたのでバックスが外に運ぼうと思い、オプションを選択しました。相手が出てくるかと思い僕がキャリーしましたが、相手が流して来てスペースができたので内田選手に回してトライに繋がりました。フォワードが頑張ってくれたプレーのお陰で相手がつられて、いいトライが取れたと思います」

──今シーズン、サンウルブズも含めて長いプレシーズンとなりましたが、そのことによる効果などありましたか?

「パナソニックはシーズンに入る前に1ヶ月はとって準備してスタートに臨むことにしていますが、今年は長いプレシーズンのお陰で選手1人1人のキャラクターをより深く知ることができ、長い準備期間の中でコミュニケーションをよく取れていたと思います」

──今日はゴールキックを全部成功させました。

「準備期間も長かったので、満足のいくゴールキックを蹴られるように毎回毎回意識をしてしっかり練習できました。これに満足することなく常に上を目指してやっていきたいと思います」

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